2014-06-05

シリーズ 人類と病気 アレルギー(4) なぜ人工物質がアレルギーを引き起こすのか?

みなさん、こんにちは。
シリーズ「人類と病気 アレルギー」、第4回目は「なぜ人工物質がアレルギーを引き起こすのか?」です。

鼻をかむ

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前回記事では、アレルギーが、直接的には体内(=腸壁および鼻粘膜の内側)に侵入したタンパク質を異物と認識することによって起こる、と解説しました。
では、本来入ってくるはずのないタンパク質が体内に入るのはなぜなのか?というと、
タンパク質と結合した人工物質が(直接or起因して)、細胞膜を破壊するからなのです。
今回は、代表的な人工物質を例に挙げ、タンパク質がどのように体内に侵入するのか、その原因構造を解明します。

①花粉症と排ガス

自動車の排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)や黒煙微粒子は活性酸素を持ち、細胞膜を酸化させることがわかっています(http://www.nies.go.jp/kanko/news/13/13-5/13-5-05.html)。

当然細胞は、それを修復するのですが、排ガスが大量に入ってくるために修復が間に合わないと考えられます。
そして、排ガスと花粉が複合分子としてやってきて粘膜にくっつき、大量の活性酸素によって生じた細胞膜の穴から花粉のタンパク質が侵入するのです。穴といっても細胞一つ分より小さい、目に見えないほどの小さなものです。
アジュバントのついた花粉スギ花粉の電子顕微鏡写真。表面に小さな物質が付着しているのがわかります。排気ガスはこのように花粉の表面にくっついて私たちの体内に侵入します。

 

 

 

②食物アレルギー(主に卵)と抗生物質

中国抗生物質抗生物質は家畜が病気にかからない様にえさに混ぜて与えられています。国の検査でも、数日間はその肉に抗生物質が残留することが示され、出荷前の投与を制限するなどしています。その場合も飽くまで残留濃度以下にしようとしているだけで、決してゼロになるわけではありません。更に、鶏の卵となると、毎日産み落とされるもので、抗生物質を断つ運用は困難です。

また、抗生物質が細胞に作用する過程で、活性酸素を産生してしまうこともわかっています。
抗生物質の場合も、結果的には活性酸素の働きを促進し、細胞膜を破壊してしまうのです。
私たちの細胞は、日常的に活性酸素にさらされていますが、酵素による修復機能によってバランスを保っています。
ところが抗生物質の中には、この酵素の働きを抑止してしまうものがあり、結果的に活性酸素による細胞膜破壊が進行して、タンパク質の侵入を許してしまうのです。

③食物アレルギーと農薬

中国農薬農薬の中でも一般的な有機リン系殺虫剤(ex.ジクロトホス)は、それ自体が活性酸素を生じ細胞を破壊します。更に、細胞が細胞膜を修復するための酵素の働きを阻害します。
また、カビキラーなどの家庭用洗剤にも含まれる塩素系の薬剤は、触るとヌルヌルとしますよね。これは、塩素系の物質が手表面のたんぱく質を溶かしているのです。これが体内に入ることで、細胞膜を破壊してしまうのです。

 

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いかがでしたか?
人工物質が、なぜアレルギーを引き起こしてしまうのか、おわかりいただけましたか?

では、アレルギーの元凶が人工物質であるなら、これからの私たちは、どのように健康を守っていけばよいのでしょうか?
次回は、アレルギーから身を守るには?を、追求していきます!

今回画像は
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20101221/1033996/?SS=expand-life&FD=-638114566
http://eco.goo.ne.jp/news/ecotrend/ecotrend_20100125_164_ep.html
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=46088
http://dontena.doorblog.jp/archives/38008970.html
からお借りしました。

List    投稿者 seibutusi | 2014-06-05 | Posted in ⑤免疫機能の不思議, ⑥病気の起源、正体No Comments » 

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