2014-09-28

【乳酸菌はどのようにしてヒトの免疫機能を正常化するのか?】-4.乳酸菌がアレルギーや花粉症を緩和するしくみ

301239腸内細菌が免疫力にどのように影響するのか、そのメカニズムの解明に取り組んでいます。

世間では様々な実験を通じて、乳酸菌が免疫力向上やアレルギー症状の緩和に寄与するとされています。実際そのような現象が表れていますが、そのメカニズムははっきりしていません。

現代人の免疫機能は正常

よく、そのメカニズムについて「免疫細胞のバランスが正常化する(=過剰細胞を抑制する)」という説明がなされます。しかし、「バランス」というはいかにも曖昧です(従って、衛生仮説も疑問)。免疫機能を悪者にしているところに違和感も残ります。その根本にあるのは、現代人の免疫反応が「異常」であるという考えです。

その考えのおかしさは、花粉も乳酸菌も、とにかく腸壁や鼻の粘膜を通過して入ってくることを前提=当たり前としている点です。それが本来の身体のしくみであれば、花粉が多い地域ほど花粉症の人が増えるはずです。あるいは、江戸時代にもアレルギーや花粉症があってもおかしくありません。

そうなっていないということは、まず前提とすべきは、花粉、食物、微生物といった異物は、本来腸管や粘膜を通過して来ないということです。アレルギーのショックで死に至ることもあるように、異物は滅多に入って来てはいけないのです。つまり、免疫機能は昔も今も「正常」である、ということです。

 

原因は人工物質

アレルギーも花粉症も、異物が腸管や鼻の粘膜(細胞を含む)を通過して侵入してきてしまうことが原因であり、そこが「異常」なのです。その直接原因は、粘膜が破壊圧力にさらされ、機能衰弱している(つまり薄い)こと、更には、破壊の進行が再生スピードを超えてしまっているということです。そして、乳酸菌の摂取によってそれが改善されていると考えられます。

粘膜及び表皮細胞の破壊の原因は、食物アレルギーの場合は食品に含まれる農薬や食品添加物です。また、花粉症の場合は、排ガスです。つまり、いずれも人工物質です。それらが食物や花粉をくっつけてやってくるため、人工物質が粘膜や細胞を破壊しつつ、くっついている様々な異物が侵入してくると考えられます。そう考えると、田舎にいくと改善することや江戸時代には無かったことの説明がつきます。

(詳しくは「アレルギーの原因は人工物質」 「なぜ人工物質がアレルギーを引き起こすのか?」 参照)
 
以上の認識を前提に、腸内細菌と免疫力の関係を解明してきます。
 

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  投稿者 kumana | 2014-09-28 | Posted in ⑤免疫機能の不思議, ⑩微生物の世界2 Comments » 

微生物との共生を組み込んだ新しい代謝理論・・・異種微生物の共生により安定した環境を作り出す、バイオフィルムという戦略

無題前回は、『クオラムセンシングを利用した細菌集団の統合という適応戦略』のお話をしました。

今回は、クオラムセンシングを利用した、異種微生物の共生により安定した環境を作り出す、バイオフィルムという戦略についてお話します。

バイオフィルムの拡大写真

画像は、こちらからお借りしました

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  投稿者 sinsin | 2014-09-25 | Posted in ⑩微生物の世界No Comments » 

健康・医療分野における微生物の可能性を追求する 06~医者にかからない体をつくる~

食事をする家族ジョギング夫婦

画像はこちらから(リンク) 画像はこちらから(リンク

 

 前回は<食品ラボ>、<肌ラボ>に分かれて微生物の効果の検証を行いました。

結果はどちらもそれなりに効果があることがわかりました。

特に<食品ラボ>は血液検査の数値が変化していたり、お便りの調子が良くなったりとかなり目に見えた形で結果が見受けられました。

 この検証の結果から更なる健康に対する微生物の可能性を食品や生活習慣の改善で検証していきたいと思います。

そもそも微生物を取り入れた食品や生活習慣の改善によって常在菌(微生物)を活性化させる最大の効用は「医者に掛からない生活」の実現可能性です。

本来お医者さんは人々が健康的な生活を営む上では重要、不可欠な存在であると考えられてきましたが、実は一概にそう言えないのです。

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  投稿者 seibutusi | 2014-09-23 | Posted in ⑩微生物の世界No Comments » 

【乳酸菌はどのようにしてヒトの免疫機能を正常化するのか?】ー3.腸は脳を支配している?

不安

 

 

 

 

(引用:http://nikkancareism.jp/archives/820

さて、今回は精神と腸内環境にどのようなつながりがあるか見ていきましょう。

今まででは、乳酸菌を摂取することにより、アレルギーやガンなどの病状が改善された事例は多く出ていましたが、新たに腸内環境を整えることが精神面に影響を与えるという事例はあまりありませんでした。マックマスター大学の消化器病学者であるStephen Collins教授も述べている通り、慢性的に腸の調子が悪い人は精神的にも不安を抱えていることが多く、これまでその原因は謎に包まれていました。

しかし、今から示すような事例が出てきたことにより、通常、腸内細菌の多くは消化を助け、エネルギーを作り出し、病気の原因となる悪いバクテリアを排除してくれるものですが、時によって内臓の動きを悪くし脳にまで悪い影響を与えることもあるのではないかと考えられるようになってきました。例えば下痢や便秘・ガス過多による下腹部の張りなどの症状が起こる過敏性腸症候群(注1)を経験した人の80%が不安とうつに悩まされます。また自閉症の人の腸内バクテリアは異常といえるレベルにまで数が増えることが多いのです。その他、研究者が行った実験をご覧下さい。

※注1)過敏性腸症候群:腸の検査や血液検査で明らかな異常が認められないにもかかわらず、腹痛や腹部の不快感を伴って、便秘や下痢が長く続く病気のこと。

◆臆病なマウスに冒険好きのマウスの腸内バクテリアを移植すると、臆病が治る

Collins教授らが2013年に行った研究からは、腸内のバクテリアの種類を変えられたマウスは振るまいが変わるということが分かっています。実験では臆病なマウスと冒険好きなマウスの2種のマウスを用い、一方のマウスの腸に存在したバクテリアをもう一方に移すということが行われました。はじめ冒険好きのマウスは暗い場所に入れられると柵の中で光を求めて動きまわっていたのですが、臆病なマウスのバクテリアを腸に入れられると暗闇の中の探索をやめたとのこと。反対に、臆病なマウスに冒険好きのマウスの腸内バクテリアを移したところ、冒険好きなマウスがそうだったように大胆な行動を起こすようになったそうです。Collins教授によると、これは脳由来神経栄養因子(注2)と呼ばれる、脳内の神経細胞の成長促進や維持を行うタンパク質のレベルが上昇したことが原因と考えられています。

※注2)脳由来神経栄養因子(略称:BDNF):脳内の神経細胞の成長を促したり維持したりする作用をもつタンパク質。記憶や学習においても重要な働きを持つとされる。BDNFは脳内で分泌され、学習・記憶を促すだけでなく、情動のコントロールや食欲を抑制し、また認知症やうつ病の予防にも効果的であるとされる。

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◆発酵乳を飲むと不安が減る

マウスは人間ではないので、Collins教授の研究によって腸のバクテリアが直接的に人間の精神に作用するとは言えません。しかし、自身のことを「懐疑的」だと称するカリフォルニア大学のEmeran Mayer教授も「動物の実験で得られたデータのいくらかは人間に対しても通用する」と認めています。

Mayer教授は腸内のバクテリアと人間の脳のつながりを証明した人物。2013年にMayer教授らによって発表された研究では、体にいい影響を与える微生物「プロバイオティクス(注3)」を含んだ発酵乳を健康な女性12人に1日2回・4週間にわたって摂取してもらい、他方で別の女性11人にプロバイオティクスを含まない牛乳を1日2回・4週間にわたって飲んでもらいました。

Mayer教授は実験の前後に女性たちに恐れや怒りを感じている人の写真を見せながら脳スキャンを行ったのですが、実験後、プロバイオティクスを摂取したグループの女性は恐れを感じる顔に対しての反応がプロバイオティクスを摂取しなかったグループと比較して減少していたとのこと。「プロバイオティクスを摂取した女性たちはネガティブな感情を『恐ろしいもの』として知覚しないようになっていたのです。また彼女たちの脳はストレスに対して反応しにくくなっていました」とMayer教授。プロバイオティクスを摂取した女性たちは実験後とくに気分の変化を伝えませんでしたが、不安やストレスには苦しまなかったそうです。Mayer教授らは現在、自閉症の子どもを対象に腸内バクテリアを移植するなど、さらなる研究を続けています。

※注3)プロバイオティクス:人体に良い影響を与える微生物。または、それらを含む食品、製品。

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◆腸内の状態が変わると自閉症の行動が変わる

さらにカリフォルニア工科大学で研究を行う神経生物学者のElaine Hsiao教授も腸内バクテリアが自閉症に与える影響について調べる1人です。

人間と同様に自閉症のマウスにおける腸内にも異常が起こっていることがあります。オモチャと他のマウスという2つの選択肢が存在する箱にマウスを入れた場合、自閉症でないマウスは他のマウスと遊ぶという選択肢を選び、自閉症のマウスはオモチャを選ぶ傾向があるのです。また仲間内で会話を行う場合、自閉症のマウスは仲間を呼ぶ声が小さく短いということ、さらに木の削りくずと大理石が入った瓶の中にマウスを入れると、自閉症でないマウスは大理石を削りくずの中に埋めるのですが、自閉症のマウスは大理石を埋めたり掘り返したりを繰り返すということも分かっています。

そこでHsiao教授が自閉症のマウスに3週間にわたってバクテロイデス属(注4)のバクテリアを含むアップルソースを投与したところ、いくつかのバクテリアの値が正常に戻り、マウス自体の振るまいも変化しました。

バクテリアを含むアップルソースをマウスに与えたところ、自閉症のマウスは大理石を埋めたり掘り返したりという行動をやめ、コミュニケーションの方法も普通になったのとこと。ただし「オモチャか他のマウスか」という選択肢ではオモチャという選択肢を選ぶままだったそうです。※注4)バクテロイデス属:嫌気性の腸内常在菌の一群。
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◆まとめ

腸内環境を整えることで、なにかしら脳に良い影響を与えていることは確かでしょう。その1つの理由として考えられるのは、脳は腸から進化したということです。

生物がそもそも誕生したのは、40億年以上前のことであり、たった1つの単細胞からなる単細胞生物として出現し、そこから多細胞生物へ進化していきました。その多細胞生物が、生き延びるために進化する過程で、1番はじめに「腸」という器官を作り出したのです。例えば、イソギンチャクやヒドラといった生物は、腸だけしか持ち合わせておらず、脳や心臓といった器官がありません。彼らは、入り口から入った食べ物を消化し、入り口から排出するという単純な構造で成り立っています。彼らは、まさに脳ではなく、腸でさまざまな判断を下していると言えるでしょう。

腸は、脳の指令なしに独自で、体内に入った有害物質をブロックしたり、また独自に、状況に応じて解毒作用を行ったり、さらには肝臓などの他の器官に対して指令を出したりしているのです。こうしたことが出来るのは、脳以外の臓器では非常に珍しいことなのです。

さらに、脳よりの腸の方が正確な判断を下します。脳は食べ物が安全かどうか判断出来ませんが、腸は出来ます。ファーストフードやコンビニ食品など食品添加物が多く含まれている食べ物も見た目が美味しそうであれば、脳はだまされ、多くの人は食してしまいます。しかし、腸は「この食べ物は体に良くない!」と吐き出したり、下痢を起こしたり、体が毒されてしまわないような判断を下すのです。このように、脳の誤った判断に無理やり腸を従わせていることが現代の様々な病気の元凶になっているとも言えます。

生物進化の歴史からみて、腸はあらゆる器官の原点である。また、実験データから腸内環境を整えることが脳に良い影響を及ぼしていると言える。
以上より、腸は脳を支配していると言えるのではないだろうか。

(参考文献)「乳酸菌生活は医者いらず」 藤田紘一郎

  投稿者 seibutusi | 2014-09-21 | Posted in ④脳と適応, ⑩微生物の世界No Comments » 

政府広報「放射線についての正しい知識を。」の社会的問題性

image22014年8月17日付政府広報「放射線についての正しい知識を。」(リンク)という政府広報が、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、日経新聞の大手5紙と、福島民報と福島民友の地方紙2紙に掲載されました。

 

今年の8月3日、政府が福島県から避難されている方々を対象に行った放射線に関する勉強会を開催し、放射線に関する様々な化学的データや放射線による健康影響などについて、東京大学医学部附属病院 放射線科准教授の中川恵一氏と、国際原子力機関(IAEA)保健部長のレティ・キース・チェム氏の専門家による講演の概要をまとめたものです。

中川恵一氏の講演まとめの見出しは「放射線について慎重になりすぎることで、生活習慣を悪化させ、発がんリスクを高めている」というもので、小見出しとして「放射線の影響に関する深刻な誤解」「福島で被ばくによるがんは増えないと考えられる」「運動不足などによる生活習慣の悪化が発がんリスクを高める」となっています。

レティ・キース・チェム氏の講演のまとめの見出しは「国際機関により設定された科学的な基準に基づく行動をとってほしい」というもので、小見出しとして「放射性物質は様々な場所に」「人体にとって有害な放射線量とは」「科学的な根拠に基づいた国際基本安全基準」となっています。

講演の概要の下には、放射線と生活習慣の発がんリスク比較した表、震災後検診結果の推移(糖尿病型が9.4%から11.3%に増加していることと、糖尿病によるがん罹患リスクの上昇を示したもの)が掲載されています。

この政府広報に対しての抗議や問題視する声がネット上にもたくさん上がっています。日本国民を愚弄している上、筆者と政府広報官の心の有り様や知性が余りに酷いものです。このような稚拙な政府広報で新聞の一面に掲載するなど許しがたい行為です。今日は政府広報の問題性についていくつか記事を紹介したいと思います。

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  投稿者 yidaki | 2014-09-18 | Posted in ⑩微生物の世界, ⑪福島原発問題No Comments » 

健康・医療分野における微生物の可能性を追求する 05 有用微生物製品の人体への効果

前回までは、ユーグレナ(リンク)や、皮膚常在菌( リンク )、乳酸菌(リンク)について紹介しましたm051.gifシリーズ第5回目の今回は、有用微生物を活用した製品(健康食品と化粧水)の人体への効果について紹介しますm027.gif

第1回の記事(リンク)で記載したように、「食品ラボ」と「肌ラボ」の2チームを作り、市販されている有用微生物を活用した健康食品・化粧水を実際に使用し、検証を行いました。

<食品ラボ>

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1.試験者2名(A,B)がビフィズス菌を使った健康食品(ビフィーナ)を約1ヶ月間試食し、試食前後に血液検査を行い、血中成分の変化を測りました。
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  投稿者 seibutusi | 2014-09-16 | Posted in ⑩微生物の世界No Comments » 

【新説が示唆する脳のメカニズムと可能性Vol.1】未使用脳細胞は磁力で通信・演算に使われている?

今回のテーマは「脳」についてです。私達のもつ「脳」について、解析技術が日々進歩していますが、いまだに多くのことが分かっていません。考えたり、話したり、記憶したりするとき、脳はどのように機能しているのか、ニューロン同士がどうやって情報伝達しているのか、意識とは何なのか。

 

脳

画像はこちらから借りましたhttp://thegic.org/profiles/blogs/what-are-the-top-4-dangerous-toxins-to-the-brain

脳を構成する主な細胞は「神経細胞」であり、その神経細胞が、インパルスと呼ばれる電気信号を発して情報をやりとりすることで、高度な演算を行うことができている、というのがこれまで言われてきている「脳」のメカニズムです。しかし近年、全く違った観点から、脳の働きについて明らかにしようという仮説がでてきています。

それは、脳細胞が「磁気」によって「通信」を行っているのではないか?というものです。

 

佐野千遥博士による論考「大量の未使用脳細胞は磁力での通信・演算に使われている」

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=292291より引用

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理研は「脳を構成する主役は「神経細胞」である。神経細胞は、電気信号を発して情報をやりとりする特殊な細胞だ。その数は大脳で数百億個、小脳で1000億個、脳全体では千数百億個にもなる。」と書いている。

大脳についての全神経細胞数を比較するとヒトは約600億個、チンパンジーは200億個、アカゲザルで120億個くらいとなる。この中、大脳で実際に使われている神経細胞数はヒトで140億個、チンパンジーは80億個、アカゲザルで50億個くらいと測定されている。

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「ラットのニューロンネットワーク」

画像はこちらから借りましたhttp://www.nacalai.co.jp/products/new/gs21.html

 

つまりヒトの大脳の神経細胞使用率は140/600 = 23 % となる。つまり77 %は未使用ということとされる。ここで確認すべきはヒトのみならずチンパンジーやアカゲザルでもぞれぞれ60%、58%の未使用の神経細胞が大脳に有る点である。

実際、大脳の左脳、右脳の皮質を調べていくとデンドライト(樹状突起)や軸索で他のニューロン(脳細胞)と繋がっているニューロンの間に、他のニューロンに繋がっていないニューロンが散見される。

「大脳脳細胞使用率23%」と言うとき、大脳の或る面積部分に有る全ての脳細胞が使われていないという事ではなく、大脳全域に渡って既使用のニューロンと未使用のニューロンが隣接して入り混じっている事を言う。

実際、脳外科で脳の一部が損傷した患者のリハビリをしようとした時、未使用の脳細胞を、今損傷している脳機能を司るニューラルネットワーク中の欠けてしまった今は無き脳細胞の替わりにその位置に組み込むべくリハビリ訓練を行う。そうする事により或る程度成果が上がる事が有るということは、逆に「未使用の脳細胞」の中には本当に未使用である脳細胞も有る事を意味し、そのような未使用だった脳細胞がリハビリ訓練で壊れてしまった或る推論機能のニューラルネットワークに組み込まれた事を意味する。

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「神経細胞の構造」

画像はこちらから借りましたhttp://www.brain.riken.jp/jp/aware/neurons.html

 

ところで77%の「未使用脳細胞」が全て本当に「未使用」とすると、次のような大問題が幾つも生じる。

1) 進化論上何故77%もの多大な無駄が生じているのか?

2)現在脳細胞網(ニューラルネットワーク)と看做されている23%の使用中脳細胞が重み付け・閾値を持った樹状突起・シナプス、軸索を使って電流を流して行う加算的演算は命題論理(具体的値のみを含んだ論理式)演算だけで、変数を含んだ乗算的述語論理演算を出来ない仕組みでしかない。しかし変数を含んだ乗算的述語論理演算が人間の推論には実際有る。つまり典型的には変数の含まれた普遍的教訓とか、普遍的法則とか、普遍的数学定理を人間の頭脳は扱う事が出来る。

3)激しいてんかん症状を回避する目的で左脳、右脳間の脳梁を切断してしまった人の脳の活動をMRI(Magnetic Resonance Imaging)で調べると、切断しているのに、左脳上、右脳上の遠く離れた部署同士が共鳴し(つまり磁気的に共鳴し)て反応している事が観察される。つまり脳のニューラルネトオワークによる情報演算は従来電気信号すなわち電流の流れる回路のみに拠っていると考えて来た事自体が誤りではないのか?つまり磁気による通信が従来見落とされているのではないのか?

この3つの大問題の全てに対し同時に解答するなら、それは次のようになる。

77%の「未使用大脳細胞」とは大半が実は磁気的演算処理装置として既に稼動している。

電気と違って遮蔽されにくい磁気は、細胞で繋がっていなくても通信をする事が出来る。

樹状突起・シナプス、軸索を持ったニューロンが繋がって出来た電気的ニューラルネットワーク(メービウスの帯の構造をも持つ)に沿って電気信号つまり電流が流れた時に、その電気回路の中に位置する樹状突起・シナプス、軸索を持たない独立したニューロンは単極磁石に磁化される。実際ロシアのシャクパロノフの実験では、双極永久磁石と違って単極永久磁石を作るにはキューリー温度まで上げての焼き鈍しは不要で、メービウスの帯の電気回路にそれなりの強い電流を流すと、それだけで単極永久磁石を創れることが分かっている。

このようにして創られた単極磁石が変数となり、掛け算的述語論理演算を磁気による通信により実現する。

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引用終わり

脳細胞が磁力によって無線通信を行っているのではないか、と唱えているのは、佐野博士だけではありません。海外の科学者によって下記のような主張もなされています。電子式であるコンピューターでは脳は再現できない、という見解も一致しています。

意識の正体は脳の細胞間の無線通信

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=294481より引用

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イギリスのサリー大学の教授が、人間の意識は脳の中で行なわれている無線通信だという興味深い理論を発表した。この理論に対する反発もあるが、もし正しいことが証明されれば、哲学や神経科学の分野に大きな影響を与えるだけでなく、人間の脳なみの人工知能が実現に一歩近づくことになる。

イギリスのサリー大学のジョンジョー・マクファデン教授(分子遺伝学)によると、人間の意識の正体は脳の細胞間の無線通信だという。

マクファデン教授は、神経科学、心理学、物理学、生物学の研究を総合し、意識についてのさまざまな疑問に対して、大胆な答えを提示した。疑問とはすなわち、意識とは何か、脳は知的思考をどのように行なうのか、人間は自由意志を持っているのかという、プラトンの時代の哲学者や科学者から、現代の人工知能研究者まで悩ませつづけてきた問いだ。

マクファデン教授の理論が正しいと証明されれば、哲学は大混乱に陥り、神経科学には革命が起こり、人間の脳なみの人工知能が実現に一歩近づくことになる。「私の理論は、検証が可能な、意識の物理的理論を提供している」とマクファデン教授は語る。「意識を理解できれば、意識の改善や変質、さらには人工意識の創造もできるようになる」

『量子進化』(Quantum Evolution)の著者であるマクファデン教授は、人間の意識を物理的に支えるものは、脳の神経回路と相互作用を行う電磁界に他ならないと主張している。

複数の神経細胞が同時に活性化することでこの電磁界に強力な波が生じ、波が他の神経細胞を刺激する。このように電磁界は一種のワイヤレス・プロセッサーのように作用し、脳の配線から得た最も重要な情報を組み合わせて無線信号に変え、意識ある思考として脳に送り返す。

マクファデン教授によると、この「電磁界効果」は、人工知能の専門家がこれまで見落としていた要素だという。「コンピューターが十分に強力な性能を獲得すれば意識を持つようになるという意見もあったが、これまで実現していない」とマクファデン教授。「今こそ、何かが欠けていることに気づくときだ。人工頭脳の設計には電磁界効果の応用が必須なのだ」

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引用終わり

 

私達が何か物事を考えるとき、意識的なものと、無意識的なものの2つがあります。意識的に行う行動は、目的があって選択している、という点で、コンピューターが行う計算に似ています。

チェス

 

 

 

 

 

 

「人間とコンピューターのチェスの対決」

画像はこちらから借りましたhttp://d.hatena.ne.jp/thk/20120213

 

>電流を流して行う加算的演算は命題論理(具体的値のみを含んだ論理式)演算だけで、変数を含んだ乗算的述語論理演算を出来ない仕組みでしかない。しかし変数を含んだ乗算的述語論理演算が人間の推論には実際有る。

一方で、私たちは意図を持たないで行動に出ることがあります。つまり無意識です。それは電子式であるコンピューターにはマネできないところです。上記の記事を読むと、「磁力」という要素は、この「無意識」という部分に関わりがあるのではないか、そんな気がしてきます。

次回は、この「脳」と「磁力」との関わりについて、さらに深めていきたいと思います。

Vol.2へ続く…

  投稿者 seibutusi | 2014-09-14 | Posted in ④脳と適応No Comments » 

微生物との共生を組み込んだ新しい代謝理論・・・クオラムセンシングを利用した細菌集団の統合という適応戦略

imagesSXEXZ3GK13『微生物との共生を組み込んだ新しい代謝理論・・・自然の摂理に則した生き方を創造するために』では、私たちが今まで考えていた以上に細菌の生息範囲は広く、生命誕生時の苛酷な環境がいまだに残っている地中深くや深海の熱水噴出口などに、現在も数多く繁殖していることをお話しました。

共生する微生物

画像はこちらからお借りしました

例えばそれは、人類の腸内にも細菌が数多く生息しており、人類進化に影響を及ぼしていることや、近代社会のエネルギーの源である石油も、細菌の分解によって作り出された可能性が高いことなど、直接的、間接問わず、細菌は私たち人類にも影響を及ぼしていることです。

これらの事実は、細菌が人類も含めた壮大な生命進化を支えてきたという新しい生命観から、微生物と共生を前提にした代謝理論を構築していく必要があることを示しています。そこで今回は、まず、その細菌たちは、どのような戦略で適応してきたのかについて、考えていきたいと思います。  

(さらに…)

  投稿者 sinsin | 2014-09-09 | Posted in ⑩微生物の世界No Comments » 

生物学的元素転換・・・その1

福島原発の放射能除染対策として、表土を削り取るという方法で進められていますが、この方法では、根本的な対策になっておらず(放射能に汚染した土砂を別の場所に移すだけ)、かつ、遅々として進んでいません。

その中で、放射能を細菌で除染する方法が提起され、かつ、成果(除染)を挙げているのですが、その理論的根拠が解明されていないという、摩訶不思議な理由(*1)で広がりを見せていません。

*1:細菌で除染ができている事実を抜きにして、理論的根拠が解明されていないという理由で採用しないのは、摩訶不思議というか狂った判断としか言いようがありません。

恐らく、細菌が生体内でセシウム元素をバリウム元素に変換させるという事実が、明るみに出ると既得権者にとって都合が悪いことになる、ということを示しているのだと思います。

 

上記の摩訶不思議な理由を突破するため、生物学的元素変換メカニズムの追求を進めて着ましたが、一つの切り口として「常温核融合」が「生物学的元素転換」に非常に近い、即ち、元素転換は、超高温・超高圧下以外でも起こりえることを共に示唆していることを鑑み、常温核融合実験や自然界で「生物学的元素転換」と思われる植物・動物等の事象の紹介からスタートしたいと思います。

現時点で、再現性の高く、元素転換の解明度が高いと想定される、かつ、多くの研究者が取り組み始めている常温核融合実験の紹介から取り組みたいと思います。

今回は、先進技術研究センターの岩村康弘インテリジェンスグループの「重水素透過によるパラジウム多層膜上での元素転換の観測」を紹介させて頂きします。

(さらに…)

  投稿者 seibutusi | 2014-09-08 | Posted in ⑩微生物の世界, ⑬相対性理論・量子力学・素粒子No Comments » 

健康・医療分野における微生物の可能性を追求する 04 乳酸菌の作用・可能性の追求 「ヨーグルトで歯磨き★」

花粉とウィルス

画像はこちらからお借りしました。

(さらに…)

  投稿者 seibutusi | 2014-09-04 | Posted in ⑩微生物の世界No Comments »