2020-04-16

新型コロナウイルス は史上最強のウイルスであることが判明。これにより治療薬の開発は不可能である可能性が高まる

ヒトの遺伝子の半分がウィルス遺伝子でありかつ共生関係になっている。

それは、「ヒト(動植物共)の細胞は、適合するウィルスを積極的に感染と増殖を行って体内に取り込んでいった。古くはミトコンドリアから腸内のウイルス(最近のゲノム研究)」

又ウイルスは、感染してヒトの細胞内で生きるためには、「受容体」と「プロテアーゼ」のどちらも必要なのです。

受容体 → ウイルスが細胞に入るために必要なヒトの細胞表面にある酵素

プロテアーゼ → ウイルスが細胞内で増殖するために必要な酵素

ウイルスが自分の意志(?)だけで細胞に侵入することは不可能であり、「自分に合う受容体」と「増殖などに利用できるプロテアーゼ」が細胞内になければ、感染も増殖もできないのです。

今回は、

★[完璧なウイルス]新型コロナは「3種類の感染受容方法」を持ち、増殖するための酵素を「8種類利用できる」おそらく史上最強のウイルスであることが判明。これにより治療薬の開発は不可能である可能性が高まる

https://indeep.jp/the-most-perfect-virus-in-this-world/ より転載します

新型コロナウイルス SARS-Cov-2 の特徴

・多様な感染受容ルートを持つために感染性が極めて強い(少量のウイルスでも感染できる)

・細胞内の複数の酵素(プロテアーゼ)を利用して増殖できる

・つまり、ごく少量のウイルスでも死滅せずに発症する可能性がある(検査で陰性と出ても発症する可能性も)

・それなのに、発症率と症状は低く、誰が感染しているかわかりにくい

・致死率が低い(感染者が生きている限り、ウイルスは死滅しないので社会全体のウイルスの絶対量が増えていく)

・発症期間が極めて長い(ウイルスの外部への放出期間が長い)

一方

【新型コロナウイルス、「克服」までの道は既に見えている】新型コロナウイルスは全く未知のウイルスではない

(https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/03/09/06663/)との記事もあります。

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新型コロナウイルスが以下のような特徴を持っている

・感染性が高い

・致死率が低い

・感染しても発症しないか軽症

このように「普通に考えれば危険には思えない」性質を持つ新型コロナウイルスですが、この性質がそのまま「現代文明の脅威となる」ということのようなんです。

数々の国でこの新型ウイルスの分析が進められていますが、それらの研究の中で、

・新型コロナウイルスは複数の感染受容体(ウイルスが感染するために必要なもの)を持つ

・新型コロナウイルスは複数のプロテアーゼ(ウイルスが増殖するのに必要なもの)を持つ

ことがわかりはじめているのです。

新型コロナウイルスの場合は、ACE-2 という名称の細胞表面の受容体に「のみ」適合し、それと出会った場合に、ウイルスは細胞内に入ることができます。

【コロナウイルスと受容体ACE-2】

最近の研究でわかったことは、新型コロナウイルスが必要とする受容体は「ACE-2だけではない」ことがわかってきているのです。つまり、多彩な感染経路を持っているのです

さらには、感染だけではなく、「増殖」に関しても、新型ウイルスは特殊な性質を持っていることがわかってきました。

一般的には、

・特定の一種のウイルスには、特定の一種の受容体

・特定の一種のウイルスには、特定の一種のプロテアーゼ

が対応するものだと理解しています。

ここで、新型コロナウイルスは、

【受容体もプロテアーゼも多用に対応している】

ことがわかってきたのです。

「多様な感染ルートを持ち」

「多様な増殖の手段を持つ」

これが意味するところは、もちろん、ウイルスそのものの強靱性を示すものでもありますけれど、それと共に、

【治療薬やワクチンを作るのが非常に困難】

であることを示します。

以下は治療薬のコンセプトのひとつですが、

「ウイルスと受容体の結合を阻害する」ということを目的に作ろうとしている治療薬

この場合は、新型コロナウイルスが「 ACE-2」という受容体「にだけ結合する」ことが念頭にある概念ですが、しかし、仮に、

「複数の受容体に結合できて感染するウイルスだとどうなるか」

とか、あるいは、

「細胞表面全体に結合できる能力を持つようなウイルスならどうなるか」

となりますと、このような「受容体との結合を阻害して感染を防ぐ」タイプの予防薬は「事実上作ることができない」ことになります。結合を阻害する目標の受容体を絞ることができなくなるからです。

・ 薬の開発にはもうひとつの方向があります。

いわゆる「抗ウイルス薬」と呼ばれるものと同じようなもので、ウイルスが細胞内で増殖するために必要なプロテアーゼというものを阻害するという方向です。

これができれば、「ウイルスが細胞内で増殖することを防ぐ」ことができることになり、治療薬となり得ます。

しかし仮に、「複数のプロテアーゼを利用できるウイルス」というようなものが存在したならどうなるでしょうか。これもやはり対象となるプロテアーゼを絞ることができないために、治療薬の開発は事実上不可能となると思われます。

そして、新型コロナウイルスはどちらの条件も満たしているウイルスであることがわかったのです。

「複数の受容体に感染する」ということについては、以下の記事ですでにふれています。

インドの科学者たちが発表した「新型コロナウイルスの中に存在するHIV要素」を中国やフランスの科学者たちも発見。それにより、このウイルスは「SARSの最大1000倍の感染力を持つ可能性がある」と発表

これは、香港のサウスチャイナ・モーニング・ポストの記事をご紹介したものですが、そこに以下のようにあります。

(新型コロナウイルスは)スパイクタンパク質を切断して活性化し、ウイルス膜と細胞膜の「直接結合」を引き起こす。これによりウイルスに感染する。

中国・南海大学によるこの研究が正しければ、新型コロナウイルスは、受容体などとの結合という面倒な手間を飛び越して、

「ウイルス膜と細胞膜の《直接の結合》を引き起こす」

性質を持っている可能性が高いのです。

このウイルスのきわめて高い感染性の理由のひとつはこれだと思います。

そして、ウイルスを活性化させ増殖させるために必要な細胞内のプロテアーゼに関して、通常は「ひとつの種類のウイルスは、ひとつのプロテアーゼを利用する」というように思われるのですが、

「新型コロナウイルスは少なくとも 8種類のプロテアーゼを利用して増殖できる」

ようなのです。

本当に考えられないほど「完璧」なウイルスなのです。

要するに、

「新型コロナウイルスは、通常のウイルスとは比較にならない強力な感染性能と、細胞内での維持性能を持っている」

ということになります。

阻害薬や、抗ウイルス薬の多くが、その個別のウイルスに対応する「受容体」と「プロテアーゼ」が特定の1つだとして開発されると思われます。

しかし、新型コロナウイルスは、「それを複数持っている」ということで、これはおそらくとしか言いようがないですが、

「治療薬は開発できない」

という可能性が高くなってきたと思われます。

・・・・・改めてものすごいウイルスだと感じます。

感染して発症すると、1ヵ月ほども長引くのは、この「細胞内の複数のプロテアーゼを利用できる」ために、ほんの少量のウイルスが残っているだけの状態で(普通なら症状が消えるようなウイルス量でも)発症が続くということなのかもしれません。

あるいは、中国でも日本でも起きている、「退院したのに、再び発症した」というのも、「陰性判定が出たのに、後に陽性となった」という理由もこの「複数のプロテアーゼを利用できる性質」によるものだと思われます。

クルーズ船の60代乗客が感染 陽性→2度の陰性→陽性

朝日新聞デジタル 2020/03/07

秋田県で6日、大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」から下船した秋田市在住の60代の男性が新型コロナウイルスに感染していたことが確認された。

男性は船内の検査で陽性となり入院したが、その後2回の検査で陰性となり退院。その後の検査で再び陽性と判明した。

おそらくは、「検査では検出されなないほど体内のウイルス量が減少して、検査では陰性と出た」けれど、「ほんのわずかに残っていたウイルスが細胞内の複数の酵素を利用して、また増殖を始めた」ということだと思いますが、このあたりは私は素人ですので、推測にすぎません。

しかし、この推測が正しいのならば、今後ずいぶん長期間にわたり、私たちの社会は、非常に「面倒な時代」を過ごすことになってしまうのかもしれません。致死率が低いことにより、病気の拡大がそう簡単に終息することもなさそうで、「ウイルス自体の変異による消失」を待つしかなくなりそうです。しかし、それがいつになるのか。

いずれにしても、日を重ねるにつれて、このウイルスが「史上最強のウイルス」であることが、さらにわかり続けています。

薬剤・ワクチン開発的な対抗策がかなり厳しいものになってきているかもしれない現状です。

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List    投稿者 seibutusi | 2020-04-16 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-04-11

「ウイルスと共に生きる」~単なる病原体でないウイルスの本質と可能性~

人間と共生する生き物? 可能性未知数のウイルスの正体 http://www.seibutsushi.net/blog/2020/02/5351.html
で見たように、ヒトゲノム(人間の遺伝情報)の45%が「ウイルス」や「ウイルスのようなもの」で構成されている といいます。

ウイルス感染が頻りに報道されている今こそ、単なる病原体でないウイルスの本質と可能性を追求する ことが必要ではないでしょうか

予防衛生協> 生命科学の雑記帳> 12.「ウイルスと共に生きる」  より。

「 ウイルスと共に生きる」

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(19)ウイルスは生物か無生物か といった議論が古くからおこなわれてきました。この議論が始まる大きなきっかけになったのは、1935年、スタンレーがタバコモザイクウイルス蛋白の結晶化に成功し、これが感染性を持っていたことから、ウイルスは自己増殖する蛋白であるという説を提唱したことでした。しかし、彼は結晶化したサンプルにウイルスRNAが含まれていたことには気がつきませんでした。

ウイルスが生物か無生物かといった議論は、生物の定義はなにかという問題につながります。新しい科学知見が蓄積してきている現在、生物の定義の議論は容易ではないと思います。私は、この表にまとめたように、ウイルスは細胞を持たない生命体という視点 でとらえるのが、ウイルスの存在意義を知る上で重要と考えています。

(20)これまでの話は動物ウイルスを主体にしたものでしたが、ウイルスに関する大きなブラックボックスは海に存在するウイルスです。海洋生物には陸地を上回る膨大な量のウイルスが存在していることが1980年代終わり頃から指摘されるようになりました。メキシコ湾では、藍藻の群落の上の海水には、1 mlあたり10億個ものウイルスが含まれていることが報告されています。藍藻 は細菌の一種なので、これは細菌ウイルスと考えられます。海には植物プランクトンも多く存在していて、これには植物ウイルスが寄生しています。

最近、世界の海に含まれるウイルスについて興味ある試算が発表されました。それによると、 1 mlの海水中のウイルス量を深海では100万個、沿岸では1億個と仮定した場合、海のウイルスの総量は、ウイルスに含まれる炭素の量では2億トンとなり、これはシロナガスクジラ7500万頭に相当します。ウイルスの長さを100 nmと仮定すると海のウイルスを全部つなげた場合、銀河系に到達する1000万光年にもなるという結果です。

我々は陸地だけでなく海水も含めて、膨大な数のウイルスに囲まれて生きている ということになります。ウイルスの生態、ウイルスの存在意義について、病気の面だけでなく、ウイルスを単なる物質ではなく生命体という視点からもっと理解を深めることが必要ではないでしょうか。

(21)最後に生命体としてのウイルスの役割を考えてみたいと思います。 ウイルスの起源については、いろいろな議論がありますが、そのひとつに、ウイルスは地球上に現れた最初の生命体という見解 があります。46億年前に地球が誕生し、最初に生命の情報を持ったRNAが出現しました。この時代はRNAワールドと呼ばれていますが、これが5億年くらい続いたのちにDNAが出現しました。遺伝情報としてRNAを持つものはウイルスだけです。そこで、ウイルスはRNAワールドの遺物であって、それからDNAが生まれ、さらに原核生物である細菌、ついで真核生物の植物、動物が生まれた という見解です。これが正しければ、すべての生物の最初の祖先はウイルスということになります。もちろん、この見解には反論もあります。

次に、ウイルスは進化の原動力になってきた という見解です。ウイルスは遺伝子をほかの生物に運ぶ能力を持っています。遺伝子治療はその性質を利用したものです。進化の過程を見ると、単なる変異では説明できない大きな変化が時折、起きています。これはウイルスが新しい遺伝子を運び込んだことによる と考えるのが妥当です。人の妊娠維持に役立っている側面は、先ほどお話しした内在性レトロウイルスで見いだされています。

さらに大きな視点では、ウイルスは地球環境での生態系の調節にかかわっている という側面が指摘されはじめています。そのひとつに、海水中で植物プランクトンが植物ウイルスにより溶解されることが温室効果ガスの放出の引き金になっている可能性があげられています。海は有機性炭酸ガスの最大の貯蔵庫になっていますが、このガスの蓄積の原因のひとつとして、植物ウイルスによる植物プランクトンの溶解が考えられています。広島湾では赤潮が収まる時にウイルス粒子の数が増加することが見いだされており、植物ウイルスが赤潮の植物プランクトンを溶解しているものと推測されています。

私たちは ウイルスと共に生きている ということを改めて認識する必要があると思います。

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(以上)

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List    投稿者 seibutusi | 2020-04-11 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-04-09

パンデミック新時代 :人類の進化とウィルスの謎に迫る

近年の感染病(新型コロナ・SARS・ペスト・スペイン風邪)は風土病が拡散した結果と言われており、人類の進化とウイルスは密接な関係が有る事が解かって来た。前回の記事「ウイルスと共に人類は進化してきた。」参照願います。

以下に『パンデミック新時代 :人類の進化とウィルスの謎に迫る』 ネイサン・ウルフ著を紹介した記事を紹介します

類人猿は生物多様性の高い森に住んでいたが、ヒトの祖先は森からサバンナに進出した。ここで遺伝子のボトルネックがおこり、遺伝的多様性が減少するとともに、身体に寄生あるいは共生するウィルスの種類も減少した。そしてそれに対する抵抗性も減少するか喪失した。

森を脱出したホモサピエンスはまた森に侵入しはじめた。森林伐採や鉱物資源開発と野生生物取引の拡大のためである 発展途上国では人口爆発により、多くの労働者が森林地帯に入り込み食料になる野生動物の量が増えた。

森で鳴りを潜めていた諸々の微生物が、動物由来の感染症の拡大リスクが増えた

幸いに、日本では、大陸諸国と違い、動物食は少なくタンパク源として魚介類を採っていたので<森ー野生動物ー感染症>の影響はすくないのでは。

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京都楽蜂庵日記 https://blog.goo.ne.jp/apisceran

『パンデミック新時代 :人類の進化とウィルスの謎に迫る』 ネイサン・ウルフ著

ウルフによると人間の感染症の約70%が動物に由来するという。それも霊長類やコウモリ、げっ歯類をはじめとるするほ乳動物からきている。新型コロナウィルス(COVID-19)はセンザンコウが、SARSはハクビシン由来のウィルスによる感染ではないかと言われている。

雑食は霊長類の中でヒトの特性かと思われていた。しかし伊谷純一郎先生(1926-2001)らの研究によって、そうではない事があきらかにされた。たとえば、チンパンジーは、いかもの食いで300種の植物、23種の昆虫を食べるそうだ。さらに彼らの縄張りに棲んでいる様々なサル類、カモシカやイノシシ、イタチなども手当たりしだいに食べる。

ウルフらも、チンパンジーとヒトの共通祖先は森で集団で狩りをして他の霊長類を食べていたと述べている。

これ以来、ヒトの祖先は血まみれの獲物から様々なウィルスの感染を受けるようになった(ライオンやオオカミのような肉食動物は、こういったリスクの少ない獲物の処理法をしているのだろう)。食物連鎖の頂点にいる肉食性の大型動物ではウィルスの「生態濃縮」がおこる。ウィルスー微生物ー小型動物のすべての食物連鎖のウィルスが体内に入って寄生する可能性がある。

類人猿は生物多様性の高い森に住んでいたが、ヒトの祖先は森からサバンナに進出した。ここで遺伝子のボトルネックがおこり、遺伝的多様性が減少するとともに、身体に寄生あるいは共生するウィルスの種類も減少した。そしてそれに対する抵抗性も減少するか喪失した。

森から出た人類の祖先は、火をおこす技術を発明し、料理を始めた。これによって細菌による食中毒がなくなった。火のおかげで、利用できる食物のレパトリーが格段に増え保存が効くようになった。この革命的なイノベーションによって、人類の人口は急速に増えた。約1万年前から5000年前に人類は狩猟採集時代から牧畜農耕時代に入り、一部は都市に住み始めた。

じめじめした森から「清潔」な環境に移った人類に、病原微生物の脅威がなくなったかというとそうでもなかった。熱帯地方では蚊を媒介とするマラリアが毎年、約200万人もの生命を奪っている。ヒトの唯一の遺伝的な対抗法は、鎌形赤血球遺伝子といった半端な工夫でしかなかった。森→サバンナ→乾燥地帯へと進出した人類を後もどりさせないバリアーがマラリアである。マラリアを媒介する蚊は森林に限定させずに、水たまりのあるところならどこでも生息できる。

アラスカのような極寒の地まで版図を広げて住まいを拡大した白人が、結局熱帯に大量に住み着けなかったのはこれが原因である。

おそらく、森に住んでいた人類の共通祖先は現在のチンパンジー同様に、マラリア寄生虫に対する抵抗性を身体に持っていたのだろう。しかし、先程述べたボトルネックの際にこれを失ったか、あるいは人類拡散の過程でこの抵抗力をなくした。

それでも、病原微生物のキャリアーである他の動物に接触しなければ問題ない。

ところが人間は大量の家畜を身の周りにおく生活をはじめた。家畜は飼いならされる前から、それぞれ微生物レパートリーを持っていたので人間と最初に接触した時期から、お互いにそれらを交換しはじめた。さらに野外動物が飼育動物にウィルスなどを感染させ、それがさらに人に感染する。

トリインフルエンザの場合は鶏舎のニワトリが感染してさらに人に感染する。ウシは天然痘の、ニワトリやブタはインフルエンザの、ラクダはMERSのウィルスをヒトに媒介した。家畜だけでなくペット動物も人間との濃厚接触で病原微生物を感染させている。

栽培植物も野外動物からの微生物感染の手助けをした。例えば、農家の近くでマンゴーを栽培すると、これにニパウィルスの保菌者であるコウモリがやって来て糞をする。それをブタが食べて発病し、さらに人にウィルスをうつす。ニパウィルス症は主として脳炎を発症させる死亡率50%の恐ろしい伝染病である。

病原微生物に対する抵抗性が弱くなった人の集団に、なにかのはずみで感染症が広がったとする。その集団が小さいと、たちまち罹る人は罹り死ぬ人は死んで、エピデミックは終わる。エピデミックで滅んだ無数の村や部落、小さな町の記録は残らない。それをたちまちカバーするほど、ヒトの繁殖力も大きかったのだろう。

病原微生物もほかの動物に移り住むのでなければここで滅びる。その集落は多大な損害を被ることになるが、その微生物に比較的強い体質(遺伝子)の子孫が残る。形態の変化こそないが一種の進化がおこる。

これはまだ交通の発達する前の時代の話であるが、鉄道、道路、飛行機、船など交通手段によって地球は狭くなった。そこでは、人も病原菌も大陸や海洋を瞬時で渡り歩くことができる。ウィルスにとって小さな部落の人口を相手にしているのではなく、数億から今では70数億もの巨大な数の被感染プールが出現したのである。ウィルスにとっては申し分のない資源だ。

ここから人類の歴史はパンデミックとの戦いの歴史となった。人類がいままでにおこした戦争での死者よりも、パンデミックの犠牲者の数の方がづつと多い。

森を脱出したホモサピエンスはまた森に侵入しはじめた。森林伐採や鉱物資源開発と野生生物取引の拡大のためである(2020/04/07京都新聞夕刊4面参照)。発展途上国では人口爆発により、多くの労働者が森林地帯に入り込み食料になる野生動物の量が増えた。これらには絶滅危惧の問題になっているキツネザルなどが含まれる。

森で鳴りを潜めていた諸々の微生物が、再びヒトと向き合うようになった。生物多様性の危機だけでなく、動物由来の感染症の拡大リスクが増えた。その結果、世界にひろまったのがHIV(チンパンジーのSIV起源)でありエボラウィルス(コウモリ起源)である。COVID-19の原因ウィルスSARS-Co-2も武漢の海鮮市場付近が発生場所とする説が多い。コウモリーセンザンコウーヒトという感染経路の可能性が論じられている。

いまや、東南アジア、アマゾン川流域、中央アフリカなどのウイルスのホットスポットがエピデミックやパンデミックの感染起源になっている。

人獣共通感染症の微生物は動物から人に感染するだけでなく人から動物にも乗り移る。人に集団免疫が形成されると、ウィルスは自分が絶滅するので、他の種類の宿主を探しているのである。新聞報道(京都新聞2020/04/07朝刊8面「NYのトラも」)によると米ニューヨーク市のブロンクス動物園で飼育されているマレートラやライオンが新型コロナウィルスに感染している事がわかった。せきの症状があり(多分肺炎になっているのだろう)、食欲も減退している。飼育員からトラに感染したとされている。

日本における<森ー野生動物ー感染症>といった文脈での研究は少ない。多分、日本では大陸諸国と違い、動物食は少なくタンパク源として魚介類を取っていたからだ。

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List    投稿者 seibutusi | 2020-04-09 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-04-04

口という器官の不思議な進化 ~ 口の起源、「顔」の始まり ~

人類の音声言語と発声器官の進化 http://www.seibutsushi.net/blog/2020/03/5414.html

人類の聴覚はどう進化したのか? http://www.seibutsushi.net/blog/2020/03/5427.html
 

人類の音声言語の進化(発声器官と聴覚機能の進化)に続き、今回は、声を発する「口」という器官の進化について見ていきます。

 

そもそも、生物の「口」、さらには「顔」は、どのように発生して、進化してきたのか?

とりわけ、音声言語(会話)を進化させた人類の「口」は、とのように進化したのか?

 

集団給食協会HP http://cfs.or.jp/food_education2/vol05.html より。

口という器官の不思議な進化

「食べる」ことで、人は生き続けることができます。食べなければ、私たちの身体を構成する材料が得られない、身体がなくなってしまうのです。その入り口となる器官を、「口(クチ)」と呼びます。すべての生物に口があるかというと、実はそうとも言えません。例えば、植物は光合成によってエネルギーを生みだし、キノコなどの菌類は菌糸という細胞によって他の生物の遺骸を分解して「食べて」います。

とはいえ、私たちにとって「口」がかけがえのない「食べる」ための器官であること は間違いありません。馬場悠男さんは、次のように定義しています

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 陸上動物の祖先がまだ海中で暮らしていた時代、おそらく5億年以上前のあるとき、海中を一定方向に動く動物の前端に孔(アナ)が開き、そこから栄養物を体内に取り込むようになった。あるいは、栄養物を体内に取り込む孔を常に前にして、海中を一定方向に動く動物が現れたということかもしれません。この前端に開いた孔こそが、のちに「口」と名づけられることになる器官にほかなりません 
(馬場悠男、「顔」ってなんだろう?、NHK出版社、2009年)

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これは口の起源であるとともに、「顔」の始まり でもあります。馬場さんは、口を中心として「一定方向にある程度の速さで動く動物にのみ<顔>ができる」と指摘します。口ができると、 ①より早く、より確実に食物を取り込む、②生存していくために外敵や障害物をいち早く察知しようとして、口の周辺に目・鼻・耳等の感覚器官が集中するようになり、「体の前端・口・感覚器官という三点セットが揃ったとき、『顔』というものが形成された」と述べています。

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 間を含む大部分の脊椎動物や昆虫の体は左右対称にできているので、前と後ろ、左と右の概念が生まれ…そのため、方向も一定にできるし、前端も決まる。 (馬場悠男、前出、2009年)

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ウニやヒトデのような動物には、口はありますが顔がありません。それは、ウニやヒトデには先端も方向もないからなのですが、顔があるからといって私たちがイメージする口と同じであるとは限りません。無顎類と呼ばれるヤツメウナギには、口も前端も感覚器官の集中もあるので、顔が存在します。その口には顎(アゴ)がないため、ただの孔が先端に開いているだけで、閉じることはもちろん嚙み砕くこともできません。 顎のないヤツメウナギには口のすぐ後ろ、頭の後方に8つもの鰓(エラ)が並んでいます。いうまでもなく、ヤツメウナギの「目」と思われていたものは水の中で呼吸するための「鰓」でした。

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 い魚たちが顎を作る材料に選んだのは、なんとこの鰓の一部だと考えられている
(遠藤秀紀、人体 失敗の進化史、光文社新書、2006年)

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遠藤秀紀さんによると、この鰓の構造がいかに下顎に適した位置と形になっているのかは、食卓に上がった焼かれたサンマの姿をよく観察するとわかるらしい。サンマは口から取り入れた水を鰓に通すことで酸素を吸収するため、鰓は血管をたくさん通した柔らかい組織となっています。その柔らかい組織を支える骨格を鰓弓(サイキュウ)と呼び、目の少し後方で少し下(腹)側にあります。鰓弓は下顎のすぐ後方の位置にあり、しかもかなり似た形をしています。

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 ここで、脊椎動物に頭が無かった時代を思い浮かべてみよう。口の孔は開いているが、そこに開閉する顎構造は存在しない。口の周囲を見れば、そこには顎よりもはるか昔から存在する鰓弓(鰓)が陣取っている。鰓弓は効率よく水から酸素を得られるように、左右に何枚も同じ構造を作り上げている。もしこの鰓弓の前方部分、つまり口に近い部分に蝶番が生じて、しかも筋肉で意のままに開閉できるようになったとしたら…まずはその動物は、口の孔の周囲に、開け閉めできる扉を持つことになるのではないか。観音開きを左右ならぬ上下にしたような便利な扉が口の上下に備わることになる。顎構造の上半分は、もともとあった頭の骨と一体になり、上顎が出来上がる。専門用語では、口蓋方形骨(コウガイホウケイコツ)などと呼ばれる、頭の一部となっている構造だ。一方、下半分は、鰓弓のパーツを使いながら、下顎へと発展していけばよい。 (遠藤秀紀、前掲書、2006年)

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なんと開きっぱなしだったヤツメウナギの口は、鰓の蝶番を転用することでパクパク開け閉めできる魚や私たちのような口になった と考えられているのです。確かに、ただ開いているだけの孔では、せっかく口に入ったエサも簡単に逃げてしまうことができますし、逃げられないためには掃除機のように強力に吸い続けるか、必死に前進してエサを消化管まで送り込まなければならないですね。口に蝶番が付きさえすれば、エサに逃げられることもなく、じっくり消化管まで送り込むことができます。

ところが、せっかく手に入れた蝶番付きの口を手放さなければならない危機を迎えます。海から陸上に私たちのご先祖様が進出する時に、大きな問題に直面するのです。同じ哺乳類の仲間であるイルカやクジラの耳には耳輪(ジリン)や耳垂(ジスイ/耳たぶ)などによって構成される耳介(ジカイ)または耳殻(ジカク)と呼ばれる部分が見当たりません。魚にも耳介がないのですが、イルカやクジラはおそらくもともとあったものが退化してしまったのかもしれません。なぜ退化したかというと、耳介の大切な役割である集音機能が水中ではあまり必要ないからなのです。プールに耳栓をせずに水中に潜ると、周りの音がすごくよく聞こえるという経験をしたことはないでしょうか。水の中は空気中に比べて音の伝導率が高いのです。

つまり、海から陸上に進出した私たちのご先祖様は、鰓呼吸から肺呼吸へという呼吸方法の転換とともに、「音が聞こえない!」、音をなんらかの方法で増幅することを求められた のです。その結果として、最初は爬虫類のように地面近くに頭を配置し、大地の振動を顎の骨(骨伝導)で拾っていたようですが、次第に頭の位置を高くした哺乳類には、その手が使えません。そこで思い切って、せっかく魚時代に手に入れた顎の蝶番を耳の奥にしまいこんで、耳小骨という音の増幅装置に転用してしまいました。いまさら顎なしの口というわけにもいかないので、再び「上顎は方形骨ならぬ鱗状骨(リンジョウコツ)、下顎は間接骨ならぬ歯骨(シコツ)」(遠藤)で顎の蝶番を確保したと考えられています。約3億7000万年前に舌顎骨(ゼツカツコツ)をアブミ骨に、約2億年前に方形骨をキヌタ骨、さらに鱗状骨を上顎、歯骨を下顎に変化させて、私たち哺乳類の顎ができあがった ようです。

 

(以上)

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List    投稿者 seibutusi | 2020-04-04 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-04-02

人間と共生する生き物?可能性未知数のウイルスの正体

今、世界中で、コロナウイルスが流行しており、ウイルスは悪の根源の様に言われている。

しかし「ウイルス=病原体とは限らない」又ウイルスは、人間などの細胞を構成している一つのパーツのような存在で、われわれの根本であるヒトゲノム(人間の遺伝情報)の45%が、「ウイルス」や「ウイルスのようなもの」で構成されている事が解かった。

「人類は、ウイルスと共に人類は進化してきた。」

以下の記事を転載します。

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人間と共生する生き物?可能性未知数のウイルスの正体

https://emira-t.jp/special/7814/

ウイルス=病原体とは限らない

「ウイルスとは、バクテリア(細菌)、菌類、微細藻類、原生動物などとともに、よく“微生物の一種”と思われています。中でもウイルスは、一般的に病原体、つまり“悪いもの”というイメージです。

(中略)

「病原体」とされる微生物には他にバクテリアや真菌(カビや酵母の総称)などもあり、必ずしもウイルスだけが“悪者”というわけではないという。その理由を知るためには、まずはそもそもウイルスとは何者なのかを理解する必要がある。

「よく大学の新入生に、大雑把なイメージをつかんでもらうために、真菌はわれわれと同じ多細胞生物、バクテリアはその体の一つの細胞が飛び出して独立して生きているもの、そしてウイルスは、その細胞の中の遺伝子が細胞から飛び出て“独立”したようなもの、と説明しています。

もちろん遺伝子だけだと何もできませんから、細胞の中に入ることで初めて活動できるのがウイルスなんですよ。学術的には『ヌクレオキャプシド(nucleocapsid)』と呼ばれていて、遺伝子である核酸(DNAやRNAの総称)をキャプシドと呼ばれるタンパク質の殻が包み込んで粒子を作っているものとされています。つまり、核酸とタンパク質の複合体がウイルスに共通するコアな構造ということになります」細胞からは独立した存在だが、宿主の細胞に入ると遺伝子として機能する。侵入した細胞のタンパク質を利用するなどして、活動できるようになるのだという。要するにウイルスは、人間などの細胞を構成している一つのパーツのような存在なのだ。

「“増やす”ではなく、正確には環境を与えられたので、“増えられるから増えている”ものだと思います。その中でより増えることができたものが残っていくのですが、まれにウイルス同士で助け合うこともあります。調べてみると、ウイルス集団の中には、しばしば自分だけでは増えることができないものが見つかり、他のウイルスからタンパク質をもらうことで、生きているようです。共助ですね」

(中略)

われわれの根本であるヒトゲノム(人間の遺伝情報)の45%が、「ウイルス」や「ウイルスのようなもの」で構成されていることが示されている。「ウイルスがいたからこそ人間はここまで進化できた」と中屋敷教授は言うが、そうなると、やはり「=病原体」ではないのかもしれない。

人体にとってウイルスは善か、悪か?

とは言うものの、現実問題としてさまざまなウイルスに人間は感染し、病気にかかってしまう。例えば、大腸にはもともとさまざまな大腸菌が存在している。そこに、ウイルスの介在によってコレラ菌から毒素遺伝子が大腸菌に運び込まれることで、人を病気にする腸管出血性大腸菌「O-157」が出現したとのことだ。ここでは完全に“悪役”だ。「ウイルスは一般的には病気の元になりますし、それは事実。一方でウイルスがあるからこそ元気でいられることもあるんです。例えば、子宮で子供を育てるという戦略は、哺乳類が繁栄できているキモだと言われています。実は、子宮の胎盤形成に必須の遺伝子の一つがウイルス由来のもので、胎盤の機能を進化させる上で重要な役割を果たしていることが知られています。現在でも、その遺伝子がなければ胎盤は正常には作れません」

また、ウイルスには他の病原体の感染をブロックしてくれるような存在意義もあるそう。

「例えばヘルペスのように、それがいることで他の菌に感染しにくくなっている、と報告されているものがあります。あるウイルスのおかげでわれわれの体は他の菌やウイルスに対して強くなる。つまり、ワクチンを打っているようなものかもしれませんね」ウイルスは遺伝子として機能するため、ゲノムの中に存在するウイルスは、多様で重要な役割を果たしていることが、次々と分かってきているという。中屋敷教授が、「そもそもわれわれの進化も、そういったウイルスや“ウイルスのようなもの”のおかげで加速されてきた側面があると思います」というように、DNAにウイルスが入ってくることで変革が起こり、それが長いスパンで見ると“進化”の引き金になったとこともあるそうだ。

ウイルスは生き物なのか?

このウイルスの“活動”は、あくまで自分から何かを生み出し、消費するのではないという。「ウイルスは基本的にエネルギーを作ったりはしません。自身では設計図を持っているだけで、それを誰かに渡して製品(遺伝子産物や子孫)を作ってもらっているような感じです。

自分の製品をより多く作ってくれるところへ潜んでいき、そこで設計図を渡す。

その動きだけを見ると、結構世渡り上手な感じですね。

だからウイルス自身が何か生産的なことをしているというより、宿主の細胞に働きかけて上手にそのシステムを利用しているイメージです」そして、自分の子孫をより多く作ってくれるように働きかける過程が、人間の体内では免疫を抑制することにつながっているそうだ。

「自身を増やす過程で、自分を排除しようとするものから巧妙に逃れる性質があります。この活動があるからこそ、ウイルスは増えていき、その結果、病気を引き起こすことにもつながっているのです」これらの活動から考えると、ウイルスはまるで生きているかのようだ。

“かの”とあえて付けたのは、ウイルス=生き物かどうか、には賛否両論があるからだ。「自分では動けない、しかし自身を増やすことはできる。何をもって“生きている”と定義するかによるのですが、進化をして、子孫を残すという性質を重視すれば、生きていると考えることもできるように思っています」

人間が長い年月をかけて現在の形になったように、もしかしたら今から10億年後に、現在のウイルスを先祖として進化した“生物”がいるかもしれない。

ちなみに多くの場合、ウイルスは遺伝子を10個以下、少ない場合は1、2個しか持っていないが、最新の研究では、遺伝子を2500個以上も有する「パンドラウイルス」という巨大ウイルスが見つかったそう。

遺伝子数で見れば、小型のバクテリアとほぼ変わらない存在だ。「この巨大ウイルスが、遠い未来に意思を持つような生物になるかもしれませんね(笑)。実は、巨大ウイルスを研究していたところ、彼らに“寄生するウイルス” (これは普通サイズ)というのが見つかり、寄生されると巨大ウイルスが病気になることが分かったのです。その後、巨大ウイルスは寄生したウイルスをやっつけるための免疫システムのようなものを持っていることも判明しました」

つまり彼らは自己、非自己の認識ができて、非自己はやっつけるという仕組みを持っているということ。

「巨大ウイルスが持つ“免疫”の仕組みは、バクテリアのシステムに似ている」と中屋敷教授は言う。

「こういった“生物的な”巨大ウイルスの活動を考えるともう、ウイルスを生き物の仲間に入れてあげてもいいんじゃないかと思いますね」この巨大ウイルスのように、「進化」していることが分かると、今後のウイルス研究では、われわれの健康に役立つことも見つかるのではないだろうか?

「今までウイルスは、それを原因とした病気の発生を通して見つかるという歴史でしたが、次世代シーケンサー(遺伝子の塩基配列を高速に読み出せる装置)と呼ばれる技術の発展により、病気を起こさないウイルスというのが生物界に広く存在していることが明らかになりつつあります。

そういったものの中には、病気やストレスに対するワクチンのような効果を持つことが分かったものも少なくありません。

ウイルス研究が進めば、これからさらに“共生体としてのウイルス”の良い面がどんどん分かってくるかもしれません。今からのウイルスの研究は、これまでと一味違うものになっていく可能性がありますし、その動きは既に始まっています」

人間にとっては善でも悪でもあるウイルス。しかしその活動や進化の状況を考えると、善の側面が将来的には広がり、ウイルス=悪いものという存在ではなくなっていくのかもしれない。

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List    投稿者 seibutusi | 2020-04-02 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-03-26

人間は時間の経過と共に死亡率が上昇し、亡くなっていくが、イチョウの木は老化ではほぼ死なない

前回の投稿で「意識と宇宙の正体の解明:霊魂の厳密科学的存在証明」をしました。

今回は、

進化の過程で、生物(物質と生命力の一体)は「物質的に死という現象を取り入れ、生命力(霊魂)の永遠性を獲得した」と思える

記事がありました。

学説では、「生物は、自分たちの種を再生させるために子孫を作る。子孫(子ども)ができるまでの間、自分の生命を保存するために生きる行動を取るとされてきた。 この推論に続いて、繁殖(妊娠)できない時期(年齢)に近づく時、生物はその肉体の衰えが始まるとされ、これが今までの「老化」として知られる状態」と説明されて来た

一方で

地球の生命は以下の3つに分類されます。

地球の生命体の老化と死亡確率の分類(進化するにつれて死亡率が上昇する)

・年を取るにつれて死亡率が上昇する

・年を取るにつれて死亡率が「下がる」

・死亡率が一生を通じて一定

その中で、人間は「時間の経過と共に死亡率が上昇し、亡くなっていく」わけで、それは、人間などの生体には、老化に関連する遺伝子があり、老化に従って、この遺伝子が増えていき「人間は時間と共に年老いていく」ということになっています。

しかし

イチョウの木は老化ではほぼ死なない可能性」が示されたのです

以下の論文では、老化に関連する遺伝子がイチョウには見当たらず、また、どれだけ年をとっても、成長もさほど鈍化せず、そして「ストレスに対しての反応も一生ほぼ同じ」という生命体であることがわかったとするのです。

How the Ginkgo biloba achieves near-immortality Science 2020/01/13 https://indeep.jp/scientists-found-ginkgo-biloba-is-near-immortality/

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イチョウがほぼ不滅であるメカニズムが判明

いくら人間が長生きしたところで、それは樹木の足下にも及ばない。たとえば、イチョウのような樹木は、3000年以上生きることができる。

最近行われた、これまでで最も包括的な植物の老化の研究の中で、研究者たちは、イチョウそしておそらく他の種類も含めて、樹木が非常に長く生き残ることを可能にする分子メカニズムを明らかにした。

この新しい研究は、科学者たちが長い間、真偽を確認したかったあること、それは「植物の基本的な状態は不死である」ということについて、初めて真の遺伝的証拠が提供されたことになる。

この「植物は不死である」という大胆な主張を研究するために、研究者たちは、中国湖北省の安陸市と江蘇省のヒ州市にある 34本の健全なイチョウの木の細い芯を分析することから始めた。

この中で、揚州大学の植物分子生物学者であるリ・ワン(Li Wang)博士とチームは、イチョウの成長スピードが、数百年後でも遅くならないことを発見した。それどころか、数百年後になってから成長スピードがさらに上がることさえあることが見出された。

さらに、葉のサイズ、光合成能力、および種子の品質といった、植物の健康の指標は、何百年経っても変わらなかった。

次に研究チームは、遺伝子レベルで何が起こっているのかを知るために、葉と形成層での遺伝子発現を比較した。形成層とは、植物の茎・根において、維管束の木部と師部(植物の生体組織)との境にある分裂組織である薄い層のことだ。

チームは、樹齢 3年から 667年までの木の RNA (遺伝情報であるDNAから転写されてできる核酸)の配列を決定し、ホルモン産生を調べ、miRNA(特定の遺伝子をオン/オフできる分子)を検査した。

その結果、生命としての最終的で致命的な段階である「老化に関連する遺伝子」の発現は、イチョウの枯れ葉では予想通りに増加した。

ところが、形成層内のそれらの同じ老化に関連する遺伝子の発現を調べたとき、研究者たちは若い木と古い木の違いを見出すことができなかった。老化に関する遺伝子は、枯れた葉だけに見出され、樹木本体には見出すことができなかったのだ。

これが意味するところは、イチョウの場合、葉などの器官は老化して死滅する(枯れる)が、樹木そのものに老化に関連する遺伝子が見出せないということは、樹木本体は老化によって死滅することはないことを示唆する。

ただし、時間の経過とともに木に何らかの変化が生じるという証拠は見つかった。古い木は、インドール-3-酢酸と呼ばれる植物の成長ホルモンのレベルが低く、アブシジン酸と呼ばれる成長阻害ホルモンのレベルが高かった。

200歳以上の樹齢の木の場合はまた、細胞分裂、分化、および成長に関連する遺伝子の発現の減少が見出された。これは、古い樹木の形成層の幹細胞は、若い樹木ほどには簡単に新しい木材と樹皮に分裂しないことを意味する。

北京林業大学の植物生物学者ジンシン・リン(Jinxing Lin)博士と、今回の研究の研究者たちは、数千年後などが経過し、樹木の形成層細胞の分裂率が低下し続けると、木の成長は遅くなり、イチョウの木が最終的には老齢になる可能性があると述べる。

しかし、実際には、ほとんどの樹木は、老齢で死滅するのではなく、害虫や干ばつなどの「外部環境」で死んでいっているように思えるという。

研究者たちは、樹木が老化するにつれてストレス要因に対して、より脆弱になるかどうかを調べるために、病原体抵抗性とフラボノイドと呼ばれる保護抗菌化合物の産生に関連する遺伝子を調べた。すると、樹齢の異なる樹木の間の遺伝子発現に違いがないことがわかり、樹木は、年老いても、外部のストレス要因に対する防御能力を失わないことが示された。

これは、イチョウが何千年もの長い期間、健康に成長するのを助ける「並外れた」能力だと、研究チームのひとりで、米ノーステキサス大学の分子生物学者であるリチャード・ディクソン(Richard Dixon)博士は言う。

イチョウの木が老化で死滅することがないということは「人間にとっては理解することが難しいです」と、バルセロナ大学の植物生理学者セルジ・ムネ・ボッシュ(Sergi Munné-Bosch)博士は述べる。

「彼ら樹木にとっては、老化は問題ではないのです。彼らが対処しなければならない最も重要な問題はストレスなのです」

研究者たちは、今後、イチョウの木の突然変異率の研究を続け、老化の背後にあるメカニズムを調べていくという。また、研究者たちは、他の科学者たちも今後さまざまな種類の樹木について、樹木の老化と死滅について研究が始まっていくだろうと予測している。

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List    投稿者 seibutusi | 2020-03-26 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-03-26

人類の聴覚はどう進化したのか?

会話は、受け手と話し手が音声波のやりとりを通じて、交互に立場を入れ替えること によって成り立っている。

人類の音声言語と発声器官の進化http://www.seibutsushi.net/blog/2020/03/5414.html では、

人類の音声言語(会話=おしゃべり)について、発声器官(形態)の進化 を見てきました。

今回は、会話の聴き手 に着目して、人類の聴覚機能の進化 について見ていきます。

耳をひらく~グローバル時代の聴力http://www.piano.or.jp/report/04ess/livereport/2017/05/18_23015.html より。

 

聴覚はどう進化したのか?

●五感による知覚の割合は、視覚8割、聴覚1割!

本来、人間は視覚優位である。五感による知覚の割合は、視覚情報が8割以上に対して、聴覚情報は1割程度である。(※以下は文献をもとにグラフ化したもの。聴覚7.0%という統計もある)

図1.2  五感による知覚の割合リンク

聴覚情報は大量かつ多彩であるのに、意外なほど知覚されていない のである。我々を取り巻く社会環境も、聴覚より、視覚に多くのしかけがある ように思う。街中は広告、看板、ビジュアル映像などの視覚情報にあふれ、我々消費者に瞬時に好意的な印象を持ってもらえるよう工夫が凝らされている。刺激的に、心地よく視覚に訴えかけることで、消費者との心理的距離を縮める のである。視覚+聴覚が同時に刺激されると、さらに判断は早くなる。

しかし、視覚情報と聴覚情報にズレが生じると、聴覚情報が優位になる。つまり 時間の経過という要素が加わると、視覚情報よりも聴覚情報に耳を傾けるようになるということは聴覚を活かせば、より長期的・立体的・複層的に、物事を認識する助けになるだろう。

●聴覚のおかげで人類は進化した?

サルから進化した人類は、視覚優位の動物である。しかし人類の進化は、視覚の発達ではなく、聴覚の発達こそが寄与した ようだ。それはネアンデルタール人と、人類の祖先である現生人類との比較で説明される。両者の違いは「社会脳」といわれる前頭前野の発達であり、現生人類はここが大きく発達したために進化した。(参考:『人類進化の謎を解き明かす』ロビン・ダンバー著、鍛原多惠子訳、インターシフト、2016年)

約35万年前に出現したネアンデルタール人は、高緯度地帯に分布し、その日照時間の関係から異常に視覚が発達していた(後頭野)。しかし前頭前野は発達しておらず、発話能力はあったものの言語としては未発達だとされる。共同体の結束を強めるため、音楽(歌詞のないハミング、踊り、リズムに合わせて手を叩くなど)をする習慣があったが、音声情報は文脈として意味づけられることがなかった。集団規模が110人と比較的小さく、高度な社会活動をする必要がなかったことも一因である。それが後に絶滅を招いたとも言われる。

一方、約20万年前にアフリカ大陸に出現したホモ・サピエンス(解剖学的現生人類)は、日照時間が長いため視覚能力を肥大化させる必要がなかった。その一方で、150人規模かそれ以上の大きな集団で生活しており、集団内の社会的秩序を保つため、言語を駆使するようになった(ヒトや鳥なども、集団規模が大きくなるにつれて声や身振りによるコミュニケーションが複雑化していく)。そのため前頭前野が大きく発達し、社会的認知能力が大きく増加した。次第に言語は高度化し、物語や宗教を語り、文化や芸術を創りだすようになった。その志向意識水準は、ネアンデルタール人より高次である。

“本質的なちがいは認知にあり、私たちが頭の中で行えることにある。おかげで私たちは、文学や芸術を生み出す高等文化をつくり上げた。”(『人類進化の謎を解き明かす』p20)

さらに人間が文字を扱うまでに、何万年もの時を待たねばならない。文字がなければ、音を聴いて相手を理解しなければ成り立たない。言葉が話せるということは、聴き手がいるということ だ。したがって 言語の発達は、聴覚の発達とも密接に結びついている と考えられる。

~中略~

●「聴く」は、多様性の一歩か

では「聞こえていても、聴いていない」という状況はなぜ起こるのだろうか?

我々は日々多くのものを耳にしているが、その中から無意識的に自分が関心をもったものに焦点をあて、それが際立って聴こえるようになっていく。その関心とは、家族や友人、学校の先生であったり、様々な音楽や楽器の音、時には自然や動植物の音であったりする。それらが言語や音楽の場合には、単なる音声の連続ではなく、脳内で意味づけされていく。つまり文脈として聞くようになる。

しかし逆に自分が理解できる文脈でないと、または自分の感情や思考と異なる音情報を耳にすると、「聴かない」「聴く耳をもたない」ということも起こりうる。つまり音情報を受けとるのを止めてしまう。そう考えると、 「聴く」というのは、「音を認知して理解する」「理解したものを受け入れる」ことと密接に連動している だろう。つまり、能動性や自発性と関わりがある

音声情報は様々な経路をたどって前頭前野まで運ばれ、そこで初めて意味づけがなされる。耳をひらく というのは、この神経回路を少しずつ作っていくことなのかもしれない。意識して様々な音を聴くことが、知覚の領域を広げ、より多様性を受け入れることにも繋がる と考えられる。音楽は幅広い周波数を含んでいるので、その可能性を大きく広げてくれるのは間違いないだろう。

 

(以上)

 

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List    投稿者 seibutusi | 2020-03-26 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-03-19

意識と宇宙の正体の解明

 

原始人類の自然認識と佐野千遥「大統一理論」~エーテル繊維の繋がりが、光も熱も重力も作り出す

との 興味あるブログ記事が有りました。今回は、生物史から少し離れますが、佐野千遥が唱えている説に「霊魂の厳密科学的存在証明」が有ります。http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_300601

>現代人は、霊魂の存在を認めようとしていません。これは「証明出来ない事は存在しない事である」とする近代科学の考え方です。しかし佐野博士の理論をもってすれば霊魂も科学的に証明できるのです。

 

そして、マックス・プランク研究所からの記事【意識と宇宙の正体の解明】をINDEEPで紹介されていました。

https://indeep.jp/our-consciousness-is-perfectly-eternal/

原始人類の自然観(自然の摂理)に現代物理学も近づいてきたのではと考えられる。

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意識と宇宙の正体の解明

マックス・プランク研究所というのはドイツの研究機関ですが、これまで、33人のノーベル賞受賞者を輩出している世界トップクラスの学術研究機関といえるかと思います。

なお、記事の中に出て来るロジャー・ペンローズ(Roger Penrose)博士という方は、英国の署名な宇宙物理学者であり、理論物理学者です。

ペンローズ博士は「量子脳理論」というものを提唱していまして、これもまた難しい話ですが、以下のように説明されます。

量子脳理論

ペンローズは、脳内の情報処理には量子力学が深く関わっているという仮説を提示している。放射性原子が崩壊時期を選ぶように、物質は重ね合わせから条件を選ぶことができるといい、意識は原子の振る舞いや時空の中に既に存在していると解釈する。

量子から見た死 -「人間の細胞は魂として存在する量子情報を運ぶ」

Quantum Death –“Human Cells Carry Quantum Information That Exists as a Soul” Daily Galaxy 2020/03/14/

私たちが生きているこの物理的な宇宙は、私たちの知覚に過ぎない。そして、私たちの肉体が死ぬと、その向こうには「無限」がある。

また、人間の死後、その意識が平行宇宙に移動すると確信している科学者たちもいる。ミュンヘンにあるマックスプランク物理学研究所の研究者たちは、以下のように示唆している。

「死後に広がるその《向こう》は、はるかに巨大な無限の現実であり、その向こうの中には、この今の世界もルート上にはあります。この現在の現実のような存在の平面での私たちの生活は、すでに来世に囲まれています。肉体は死にますが、精神的な量子場は続くのです。この考え方に基づけば、私たちは永遠です」

マックス・プランク研究所の物理学者たちは、英国の物理学者であるロジャー・ペンローズ氏の主張に同意している。

ペンローズ氏は、人が一時的に死亡した時に、微小管(細胞の中にある微細な管状の構造)から、この量子情報が宇宙に放出されると主張する。しかし、蘇生された場合、量子情報は微小管に戻される。それが臨死体験につながっていると。

「もし彼らが復活せず、死亡したならば、この量子情報は魂のように、おそらくは無期限に体外に存在し続ける可能性があります」とペンローズ氏は言う。

科学者スティーブ・ポールソン氏は、88歳のペンローズ氏のこの理論を、意識の量子の起源に関する「大胆かつ恐らくは実に奇妙な理論」としてとらえている。

ポールソン氏は、私たち人間が豊かな精神的生活を持っていることを説明するためには、神経科学を超えて、量子力学の神秘的な世界に進まなければならないと考えている。

この「量子脳理論」と呼ばれる理論は、理論物理学者のペンローズ氏とアメリカの麻酔科医スチュワート・ハメロフ氏のふたりにより提唱された。現状では、この理論をどうすればいいのかは誰にもわからず、また、この理論は間違っているとする科学者も多い。しかし、ペンローズ氏の物理学に対する貢献を考えると、この理論を理解できないと放置することもまた愚かなことだとポールソン氏は言う。

ペンローズ氏とハメロフ氏は、「意識」とは、量子レベルで保存された情報であると結論づけている。

そして、彼のチームは、「タンパク質ベースの微小管」に「量子情報」として、「原子以下のレベル」で保存された情報を運ぶことを発見した。

量子コヒーレンス(確率的に得られる二つの状態が決定されていない状態)は、微小管、脳のニューロン内のタンパク質構造で起こるというのがハメロフ氏の考えだった。

微小管とは、真核細胞(細胞骨格の一部)内部の管状構造であり、細胞の形状や細胞分裂を含む動き(有糸分裂中の染色体の分離)を決定する役割を果たす。

ハメロフ氏は、微小管がペンローズ氏の理論で探していた量子デバイスであることを示唆している。

ニューロン(脳を構成する神経細胞)では、微小管はシナプス接続の強度を制御するのに役立ち、そのチューブ状の形状は、より大きなニューロンの周囲のノイズからそれらを保護する可能性がある。

ペンローズ氏は、インタビューでポールソン氏に以下のように述べた。

「何というか、宇宙が存在する理由は、私たちの意識があるからなんです」

続けて、ペンローズ氏は以下のように述べている。

「私たち自身の宇宙が、意識に向かって好意的に処理されているかどうかはわかりませんけれどもね」

再生医療の専門家であるロバート・ランザ氏は、著作『生物中心主義を超えて』の中で、ランザ氏が提唱する新しい科学理論は、私たち人間は不滅であり、時間の外に存在すると言う。

ランザ氏は、死は時空を超えた世界では存在しないと言う。彼の新しい科学的理論は、死は私たちが考える最終的な出来事ではないことを示唆している。

ランザ氏はこのように言う。

「宇宙の数は無限であり、起こりうるすべてのことがすべての宇宙で発生します。これらのシナリオでは、本当の意味での死は存在しません。すべての可能な宇宙は、それらのいずれかで何が起こるかに関係なく、同時に存在します」

「個々の肉体は滅する運命にありますが、生きている感覚、つまり「私は誰だろうか?」という部分は、脳内で機能するエネルギーのほんの僅かに過ぎません。しかし、このエネルギーは肉体が死んでも消えることはないのです」

「科学の最も確かな公理の 1つに、エネルギーは決して死なないということがあります。作られることも消え去ることもあり得ません。しかし、このエネルギーが、ある世界から別の世界を超えられるのかもしれない可能性についてはわかっていないのです」

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List    投稿者 seibutusi | 2020-03-19 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-03-19

人類の音声言語と発声器官の進化

日々の充足体験は「会話=おしゃべり」にあり!http://blog.livedoor.jp/iiotokoiionna/archives/52288563.html#more
現代人の日々の充足は「会話=おしゃべり」にあるようです。

「会話=おしゃべり」について、原始人類まで遡って考えてみると、原始人類は、音声言語による仲間との「会話=おしゃべり」により一体充足を高めて知能を進化させていった と考えられます。

人類の音声言語(会話=おしゃべり)について、発声器官(形態)の進化の視点からの研究を紹介します。

 音声言語と発声器官の進化 http://anthro.zool.kyoto-u.ac.jp/evo_anth/evo_anth/symp9907/takemoto.html より。

音声言語と発声器官の進化   竹本浩典(京大・理・自然人類)

会話は、受け手と話し手が音声波のやりとりを通じて、交互に立場を入れ替えること によって成り立っている。受け手は音声波を聴覚器官で受聴して音声を知覚する。次 に内容に関する心的な過程、すなわち記憶の参照や推論などを行う。そして受け手は 話し手に立場を変え、話す内容を決定すると、脳から運動指令が出て発声器官を動か し、音声が生成される。この音声波が空間を伝播して、先程まで話し手だった相手が 受け手へと立場を変えて受聴する。この繰り返しによって音声によるコミュニケーショ ンが行われる。

このように、音声言語によるコミュニケーションは、多くの物理的、 生物的な要素によって成り立っているため、一口に音声言語の研究といっても、どの 部分に注目して研究を行うかによってたくさんのアプローチの仕方がある。私が研究 を行っているのは 発声器官、すなわち音声を生成するハードウェアそのものの、形態  についてである。

~中略~

発声器官は単一の器官ではなく、声道-咽頭腔、口腔など喉頭より上部の空間-とい う体腔に面した、多くの器官によって成り立っている。大まかに言って発声器官は、 頭蓋底、頸椎、下顎、歯列などの硬組織の内部に、舌、咽頭、喉頭などほとんどが軟 組織からなる部分が声道という空間を挟んで内接する構造になっている。ヒトでは、 頭蓋底が水平、頸椎がほぼ鉛直なので、発声器官とその声道は咽頭の部分で大きく屈 曲した形状をしている。

音声そのものは、喉頭の声帯で生成されるが、その多様性は舌によって生み出されて いる と言っても過言ではない。音声は、喉頭で生成される音声波が声道を通り抜ける 際に、様々な音響的な修飾を受けて生成される。音響的な修飾は、声道の時間的、空 間的な変化によって起こる。その最大の要素は舌である。舌が様々な形に、素早く変 形することによって、多くの音声が特徴づけられ、生成されている。

音声は音素から成り立っており、音素は大別すると母音と子音に分けられる。母音と は声帯が振動することにより、声道全体が励振し、比較的定常で安定した音色を示すもの である。子音とは、母音以外の全ての音素である。母音は、声帯振動に声道全体 が励振するという点で、子音よりも発声器官全体の形を反映しているといえるので、 発声器官の形態と音声との関係を調べるためには、母音に注目するべきであると考えられる。

母音は舌の位置により、大きく3つに分類される。舌の前部が隆起し、口腔の前方が 広くなり、後方が狭くなる/i/や/e/は、前舌母音と呼ばれる。対照的に、舌が後方に 持ち上がって、口腔の後方が広くなり前方が狭くなる/a/や/o/は、後舌母音 と呼ばれ る。両者の中間的な存在として、舌の中央部分が隆起し、口腔の中央が狭くなる 中舌母音 がある。このように舌が多様に変形して、それぞれの母音が発声される。

一般的に化石人類の発声器官は、チンパンジーに似ていたのではないか、といわれて いる。特に初期人類ではよく似ていたと考えられている。歯や顎の形が違うため、か なり印象は異なるが、頭蓋底の屈曲が弱く、硬口蓋の部分が前後に長い点で両者は似 通っている。そのため、チンパンジーの発声器官の形態と発声される音声について調 べれば、初期人類の構音能力を解明するための重要な知見が得られると考えられる。

“継続的な観察の結果、チンパンジーでは、後舌母音の/a/, /o/、中舌母音の/u/の発 声は観察されるけれども、前舌母音である/i/, /e/の発声は観察されない ことが知られている。ヒトでは、/i/はsuper vowelとも呼ばれ、どの言語でも普遍的に存在し、最も弁別しやすく、そのため母音の正規化の指標音に成るとも言われる特殊な母音で ある。このようなヒトの音声言語で重要な役割を持つ母音の発声が、チンパンジーで は観察されないのは、きわめて興味深い。”

ヒトの幼児では喉頭がかなり下降するまでこの母音を発声できないことから、この母 音が発声できるかどうかは、喉頭の高さと関係していると推測されている。ヒトが/i /を発声している様子を観察すると、舌が変形して口腔の前方が狭くなり、口腔の後 方から咽頭にかけての空間が広くなっている。すなわち、前部が狭く後部が広い声道 形状が、/i/の発声に不可欠である。

ヒトでは喉頭が低い位置にあり咽頭が広いため、 このような声道形状をとりやすいと考えられている。一方、チンパンジーでは、舌の 筋構築はヒトと変わらないため、舌が変形する能力もヒトと変わらないと思われるが、 喉頭が高い位置にあり咽頭腔が狭いため、舌を変形させても/i/の発声に必要な後部 の広い声道形状をとることができないのではないか、と考えられている。

~中略~

チンパンジーがヒトと同様な舌の変形を行うことができない一番の原因は、舌が平たいこと である。ヒトは硬口蓋が前後に短く、上方へ深くえぐれており、それに沿って 舌の上面が隆起し、全体としての形は丸い。そのため、/i/を発声する際に最も活動 するオトガイ舌筋の後部が収縮すると、舌の後部が前方に凹むとともに前上方が隆起 する。そのため、口腔の後方から咽頭にかけての空間が広くなると同時に口腔の前方 が狭くなる。ところがチンパンジーは硬口蓋が平たく、また、頭蓋底の屈曲が弱いた め、その形状に従って舌が平らである。そのため、オトガイ舌筋の後部が収縮したと しても、舌が隆起しない。すなわち、ヒトでは舌が丸いので、オトガイ舌筋後部の収 縮が口腔の後部を広めると同時に前部を狭めることができるが、チンパンジーでは舌 が扁平なため、同様の筋収縮を行っても後部が広まると同時には前部が狭くならない のである。

~以下略~

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List    投稿者 seibutusi | 2020-03-19 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-03-12

カタワのサル(人類)は、安定性(女性による採取)と変異(男性による狩猟)で生存出来た。

現生人類は、「アフリカで誕生し、気候変動から獲物を求めて(狩猟をしながら)、高緯度に進出し、旧人(ネアンデルタール人やデニソワ人)と交雑して誕生した。」が有力な説であるが、人類が狩猟民族(西洋思想より)とは思えない。

人類は生物進化の摂理に則って、安定性(女性による採取)と変異(男性による狩猟)で気候変動に適応してきたのであろうと考える。

男性による狩猟」仮説」と「女性による採集」仮説に対する研究発表が有りましたので紹介します。

>肉食が重要になったのは人類が高緯度地帯に進出し、熱量の大部分を動物性食料に頼る特殊な適応を必要としたときであろう。むしろ、更新世の段階で重要だったのは、植物性食料、魚、昆虫、その他の小動物、死肉などの食料のレパートリーを増やし、季節や環境その他の条件に応じて使い分ける能力を獲得したことにあるのではないだろうか。

肉食と狩猟ー遺跡出土資料からの検証

本郷一美(京都大学 霊長類研究所)

http://anthro.zool.kyoto-u.ac.jp/evo_anth/evo_anth/symp9911/hongo/hongo.htmlより

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動物考古学やタフォノミー研究により更新世の人類の行動についてどのようなことが言えるかについて、肉食と人類進化に関する研究の現状をふまえて考察する。

「男性による狩猟」仮説

まず、多くの初期人類の遺跡で石器に大型獣化石が共伴して出土するという事実から、大型獣狩猟と肉食がホモ・エレクトス出現にいたる形態(大きな脳と体、消化器官の短小化)および社会行動(男性の共同狩猟、男女の分業、家族の発生)の進化をもたらしたとの説が提出された。この狩猟仮説は1950-60年代以来根強く支持されてきたが、「男性が家族を養う」との男性中心的なイメージ、「狩猟による肉食」を重んじ植物食を軽んじる西洋的価値観などのバイアスが影響していることは否めない。アイザックのホームベース(セントラルプレース)仮説(Isaac 1978, 1983)は肉の獲得手段を狩猟と限定はしていないが、大筋でこの説の延長上にある。

「女性による採集」仮説

1970年代末から植物性食料の重要性と食料獲得における女性の役割を見直す説が提出される。現代の狩猟採集民の摂取カロリーに動物性食料の占める割合はせいぜい30%程度であることを根拠とし、道具を使った植物(特に根茎類の)採集活動が人類進化に重要な役割を果たしたとするものである。男女別の採集戦略、女性同士あるいは女性から子供への食物分配が想定された。この採集仮説の発展形として、掘り棒を使った根茎類の採集と閉経以降の女性による孫の世代への食物分配行動が人類の長寿、早熟、多産、をもたらしたするモデル(O’Connel et al. 1999)、火を使って根茎類を調理する場での女性の共同作業から女性を中心とする大きな社会的グループが発生し、ボディガードとして特定の男性との長期間にあたるペア形成を促したとするモデル(Wrangham et al. 1999)が提出されている。

タフォノミー研究による狩猟仮説の検証

石器と動物骨の共伴だけを出発点とした狩猟仮説は、遺跡の形成過程における様々な遺物の変形を考慮したものではなかった。

1970年代末以降、狩猟仮説はタフォノミー研究によるさまざまな検証を受けた。一方採集仮説は、特に根茎類に関しては考古学的に検証することは困難である。火の使用の証拠はせいぜい230万年前までしかさかのぼれない。中期更新世以降の遺跡で食料となりうる植物遺存体の出土例はあるが、いずれもヒトが集めたあるいは食べたという状況での出土ではない。

動物考古学者は遺跡における骨や石器の堆積過程の詳細な研究を行なった。遺跡から出土する動物骨が、狩猟されたものか、死肉あさりにより手に入れたものかが関心の中心であった。遺物と大型獣骨の集積には人以外のどのような作用が関係しているか、出土する動物骨の部位ごとの出土頻度、骨の破砕状態、解体痕からヒトが他の肉食動物に先だって獲物を手に入れたといえるか、などに注目した。この20年あまりの間にライオンなどの捕食者とハイエナなどのスカベンジャーの菜食行動の観察データと、骨の破壊や風化に関するさまざまな膨大な実験データが蓄積され、遺跡における出土状況とのつきあわせが行われた。肉を手に入れる手段に関しては、ホモ・エレクトス / エルガスターの段階では大型獣の肉は死肉あさりで手に入れていたという点と、古代型ホモ・サピエンスの段階では少なくとも小動物の狩猟は行っていたという点では研究者の間でほぼ意見の一致を見ている。しかし、死肉あさりの形態については、積極的に他の捕食者を追い払うことができたのか、他の動物がほとんど肉を食べた後に残されたわずかな骨髄を手に入れるにすぎなかったかの論争が続いている。皮肉なことに、膨大なタフォノミーと遺跡形成に関するデータが蓄積されたにもかかわらず、それをもとに人類の進化に関する有効なモデルを提出することはできていない。
肉食の進化的な意味

それでは、死肉あさりによる肉食は、人類の進化においてどのような意味を持っていたのだろうか。ヒト以外の霊長類はほとんど死肉あさりをしないことから、死肉あさり行動をヒトの特徴ととらえることさえできるかもしれない。より乾燥した環境への適応の初期段階においては死肉あさりによる肉食は重要な生態的ニッチェであったと思われる。肉食=男性による食物分配という図式は必ずしも成り立たないが、もし積極的な死肉あさりが行われていたのであれば、ライオン・ヒョウなどの最初の捕食者を追い払うという草食獣の狩猟よりも危険な行動や、肉食獣が近づかないように見張りをたてる役割分担をすることは社会性の発達に貢献したであろうし、危険性を計りすばやく対応する柔軟性も発達したことだろう。

いずれにしろ、栄養的な面からだけ見れば、植物性食料がより重要であったことは間違いないであろう。肉食が重要になったのは人類が高緯度地帯に進出し、熱量の大部分を動物性食料に頼る特殊な適応を必要としたときであろう。むしろ、更新世の段階で重要だったのは、植物性食料、魚、昆虫、その他の小動物、死肉などの食料のレパートリーを増やし、季節や環境その他の条件に応じて使い分ける能力を獲得したことにあるのではないだろうか。また、リスクを伴う積極的な死肉あさりにおいては成功するかどうかを見通す状況判断能力と、変化する状況にすばやく対応する能力、共同行動が必要である。これらの能力がかなり早い段階で発達していったことは、チンパンジーが集団で他の群に攻撃をしかけたり、攻撃の最中に撤退するタイミングを判断する能力を有することからも推察できる。

客観的に肉食の重要度を判断する方法には、歯のマイクロウェアの観察(Bunn 1983などーただし、死亡する前の短期間に食べたものがわかるだけで、食生活全体に肉の占める割合などはわからないだろう)、人骨のアイソトープ分析(化石となって有機質が残っていない場合は困難)などがあろう。

しかし、栄養的な重要度や食物中にしめる割合だけから肉食の重要性を論じることはできないことも確かである。男性による食料分配行動が栄養面からみて重要だったと仮定するならば、男性はむしろ小動物や植物性食料の採集で堅実に食糧を確保し、女性や子どもに分配するのが現実的である。しかし、これらの食料の獲得はリスクを伴わず、どこでいつ手に入るかがわかっており、供給を常にあてにできるからこそ、付加価値も低い。むしろこれらの食料に関しては男女別々の採集戦略があったと考えた方がしぜんである。肉の獲得は(死肉あさりによるものであっても)リスクと興奮を伴い、供給をあてにできないことで付加価値は高くなるが、安定した食糧資源とはなり得ない。非日常、お祭り的な意味を伴うハレの場の食料として肉の役割を考えるべきではないだろうか。

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List    投稿者 seibutusi | 2020-03-12 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments »