2020-11-27

生物史から観て「持続可能な開発目標 (SDGs)社会」は正しいか?

生物史から混迷を深める世界を読み解くと、世界支配を目論む人は人類の未来をどう考えて居るのか?

世界的には。2000年頃から国連を中心にミレニアム開発目標 (MDGs)が採択され2015年からMDGsが達成できなかったものを実現することを目指す持続可能な開発目標 (SDGs)が採択され実行に移されている。

ここ最近のTVは、コロナ禍に続いて、持続可能な開発目標 (SDGs)が取り上げ、世論形成を図っている様である。

★現在、世界共通目標になろうとしている認識

自然との循環共生社会

持続可能な開発目標 (SDGs)社会

今回は持続可能な開発目標 (SDGs)社会について生物史から考察する

注)(ウィキペヂアより)SDGsは持続可能な開発目標( Sustainable Development Goals: SDGs)とは国連の持続可能な開発のための国際目標であり、2015年9月の国連総会で採択された『我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ』(Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development)を目指す

持続可能な開発目標 (SDGs) は以下の項目を実行する為の世界の指導者の契約書

【主要には貧困の消滅及び先進国との格差是正:人類特有の私権(私有財産確保)の問題で自然界には存在しない】

  • すべての人々の人権を実現し、ジェンダー平等と全ての女性と女児の能力強化を達成することを目指す。

【生物は進化するにつれて役割分化を進めている(メス:安定と充足 オス:外敵闘争)】進化の法則に反する

  • 統合され、不可分のもので、持続可能な開発の三側面、経済・社会・環境を調和させる。

【古来、日本においては老舗企業(持続可能では実現されて来た。売り手よし、買い手よし、世間よし。いわゆる「三方よし」が経営哲学となっている】

日本国内では、地方創生SDGs・「環境未来都市」構想(地方創生推進事務局)が発表されています。

「三方よし」のビジネスモデル 未来に永続する事業の必須条件

を参照にして纏めました

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現代の資本主義の企業は

【初期】

利益第一「企業体は「株主価値の最大化」を経営目標とし、株主価値は、企業価値と等価であり、その最大化こそが経営の目的とされる。」

【1970年頃】・・先進国で豊かさ実現(環境問題のクローズUP)

社会存在としてCSR(企業の社会的責任 / Corporate Social Responsibility)が問われ始める

【2000年以降】

社会起業やCSV(Creating Shared Value:共有価値の創出)などが求められている。

【近い将来】・・「社会的意義」と「創造する未来」を目指す

日本の老舗をモデルとするを企業≒永続する企業

(近江商人の哲学「三方(売り手・買い手・世間)よし」を旨とする)

「買い手よし」は、「顧客セグメント」と「顧客価値」で定義され、どのような顧客に、どのような「価値」を提供するかを考える。これはあらゆる事業の基本的な要素である。「売り手よし」は、「収益の流れ」と「自組織への意義」で定義される。売り手にとってどのような収益をもたらすのかという直接的な便益と事業が組織にうみ出す便益、たとえば、受け継がれている経営理念の実現に寄与する、自組織の社会的認知度が向上する、自組織の構成員の動機づけにつながるなどが想定される。

最後の「世間よし」は「社会的意義」と「創造する未来」によって表現される。ここでいう社会的意義とは事業の全体が社会に対してどのような貢献を果たしているかということである。事業体と社会を分離して考えるのではなく、社会の一部、社会の公器として事業が果たしている役割である。たとえば「価値提案」では、顧客の欲求に対して何を提供するのかという提案がなされるが、「社会的意義」では、それらを越えて社会に対してなしうる貢献を明記すべきである。

もとより事業が存続することで、雇用をうみだす、事業パートナーの活性化に繋がる、地域の経済に貢献する、社会の課題解決につながるなどさまざまなかたちで社会に貢献することが可能である。社会的意義とは、いわゆる社会起業のように、社会課題の解決に特化することだけでうまれるものではなく、事業運営をしていく上で重要な資源である「ヒト」「モノ」「カネ」を適切に活用すること自体が、既に大きな社会的意義を含んでいるのである。

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  投稿者 seibutusi | 2020-11-27 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

人類奴隷化計画は「人類の家畜化≒人類の幼児化」なのか?

前回の記事

「世界支配を考えている人間は、「本能(右脳)を封鎖し、従順な人を創る(人類奴隷化計画)生物の多様性原理に反する」事を目指しているのか?」と記載しましたが

人類奴隷化計画は、西洋では度々登場(選民思想他)しており、その起源は、遊牧民の生産手段の一つ「動物の家畜化(犬・ヤギ・豚他)」から「オスの去勢(闘争本能を削除し従順なメス化)→宦官(西アジアおよび中国の帝国)」そして「本能(右脳)を封鎖し、従順な人を創る」と考えられる。

西洋文明では現在でも「人の理性こそが人の本能(≒自然)を制御することが出来る」そして「子供は獣と一緒であるので幼児から躾が大切」などが常識となっている。

世界の先進国の中で日本のみが、上記の思想に染まってない可能性が高い。

日本人の特質「最もネオテニー化した民族自然との循環共生社会創出」】参照

一方で、動物の家畜化≒人類のネオテニー化の危険性についての記事も有りましたので転載します。

注1「家畜化」とは Wikipediaに書いてある内容

一般的に、家畜化によって、動物には以下のような変化が生じる。

・気性がおとなしくなり、人間に服従しやすくなる。

・脳が縮小する。

・人間にとって有用な部位が肥大化する。

……このような現象は、人間の保護下にあることで、自然選択の圧力かがかからなくなるために引き起こされるものと考えられる。

同様の傾向がヒトにも見られ、これを自己家畜化と言う。

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農耕はなぜ幼児化なのか (

【農耕のはじまりとともに、人間は人間の家畜となった。】

なぜか。

農耕社会が私有財産を生んだからだ。

ひとびとは定住するようになったので、食べ物や住居を持ち運ぶ必要がなくなった。そして穀物は保存が効く(おもしろいことに、タロイモを主食とする部族は比較的平等社会である。これはタロイモがすぐ腐るからである)。このことが何を可能にしたか。他人の労働によって食べていく権力者である。

狩猟採集社会にはこういった権力者はありえなかった。たとえばキリンを一頭しとめても、それを独り占めすることはできない。すぐに腐ってしまうし、重たくて持ち運ぶのは困難だ。富は重荷である。人々は自然に食料を分け与えた。

農耕の広がりとともに、階級社会が始まったといえる。

【奴隷道徳のはじまり】

階級社会では、ひとびとは支配者と被支配に分断される。すべての階級社会はピラミッド構造。支配されるものの方が多い。つまり、農耕社会(=文明社会)は大多数の奴隷と少数の主人で構成される。

支配階級は農民が雌牛を飼育するように、農民を「飼って」いた。つまり支配階級は農民を家畜化していったのである。

【支配者にとって望ましい被支配者】

支配者は「利益」と「統制」の最大化を求める。

では、支配者にとって望ましい被支配者とはなにか? 従順で、言うことを聞き、臆病で脅しに容易に屈し、我慢強く、信じ込みやすく、意志や知能が低く、力が弱く、しかし体力がある健康な人間である。これらは……幼児的である。

こういった人間は支配者を喜ばせたので、何千年もの間繁栄していった。

【支配者にとって望ましくない被支配者】

逆に支配者にとって望ましくない被支配者とはなにか? 反抗的で命令に従わず、独立的で階級に反発をいだき、利己的で集団の和を乱し、自由を求め、反権威主義的な人物である。

こういった人間は、何千年もの歴史の間何度も「除去」された。その繰り返しは、農耕が始まって1万年。300世代くらい繰りかえされただろう。

――もっとも、支配は双方向的である。

被支配者たちもまた「よりよく支配されること」を望んでいた。配偶者としては自営業者よりサラリーマンの方が好まれるものだ。親は子どもを従順な人間に育てる。その方が幸福に生きられるからである。

自発的隷従によって被支配的な人々が再生産される。言ってしまえば、ニーチェの言う「奴隷道徳」は農耕のはじまりとともに存在するのである。

【野生の人間と養殖の人間】

私たちは「養殖の人間」である。これは比喩的な表現だけど。

「天然の人類」たち――農耕を知らない(あるいはJames C. Scottによれば農耕を拒絶してきた人々)は容易に権力に屈服しない。ピクォート戦争で捕らえられたインディアンのように。

また、彼らは非常に単純というか、衝動的に生きる。ブッシュマンに牧畜を教えようとしたが、彼らは与えられたヤギをすぐさま食べてしまったという。 まあ、野蛮というか素直というか。

【人類は一万年前とは違う】

人類は農耕が始まってから変わった。

それは単に「文化」にとどまらない。遺伝子レベルで人間は変わったのである。

オーストラリアの原住民たちは「野生の人間」の性質を保持していると言われる。

インディアン、アボリジニー、アイヌ民族、ハワイ人。

彼らは単に「先にそこにいた」から虐殺されたのではなかった。彼らは容易に家畜化されなかったから殺されたのである。反逆した者は殺され、服従する者は生き延びた。それだけの話だ。

なんて残酷なんだろう! と思われるかもしれない。しかしこれは歴史上常に行われてきたことだ。

適応性の高い者が子孫を繁栄させる。それが生物の法則である。

私たちの社会では、攻撃性や独立心は生存に不要だ。「よりよく支配される」者の方が繁栄する。従順な労働者(会社員)の方が、ホームレスやフリーターより子孫を持つ。

【まとめ 人間は変わる必要があるのだろうか】

「農耕を採用したことは人類最大の誤りだった」と主張する人がいる

たしかに農耕によって国家が生まれた。階級が生まれた。ひとびとは土地に縛られ、税金を奪われ、自由を失った。過酷な労働や過剰な人口密度、伝染病に苦しめられることになった。

人類のネオテニー化は初期人類に見られるとも言われる。つまり25万年前から家畜化されている。だから、人類から家畜化の傾向はなくなることはないのかもしれない。

しかし、農耕の始まりによって人類は急激に家畜化されたこともまた事実だろう。それは人間が、イヌ、ネコなどと同じように人間を支配するようになったからである。

現在も人間の家畜化は進んでいる。支配関係はますます巧妙に、強力になっている。

しかしそれでも、人間というのはおもしろい。支配されることに我慢ならない人――自由を求める人はつねに存在する。かっこよくいえば、ネコの中の獅子、イヌの中の狼である。

私たちは家畜であることを続けるべきなのだろうか。それとも、「野生の人間」に戻るべきなのか。それはまだ結論がつけられないが。

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  投稿者 seibutusi | 2020-11-20 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

マスク社会の危険性「それは表情を学ぶ機会を失った赤ちゃんたちによる『人の感情を理解しない人々の社会』の出現」

先の実現塾(リンク)にて、 コロナ禍による重大な影響の一つ「人の最重要なコミュニケ―ション方法は、相手の表情を読み取り、理解し合うことであり、マスクはそれを阻害する。」との話があった。

世界支配を考えている人間は、「本能(右脳)を封鎖し、従順な人を創る(人類奴隷化計画)≒生物の多様性原理に反する」事を目指しているのか?

同様な問題指摘をしている記事がありますので以下に転載します。

リンク

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マスク社会の本当の危険性がわかってしまった

(要約しました)

>生まれたばかりの赤ちゃんたちは表情を理解していないことがわかった.

>最初、人間は、「人の感情と表情というものに関しての見識がない状態で生まれる」のです。

しかし、どんどん赤ちゃんたちは人の表情を理解し始める。

論文などを見ますと、 1歳までに赤ちゃんが人の顔を見ることがいかに重要か」ということを突きつけられます。

このような事実がある中で、

「人類史上初めてとなる、数カ月あるいは数年にわたる顔の見えない社会」

が、今、展開されています。

【感情がわからない人間集団による社会。】

(エピソードー1)

私の仕事上のお客さんに、今年の2月に赤ちゃんが生まれたご夫婦がいます。2月といえばコロナが騒がれ始めた頃で、その頃から人々のマスク率がだんだん上がりました。そのご夫婦もいつもマスク姿です。そして、半年以上が過ぎたのですが、その赤ちゃんは何となく表情が乏しいのです。ふつう赤ちゃんは話しかけたり笑いかけると、こちらを見て、ほや~と微笑むと思うのですが、その赤ちゃんはあまり目を合わせないし、微笑みが少ないような気がします。考えてみれば、当然かもしれません。だって、そのご夫婦は家の中ではマスクは外すでしょうが、外に出ると、その赤ちゃんから見ればお父さんもお母さんも、周りの人々もほとんどマスクしているのですから。

そして、ソーシャルディスタンスのせいで、人と人が距離を取るようになり、本来なら色々な人が赤ちゃんのそばに来て、笑顔で話しかけたり、頭を撫でたり、ほっぺたをさわったりするはずなのに、周りの人も遠慮してあまり赤ちゃんに近寄らないのではないでしょうか。コロナ騒動はすべての年代の人々に影響を与えていると思いますが、生まれたばかりの赤ちゃんに与える影響は計り知れないような気がします。

赤ちゃんはいつ表情を理解する?

研究によれば、人間は比較的小さな段階で、「幸せ、悲しみ、怒り」の表情を区別することを学ぶようだが、「驚き、恐怖、嫌悪感」などの、より微妙な表情を習得するのはもう少し成長してからになることがわかってきている。

新生児は「周囲の顔」で感じている

赤ちゃんたちは、生まれた瞬間から、周囲の人々の顔を探している。児童発達研究協会(50か国以上の研究者による非営利の学際団体)の調査によると、生後 1ヵ月未満の赤ちゃんでさえ、スクランブル加工した(画像を撹乱した)顔の画像ではなく、鮮明な顔の画像を見る方を好むことが示されている。

また、1989年の研究では、生まれたばかりの乳幼児は、母親の顔と見知らぬ女性たちの顔を見せると、数時間後には、母親の画像を他の画像よりも長く見つめ、母親の顔と見知らぬ女性たちの顔を区別できることが研究で示されている。

しかし、顔の「表情」を認識することについての議論は、1800年代後半から続けられており、現代の科学者たちも議論を続けている。

2007年に発表された「新生児の表情の知覚」という論文では、生まれて 24時間以内の 17人の健康な新生児たちに、表情の知覚についてのテストを行ったが、新生児たちは、怖い顔と中立の顔を区別することもできず、好みを示すこともまったくできないことがわかった。

つまり、生まれたばかりの時には、赤ちゃんたちは表情を理解していないことがわかったのだ。しかし彼らは、生まれてから、わずか数日のうちに、表情に対しての認識をつけていく。

その後、赤ちゃんたちの感情的知性は急激に上昇する。科学誌サイエンスに掲載された 1982年の大規模な研究(論文「新生児の表情の差別と模倣」)では、生後5ヵ月目の子どもたちは、「悲しい顔」に対して「悲しい声」で合わせることができ、2008年に行われた研究では、 1歳の子どもが人の表情から社会的な手がかりを掴んでいることがわかった。

たとえば、登ると危険かもしれない斜面と遭遇する。その時、母親を見て「母親が笑っているなら、そこを登る」という判断をおこなっていた。

人の顔の表情への反応は、赤ちゃんの年齢が高くなるにつれて、さらに上昇する。また、別の研究では、赤ちゃんたちは、新しいオモチャがあっても、母親が元気づけて微笑まない限り、そのオモチャに近づくことを避けることがわかった。

十代までに、驚き、恐れ、嫌悪感を学ぶ

2015年に研究者たちは英国の 478人の子どもたちと青年を調査し、表情の理解が年代とともにどのように進展するかを追跡する最初の強力な研究を発表した。

研究では、子どもたちに、「幸せ、悲しい、怒っている、恐怖、嫌悪感、驚いている」の 6つの感情の顔の 60枚の写真を見せた。

子どもたちは顔を見るたびに、その表情が、「幸せ、悲しい、怒っている、恐怖、嫌悪感、驚いている」のどれに相当するかを答えた。

子どもたちのすべての年齢で、「幸せ、悲しい、怒っている」は認識された。

しかし、8歳以下の子どもたちの中で「驚き」の顔を正確に検知した子どもはほとんどいなかった。また、14歳以下では「嫌悪感」の表情を検出できず、16歳以下は「恐怖」の感情を検出できなかった。

喜びや悲しみのような「根源的」な感情の表現よりも、驚き、嫌悪感、恐怖などの感情を子どもたちが識別することに、なぜ多くの時間がかかるのかは今のところわかっていない。

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以上です

  投稿者 seibutusi | 2020-11-13 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

縄文人が感染していた古代ウイルスから、縄文人の生活実態を探る

縄文体質とは何か?」6つのキーワードで見てきました。
“自然”・“職人気質”・“仲間意識”・“はたらく”・“性”・“信仰”リンク
縄文体質を濃厚に持っている日本人。縄文人とはどんな人々だったのか?様々な追求がされています。

また、>我々は陸地だけでなく海水も含めて、膨大な数のウイルスに囲まれて生きているリンク
ウイルスについても、その実態が明らかにされてきています。

今回は、縄文人の歯髄から得られたDNAに含まれるウイルスのゲノム配列を解析して、縄文人の生活様式やウイルスの進化過程を探ろうという研究 を紹介します。

縄文人の時代においても、人類はウイルスと共に生きていたことが分かります。

 

国立遺伝学研究所プレスリリース(2020年9月28日) より。

縄文人が感染していた古代ウイルスのゲノム配列を特定
~縄文人ウイルスから解き明かすウイルス進化過程~

概要

過去に日本列島で生活していた縄文人(1)のゲノム配列(2)を調べることにより、縄文人のルーツや目の色、お酒に強いかなど、さまざまなことがわかってきました。一方で、縄文人がどのようなウイルスに感染していたのかをはじめとしてわからないことも種々残されています。

情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所の西村瑠佳さん (総研大遺伝学専攻大学院生) と井ノ上逸朗教授らの研究グループは、縄文人の歯髄から得られた DNA を用い、そこに含まれるウイルスのゲノム配列を決定し、解析を行いました。その結果、11 種類のウイルスのゲノム配列が見つかりました。

中でも Siphovirus contig89 (CT89) (3)と呼ばれるヒトの口腔内に生息するウイルスについては完全長のゲノム配列データを得ることができました。さらに現代の CT89 ウイルスとゲノム配列を比較した結果、本研究で見つかった CT89 のゲノム配列は、CT89 の祖先型ゲノム配列を反映していることが示唆されました。

今後は、CT89 ウイルスがどれくらいの速さで進化してきたのか、どのような進化過程を辿ったのかなどを詳細に解析するとともに、糞石をはじめとする縄文人化石の他の部位にも注目し、縄文人に感染していたと思われる古代ウイルスを多く見つけていく予定です。

縄文

 図 1:古代 DNA からわかるさまざまなことの今と未來

 古代人骨の化石に残存する DNA を抽出し、そのゲノム配列を調べることで、どの生物由来の DNA か推定できる。多くの DNA は古代人に由来し、それらの情報によって古代人のルーツや表現型などの解析が盛んに行われてきた。
一方で、古代人骨から DNA を採取すると、古代人に感染していた細菌やウイルスに由来する DNA も含まれていることがわかってきた。細菌やウイルスのゲノム情報に注目することで、古代人の生活様式や病気、ウイルス進化について推定できる

 研究の背景

古代人骨の化石には DNA が残存しています。この DNA を採取すると、古代人由来の DNA だけではなく、古代人に感染していたと考えられる細菌やウイルスの DNA も一緒に採取されてくることがわかっています。

このウイルス DNA に注目し、古代から現代にかけて起こった塩基配列の変化を調べることによって、ウイルスがどのような進化を遂げたのかを考察することができます。すなわち、このように古代人骨の化石から採取したウイルスの塩基配列を現代のウイルスの塩基配列と比較することで、現代のウイルスの塩基配列のみに注目した際に生じる時間的なバイアスを排除した進化過程の推定が可能になるのです。

しかしながら、日本列島で過去に生活していた縄文人に感染していたウイルスをはじめとする微生物の研究は進んでいませんでした。そこで、本研究チームは、縄文人にどのようなウイルスが感染していて、そのウイルスはどのように進化してきたのかを解き明かすことに挑戦しました。

本研究の成果

縄文人骨の歯髄に含まれる全ての DNA の塩基配列を次世代シークエンサー(4)で決定しました。その中で現代のウイルスと類似の塩基配列を持つゲノム配列を探索したところ、11 種類のウイルスのゲノム配列を見つけることができました。中でも約 3800 年前の北海道船泊遺跡の縄文人骨から見つかった  Siphovirus contig89

(CT89) というウイルスはほぼ完全なゲノム配列が復元できました。この CT89 はヒト口腔内の細菌に感染するファージ(5)であることがわかっています。3800 年前の人骨から完全長のファージ配列を再構成した例は世界で初めてです。さらに、現生の CT89 のゲノムは部分配列しかデータベース上に登録されていませんでしたが、今回の解析により、未知の領域の配列も明らかにすることができたのです(図 2)。

図2

 図 2:縄文時代の CT89 とデータベース上の CT89 のゲノム構造

 上段に縄文時代の CT89 のゲノム構造を、下段にデータベース上の CT89 のゲノム構造を示した。矢印はそれぞれのゲノム上に存在する遺伝子を示している。中でも機能を持つと推定されたものは色をつけて示してあり、遺伝子名が記されている。どの遺伝子もウイルスに特徴的な遺伝子であることがわかっている。灰色の矢印は推定タンパク質である。また、左上の領域はデータベース上には登録のない、新たに同定された領域である。

~以下略~

用語解説

(1). 縄文人
約 2900~16000 年前に日本列島で生活していたとされる古代人。古代人化石の年代は年代測定技術を用いることで推定が可能である。

(2). ゲノム配列
ある生物の持つ全てのDNA 塩基配列を指す。

(3). Siphovirus contig89 (CT89)
健康な現代人の口腔内から見つかったウイルスの一種。

(4). 次世代シーケンサー
数億に及ぶDNA の断片を高速に配列決定できる装置の総称であり、この装置を用いることによって大量のゲノム配列を決定することが可能となる。

(5). ファージ
ウイルスの中でも細菌を宿主とするウイルス。]

(以上)

 

  投稿者 seibutusi | 2020-11-12 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

日本人の特質「最もネオテニー化した民族≒自然との循環共生社会創出」

ユーラシア大陸の東端の島国日本と西端の島国イギリスは地勢的に似通った海洋国と言われていたが、国民性は大きく異なっている。

日本は、協調性(母系集団)、イギリスは武力と観念(父系集団)による統一国家。

両国とも、古代の原住民は多神教でアニミズムで原始共同体を維持していたが、

大きな相違点は、日本は大陸の侵攻による戦闘が殆どなく、「自然との循環共生社会≒周りは味方」で、一方のイギリスは大陸からの異民族の侵攻で王朝(支配する民族)が度々変わり、「武力と近代観念≒自民族以外は敵」で統合されている。

現在でもイギリスはユナイテッドキングダムと言われ4つの民族の集合体であり、反目しあっている。(イングランド⇔ウェールズ⇔スコットランド⇔アイルランド)

改めて次世代のモデルとなる日本人「最もネオテニー化(子どもの状態を保ったまま大人になる)した民族」の特質を記載します。

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ネオテニー進化論

19世紀までの世界は白人優越の人種差別の時代であった。有色人種は人間とみなされず白人の奴隷とされていた。

この世界観を打ち破ったのは日露戦争に勝利した黄色人種の日本であった。日露戦争の意義は「白人優越という世界史の流れを変えた」ことである。さらに敗れたとはいえ大東亜戦争により白人優越の人種差別の息の根を止めたのも日本なのである。これを可能にしたのはなんであったか?そこにはあまり知られていない必然性がある。その必然性の一つにネオテニーがある。

(中略)

人間にはネグロイド(黒人)、コーカソイド(白人)、モンゴロイド(黄色人種)の三つの人種がある。ネオテニーに関してこの三種族を見ていくと興味深いことが分ってくる。ネオテニーの期間の長さはモンゴロイドが最も長く、次いでコーカソイド、最も短いのがネグロイドである。

幼児化は大人社会に極めて高い社交性を要求する。幼児化しないチンパンジーはオス間の競争が激しく、相互協力の集団は小さくて一時的になる。アフリカで乾燥した新しい住環境を生き延びたのは、固く結束した大集団で生活していける人類の祖先だったわけだ。

黒人や西洋人に比べてモンゴロイドの幼児化レベルが高いのは、モンゴロイドが寒さの厳しい環境で生き残るためだった。幼児を保護(幼児化維持)するためには大人たちが社交性や協調性を高め大きな集団を作ることが必要条件であった。そのため東洋人(黄色人種)は平等主義で社会主義的であり、西洋人は競争的で自由市場経済を志向する傾向にあるというわけだ。

(中略)

国際優生学会も初めは白人優位を研究するものだったが、研究すればするほど動物に近いのは黄色人種より白人であることが分ってきてしまった。ヒトはサルから進化して動物的な特徴を失ってきたと優生学でいうが、日本人に比べ白人は体毛が濃く、汗腺なども動物に近く体臭が強く、白人優位説には都合の悪い研究結果が出てきて学会も尻つぼみとなってしまった。

西洋文明の悪しき影響をあまり受けなかった明治の初めころ、来日した西欧人が等しく感心したのは「日本は子供の国だ、子供がとても大事にされている」ということだった。当時、西欧では子供は労働力として小さい頃から酷使されるのが普通で、西欧人にとって日本は子供の天国に見えたのであろう。これこそまさに日本がネオテニーだったことを証明しているのではないか。この日本の優れた環境(特に子供にとって)は急速に破壊され今日に至っている。

子供を育てる環境で大事なことは男女の役割分担である。男と女はそれぞれに得手不得手があり、自然にそれに従うのが子供にとって一番良いことなのである。浅薄で野蛮な西欧文明ではこの真理が分らず男女平等などと子供にとって最悪の環境を良しとしている。それを真に受ける西欧かぶれの学者や知識人が嘘を発表する。男女平等で子供は社会が育てる、女性はどんどん社会進出すべし、政治家も半分は女でなければならない等々。マスコミもこれを垂れ流し一般の人はそれを真に受ける悪しき構図となっている。

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なぜ日本人は幼児的なのか~日本文化のネオテニー的性格~

https://nogatera.hatenablog.com/entry/2020/09/06/001634

「どの文化でも、家族という集団は、利益追求のための機能的集団(ゲゼルシャフト)ではなくて、愛の共同体(ゲマインシャフト)である。ただ、多くの文化では、子供たちは、ゲマインシャフトから追い出されて、ゲゼルシャフトの中で大人として成熟していくのに対して、日本人は、いつまでもゲマインシャフトの温情主義的なぬくもりの中に留まろうとする。戦前の日本政府は、国“家”を、天皇を家長とする家族に喩えた。戦後、国家のイデオロギーが崩壊すると、日本人は、会社に家庭的なゲマインシャフトを求めた。そして、人見知りする幼児のように、日本人は、共同体内部では親密な人間関係を築きながら、よそ者に対しては、引っ込み思案な態度を示す。」

「周りが色白のお嬢さんばかりなら、一人だけガングロ・ヤマンバでいることは恥ずかしいことだし、周りが不良少女ばかりならば、一人だけ良い子ぶりっ子でいることは恥ずかしい。このように、恥は、鏡像的な他者との相対的な関係で決まる、浮き上がることを恐れる感情に過ぎない。」

「これに対して、罪は、超越的で普遍的な規範に違反したときの意識である。罪の文化の人は、もし自分が正しいことをしていると確信しているならば、周囲から笑われても、恥ずかしいとは思わずに、むしろ周囲が無知なのだと考える。日本人には、唯一神から与えられた、超越的で普遍的な規範はない。だから、しばしば主義主張に節操がない。かつて鬼畜米英を叫んでいた日本人が、一転して親米的になったのを見て、マッカーサーは、日本人の精神年齢が12歳だと言ったが、このように、罪の文化から見れば、恥の文化は幼児的に見える。アリストテレスも、『ニコマコス倫理学』の中で、恥は『若年者にふさわしい感情』だと書いている。」

  投稿者 seibutusi | 2020-11-06 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

ストレス耐性は親から子へ継承される ~腸-生殖腺の組織間コミュニケーション~

しかもこのメチル化やアセチル化のパターンは次世代にも継承されることがある。獲得形質の遺伝である。リンク

親の獲得した形質はいかにして子世代に継承されるのか? その仕組みに関する研究が進められています。

今回は、個体のストレス耐性の上昇が子世代へ継承される ことを明らかにした研究を見ていきます。

 

理化学研究所プレスリリース(2020年3月11日)  より。

ストレス耐性は親から子へ継承される
 -腸-生殖腺で起こるエピジェネティック情報の組織間伝達-

理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター老化分子生物学研究チームの農野将功リサーチアソシエイト、宇野雅晴研究員、西田栄介チームリーダーらの共同研究チームは、親世代が獲得したストレス耐性能力が、エピジェネティック情報[1]の組織間伝達を介して次世代に継承されることを発見しました。

本研究成果は、さまざまな環境に適応する能力を速やかに子孫にのこす生物の生存戦略の一つ として、重要な知見となることが期待できます。

今回、共同研究チームは、モデル生物である線虫[2]を用いて、個体のストレス耐性制御において、各組織・臓器がどのように連携するのかについて解析しました。その結果、腸組織でのエピジェネティック変化が生殖腺におけるエピジェネティック変化を誘導し、この組織間コミュニケーションによって、個体のストレス耐性が上昇する ことを見いだしました。さらに、この腸-生殖腺の組織間コミュニケーションを介して、ストレス耐性の上昇が子世代へ継承されることを明らかにしました。

本研究は、科学雑誌『Cell Reports』(3月10日付:日本時間3月11日)にオンライン掲載されます。

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ストレス耐性上昇を子世代に継承させる腸-生殖腺の組織間コミュニケーション

背景

生物は、生体防御機構であるストレス応答[3]を活性化させることで、外界からのさまざまなストレスに適応している と考えられています。近年の研究によって、エピジェネティクス[1]の制御機構が個体のストレス応答において重要な役割を担う ことが明らかになりつつあります。エピジェネティクスとは、DNAやヒストン[4]への後天的な化学修飾を通して、塩基配列の変化を伴わずに遺伝子発現が制御される仕組みのことです。個体は環境刺激に対してエピジェネティック修飾を変化させ、遺伝子発現を調節することで、恒常性を維持していると考えられています。

ストレス応答とエピジェネティクス制御については、二つの興味深い現象が知られています。一つは、ある臓器で生じたストレス応答が、個体全身の統合的なストレス応答を誘導すること、もう一つは、環境刺激によって生じたエピジェネティック修飾が世代を超えて伝わる ことです。これらは、エピジェネティック修飾による個体のストレス耐性制御に、組織・臓器間コミュニケーションと世代間継承の仕組みが備わっていることを示唆しています。

しかし、どの組織・臓器で生じるエピジェネティック修飾がきっかけとなって、個体のストレス耐性を制御するのか、また、そうして獲得されたストレス耐性がどのように次世代に受け継がれるのか という点については、まだ多くのことが明らかになっていません。そこで共同研究グループは、エピジェネティック修飾因子による個体のストレス耐性を制御する組織間コミュニケーションと、世代を超えたストレス耐性の制御メカニズムの解明に迫りました。

研究手法と成果

本研究では、モデル生物である線虫を実験対象に用いました。線虫では、酸化ストレス[3]などのストレス応答に関わるエピジェネティック修飾として、ヒストンのメチル化[5]が知られています。

共同研究チームはまず、このヒストンメチル化を触媒するエピジェネティック修飾因子の中で、酸化ストレス耐性に関わるものを探索しました。その結果、ヒストンH3リジン4トリメチル化(H3K4me3)修飾因子のASH-2タンパク質[5]をコードするash-2遺伝子を全身でノックダウン[6]すると、個体のストレス耐性が大きく上昇することを見いだしました。これは、ヒストンのメチル化が減少すると、ストレス耐性が上昇することを示しています。事実、ヒストンの脱メチル化を触媒する酵素のRBR-2タンパク質[5]をコードするrbr-2遺伝子をノックダウンしてヒストンメチル化の減少を抑制すると、ash-2遺伝子のノックダウンによるストレス耐性上昇の効果は見られなくなりました(図1)。

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図1 ストレス耐性に関わる因子ASH-2とRBR-2

酸化ストレスである過酸化水素にさらした線虫の生存率を調べた。ash-2遺伝子をノックダウンした個体(赤丸)では、実験開始5時間目からの生存率が、コントロール個体(黒丸)よりも上昇した。この上昇効果は、rbr-2遺伝子を同時にノックダウン(赤三角)するとなくなった。

次に、ash-2遺伝子の欠損によるストレス応答に関わる組織を特定するため、組織ごとにash-2遺伝子をノックダウンする実験を行いました。その結果、腸組織あるいは生殖腺のどちらかでash-2遺伝子をノックダウンすると、個体のストレス耐性が上昇すること、そしてこの効果にはそれぞれの組織でのRBR-2タンパク質の機能(脱メチル化)が必要であることが分かりました。

そこで、腸組織と生殖腺の関係性について明らかにするため、これらの組織が個体のストレス応答に独立に関与するのか、それとも連携して機能を発揮するのかを、腸組織で特異的にash-2遺伝子を欠損させた変異体を用いて解析しました。その結果、腸組織でash-2遺伝子を欠損したときのストレス耐性の上昇に、腸組織だけではなく生殖腺のRBR-2タンパク質も必要であることを見いだしました。また、腸組織で特異的にash-2遺伝子を欠損した線虫は、生殖腺におけるASH-2タンパク質の機能(メチル化)が正常であるにもかかわらず、生殖腺でのヒストンメチル化レベルが減少することを明らかにしました。

これらの結果から、腸組織におけるヒストンメチル化の減少が、生殖腺のヒストンメチル化の減少を誘導するというエピジェネティック情報の伝達機構が存在し、この組織間コミュニケーションによって個体のストレス耐性が上昇する ことが分かりました。(図2)

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図2 エピジェネティック情報を伝達する腸-生殖腺間コミュニケーションのモデル図

ゲノム編集の手法を用いて腸組織特異的にash-2遺伝子を欠損させると、ASH-2タンパク質の機能欠損によるヒストンメチル化減少の情報が、腸組織から生殖腺へと伝達され、生殖腺において脱メチル化酵素RBR-2の働きによりヒストンH3K4me3の脱メチル化が生じることで、個体のストレス耐性が上昇する。

~中略~

以上の結果より、腸-生殖腺間におけるエピジェネティック情報の伝達を介して、生存力の向上が子孫へと継承される ことが示されました。

今後の期待

本研究成果は、腸組織のエピジェネティック変化が生殖腺のエピジェネティック変化を誘導することで、酸化ストレスに耐性を持つという生存優位性が次世代へと継承されることを初めて明らかにしました。消化器官は、外界から摂取したさまざま物質が集積する場所であり、このような環境変化に晒される腸組織から生殖腺へと情報が伝達されることで、親と子の生存力を向上させるという、生物の生存戦略の一部として機能する可能性が考えられます。

また近年、環境ストレスにより獲得した形質が遺伝する例がさまざまな生物種で報告されつつありますが、そのメカニズムについては未解明な部分が多く、本研究成果で示したエピジェネティック情報の組織間伝達による形質の継承メカニズムは、当該分野において重要な知見となると期待できます。

補足説明

1. エピジェネティクス、エピジェネティック情報
DNAの塩基配列に依存しない遺伝子の調節機構をエピジェネティクスと呼ぶ。エピジェネティクスの分子基盤は、DNAのメチル化やヒストンのメチル化/アセチル化によりゲノムの特定領域に可逆的につけられた「目印」であり、このメチル化やアセチル化の情報をエピジェネティック情報と呼ぶ。

2 .線虫
線形動物門に属する体長1mmほどの土壌動物。学名Caenorhabditis elegans。体が無色透明であることから、生きたまま細胞の中を顕微鏡で観察できることや、動物では初めて全ゲノム配列が解読されたこと、発生時の細胞分裂パターン(細胞系譜)が全て分かっていること、遺伝学的な実験手法、遺伝子機能の操作が容易であることなどから、モデル生物として広く利用されている。

3. ストレス応答、酸化ストレス
熱ショック、活性酸素、高浸透圧、紫外線、放射線など、環境からのストレスに対して生体が示す反応。酸化ストレスは、活性酸素によって引き起こされ、脂質やタンパク質が酸化されることによる分子機能の低下、DNAの損傷による遺伝子変異などを招く。本研究では、過酸化水素に晒した線虫の生存率をストレス応答(酸化ストレス耐性)の指標とした。

4. ヒストン
DNAを巻き付けることで、長大なDNAを核内に納める役割を担うタンパク質。代表的なヒストンはH1、H2A、H2B、H3、H4の5種類があり、H2A、H2B、H3、H4の4種類(コアヒストン)が二つずつ集まってヒストン8量体を形成する。

5. ヒストンのメチル化、ASH-2タンパク質、RBR-2タンパク質
ヒストンはメチル化、アセチル化などさまざまな化学修飾を受け、これらがエピジェネティック情報として機能することが知られている。ヒストンのリジン残基またはアルギニン残基に生じるメチル化修飾は、ヒストンメチル化酵素と脱メチル化酵素によって可逆的に制御されており、遺伝子発現を促進または抑制する役割を持つ。ASH-2タンパク質は、ヒストンH3リジン4のメチル化修飾に働くタンパク質複合体の構成因子であり、遺伝子発現(メチル化)を促進することが知られている。逆にRBR-2タンパク質は、ヒストンH3リジン4のメチル基を特異的に脱メチル化する。

6. ノックダウン
mRNAの分解や翻訳抑制などの操作により、遺伝子機能の発現を大幅に低下させること。本研究では、線虫で一般的に用いられるRNA干渉(RNAi)と呼ばれる手法を用いた。

 

(以上)

 

  投稿者 seibutusi | 2020-11-05 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments »