2020-06-25

自然の摂理に則った「日本文明(木の文明)→地域循環共生社会」に向う

生物史を通して、植物(森林)は地域ごとの自然共生や自然循環社会の中心的存在であった。

有史以来、西洋は石の文明、日本は木の文明と呼ばれている。

一方、近代社会は、西洋文明の元で「鉄と石油を支配する産業資本」によって制覇されてきた。戦後の市場は化学工業界の送り出す石油化学製品(医薬品、化粧品、合成繊維、肥料、農薬、プラスチック、原子炉)が中枢を担っている。

ところが、十数年前から「低炭素社会・循環型社会・自然共生社会(環境省平成26年白書)」と言われ、コロナ後人々の収束先も「地域循環共生社会」に向かっている。

人類は、滅亡の危機意識を本能的に感じ、生き残りをかけ、自然の摂理に則った「日本文明(木の文明)→地域循環共生社会」に向かい始めたのではないか

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「鉄と石油の文明」から「木の文明」より

我が国は鋼鉄を作るために鉄鉱石を輸入し、各種プラスチック製品を作るために石油を輸入している。CNF(木を材料としたセルロースナノファイバー)の技術革新により、これらの原料輸入を大きく削減できる。エネルギー用途に使う石油輸入も、薪や木片チップなどを用いたバイオマス発電や、小水力発電、潮流発電など、日本の自然を活用したエネルギー利用で減らしていくことができる。 海外の原油や鉄鉱石に依存してきた我が国の産業形態を、林業、製紙産業、高分子化学産業、部素材加工業、自動車・家電・建築産業が垂直に繋がった自国の持続型資源による21世紀型脱炭素産業形態へと大きく変革できる。

かつては、家屋や家具、道具の原材料は木材であった。エネルギーも薪や木炭など、山林から得ていた。近代に入って、原材料もエネルギーも輸入品に代替されてしまったために、経済の中心は臨海部に移り、経済的役割を失った山村は過疎化していった。 CNFの技術革新によって、海外から輸入される石油や鉄鉱石を樹木で代替し、山村を再び我が国の経済構造の中心に引き戻すことができる。それによって、人口も臨海から山村に逆流し、現在の行き過ぎた都市の過密化を変えていくこともできる。森林大国日本は、その「隠された日本の財産」を活用して、新しい「木の文明」を築くことができるのである。

注)CNF(セルロースナノファイバー)で我が国は資源大国に

木のいのちをさらに活用する画期的な技術革新が生まれようとしている。紙や綿花は植物の繊維をとりだして作られるが、同様に、植物繊維の主成分であるセルロースを1ミリの百万分の一のレベルで取り出した材料がCNFである。

CNFは樹木の強さを引き継いで、鋼鉄の1/5の軽さで5倍以上の強度をもつ。自動車のドアなどの車体材料に用いれば、2割程度軽量化できる可能性がある。また歯車や軸受けなども試作されている。建設も、CNFの構造材で骨格を作り、壁や床は愛工房で乾燥させた生きた板材、ガラスはCNFによる透明な代替材料を使えば、森林由来の材料で自然と人間に優しい建物ができる。 CNFは、プラスチックの代替材料としても使える。 森林の2/3を占めるスギやヒノキなどの人工林において木材の蓄積量が毎年7,500万立米増加している。木材1立米の重量を400kgとすると、その半分はCNFなので、人工林で毎年1,500万トンのCNFが蓄積していることになる。それは我が国における年間プラスチック消費量の約1.5倍の量に匹敵する。

つまり、現在国内で消費されているプラスチックはすべてCNFに置き換えることも可能なのだ。その原料となる木材パルプは国産原料であり、100円/kg以下という安価で、大量かつ安定的に入手できる。その分の石油輸入も不要となる。またCNFは従来の紙と同様の廃棄・リサイクルが可能であり、そのための技術や社会インフラがすでに確立している。
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  投稿者 seibutusi | 2020-06-25 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

「前向きな気持ちはアレルギーを改善させる」 ~ 脳内ドーパミンの働き ~

実際にはなんの治療効果もないはずの薬を飲んでいるのに、「効き目がある」と思い込むことで、本当に症状が良くなる“プラセボ効果”と呼ばれるこの現象。単に精神的な面だけでなく、「きっとよくなる」と願うことで身体も生理学的な反応を実際に起こし、免疫反応を活性化して有害なストレスホルモンの分泌を抑制します。リンク

ポジティブな精神状態が症状や薬の効果に大きな影響を及ぼすと言いますが、その生物学的なメカニズムはどのようになっているのでしょうか? 今回は、山梨大学の研究から見ていきます。

山梨大学プレスリリースより。

「前向きな気持ちはアレルギーを改善させる」

―脳内ドーパミン報酬系の活性化はアレルギー反応を抑制する―

研究成果のポイント

・花粉症や気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患では、ポジティブな精神状態が、症状や薬の効果に大きな影響を及ぼす可能性が示唆されていましたが、生物学的なメカニズムは不明でした。

・本学の医学部免疫学講座 中尾篤人教授、中嶋正太郎助教(現:福島県立医科大学講師)、医学部神経生理学講座 喜多村和郎教授らは、前向きな感情を脳内で司るドーパミン報酬系の活性化はアレルギー反応を抑えることを、マウスを用いた実験で示しました (欧州アレルギー学会誌に6月20日にオンライン掲載)。

・この結果は、ポジティブな精神状態を生み出す特定の脳内ネットワークがアレルギーを生じる免疫のしくみと密接にリンクしていることを直接的に証明した世界で初めての知見です。アレルギーをもつ患者さんを適切に診療し症状をコントロールするためには、患者さんに前向きな気持ちを保ち続けてもらうことも日常生活の管理や投薬などと同時に大事なことが示唆されました。

■ 研究の背景(「こころの状態とアレルギーの関係は大きな謎」)

花粉症や気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患は、精神的なストレスにより病気が悪化することが知られています。 一方で、アレルギー疾患に対する新規薬剤の臨床試験では、患者さんの前向きな感情が薬効と無関係に効果を高める「プラセボ効果」が強く出てしまい、新薬の評価を判定することが困難なことが多々あります。このように精神的な変化がアレルギーの症状に影響を与えることは経験的かつ疫学的に知られているものの、その背景にある生物学的なメカニズムはほとんど明らかにされていないのが現状です。私達はこのアレルギーにおける大きな謎に迫ろうと考え研究を始めました。

■ 研究の目的(「前向きな感情を司る脳のネットワークはアレルギーに影響を与えるのか?」)

以上のような背景から、特に精神的状態の中でも「プラセボ効果」と関係の深い“前向きな感情”(やる気)を司る脳内の特定部位がアレルギーに与える影響について検討しました。“前向きな感情”は脳内では、ドーパミン報酬系という神経ネットワークが司っています。本研究では、マウスを用いてドーパミン報酬系をいくつかの方法で活性化し、そのアレルギー反応への影響について解析しました。

■ 今回の研究成果(脳内ドーパミン報酬系の活性化がアレルギー反応をおさえる)

マウスの脳内ドーパミン報酬系を3つの異なる方法を用いて活性化し、そのアレルギー反応への影響について解析しました。

1)マウスの脳内報酬系を人為的に直接活性化できるシステムを利用:

DREADDと呼ばれる脳を操作する最新の技術を用いて脳内の中脳腹側被蓋野(VTA)(ドーパミン報酬系の中心となる部位)を人工的に活性化させた後、アレルギー反応のモデルとして皮膚にじんましん反応を惹起しました。VTA    を活性化させたマウスでは対照においたマウスと比べてじんましん様反応の大きさが有意に減少していました
(図1−3)。

2)人口甘味料を自発的に飲ませることでマウスの脳内報酬系を自然に活性化させるシステムを利用:

マウス飼育時に飲水ボトルに人口甘味料であるサッカリンを混ぜておくと“甘み”によってマウスは自然な形で(自発的な行動として)VTAを活性化させます。その後、皮膚にじんましん反応を惹起しました。サッカリンの自由飲水によってVTAを活性化させたマウスでは、対照においた水だけを飲んでいるマウスと比べて、じんましん反応の大きさが有意に減少していました。この方法は1)で取った方法と比べるとより自然な形で脳内報酬系を活性化させた実験です。

3)薬によってマウスの脳内報酬系を活性化させるシステムを利用:

マウスにドーパミン(dopamine)の前駆体(材料)であるL-ドーパ(L-dopa)を注射すると脳内でL−ドーパはドーパミンに変換され、ドーパミン量が増加します。その後、皮膚にじんましん反応を惹起しました。L-ドーパを注射で投与したマウスでは、対照においたマウスと比べて、じんましん反応の大きさが有意に減少していました。 L-ドーパ(L-dopa)は現在、パーキンソン病の治療に使われている薬でもあります。

これらの実験から、脳内ドーパミン報酬系の活性化がアレルギー反応を抑える効果があることが示されました。

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(概念図)

■ 研究の意義

(学術的意義)
本研究によって、前向きな感情を脳内で司るドーパミン報酬系の活性化はアレルギー反応を抑えることがわかりました。この結果は、ポジティブな精神状態を生み出す特定の脳内ネットワークとアレルギーを生じる免疫のしくみが密接に関係していること直接的に証明した世界で初めての知見です。こころとアレルギーの関係を明らかにしていくことは21世紀のアレルギー/医学研究の大きなテーマの1つですが、本研究はその先駆けです。

(臨床的意義)
花粉症や気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患をもつ患者さんの治療は、現在、抗アレルギー剤や抗炎症薬などの投薬が主体ですが、よりきめ細かく適切に診療するには、患者さんに前向きな気持ちを保ち続けてもらうようにコミュニケーションをとることも大事であることが示唆されました。

 

(以上)

  投稿者 seibutusi | 2020-06-25 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

新型コロナ感染は静かな第三次大戦か?

コロナ騒動を別な見方をすると、「全世界の大衆の完壁な奴隷化と、適切な人口計画のための大量殺繊処分を目的」とした「静かな第三次大戦(そこで使われるのは、コンピューターや生物的心理的兵器)」の可能性もある。

40年前のカーター大統領の「エイズ・ウィルス開発命令」から続く静かな戦争か

西洋科学は、自然の摂理を捨象して、分子生物学、遺伝子操作、生命工学、そしてマインド・コントロールの領域に突き進んでいる。

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世界医薬産業の犯罪 化学・医学・動物実験コンビナート】より

今日の欧米の(とりわけ、その「最先端」はアメリカだが)動物実験医学の医師たちは、「黒魔術師」以外のなにものでもない。そして彼らの「黒魔術」テクノロジーの本体こそが、動物実験=生体解剖なのではなかろうか。

一説によると、世界人間牧場(大衆を家畜人として飼育する牧場システム)の完成を目指す、世界支配の陰謀組織、フリーメーソンの頂点は、ロスチャイルド家であり、そしてこのロスチャイルドに、世界中の何万人という黒魔術師が直結しているという。

地中海周辺の諸文明は、どういうわけか、悪魔とその魔術(黒魔術)の大群を生み出した。或いは、この土地の自然条件に、問題があるのかも知れない。この地域で、数千年にわたって蓄積されて来た黒魔術(悪魔学)の、今日的発展形態が、クロード・ベルナール創始にかかる動物実験医学である、と見てよいだろうか。
しかし、我々は、「化学(製薬)=医学=動物実験コンビナート」は、もう一歩、踏み込んで考察すると、そこに、「マスコミ」を含めなければならないことに気付く。つまり、

「①化学(製薬)=②医学(教育を含む)=③動物実験=④マスコミ」コンビナート、としなければならないのではないか。

この四ヶ軍団の共同結合体(コンビナート)の威力はまさに天下無敵だ。こうなると、この力に打ち負かされないものはこの地上に存在しない、とさえ思えてくる。この「システム」を、まっさきに確立したのは、二十世紀初頭のアメリカである。アメリカから、イギリスとヨーロッパ大陸へ、そして日本を含む全世界へ、それは輸出されたもののようだ。

(中略)

それでは、この「国際謀略」の奥の院には何者が鎮座しているのだろうか?リューシュは、そこに、アメリカのCFR(外交関係評議会、カウンシル・オン・フォーリン・リレーションズ)を見出した。

しかし、アメリカに於けると同じく、日本でも、その名は、世間には殆ど知られて居ない。にもかかわらず、第一次世界大戦後に、ロックフェラー家によって設立されたこの機関は、事実上のアメリカの陰の政府である。そのメンバー(現在二、三千人程度か)は、ロックフェラー財閥によって指名され、金融界、産業界、マスコミ、教育、学界、宗教界、芸能界、軍首脳、法曹界、議会、など、ようするにアメリカを動かすすべての実権者たちを網羅して居る。過去七十年のアメリカ大統領と行政府高官の、殆どすべてが、CFRの会員から供給されて居る、とされる(アメリカの現大統領、ブッシュ氏も、もちろんCFRのメンバーである)。

(中略)

私はここで、エイズがアメリカ政府の生物兵器として(動物実験によって)開発された、という説を取り上げなければならない。この記事によれば、カーター大統領の命令によって、アメリカの過剰(不要)人口のスムースな殺戮処分のための兵器として、エイズ・ウィルスが動物実験的に開発された、というのだ。そして、その後、この開発に従事した研究者約百人が、続々と変死を遂げて居る、というのだ!この世のものとも思えない悪魔的なひびきを持ったストーリーだが、しかし、本家本元のアメリカで、ロックフェラーら、陰の地下政府のコントロールするマスコミがこれを黙殺すれば、この事件は存在しないことにされてしまう。前出の記事によれば、エイズ・ウィルスの開発にかかわったこの内部告発者自身も、生命の危険に脅えているという。けれども、こんなことぐらいでびっくりしてはならない。

実は、H・G・ウェルズやラッセル(いずれも、二十世紀前半の、イギリスを代表する高名な大作家、大思想家として世間から尊敬されて居る)のようなお歴々が、将来、過剰人口処分(殺戮処分のこと)のために、微生物兵器の製造・使用が必要になろう、と明言しているというのだ。

いや、更に恐るべき超秘密文書が出て来た。「沈黙の兵器――第三次世界大戦へのマニュアル」(一九七九年)、という、五十頁余の機密文書が、アメリカで偶然の機会に発見され、公刊されたのだ。それによると、一九五四年に、某所で、国際エリートの会議が開かれ、そこに於いて、全世界の大衆の完壁な奴隷化と、適切な人口計画のための大量殺繊処分を目的とした、第三次世界大戦の宣戦布告が行なわれた、というのだ。そしてこの第三次大戦は、静かな戦争であり、そこで使われるのは、コンピューターや生物的心理的兵器である、とされるのだ。カーター大統領のエイズ・ウィルス開発命令は、この線上でのみ、合理的に了解出来るのではなかろうか。そして実に、「化学=医学=動物実験=マスコミ=ニセモノの動物実験反対運動」のコンビナートは、秘密の地下世界帝国の第三次世界大戦遂行の不可欠の要素として機能して居るとも考えられるのだ。

(中略)

問題の犯罪シンジケートによる大虐殺は、動物たちに限らない。リューシュが、本書で強調しているように、この犯罪シンジケートは、「合法的大量殺人」の意図を抱いている。つまり、大虐殺の対象には、まさに、人類が含まれているのである。しかし、「合法的」ということばに注意しなければならない。合法的に殺人をなし得るものは、国家権力以外にない。

百七十余の国家群のうち、最大なるもの、超大国は、今や、アメリカ一国である。このアメリカの国家を、或る地下秘密結社がコントロールして居るとすれば、この謀略機関は、アメリカ政府を通じて全世界に一つの権力を打ち立て、この世界帝国に、過剰人口処分の合法的権限を与えようとするのではなかろうか。そして、この処分をスムースに遂行させるテクノロジーの開発を、動物実験的医学に命じるのではなかろうか。沼正三氏の『家畜人ヤプー』というSF小説は、我々の推理を進めるのに、大変、役に立つ。つまり、「システム」にとって、「動物実験」の主流は、今や、分子生物学、遺伝子操作、生命工学、そしてマインド・コントロールの領域に移されて居るのであって、一九八〇年代のエイズ・ウィルスは、この潮流の先駆的兆候の一つに過ぎない、とも考えられるのである。

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  投稿者 seibutusi | 2020-06-18 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

野生ニホンザルのオニグルミ採食行動 ~採食技術とそのバリエーション~

本来、技術とは試行錯誤の塗り重ねで生まれる。実現塾(人類の起源)

霊長類は、試行錯誤の塗り重ねにより採食技術を獲得しながら、知能を進化させてきたと考えられます。 例えば、カニの甲羅を剥がして食べるカニクイザル等、サルは集団で試行錯誤の果てにその技術を身に付けたのでしょう。

今回は、野生ニホンザルのオニグルミ採食行動を観察した研究を紹介します。

 

京都大学 研究成果より。

野生ニホンザルのオニグルミ採食行動を観察  ―採食技術とそのバリエーション―

01

概要

京都大学大学院理学研究科の田村大也博士課程学生は、宮城県金華山島の野生ニホンザルが行うオニグルミ採食の詳細な行動観察を行ったところ、身体的に十分に発達した個体の中でも、クルミの硬い殻を割って中の子葉を食べることができる個体と、殻を割れず子葉が食べられない個体がいることが分かりました。

また、クルミの割り方には4つの異なる型が存在し、多くの個体はそのうちの⼀つの型を好んで使っていました。さらに、身体的な力がオスに比べて弱いメスが使う割り方では、クルミを回転させたり、噛む歯を左右入れ変えたりするようなクルミに対する操作が、オスが使う割り方よりも頻繁に行われていました。

メスはクルミを頻繁に操作することでオスに劣る力を補っていると言えます。これらの研究結果は、ニホンザルがオニグルミの殻を割れるようになるには、身体的な発達だけでなく、適した採食技術の習得も必要であることを示唆しています。

本研究成果は、2020年4月15日にアメリカの国際学術誌「American Journal of Primatology」にオンライン掲載されました。

1.背景

霊長類が食べる食物の中には、食べる前に何か処理をする必要があるものが含まれています。例えば、殻に覆われたナッツの子葉や巣の中にいる昆虫、鋭い棘で守られている植物の葉や茎などがそれに当てはまります。

霊長類はこれらの食物を獲得するために、様々な工夫を凝らします。例えば、野生のチンパンジーでは、石をハンマーとして用いて硬いナッツの殻を割る行動や、細い枝を用いて巣の中からアリやシロアリを釣る行動(道具使用)が知られています。また、南米に生息するオマキザル類では、硬いナッツを岩や木の幹に打ち付けて殻を割る行動(基盤使用)が見られます。

このような採食行動は、食物を獲得するという課題の中で高度な認知能力や複雑な手・物の操作が要求されるため、霊長類の知能の進化を促進した要因の⼀つ として考えられており、 「取り出し採食仮説」と呼ばれています。

宮城県金華山島に生息する野生のニホンザルはオニグルミを⾷べることが知られていますが、殻を割るために石や岩などの道具や基盤は使いません。サルたちは自らの歯で硬い殻を噛み割り、中の子葉を取り出して食べるのです。しかし、ニホンザルがいつからオニグルミの硬い殻を割れるようになるのか、どのように割っているのか、その詳細は明らかにされていませんでした。

2.研究手法・成果

宮城県金華山島に生息する野生ニホンザル 36 個体を対象に、2015年および 2016年の9月から12月(オニグルミシーズン)に合計 106日間の調査を行い、400事例以上のクルミ採食行動を観察しました。

調査の結果、身体的な力が弱い 4歳以下の子供や 19歳以上の老齢個体はクルミを割ることができませんでした。身体的に十分に発達した7歳以上のオスではすべての個体がクルミを割ることができました。一方で、身体的に十分に発達したメスの中にはクルミを割ることができる個体と、身体的には発達しているのにもかかわらず、クルミを割ることができない個体がいることが分かりました。

さらに、クルミの割り方には4つの異なる型が存在し、多くの個体はそのうちの⼀つの型を好んで使っていました。力の強いオスでは臼歯で押しつぶすように殻を割る方法が多く観察されました。一方、オスと比べて力が弱いメスは、頻繁にクルミを回転させたり噛む歯を左右入れ替えたりして、噛む位置を調節して殻を割っていました。

このようなクルミに対する操作を頻繁に行うことで、メスはオスに劣る力を補っていると言えます。しかし、すべてのメスがこの割り方を使っているわけではなく、中には独自の方法で殻を割っている個体も見られました。これらの結果は、ニホンザル(少なくともメス)がオニグルミの殻を割り中の子葉を取り出すという課題を達成するためには、身体的な発達だけでなく、適した採食技術の習得が必要であることを示唆しています。

3.波及効果、今後の予定

今後は、これらのクルミを割る技術をサルたちがどのように獲得していくのか、その発達や学習の過程を明らかにしていきたいと考えています。

~以下略~

 

  投稿者 seibutusi | 2020-06-12 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

培養肉(クリーンミート)と代替肉(フェイクミート)は実験室で創られた

「近年の食の異常事態 http://www.seibutsushi.net/blog/2020/05/5608.html」
「ミュータント小麦」1万5千年前から食べ続けて来た小麦を欧米では「そもそも小麦はよくない(腸の免疫障害を発生させる)」という認識が広がっている。(http://www.seibutsushi.net/blog/2020/06/5673.html/trackback)
でも紹介しましたが、
現代社会では、「ミネラルの無い美しい野菜」・「腸に免疫障害を起こすミュータント小麦」そして「培養肉(クリーンミート)と「代替肉(フェイクミート)」が登場しています。
> 動植物は、数億年をかけて免疫システムを作り上げて来たが、19・20世紀の西洋思想や近代科学が創り出した人工化学物質によって人の免疫力低下を引き起こしています。その結果、現代の感染症(ウィルス・微生物)にも適応できない体になっています。
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培養肉(クリーンミート)とは リンク 
「培養肉」とはその名の通り生体から取り出した細胞を容器内で培養することによって作られるお肉です。近年では、再生医療のための細胞培養の技術が進歩したことで、食用の肉への応用も実現する可能性が出てきています。
具体例としては、東京大学と日清食品ホールディングスが「培養ステーキ肉」を開発しています。(未来のカップヌードルの肉は培養肉になってしまうのか?)この肉は牛から筋肉の細胞を採取して、コラーゲンと混ぜて培養液に浸すことで作られるとのことです。

また、米国やイスラエルには様々な動物の細胞を培養して食用の肉を作ろうとしている企業も出てきています。
代替肉(フェイクミート)とは?
「フェイクミート」とは植物性のタンパク質で作られた人工肉です。
培養肉は動物性のたんぱく質を作り出していますが、フェイクミートは植物性という点が大きく違います。
例えば、フェイクミートの原料としてはタンパク質が豊富な大豆がよく使われており、日本でも「畑のお肉」や「大豆のお肉」として製品化されて販売されています。
例えば、肉の香りや肉汁を再現するために大豆たんぱく質から遺伝子を酵母に注入したheme(ヘム)という分子が開発され、フェイクミートに使用されています。このヘムは植物由来であっても遺伝子組み換え原料であり、本当に安全であると言えないといった問題も出てきています。
【大豆肉】
材料はこちら↓グルテン粉 200g 小麦粉 20g 自然塩 小さじ1 水 600cc
今後の展開予想!!
「代替肉(フェイクミート)」については味の改善やコスト削減、安全性の確認によって、ますます活用の場面が増えてくると考えています。特にヴィーガンやベジタリアンの方にとってはなくてはならない食材となっていきそうです。
「培養肉(クリーンミート)」についても技術革新が進み、味の改善や生産コストも劇的に落ちる時が来ると思います。そして、動物愛護などの観点からもどんどん需要が伸びてくる可能性がある。
しかし、培養肉はいくらクリーンミートと言ってもやはり安全面や感情面ですんなりと受け入れることはできない消費者も多いのではないでしょうか?いずれは、感情面の問題が解決され、安心して口にできるようになる日も来ると思いますが。。。(安心という感情面だけでなく、本当に「安全な食品」か?という検証も絶対に必要です。)
そのうえで、私はこの「培養肉(クリーンミート)」の低コスト化が進めば、魚の培養肉を使って「魚粉」を作ることで養殖の餌に活用できるのではないかと期待しています。
マグロ・サーモン・エビなどの養殖は畜産のように植物性たんぱく質から肉を生み出すことができません。養殖では必ず、餌となる魚(魚分の原料)を獲ってこなければならないのです。(詳しくはこちら↓)
「養殖業」が「畜産業」ほど発展しない理由培養肉の安全が確保されて、感情面の課題を解決するためには「養殖業」を一度間に入れることで解決していけると考えます。
そうすることで、「本当に持続可能な養殖業」にも一歩近づけるのではないでしょうか?
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“牛肉は研究室で”作られる! 「培養肉」研究の第一人者に食の未来を聞いたhttps://emira-t.jp/ace/10917/
近い将来、必ず訪れるといわれている世界の人口増加に伴う食糧危機──。不平等な食糧分配やフードロスといった現状の問題を解決するとともに、穀物や畜産物など食糧の生産力そのものを大きく引き上げることは人類にとって喫緊の課題だ。そうした中でにわかに注目され始めた研究分野が、本物の肉に代わる可能性を秘めた“培養肉”だ。ことし3月には日本の産学共同研究チームが、世界で初めて牛肉由来の筋細胞を用いたサイコロステーキ状のウシ筋組織の作製に成功した。
機械工学から食への画期的なアプローチ
現在の機械はほとんど金属やプラスチックなどの材料で作られていますが、生体が持つ機能には到底及んでいない領域がたくさんあります。例えば、筋肉に見られるようなエネルギー効率の良さ、嗅覚などの感度の良さ、脳の処理能力といったことですね。細胞が壊れたら自ら治す自己修復機能も、現在の機械から見ると夢のような機能です。そうした機能を人工物で作れるようになるまで待つのではなく、“生物にできているならそれを利用しよう”というのがバイオハイブリッドの考え方です」

単に生体の一部を切り取って持ってくるのではなく、細胞を採取し、培養して大きく育て、生体の機能を再現することもバイオハイブリッドの研究に含まれる。今回のウシ筋組織は、そうしたこれまでの研究知見を生かして開発されたものだ。

「代替肉、培養肉は欧米を中心として近年急速に注目されはじめ、既に知財が押さえられつつあります。日本はそれに追従するだけでなく、“先を行かなければ駄目だろう”ということで始まったのが今回のプロジェクトです」
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  投稿者 seibutusi | 2020-06-11 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

グルテンフリー知っていますか?(その2) 今食べている小麦は「ミュータント小麦」

グルテンフリー知っていますか(1)の続きです
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グルテンフリー/ノングルテン特集

https://www.binchoutan.com/gluten-free/index.html より

【もっとも日常的なグルテン「小麦」】
1万五千年も前から人によって栽培され、今も世界三大穀物のひとつといわれる小麦。
古代から様々なかたちで食べられ、その遣いみちも小麦にとどまらず幅広く研究されています。
一般的に、人類が長いあいだ食べ続けてきた食品は安全性が高く、体にも悪影響は少ないといわれています。
では、小麦によって体調を崩す方がこんなにも増えたのはどうしてでしょう?
それは、小麦の流通をとりまく様々な「ひずみ」が大きな原因ではないかと言われています。

【小麦アレルギーの原因は小麦じゃない?!今食べている小麦は「ミュータント小麦」】
現在私たちが食べている小麦は、その本来の姿とはかけ離れていることはご存知でしょうか。
人類ではじめて栽培されたのは「ヒトツブコムギ」という品種の小麦。
これは染色体がわずか14本しかないごくシンプルな遺伝子情報を持った品種でした。人々はこの小麦の栽培を15000年程前からはじめ、 そこから1900年代初頭まで、自然環境の中でわずかに進化したのみで、ほとんど変わらない姿で私たちの暮らしを支えてくれていました。
しかし、そんな小麦の姿はアメリカが国策としてはじめた「緑の革命」によって大きく変化します。
1940年代から始まった「緑の革命」では、農業の生産性を上げ飢餓を減らすという目的のために 穀物類を品種改良して、災害や干ばつに強い種を新しく作りました。
特に主要作物である小麦・トウモロコシ・稲などの品種改良は特に力を入れた開発が進められ、IMWIC(国際トウモロコシ・コムギ改良センター)では小麦の異種交配や遺伝子移入などの実験が重ねられました。
その結果、1980年までに何千種もの小麦の新種が誕生し、中でも生産性の高い品種は米国をはじめとした世界中に植え付けられました。 現在世界で作られている小麦の99%は「緑の革命」以降に作られた品種の小麦だといいます。
この矮性遺伝子を使った改良により、それまでも世界で最も食べられていた作物である小麦は 飛躍的な収量向上に成功し、歴史上最も大規模に生産・消費されるようになりました。
しかし同時に起こったこと。それは小麦自体の遺伝子構造の大きな組み替えです。
実際に、「緑の革命」で生み出された小麦のたんぱく質を親の品種と比較すると、どちらの親とも違うたんぱく質が沢山発見されます。 グルテンは特に交配によって大幅に構造が変化したといわれており、わずか1世紀前の品種と比べてみても、グルテンの遺伝子の量が増えています。
この時つくられた小麦は、人為的な交配実験ではありますが、「遺伝子組換え」ではありません。 しかし、遺伝子組換えのムーブメントが起こるはるか昔から大規模で人為的な交配を繰り返し遺伝子を組み換えたという点では同じようなものです。
(しかもこの実験には動物実験も人体への安全確認の試験も行われていません。この時作られた「ミュータント小麦」はその安全性も確認されず世界中に広がり、今も人々の体を蝕み続けています)
今や深刻な問題となっているセリアック病ですが、古くからの文献には小麦にまつわる病気はありません。 実際に、昔から栽培されていた品種では症状が出ないor軽い症状しか見られないという人も多く、 「セリアック病は緑の革命で作られたミュータント小麦による病ではないか」とも言われています。 (全ての人の症状が軽くなるという結果が出ているわけではありません) ミュータント小麦を作って以降、文明の進歩や食文化の変化もありますが、先進国では肥満が深刻な問題となり、健康を害する人が激増しました。
あまり知られていませんが、小麦には、グルテンが引き起こす問題のほかに「ポストハーベスト(post harvest)」と呼ばれる大きな問題があります。
ポストハーベストとは、輸入品の輸送中に、作物が虫や環境の変化によってダメになってしまわないよう、収穫の後にふりかけられる農薬の事。 スーパーで、ミカンやグレープフルーツなどに「防腐剤を使用しています」と書かれているものを見たことがあるかもしれません。 それがポストハーベストです。
日本から外国へ農産物を出荷する際、ポストハーベストをかける事は全面的に禁止されています。 しかし、日本へやってくる農産物にポストハーベストをかける事は禁止されていません。
私たちが食べている小麦はごく一部を除いてほとんどが外国からの輸入物。
輸入小麦は船便で輸送する最中に駄目になってしまわないよう、収穫した国の人たちが食べるものよりも 更にたっぷりの薬をかけて出荷されます。生育中にではなく、収穫して粉になった後に、です。
「基準は上回ってはいない」と国はいいますが、この輸入時の残留農薬によって健康被害が引き起こさているのでは、という指摘は実際にあります。現在、日本では小麦、大豆、トウモロコシの9割以上を輸入に頼っている現状。
安価で品質が劣化しないよう大量の小麦を輸入するにはポストハーベストは必要なものとみなされており、どこかで規制されない限りずっと続くでしょう。
そもそも小麦という作物自体、農薬を大量にふりまいて作られる事が当然とされてきた作物であることも忘れてはいけません。
有機でない小麦は「収穫の数日前に除草剤をたっぷりつけると収穫量が上がる」とアメリカの農家の間では長く言われており、 致命的な有効成分を含む除草剤がごく最近まで一般的に使われていたという歴史もあります。
たっぷり農薬をかけて生育し、更に収穫後にも農薬を大量にまいて運ばれ…そうやって、小麦は安価な材料の代名詞となりました。
安いものにも高いものにも理由がある。小麦と農薬の問題を考えると、その言葉がしっくりと胸に入ってきます。
もはやこれは「グルテンが悪い」というだけの問題ではなく、小麦の大量生産における栽培〜収穫〜輸送〜加工〜調理にいたるまでの、全ての工程の問題が寄せ集まった結果でもあるのでしょう。
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  投稿者 seibutusi | 2020-06-05 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

グルテンフリー知っていますか?(その1)小麦を主食にしている欧米で「そもそも小麦はよくない」との動き有

先日、パスタの原料表示に「グルテンフリー」とあり。これなに?と娘に聞いた所、
娘「知らないの?今どきの常識」と答えられた。
グルテンフリーについて調べてみると
1万5千年前から食べ続けて来た小麦を欧米では「そもそも小麦はよくない」という動きがあり、今では美容や健康のためにグルテンフリー生活を実践されている人がどんどん増え、国内でもグルテンフリー対応のお店や商品が徐々に増えて来ています。
先日投稿した「近年の食の異常事態 http://www.seibutsushi.net/blog/2020/05/5608.html事態」
と同様な事:動植物は、数億年をかけて免疫システムを作り上げて来たが、19・20世紀の西洋思想や近代科学が創り出した人工化学物質によって人の免疫力低下を引き起こしています。 →近代社会の自然の摂理を捨象した「効率第一主義」が原因です
参考となる記事を転載します
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グルテンフリー/ノングルテン特集
https://www.binchoutan.com/gluten-free/index.html
>今食べている小麦は「ミュータント小麦」
1940年代から始まった「緑の革命」では、農業の生産性を上げ飢餓を減らすという目的のために 穀物類を品種改良して、災害や干ばつに強い種を新しく作りました。
特に主要作物である小麦・トウモロコシ・稲などの品種改良は特に力を入れた開発が進められ、IMWIC(国際トウモロコシ・コムギ改良センター)では小麦の異種交配や遺伝子移入などの実験が重ねられました。
「緑の革命」のおかげでメキシコの小麦生産効率は3倍になり、飢餓に苦しむ数億の人々を救ったといわれています。
確かに「緑の革命」は世界の平和に大きく寄与した…しかし、それならなぜ今もなお南の国と北の国の貧富の差がこんなに大きく、先進国では小麦による病気が増えているのでしょうか。 「緑の革命」は一体誰のために行われたのか。長期的に地球を良くできたといえるのだろうか。当初は賞賛の嵐であったこの政策も、今では効果を疑問視する声が多くみられます。
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【そもそもグルテンって何? グリアジン + グルテニン = 「グルテン」】
グルテンとは、小麦に含まれている「たんぱく質」のひとつです。
一般的に「炭水化物」に分類される小麦粉の中にも実はたんぱく質が6~15%ほど含まれています。
そのうちのおよそ85%を占めているのが「グリアジン」と「グルテニン」。 小麦粉は水を加えて捏ねることで、このグリアジンの「弾力があるけど伸びにくい」という性質と グルテニンの持つ「弾力は弱いが粘着力が強く伸びやすい」という性質が結びつき、 両方の性質をあわせ持った「グルテン」というたんぱく質が生まれるのです。このグルテンの働きをうまく利用して、世界中で小麦を使ったさまざまな料理が作られています。
【グルテンフリーはこんな方におすすめです】
グルテン抜きの生活を余儀なくされている方 (セリアック病・小麦アレルギーなど)
近年、グルテンの摂取によって体調を崩す方が欧米を中心に増えています。
セリアック病は、摂取したグルテンが免疫系を刺激して特定の抗体を産生し、この抗体によって小腸粘膜が損傷してしまうという深刻な病気で、生涯にわたってグルテン抜きの生活をしなければいけません。 日本でも、小麦由来成分を使った石けんが原因で、購入した人々が小麦アレルギーになる大きな健康被害が生まれた事件がありました。
(略)
【グルテンによって引き起こされる体調不良やトラブル セリアック病】
「セリアック(シリアック)病」は小麦食中心の欧米で年々増加する自己免疫疾患で、グルテンの摂取を原因とする病気の中でも最もひどいものです。昔は数千人に一人の珍しい病気といわれていましたが、患者は年々増え続け、2016年の推計では欧州全体に500万人以上の人がセリアック病であるとされています(英国国立医療技術評価機構調べ)。
セリアック病の人は体の中でグルテンが分解できず、体がそれを異物と認識して免疫システムが過剰に働くことで、腸内が攻撃されて慢性的な炎症が起こります。 この炎症によって腸がしっかり機能しなくなり、栄養吸収障害をはじめとした以下のような様々な問題が出てくるのです。
(腹痛 腹部膨満感 下痢 脂肪便 便秘  栄養失調 神経障害他)
セリアック病には今のところ有効な治療法はなく、症状を抑えるためにはグルテンを含まない食事を生涯続けるしかありません。上にあがったほかにも多種多様な症状があり、またセリアック病で免疫系が攻撃されることを発端として別の病気にかかってしまう例も増えているといいます。
(略)
【グルテン過敏症/不耐症/非セリアックグルテン感受性】
アメリカでは人口の15%がグルテン過敏症であるといわれ、そのうち99%が自分のグルテン過敏に気づいていないというデータがあります。
「なんだかグルテンを食べると調子が悪い…」という方はこれらに該当する可能性が高いです。セリアック病のような重篤な症状は出ないといわれていますが、これらが進行するとセリアック病になるとも言われており、軽いからと油断してはいけません。
セリアック病は免疫システムが体自体を攻撃しますが、グルテン過敏症は食事の内容物に大してだけ行われます。なので、体に出る症状はセリアック病より軽度といわれていますが、腸が傷つくという点では同じ。
免疫システムの大部分を占める腸が傷ついてしまう。ということは、様々な病気への危険性が高まってしまうということでもあります。決して軽く見てはいけません。
セリアック病と同様人によって症状は様々ですが、主な症状は以下の通りです。
(集中力の低下 頭痛、偏頭痛、めまい 気分の変調  下痢・便秘 消化器系トラブル 発疹・湿疹 膝や腰などの関節の痛み)
現在日本人の7人に1人が当てはまるといわれている「過敏性腸症候群(IBS)」も、今まで主な原因はストレスといわれていましたが、小麦などに含まれる特定の糖質に対する不耐性が関わっているのではないかといわれており、それらを抜いた食事療法「FODMAP(フォドマップ)」を推奨する医師も増えてきています。

  投稿者 seibutusi | 2020-06-05 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

5Gが人体や自然に与える影響とは? ~『5Gから身を守る』より~

「コロナウィルスと5Gとワクチン」には意図的な因果関係があり、人類の身体→健康はデジタル化され遠隔操作されている リンクとも言われています。

改めて、5Gとは何なのか? 5G(電磁波)が人体や自然に与える影響とは?

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書籍『5Gから身を守る』(著・古庄弘枝)の書評より、見ていきます。

長周新聞(2020年5月29日)より。

『5Gから身を守る』 (著・古庄弘枝)

電磁波が人体や自然に与える被害の実態について講演活動を続けるノンフィクションライターが2月に出版した。5Gが自動運転車や工場で自動的にロボットが生産することを可能にするといった利便性ばかりが喧伝されるなかで、人体や自然や動植物へもたらす危険性、リスクについての基本的知識と世界的な動きを簡潔にまとめた一冊だ。

2020年に商用サービスが始まった5G(第5世代移動通信システム)の最大の特徴は「高速・大容量」「超低遅延」「多数同時多接続」だ。「超高速・大容量」は、通信速度が4Gの100倍、データ容量が4Gの1000倍ということ だが、具体的には「2時間の映画を3秒でダウンロード」というのが売り文句となっている。時代を遡って比較してみると、2G→40日以上、3G→約30時間、4G→約5分、5G→3秒で通信速度の早さは一目瞭然だ。

「昆虫の80%が失われた」

だがその早さや利便性の裏側には何があるのか。 「100㍍おきの基地局設置」や、自動運転車を走らせるために「邪魔となる樹木を何百万本も切り倒す」ということ、つまり人間の目先の利益や便利さのために、動植物の命を傷つける のだ。すでにアマゾンの奥地でもヒマラヤの山頂でも携帯電話が繋がるように、過去20年で電磁放射線によって昆虫の80%が失われている可能性があり、「アリ」「鳥」「ミツバチ」「ネズミ」「野生生物」の奇形も出現しているとの報告もある。

さらに 5Gの電磁放射線は人間の人体(精子の劣化・自然流産・がんの増加・認識機能障害・循環器障害など)、次世代の命をも危険にさらす ことが明らかとなっている。

5G導入で問題とされているのが「ミリ波」だ。ミリ波とは波長が1~10㍉の電磁放射線。ミリ波の特徴は強い直進性があり、非常に大きな情報量を送ることができる反面、大気中の酸素や水蒸気に吸収されるため、近距離通信にしか利用できないというものだ。ミリ波を使う5Gでは、約100㍍おきに基地局が必要となるのはそのためで、政府は「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」(2019年6月閣議決定)のなかで、全国に設置されている約20万8000基の信号機を5Gの基地局として活用できるようにするとしている。

もともと5Gの開発はアメリカ国防総省が冷戦時代に旧ソ連軍との電子戦争を想定して開発したもので、いわば「誘導性の電磁波武器」だと、国際政治経済学者の浜田和幸氏が発していることを紹介。サイバー攻撃・個人情報漏洩リスクなどの危険性も増すと指摘している。

地球の電磁環境に影響

さらに著者が警鐘を鳴らす内容として、5G用人工衛星が地球の電磁的環境を脅かす ということ。5G用の人工衛星が米国と中国を中心に2万基以上も打ち上げられる予定で、これによって現在、軌道上を周回する通信衛星の数は10倍以上に増えることになる。これらの人工衛星は低軌道(高度2000㌔㍍以下)と中軌道(高度2000㌔㍍~3万6000㌔㍍未満)を周り、数千本のアンテナからミリ波を放つ。米国の研究者アーサー・ファースバーグ氏は、問題は「人工衛星が、大気圏の電気的特性に多大な影響を及ぼす地球磁気圏のなかに位置していること」と指摘し、地球上の電磁環境に変化を与えることは、地上の5Gアンテナから放たれる電磁放射線よりも、「生命にとっての脅威になりかねない」と指摘する。

著者は、約37億年前、地球上に生物が誕生して以来、生物は「地球の脳波」といわれるシューマン共振波といわれる電磁放射線と共存してきたが、そのシューマン共振波を乱すような大量の5G用人工衛星の打ち上げは、「地球上に存在する全ての生命に対する犯罪的行為と言えるものではないか」と警鐘を鳴らしている。

知ることが力に

人間の金もうけや利便性を優先させることが、地球規模で人間を含む生物の生命に危険を与える。そのことが明らかになるにつれ、世界36カ国180人の科学者と医師たちが「5G普及の一時停止を求める声明文」を発した。昨年12月にはアメリカの医師・科学者・エンジニアなど100人超が大統領あてに「5Gの一時停止」を求めた。今年1月には世界35カ国で5G導入停止を求めるデモがおこなわれ、日本でも昨年「5G問題を考える会」が発足し、直ちに停止するよう求めている。

イタリアの区議会・イギリスの町議会など世界各国の自治体が、5G展開に反対決議をあげ、アメリカのカリフォルニア州のミルヴァレー市議会が「住宅地における新たな5G基地局の設置の禁止」をしたことなども報告している。

「知ることは力です」というメッセージつきの、さまざまな資料も併載しており、「5Gとは何か、一人でも多くの人に知らせて『5Gストップ』の声をあげ、市町村で『住宅地には5Gアンテナを建てさせない』など、新たな条例をつくることが必要」と呼びかけている。5Gの基本的な情報が凝縮された一冊となっている。

(以上)

  投稿者 seibutusi | 2020-06-04 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments »