2020-10-30

男女の役割分担と駆動物質

■生物の基本的構造

・膜構造 (内外の分離)    (膜内部を安定状態にする)      (群れる)

・代謝機能  (エネルギー生成)    (ミトコンドリア/光合成菌の取り込み)   (捕食)

・複製機能  (子孫を残す)  (正確に次世代に情報を伝える)←(安定状態が必要)

上記の基本条件は、単細胞~多細胞~哺乳類~人類を通じて相似形で持っている。

単細胞 内膜に遺伝子+外膜と内幕の間に代謝機能(ミトコンドリア・光合成菌)

多細胞 内部に生殖細胞(安定)+外側に体細胞(変異:各部に変化する)

哺乳類 内雌外雄の構造 内部に子供とメス 外側に外圧適用する雄

  進化に連れて、群れは巨大化(分裂の危機を常に存在する)しており、群れを統合するには、人間は観念(事実情報の共有)によって統合しているが基本構造は変わっていない。

人類は、男(外圧適応態)と女(生殖存在:安定充足存在)の役割分担で、男は活力(期待と充足)を女からもらい、女は男に庇護される関係で集団は統合されている。

■男女の脳構造

  • 男性ホルモン(テストステロン)・・・男性は睾丸から、女性は卵巣や副腎でそれぞれ生産されます。男女みんなに攻撃性と集中力を向上させます。
  • 女性ホルモン(エストロゲン)・・・女性は卵巣から、男性は睾丸と副腎で生産されます。体内で骨密度を向上させて、血圧を下げて、コレステロール、脂肪代謝、体毛の発達を制御します。
  • 雌雄分化→内雌外雄(内側:安定存在≒生殖 外側:変異存在≒捕食)

【オスの役割】 闘争存在⇒外部環境の認識強化(脳拡大)⇒追求機能⇒観念機能 五感(触覚・味覚・臭覚・聴覚・視覚→男は多量な情報を持った視覚を基に総合判断する)→ドーパミン(欲望や渇望:快感)→ノリアドレナリン(精神:不快な刺激)→アドレナリン(肉体:筋力や運動能力を高める) 成功体験でご褒美のドーパミンが出る(新たな経験・未知で有る事)。この循環回路が記憶され塗り重ねで進化していく。 ⇒記憶して学習する⇒探求機能の獲得

【メスの役割】 充足存在:集団の安心基盤⇒親和能力・母性⇒人の活力源

オキシトシン(女性の方が圧倒的に多い)は他者との触れ合い(五感でも最も古い触覚)により愛情を感じることで、心地よい気分になるという点です。このスキンシップ(肌から毛がなくなり気持ちいい肌)等により幸せ感を創り出している。

  投稿者 seibutusi | 2020-10-30 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

【実現塾】人工物質による動物のメス化と人類の精子1/4に激減・・・なぜ止められないのか?思考停止の原因構造

メス化する自然2018年に調査した、精子数の激減の内容は以下の通り。

このままだと、人類は子を産めなくなり絶滅する。これほど重要な問題が、社会問題として大きく取り上げられることもなく、無意味なニュースばかりながすマスコミ。その背後で、精子減少はどんどん進行している。

それに対して、何の実害もなく、科学的にも極めて幼稚な理論である『二酸化炭素による地球温暖化仮説』に基づく規制は法制化され、私たちの行動を制限している。

なんでこんなことになるのか?

 

 

(さらに…)

  投稿者 sinsin | 2020-10-22 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

生物として、人類は世界帝国を求めていたのでしょうか?

人類史を通じて、人類は世界帝国を求めていたのでしょうか?

「世界帝国」とは、多くの異なる民族、文明圏を包含する統一的支配圏を有した国家形態。

世界帝国は、生物史を通して考えると生物の大原則(生き残る為の多様性・共生関係)に反するものと言えます

多様な地域に根差した文化(文明)を一つの価値観で秩序化する世界帝国(一神教・共産主義・資本主義などの観念で統一する)は、「生物の大原則(多様な同類他者を創り・周りと共生関係を創る)」に反するものと言えます。

帝国/世界帝国とは(世界史の窓より)

>世界史上は、オリエント世界を統一したアッシリア帝国に始まり、アケメネス朝ペルシア帝国アレクサンドロスの大帝国ローマ帝国、中国の帝国、帝国がある。

>ヨーロッパにおける神聖ローマ帝国や、ユーラシア大陸の東西に出現した、モンゴル帝国、ティムール帝国、オスマン帝国、ムガル帝国、中国とその周辺を支配した、明王朝や清王朝などであり、

>近代における大英帝国やナポレオンのフランス帝国、ドイツ帝国、ロシア帝国、

>現代は、かつてのソ連や現在のアメリカ・中国など、世界的な覇権を争う覇権国家を「帝国」と称する。

 

同様な観念の結果、現在の生物界においても生物多様性も危機に晒され、生物の生存基盤も危うくなっています。

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生物の多様性 

地球上には多様な生物が生息している。科学的には約175万種と言われてもいるが、実際には300万種~1億1100万種が生存しているとの推計もされる。これらの生物は、必ず他の生き物とのつながりの中で生存している。

生物種の減少 ~恐竜時代以上の速さで進む絶滅~

これまでの地球の歴史の中で、多数の生物種が生存できなくなる「大量絶滅」の時代が何度かあった。主なものとして、オルドビス紀末(約4億3500万年前)、デボン紀末(約3億6000万年前)、ペルム紀末(約2億5千万年前)、三畳紀末(約2億1200万年前)、白亜期末(約6500万年前)の5つが知られている。 地球上の約9割以上の生物種が絶滅したペルム紀末や、隕石や彗星などの天体の衝突が原因として有力視されている恐竜の大量絶滅があった白亜紀末などをはじめ、自然状態で起こった絶滅はいずれも数万年から数十万年の時間がかかっており、その絶滅速度は年に0.001種程度であったと考えられている。 これに対して、現在の人間活動によって引き起こされている種の絶滅は、過去とは比較にならない速度で起きていることが問題視されている。1600年~1900年には1年で0.25種だった生物種の絶滅速度は、1975年以降、1年に40,000種と急激に上昇し続けている。

図1 大量絶滅と影響を受けた生物種(左)出典:Global Biodiversity Assessment, UNEP

図2 様々な時代における生物種の絶滅速度の比較(右)出典:国立環境研究所 五箇公一氏資料

生物多様性の重要性 ~低下しつつある生存基盤~

さまざまな姿・形、生活様式などの変異性を総合的に指す概念を「生物多様性」といい、生態系・生物群系または地球全体に、多様な生物が存在していることを指す。地球上には、既知の生物が約175万種、うち哺乳類約6,000種、鳥類約9,000種、昆虫約95万種、維管束植物約27万種など。未知のものも含めると、実際には300万種~1億1100万種が生存しているとの推計もされる。 生物多様性については一般に、(1)同じ種でも遺伝子が異なる「遺伝的多様性」、(2)様々な生物種が存在する「種の多様性」、(3)様々な生物の相互作用から構成される様々な生態系が存在する「生態系の多様性」という3つの階層で捉えられている。例えば、種の多様性が低ければ、環境変化などにより1つの種が絶滅したときに他の種も絶滅するリスクが高まるなど、3つの階層それぞれに多様性の保全が必要とされている。 生物多様性は生命の豊かさを包括的に表す広い概念で、その保全は、食料や薬品などの生物資源にとどまらず、広く人間に不可欠な生存基盤としても重要である。 反面、人間活動の拡大とともに、生物多様性が低下してきていることが、今日の大きな課題となっている。

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  投稿者 seibutusi | 2020-10-22 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

森の未来は菌だけが知っている? ~森林と微生物の共存関係~

人類は、滅亡の危機意識を本能的に感じ、生き残りをかけ、自然の摂理に則った「日本文明(木の文明)→地域循環共生社会」に向かい始めたのではないかリンク

日本は国土の約70%を森林が占める森の国で、北から南にかけての気候の違い、地形の複雑さに対応して、様々な樹木が生育し、北方の針葉樹林や温帯落葉樹林から亜熱帯の常緑樹林まで、多様な植生が分布していますリンク

日本は実に様々な森林に恵まれています。このような多種多様な森林はどのようにして成立しているのか? とりわけ微生物との共存関係はどうなっているのか?

今回は、森と微生物の共存関係について書かれた記事より見ていきます。

academistJournal(2019年1月15日) より。

森の未来は菌だけが知っている – 森はどのように成り立ち、遷移していくのか

土のなかには、私たちがかつて想像もしなかった微生物の世界が広がっています。その目に見えない微生物たちがつくりだすネットワークは、私たちが普段目にしている地上の世界をも変えてしまう、驚くべき力を持っているのです。ここでは、その土のなかの微生物たちのはたらきを紹介します。

なぜ樹木は森を作るのか

樹木 には、固まって林をつくる種類もあれば、人間が植えなければ林をつくらない種類もあります。たとえば、どこの野山でもマツ林(松林)は普通に見られますが、サクラ林モミジ林はありません。では、林を作る樹種と作らない樹種は、一体、何がどのように違うのでしょうか。その答えは、見上げるように大きく育った樹木ではなく、そっと視線を下ろした足元で見つかるのです。

地面から数センチのところには、実生(みしょう)と呼ばれる木の赤ちゃんが生えています。その実生がぐんぐん成長して成木となり、さらに次世代の実生の定着を促進するとき、ひとつの樹種だけの林ができます。その過程のなかで、土壌環境に変化が起き、マツの下の土壌にはマツの実生の成長を助ける「共生菌」が増えます。さらに、その共生菌が次世代の育成を助け、このサイクルが繰り返されることで、マツ林ができあがるのです。

一方で、サクラの下には、共生菌と異なり寄生菌が土壌に蓄積し、その実生の成長を阻害するため、寄生菌に影響されにくいサクラ以外の実生でなければそこに定着することができません。野山でサクラが固まって生えることなく、森の中でぽつりぽつりと疎らに生えているのはそのためです。

このように、樹木はそこに存在するだけで土壌環境に影響を与え、その土壌環境の変化が、将来その場所で育つことができる樹木を決定づけるところまで影響を及ぼします。要するに、樹木は足元に蓄積する「土壌微生物」と相互作用しながら変化し、その結果、時間とともに森を構成している樹木も移り変わる のです。
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秋の深まりとともに山の色が夏らしい緑から秋めいた黄色やオレンジ色に変化し、紅葉のモザイク模様ができあがるのは、土壌微生物によって豊かな樹木の多様性が守られているからである。

樹木の多様性を守り、森林の変化を促す原動力「菌根菌」

土壌にはさまざまな微生物が存在し、実生を待ち構えています。その代表格といえるのが、「菌根菌」という仲間の共生菌です。菌根菌は、根の表面付近や内部に侵入して生きる「かび」や「キノコ」の仲間です。これらの菌類は水分や土壌の栄養分を吸収して植物に与え、一方で植物は糖を菌類に与え、互いに役立つ関係を持っています。このような関係を菌根共生といいます。

菌根菌は糸のような足(菌糸)を方々に伸ばし、地面の中で網目状の構造(ネットワーク)を作っていますこのネットワークにつながることは、実生の定着と成長を左右する重要な条件です。しかし、ネットワークにつながれば何でもよいというわけではありません。樹木が共生する菌根菌はいくつかの種類に分類でき、代表的なのは、サクラ、モミジ、ツバキやクスノキなどと共生する「アーバスキュラー菌根菌」、アカマツ、コナラ、シイやアカシデなどと共生する「外生菌根菌」という2つの菌根タイプに分類され、これらはそれぞれ異なるネットワークを作っています。

樹木の種類によって、同じ菌根タイプのネットワークにつながれば成長できる樹種もいれば、同じ菌根タイプであり、かつ同種の樹木のネットワークでなければ成長できない樹種、どのような菌根タイプの樹木のネットワークでも成長がそれほど変わらない樹種がいます。そうした特徴に応じ、どの樹木の種類の実生がどのような条件下で生き延びることができるのかが決まります。

アーバスキュラー菌根菌と共生する樹種と比べ、外生菌根菌と共生する樹種の方が菌糸のネットワークを広げる能力が高いため、日本の森では、アーバスキュラー菌根菌と共生する樹種よりも外生菌根菌と共生する樹種が優占しています。アーバスキュラー菌根菌はキノコを作りませんが、外生菌根菌の多くはキノコを作るため、日本の野山で多種多様なキノコが見られるのは菌根菌のはたらきのおかげともいえます。
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キノコの多様性。これらのキノコを作るのはすべて外生菌根菌である。

このように、菌根菌が森林における樹木の多種共存を維持したり、樹種を置き換える遷移(樹種の移り変わり)を促進したりします。菌根菌は、樹木の多様性を守りながらも、森の変化の原動力となる大きな役割を果たしているのです。

森林から見た私たちの暮らし

近年、未曾有の自然災害が世界各地を襲っています。そうした災害から私たちの身を守ってくれるもののひとつが自然の森です。私たちの研究では、土壌に生息する微生物のはたらき(土壌微生物が原動力となる環境変化)を理解することではじめて森の成り立ちと遷移を理解できることを示しました。よって、菌根菌は、さまざまな生態系サービス(炭素の蓄積や水源の涵養、防災、食料や木材生産などの人類の利益になる生態系の機能)の重要な基盤となります。

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美しい森は豊かな土壌微生物の世界に支えられている。

森をきちんと管理していくためには、森がどのようにできているのかを知ることが重要です。土壌微生物のはたらきから森を捉えるアプローチは、将来、森林を守ったり、再生させたりするうえでスタンダードになっていくかもしれません。

さらに、土壌微生物が大切となるのは、森林だけではありません。農地においても重要です。1種類の農作物だけでは豊かな土壌微生物を育むことはできません。しかし、混作をすることで、農作物の多様性が豊かな土壌微生物相を作り出すことにつながります。植物とともに豊かな土壌を育むことが、森林や農地が提供する生態系サービスを向上させ、人々の暮らしを支えることにつながるのではないかと考えています。

 

(以上)

  投稿者 seibutusi | 2020-10-22 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

男女の役割分担からドーパミン(快感)とセロトニン(安心)及びオキシトシン(愛情)の関係

 男の男たる由縁は、追求機能⇒観念機能の獲得。

>肉体的危機対応(アドレナリン)→【精神的危機対応(やる気を高めるノルアドレナリン)→成功体験の御褒美(快感をもたらすドーパミン)⇒記憶して学習する≒探求機能の獲得】の流れと考えます。

又、男女の役割分担からドーパミン(快感)とセロトニン(安心)及びオキシトシン(愛情)の関係を調べると、

男性は外圧に適応する為に、ドーパミン及びセロトニンが優位で、女性は生殖機能を保持する為にオキシトシンが優位となって居ると考えられます。

ドーパミンは『欲望や渇望』という形でストレス生み出し、それが物事への意欲やモチベーションへとつながっている。しかし、快楽の方法を間違えると、お酒やギャンブルの強い依存症になります。

そこで、セロトニンの登場です。

セロトニンは不安や恐怖といった感情を抑え、精神を安定させる役割を担っています。ノルアドレナリンやドーパミンの分泌をコントロールして暴走を抑えます。

次に、男女融合のオキシトシンについてです。

オキシトシン(女性の方が圧倒的に多い)は他者との触れ合いにより愛情を感じることで、心地よい気分になるという点です

このスキンシップが人類の皮膚から体毛がなくなった理由かもしれません。

参考資料を下記に転載します

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セロトニンとドーパミンとノルアドレナリンは脳内や中枢神経系で働く神経伝達物質のうち、モノアミン神経系と呼ばれる神経伝達物質です。この3つの神経伝達物質は、人の感情や精神面、記憶や運動機能、睡眠といった、人体の重要な機能に深く影響を与えているため、しばしば三大神経伝達物質と表現されることがあります。リンク

役割と特徴

セロトニンとドーパミン、ノルアドレナリンそれぞれの働きの特徴などをご紹介します。

ドーパミン

役割・快楽を司り報酬系と言われる神経伝達物質・向上心やモチベーション、記憶や学習能力、運動機能に関与・ノルアドレナリンの前駆体

特徴分泌が不足すると、物事への関心が薄れ、運動機能、学習機能、性機能が低下する可能性があります。ドーパミンの減少がパーキンソン病の原因とも考えられています。一方、ドーパミンの分泌が過剰だと、統合失調症や過食症、その他アルコール依存症やギャンブル依存症など様々な依存症を引き起こす可能性があります。

ノルアドレナリン

役割物事への意欲の源、生存本能を司ります。ストレスに反応して怒りや不安・恐怖などの感情を起こすため、「怒りのホルモン」や「ストレスホルモン」などの異名を持ちます。また、交感神経を刺激して心身を覚醒させる働きがあります。

ノルアドレナリンはアドレナリンの前駆体でもあります。

特徴分泌が不足すると、気力や意欲の低下、物事への関心の低下など抑うつ状態になりやすいとされ、うつ病の原因とも考えられています。逆に、分泌が過剰だと、怒りっぽく、イライラ、キレやすくなり、躁状態を引き起こします。血圧が上がるため、高血圧症や糖尿病の原因になるとも言われています。

セロトニン

役割精神を安定させる役割を担っています。ノルアドレナリンやドーパミンの分泌をコントロールして暴走を抑えます。咀嚼や呼吸、歩行といった反復する運動機能にも関与しています。

特徴セロトニンが不足すると、ぼーっとしやすい、鬱っぽくなる、パニックを起こしやすいなどの症状が現れます。投薬などで過剰になると、精神が不安定になったり、発汗や発熱、振戦(震え)など、セロトニン症候群という症状が起こることがあります。

相互の影響

セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンは単体でもそれぞれ心身に重要な影響を与える働きをしています。そして、何より重要なのは、これらの物質は、それぞれ相互に影響を与え合う関係にあることです。セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンがバランスよく分泌されることで、心身のバランスも保たれています。

セロトニンとドーパミン

セロトニンとドーパミンの関係は、セロトニンがドーパミンの働きを制御することで保たれます。物事への興味や関心を得るためのモチベーションは、ドーパミンが放出されることで得られる「快感」によって生み出されていると考えられています。

人類が海に出て未知の大陸を目指したのも、アポロが月へ行ったのも、達成した時に得られる快感があったからこそだと考えられますし、こうして更なる快感を求めて人類は進化を続けて来たとも言えます。

一方、ドーパミンによる快感だけを追い求めると、際限なく満足できない状態になります。そんなドーパミンの働きにブレーキをかけて、正常な精神状態、つまり平常心を保つ役割をするのがセロトニンです。

ドーパミンが人類を進化させてきた未知への飽くなき探究心の源だとすれば、セロトニンはそれを制御する安全弁であり、モラルなどを守るための自制心として働いています。

こうしたセロトニンとドーパミンの分泌バランスが崩れると、心身に様々な影響が生じます。ドーパミンの分泌が過剰なことで起こると考えられている疾病の一つに統合失調症があります。統合失調症の治療には、セロトニンやドーパミンの働きに作用のある薬剤が広く用いられています。

また、セロトニンが弱まりドーパミンが暴走すると、アルコールやパチンコなどの依存症に陥りやすくなると考えられています。

セロトニンとノルアドレナリン

セロトニンとノルアドレナリンには、ノルアドレナリンによる身体の興奮をセロトニンが鎮静していると言う関係があります。

ノルアドレナリンは、主にストレスに反応して分泌される物質で、ストレスに対して怒りや恐怖、不安などの感情の反応を示します。これは主に、例えば人が獣に襲われたときに、怒りで身体を奮い起こして反撃するのか、恐怖によって逃げるのかと言った、生存のための適切な行動の選択、またはそうした状況に陥らないために、常に不安を抱くことで、注意力や集中力を高めることを促す原始的な本能によるものです。

ノルアドレナリンは脳を覚醒させ、集中力や判断力を高めますが、一方で興奮作用があるため、分泌されると怒りっぽく、イライラしやすくなったり、躁状態になりやすくなります。

ノルアドレナリンが過剰に働こうとするとき、その働きを抑えて精神を鎮静させるのがセロトニンです。セロトニンは抗ストレス作用を持ち、怒りや恐怖と言った不安を鎮めて、感情を安定させています。

ドーパミンとノルアドレナリン

「快楽を司るドーパミン」と「怒りのホルモン・ノルアドレナリン」には、非常に密接な関係があります。

ドーパミンとノルアドレナリンはチロシンと言う同じアミノ酸から作られる物質で、カテコールアミンという神経伝達物質に分類されます。また、ドーパミンはノルアドレナリンを合成する前駆体でもあり、ノルアドレナリンの合成にはドーパミンが必要になります。そのため、これらの物質のトランスポーターや代謝・分解に関わっている酵素などの多くが共通しています。

ドーパミンとノルアドレナリンはストレスに強い関わりがあります。ストレスを受けると、ストレスに抗うためにノルアドレナリンが分泌されますが、同時にドーパミンも分泌されやすくなります。

ストレスを解消する手っ取り早い手段が、ドーパミンを分泌させて快感を得ることだからです。ストレスは食事をしたり、運動をしたり、たばこを吸ったりアルコールを飲んだりすることで、ドーパミンを分泌させて解消(麻痺)させることが出来ます。

そのため強いストレスを受け続けると、その解消手段として快感を得られる何か(人によって、環境によって対象は異なる)を体が欲しやすくなります。ドーパミンが暴走すると、やがてアルコール依存症やギャンブル依存症などの依存症へと繋がります。

また、ノルアドレナリンが分泌されるストレスと、ドーパミンが分泌されるストレスには、一定の違いがあります。

ノルアドレナリンが反応するのは、暑い/寒い/痒い/痛い/苦しい/つらい/悲しいなど、肉体や精神が感じる「不快な刺激」に対してです。(※ストレスは必ずしも実感出来るものとは限りません。)

一方、ドーパミンは『欲望や渇望』という形でストレス生み出します。何かをしたい、何かが欲しいといった欲望は、達成されないうちはストレスでもあり、それが物事への意欲やモチベーションへとつながっているのです。

ただし、ドーパミンの生み出す欲望が行き過ぎると、法を犯してでも目的を達成しようとするなど、間違った方向へと進んでしまうかもしれません。

オキシトシン

人体に与える影響

オキシトシンは、他者との触れ合いで分泌されるという特徴を持っています。よく「人と人との触れ合いは大切だ」という言葉を耳にしますが、オキシトシンの分泌という面から考えても正しい言葉だったのですね。

どのような効果があるかというと、セロトニンと同じくストレスの緩和や学習意欲を向上させるといった効果があります。一見セロトニンと同じ効果に見えますが、ストレスを緩和させる方法に違いがあります。

セロトニンは不安や恐怖といった感情を抑えることでストレスを緩和しますが、オキシトシンは他者との触れ合いにより愛情を感じることで、心地よい気分になるという点です。

オキシトシンが不足するとどうなる?

オキシトシンが不足してしまうと、他者から愛情を感じ幸福感や信頼を生まれにくくなってしまいます。このような状態になると、日常生活にとても大切な対人コミュニケーションに悪影響が生まれてしまいます。

具体的には、気分が落ち込む・他者に対して不信感を抱く・消極的になる、など人間関係が悪くなってしまう恐れがあります。

増やす方法・軽い運動・バナナなどを食べる・日光浴をする・激しめの運動・たくさん笑う・小さな目標を達成する・恋人や友人とコミュニケーションを取る・感動的な映画や漫画を見る・動物とふれあう

男女で違う?男性のオキシトシンの働き リンク

【幸せホルモン】オキシトシンは、その本来の効果が子宮収縮などにもあげられるように、女性が多く分泌し高い効果を発揮するホルモンとして知られています。それでは男性には一切効果がないのでしょうか?そんなわけではありません!というのを本記事では紹介していこうと思います。
男性女性におけるオキシトシンの違い

そもそもこれから下記に挙げる男女のオキシトシンの効果の違いというのは、女性がエストロゲンというホルモンを多く分泌するのに対し、男性はテストステロンというホルモンを多く分泌する性質の違いから来ています。女性ホルモンであるエストロゲンはオキシトシンを増幅させる効果を持つのです。そもそもの量が女性に比べて男性は少ないということなんですね。

セックスの時の男女の感情の違い

「セックスの前、最中はあんなに愛し合っていたのに終わった途端に男性が醒めてしまった・・・。」みたいな話をよく耳にしないでしょうか。この話にも実はオキシトシンが関わっているのです。

オキシトシンは相手への愛情、信頼の大きさに関わるホルモンで性欲が高まっている時は男女ともにこの濃度が高く放出されるのですが、男性はなんと、生殖機能が反応した直後にこの濃度が急激に下がってしまうのです。一方女性の方はというと・・・。行為中にその濃度を高め続け、行為後にはその濃度が最高潮に達しているのです。

相手の男性が突然冷たくなった、結局ヤリたかっただけなのか、などと心配になる女性も、行為後に抱きつかれたりなどめんどくさいなあと思ってしまう男性も相手のホルモンの違いを知ることで相手の理解につながるのではないかと思います。

  投稿者 seibutusi | 2020-10-16 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

環境電流と電気合成生態系 ~電気を食べる生物はいつからいたのか?~

熱水噴出孔から噴き出す熱水には、電子を放出しやすい硫化水素や水素が多く含まれ、放出された電子が熱水噴出孔の硫化水素の中を移動する事で電気が流れ、それにより持続的にエネルギーが供給されていたと考えられています。<「最初の生命は、深海の熱水活動域で電気をエネルギー源として生まれた」

前回 「電子だけを食べて生きる電気生命体」~電気エネルギーと生物~   に引き続き、生物と電気エネルギーはどんな関係があるのか?

今回は、環境電流というもの、環境電流に影響を受けている可能性のある生態系(電気合成生態系)について、日本農芸化学会の記事より見ていきます。

ポイント

環境電流とは、主に深海熱水噴出域の海底面で観察される発電現象。熱水から海水へと電子が移動するときに生じる電流。

・化学合成生物や光合成生物に加えて第三のエネルギー獲得機構をもつ“電気合成生物”の位置づけが提案されている。

・環境中には知らないだけで電気はいろいろな所に流れており,陸生の電気合成生態系も存在するかもしれない。

 

公益社団法人日本農芸化学会(2018-12-20) より。

環境電流と電気合成生態系 ~エネルギー代謝の原型? 進化型?
  電気を食べる生物はいつからいたのか?

2015年,理化学研究所と東京大学の共同研究チームが,「電気で生きる微生物を初めて特定」というニュースリリースを論文発表とともに行った(1)。この研究内容は,さまざまなメディアで報道されて注目を浴び,学生時代に当該微生物を別の研究で用いていた筆者にとっても興味深い内容であった。

この実験は端的に言うと,実験室レベルで外部からのエネルギー供給を電気だけにして微生物を生育させることができたということであるが,これを環境中に落とし込むと,環境中で電気だけが供給される環境はあるのか?それがなければただの人工的なご飯の上げ方を見つけただけという話にもなりかねない。しかしながら,そうではなく,本稿の主テーマの一つである環境電流という話に結びついてくる

環境電流は一部の研究者の間で使われている言葉であり,サイエンスとして広く認知されている言葉ではないかもしれないが,シンプルにイメージしやすく,この現象を発見した研究者も使っているのでこの言葉を使わせてもらう。

環境電流とは主に深海熱水噴出域の海底面で観察される発電現象を指し,海洋研究開発機構と理化学研究所の共同研究チームが2017年にプレスリリースを発表している。海水中には酸化的な物質が含まれ,噴出している熱水には還元的な物質が多く含まれており,熱水噴出孔のチムニー(筒状の堆積物)が導電性の高い硫化鉄を多く含むことが知られていたが(2),共同研究グループは深海で実際に深海熱水噴出域付近の堆積物の酸化還元電位を測定するとともに,実験室レベルでも再現試験を行い,熱水から硫化鉱物を介して海水に電子が渡っていることを証明した(3) (図1)

熱水中の還元的な物質(硫化水素や水素)は酸化されやすく,海水中の酸素は還元されやすい.したがって,導電性鉱物からなる熱水噴出孔堆積物を介して,熱水中の硫化水素や水素が酸化され,海水中の酸素が還元される際に電子が移動している.すなわち,海水から深海の熱水噴出孔周りの堆積物に対して電流がピリピリと流れていることになる.電気風呂みたいで深海は案外心地いいのかもしれないというオチではなく,最初の段落で出てきた電気で生きる微生物との関係性に結びついていく.

 

無題
図1  深海熱水噴出域での環境電流と電気合成生態系の存在仮説

還元的な物質を含む熱水から導電性鉱物からなる熱水噴出孔堆積物を介して海水へと電子が移動しており,このときに生じる電流を環境電流と便宜的に呼んでいる.このような熱水噴出域では,化学合成生物が一次生産者となる生態系がよく知られているが,電気合成生物や電気共生系がそこに加わると環境電流を一次エネルギーとする電気合成生態系の存在の現実味が高まる.

人工的な環境ではあるが,電気を唯一のエネルギー源として生育できる微生物がおり,環境中には場所が限られるけれども連続的に電子が供給される場所があるとなれば,自然環境中で環境電流をエネルギー源として使って生きている生態系はないだろうか? という話になる。

電気エネルギーを唯一のエネルギー源として生育できる生物については,化学物質のエネルギーを利用できる化学合成生物や光エネルギーを利用できる光合成生物に加えて第三のエネルギー獲得機構をもつ“電気合成生物”としての位置づけが提案されている(図1)

少し勘違いする人がたまにいるので少し補足しておくと,電気合成生物というのは,電気を合成する生物ではなく,電気エネルギーを使って自身の生体材料を作り上げていく生物ということ である。微生物燃料電池の話と混同しないように注意が必要である。

この電気合成生物という概念にぴったりマッチするのは,最初に出てきた鉄酸化細菌(Acidithiobacillus ferrooxidans)だけであるが,本菌は深海由来ではない。一方で,深海の海底電流と熱水噴出孔付近の比較的豊かな生態系を考えると,熱水中の化合物に支えられた化学合成生物を生産者とする生態系の中にその環境中で持続的に供給される電気を使っている電気合成生物が隠れており,実は電気合成生態系でもあるのではないかという仮説へとつながっていく(図1)

また,分断された代謝経路をもつ2種微生物間で導電性ナノ粒子を介した電気共生が証明されていることから(4),電気合成生物と化学合成生物と従属栄養生物の共存する生態系がそこに存在しても不思議ではない。
環境電流と電気合成生態系の例を取るとそれは深海だけの話であり,深海の研究者以外にとって魅力的ではない話になりかねないので,身近な環境電流 についても触れておきたい。たとえば,迷走電流という言葉をご存じだろうか? 電車はパンタグラフを通してその上空を走る架線に触れて電流を受け取り,レールを通して変電所に戻しながらレールの上を走っている。

この過程で,レールから電流が漏れ出すことがある。この電流を迷走電流と呼び,迷走電流は付近の埋設管などの腐食に関与することがある。また,もっと身近なところで言うと,家の中の家電,洗濯機や冷蔵庫にはアース線が取り付けられている。これは,漏電してしまったときに感電を避けるために,電流をアース(大地)に散らすためのものである。

また,も電気である。雷が多い年はキノコがよく取れる という話があり,それをヒントにシイタケ栽培時に高電圧のパルスをかけて生産性を向上させたという研究もある(5).もちろん,シイタケはその電気エネルギーで生育しているわけではない.とにかく,環境中には知らないだけで電気はいろいろな所に流れており,陸生の電気合成生態系も存在するかもしれない.

~中略~

この電気合成システムは,生物の歴史上,いつから自然界に存在したのだろうか? 潤沢なエネルギーを含む有機物を使う化学合成従属栄養性や大気中の酸素濃度を爆発的に増加させた酸素発生型光合成よりも先に存在したのだろうか? それとも,複雑なエネルギー獲得機構を進化させていくなかで,化学合成や光合成の進化形として確立されたのだろうか? 筆者はなんとなく前者であるような気がしているが,読者の皆様はどうだろうか? まだ答えのない現象であり,個人として空想にふけるのも良いし,研究仲間と議論の種にしていただくのも良い.きっとそうやってサイエンスは熟成していくのだろう。

(引用文献 (1)~(6)は元記事 リンク を参照願います。)

(以上)

  投稿者 seibutusi | 2020-10-15 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

探求機能(ノルアドレナリン)→観念機能

>近年の草食男子(男性ホルモンの減少→精子減少)が増えている原因の一つは、肉体的同類闘争(70年代以降、貧困の消滅により直接個人の本能に訴える事が少なくなっている)が減少し、観念闘争(肉体能力<観念力)の時代を迎え、現代男性の男性ホルモン(テストステロン)の変化(低下?)がみられるとの研究発表があった。

>しかし、生物史を通して、性(オスとメス)分化は「進化の原動力であり、多様な環境に適応できるシステム」そして「共に生きるという生命の大原則」であり、

>観念力の時代では「男性の存在理由」は物理的な闘争力でなく、追求力を原点としたものであると考えられるので、男の男たる由縁の男性ホルモンはテストステロン以外にも有ると思われる。

前回は、「男性ホルモン(テストステロン)と女性ホルモン(エストロゲン)」を調べたが、

今回は、「男の由縁:追求力」について本能レベルから調べました。

肉体的危機対応(アドレナリン)→【精神的危機対応(やる気を高めるノルアドレナリン)→成功体験の御褒美(快感をもたらすドーパミン)⇒記憶して学習する≒探求機能の獲得】の流れではないか?と考え、調べました。

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テストステロン】纏め リンク 

ストステロンは男性ホルモンの一種で、男らしい筋肉や骨格を作ったり、ひげや体毛を濃くしたりする働きがあります。また、テストステロンが多い人ほど、競争意識が強い傾向にあります。女性は男性に比べてテストステロンの分泌が少ないため、生物的な性格は平和主義で、競い合うことをよしとしない傾向があります。

テストステロンは、胎児期や思春期に最も多く分泌されます。ところが、その大事な時期に「人と比べることをやめよう」と言って、成績の順位を貼り出すことをやめたり、運動会で順位をつけないなど、適度な競争の場を経験しないと、大人になってもテストステロンが分泌されにくくなってしまうのです。

そのような環境で育った人は、社会に出たときに、ナンバーワンよりもオンリーワンの志向が強くなるため、たとえば大切なコンペがあっても「誰にも勝とうと思ってませんから。俺は俺なんで」とか、「勝つために頑張るのって違うと思います」というような考え方になりやすくなります。

ノルアドレナリンとアドレナリンの合成経路(原材料から合成される順番)】リンク

(1)フェニルアラニン(必須アミノ酸)

(2)チロシン(アミノ酸)

(3)Lドーパ

(4)ドーパミン(神経伝達物質)

(5)ノルアドレナリン(神経伝達物質)

(6)アドレナリン(副腎髄質ホルモン)

【アドレナリンとノルアドレナリンの違い】

ストレスの種類による分泌の違い

アドレナリンもノルアドレナリンもストレスに反応して分泌される物質です。ところが、ストレスを受けたとき、そのストレスが肉体的なストレスなのか、精神的なストレスなのかによって分泌される割合が異なります。更に、同じストレスを過去に受けたことがあるかどうかでも、分泌のされ方が変わってきます。

【ストレス経験の学習による違い】

人の脳には、過去に経験したストレスを記憶・学習する仕組みも備わっています。

何らかのストレスを受ける場合でも、過去の経験の有無によって、アドレナリンとノルアドレナリンの分泌のされ方が変わります。これは人が『ストレスを学習する』ためです。

例えば、過去にそのストレスと同じようなストレスを経験したことがあり、脳が『このストレスには前回も対処できたから、今回も対処が可能だ』とか、『前回は失敗したけど、なぜ失敗したか原因はわかっているから、今回は前回よりもうまく対処出来るはず』と直感できるストレスの場合は、アドレナリンはあまり分泌されません。ただ、対処可能な場合でも、脳にとっては不快なストレスであることには変わりないので、ノルアドレナリンは依然として分泌されます。

【ストレスの学習は肉体の省エネ機能】

闘争か逃走』を司り、身体機能を向上させるアドレナリンが分泌されるということは、その分、体力の消耗が激しいため、脳としては不要なアドレナリンの分泌は出来るだけ避けたいわけです。

そこで、人が様々なストレスを経験する中で、ストレスを学習して順応していくことが出来るよう、ノルアドレナリンやドーパミンと言った物質が分泌されるときに、『物事を記憶して学習する』という作用を働かせることで、アドレナリンという最終兵器を出来るだけ使わなくても良いような仕組み(恒常性維持機構)になっているのです。

要は、アドレナリンが分泌されるような状況は、肉体が酷使されて疲れるのであまり頻発されるのが望ましくないため、アドレナリンの前駆体であるノルアドレナリンにはストレスを学習することで、肉体を省エネさせる働きがあると考えられるのです。

【違いの特徴まとめ】

色々と紹介してややこしくなりましたが、アドレナリンとノルアドレナリンの違いを簡単に表すと以下のようになりますので、これだけでも覚えて頂ければ幸いです。

アドレナリンの特徴アドレナリンは血管や筋肉など、身体への作用が強い

ノルアドレナリンの特徴ノルアドレナリンは怒りやイライラなど脳や感情への作用が強い

ドーパミンリンク

ドーパミンは、達成感や快感、爽快感、喜び、感動などをもたらしてくれます。

*   *   *

失敗する社長と成功する社長は目標の立て方が違う

失敗する社長の彼はものすごいスピードで成功し、大金を手にしました。そして、早くに目的(大金を得る)を  達成したため、仕事の中でお金以外の目的を見出せずにドーパミンを出すことができなくなり、お金持ちになったことで、無気力な状態に陥ったのではないかと思うのです。

私はいろいろな企業の経営者ともお付き合いがありますが、本当の意味で成功する社  長というのは、お金を目標にはしません。「こういうことがしたい」「仕事が楽しい」「人の役に立ちたい」という思いこそが出発点であり、お金はあとからついてくるものだと考えています。

ズバリ、「自分の才能を生かせる」「自分の可能性を試せる」「人に喜んでもらう」「社会に貢献している」。そして、そのプロセスにやりがいを見出しています。だから、いくつになってもリタイアせずにいる。仕事が楽しいからです。

成功する人は、信念を胸に、未知なる目標を持ち、ワクワクドキドキしながら、さらなる高みを目指し、達成したら脳内から報酬としてドーパミンが出る。そうした好循環を築いているのです。

【平穏無事な生活をしているとドーパミンが減る】

ドーパミンは、達成感や快感、爽快感、喜び、感動などをもたらしてくれるホルモン なので、不足すると無感動、いわゆる「イヤなヤツ」になります。あなたの周りに、いつも無表情だったり、ほとんどリアクションをとらない人はいないでしょうか。

日頃から、「どうしてもっと喜んでくれないの?」「なんでこの映画を見て、泣かずにいられるの?」など、無感動を指摘されているなら、ドーパミンが分泌されにくくなっているのかもしれません。

実は、平穏無事な生活を続けていると、脳内のドーパミンが減ってくることがわかっています。人は、変化のない生活だと、退屈に感じます。そして刺激を求めるようになります。ですから、退屈を感じている主婦に不倫が多いのは、ワクワクドキドキすると ドーパミンが出るからです。

何かを得るために苦労すればするほど分泌される

平穏無事な生活をしているとドーパミンが減ってきます。

(略)

快楽を経験してドーパミンが分泌されると、その記憶が脳の中の「海馬」という器官に蓄積されます。脳にとってこのドーパミンはご褒美のようなものです。だから、また ご褒美を手に入れるために、人は努力するのです。

ドーパミンは面白いホルモンで、何かを得るために苦労すればするほど、達成したときに分泌されるドーパミン量も多いのです。振り子の幅が大きければ大きいほど、反対   側に同じくらい動くのと同じように達成するまで、どんなに辛い思いをしたかで、苦労  の振れ幅の大きさが全てドーパミンとしてかえってきます。

  投稿者 seibutusi | 2020-10-08 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

「電子だけを食べて生きる電気生命体」~電気エネルギーと生物~

電気をエネルギー源として利用して、増殖できる微生物の存在が明らかとなり、同時に、電気が光と化学物質に続く地球上の食物連鎖を支える第3のエネルギーであることを示しており、・・・リンク
最初の生命は、深海の熱水活動域で電気をエネルギー源として生まれた リンク

生命の起源には電気エネルギーが深く関わっているようです。電気エネルギーで生きる微生物も発見されています。
生物と電気エネルギーはどのような関係があるのか。

今回は、電子だけを食べて生きる電気生命体の生育に成功したミネソタ大学の研究を見ていきます。

ナゾロジー(2020/7/15) より。

「電子だけを食べて生きる電気生命体」の生育に成功

● point

●電子を食べ、電子を排出する電気バクテリアを鉄電極を使って育成できた
●電気バクテリアを生かすだけならエサは電子だけでいい

電子を食べ、電子を排出する電気生命体とも言うべき細菌(電気バクテリア)を、鉄電極を使って人工的に育成することに成功しました。

私たちは細菌がさまざまなエネルギー源で生き残ることを知っていますが「電気バクテリア」は極めて特殊な存在であり、純粋な電子を、直接エネルギーとして吸収できます。

今回の研究では、この電気バクテリアを、一切の栄養源を与えないまま、鉄電極から放出される電子だけで育てました。
電気バクテリアはいったいどんな仕組みで生きていけたのでしょうか?

 

食事と呼吸の本質は電子の吸収と排出

電子を食べ、電子を排出して生活している電気バクテリアは、一見、地球生命の常識から外れた存在に思えます。

しかし地球生命としては、決して逸脱してはいません。

なぜなら、生命の食事は電子の取り込みであり、呼吸は使い終わった電子の排出と解釈することが可能だからです。

私たち人間も過剰な電子をたっぷり含んだ糖分を食べ、使い終わった電子を酸素に受け渡すことで呼吸しています。

そのため呼吸(酸素)を止めることは、捨てるべき電子の出口を塞ぐ行為であり、苦しくなるのは電子の流れが滞っているから だとも言い換えられるのです。

食べるのも排出するのも純粋な電子である電気バクテリアは、生物が行う電子の流れを極限まで絞り込んだ存在であり、ある意味では最も純粋な地球生命とも言えます。

 

電気バクテリアを生かすだけなら電子のみでいい

アメリカ、ミネソタ大学の研究者は様々な条件で、この電気バクテリアの培養を行っていました。

そして今回「M.ferrooxydans PV-1」と呼ばれる電気バクテリアを、一切他の栄養源を必要とせず、鉄電極から放出される電子のみで生育させることに成功したそうです。

実験に使われた装置は、上の図のように対になる電極とバクテリアが浮かぶ培地からなっています。

この培地には一切の栄養素は含まれていませんでした。

実験の結果は、電気バクテリアを生かすだけならば、砂糖や他の種類の栄養素は必要なく、電子だけで十分である ことを示しました。

次に研究者は、電気バクテリアの故郷である海底の堆積物を培地に組み込み、2本の電極を使って電気バクテリアの増殖を試みました。

堆積物に刺さった2本電極のうち1本は、電池を使って堆積物の自然電位より高い電位がかけられ、もう1本はより低い電位が掛けられました。

研究者が個々の電気バクテリアの電気活動を調べたところ、電気バクテリアは2本の電極のうち、陰極の鉄電極から放出される電子を食べ、使い終わった電子を陽極に向けて排出(呼吸)していたことがわかりました。

なお電子の食い扶持がみつからない場合、細菌は餓死してしまいます。また電子の捨て先がみつからない場合には、窒息死してしまうとのこと。

似たような結果は、金属で呼吸する細菌でも報告されています。

 

NASAも電気バクテリアに注目している

また今回の研究に連動して、研究チームは8種類の新種の電気バクテリアの発見にも成功しました。

さらなる新種を求めて、研究チームはサウスダコタの金鉱山の中にバッテリーを設置し、電極の周囲に集まってくる細菌を採取しようと計画しています。

電気バクテリアの探索によって、地球内部の隠れた生物圏を発見できるかもしれないのです。

また、NASAも電気バクテリアに注目しています。

電気バクテリアは光も酸素も必要とせず、非常に少ないエネルギーで生き残ることが知られており、地球以外の星での生命探査の候補として有望だからです。

さらに今後研究チームは、電気バクテリアに与える電子を限界まで絞り、生命維持に必要な最小エネルギーの算出を行う予定とのこと。

得られたエネルギーの最小値を、他の生物と比較することで、生命と電子の根本的な謎に迫れるかもしれません。

研究内容はアメリカ、ミネソタ大学のザラス・M・サマーズ氏らによってまとめられ、7月14日に学術雑誌「mBio」に掲載されました。

(以上)

  投稿者 seibutusi | 2020-10-08 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

ヒトゲノムはウイルスでいっぱい? ~生物の進化とウイルス~

ウイルスは遺伝子をほかの生物に運ぶ能力を持っています。遺伝子治療はその性質を利用したものです。進化の過程を見ると、単なる変異では説明できない大きな変化が時折、起きています。これはウイルスが新しい遺伝子を運び込んだことによると考えるのが妥当です。リンク 

レトロトランスポゾンすなわちウイルスの祖先が持ち込んだ遺伝因子により霊長類が生まれたことが推測され、ウイルスが生物の進化の推進に重要な役割を果たしてきた可能性について関心が高まっている。リンク

単なる病原体だけではないウイルスの多様な働き。中でも、ウイルスはあらゆる生物の進化に関わってきたようです。

今回は、ヒトゲノム解析の結果よりヒトの進化におけるウイルスの働きについてまとめた記事を紹介します。

安全性評価研究会「谷学発!常識と非常識 第66話 生命の起源と進化:ウイルスの話②」 より。

 

ヒトゲノムはウイルスでいっぱい?

1.ヒトゲノムの内訳

ヒトのゲノム解析は驚くべきことを2つ明らかにしました。1つは ヒト遺伝子をコードするDNAが全ゲノムのわずか1%しかないこと です(※1)。もう1つは、ヒトゲノムの約70%は機能がよく分かっておらず、しかもその大部分がウイルス遺伝子かもしれないこと です。下図 リンク(文献2より引用)は、ヒトゲノムの内訳を示します。約30%が広義の「遺伝子領域」、残り70%が「非遺伝子領域」です。

2.「遺伝子領域」(30%)の内訳

「遺伝子領域」「コード領域」(3%)と、 「非コード領域」(27%)に分けられます。「コード領域」は、「タンパク質コード領域」(1%)と、 「RNAコード領域」(2%)に分けられます。前者は約21,000個のヒト遺伝子をコードし、後者はそれら遺伝子の発現(タンパク質合成)に必要な転移RNA(tRNA)とリボソームRNA(rRNA)をコードしています。

一方「非コード領域」には、「転写調節領域」(2%)と、イントロン(25%)が含まれます(※2)。「転写調節領域」は各遺伝子の直前にあって、「転写因子」が作用する部位です。「転写因子」とは遺伝子発現のタイミングや遺伝子活性を調節するタンバク質類をいいます。一方イントロンは、タンパク質をコードするエクソンとエクソンの間をつないでおり、1つの遺伝子に通常複数含まれています。

イントロンはDNAから転写された直後のメッセンジャーRNA(mRNA)の前駆体には含まれますが、その後切り取られ(スプライシングという)、完成したmRNAには含まれません。ヒトの遺伝子の70%以上が1つの遺伝子から複数種類のタンパク質を産生していますが、その機構はイントロンの選択的スプライシングにより複数種類のmRNAが産生されるからです(※3)。

3.「非遺伝子領域」(70%)の内訳

「非遺伝子領域」は、機能不明な雑多な領域を含むため、ジャンク(がらくた)DNAと呼ばれてきましたが、最近、その一部が重要な機能をもつことが分かってきました。

この領域に含まれる主な要素は、トランスポゾン(第4項参照)、内在化したレトロウイルス(第5項参照)、機能を失った遺伝子をいう「偽遺伝子」 、凝縮した不活性なDNA領域をいうヘテロクロマチン、染色体に散在する反復配列【SINE(短分散型核因子)やLINE(長分散型核因子)】、全く無意味なDNA配列であるスペーサーなどが含まれます。各領域の呼び名、分類、それらの比率は文献によって異なり、下記は一例です。

4.トランスポゾン

トランスポゾン(転移因子)とは、細胞内でゲノム上の位置を転移(transpose)するDNA配列をいいます。トランスポゾンはヒトゲノムの実に46%を占めています(※4)。DNAの断片がそのまま転移するDNA(型)トランスポゾンと、1度RNAに転写されてから、DNAに逆転写されて転移するレトロトランスポゾンがあります。レトロトランスポゾンには、両末端に数百~数千塩基対の反復配列(LTR)を持つLTR型レトロトランスポゾンと、それらを持たない非LTR型レトロトランスポゾンがあります。

理化学研究所の国際共同研究グループは、レトロトランスポゾンの1種で、200塩基対以上の「長鎖ノンコーディングRNA」(lncRNA)を網羅的に解析し、それらのヒトゲノム上での正確な位置や配列の特徴、細胞や組織での発現パターンを示した「ヒトlncRNAアトラス(地図)」を作成しました。調査した27,919個のlncRNAのうち19,175個が何らかの機能を持ち、うち1,970種は疾患に関与している可能性が示唆されました(※5)。

その後の検討により、ノックダウンできた119種のlncRNAのうちの13種(11%)が、細胞の増殖、転写、翻訳、代謝、発生、創傷治癒など、さまざまな機能を持つことが明らかにされ、レトロトランスポゾンの機能の一端が明らかになりました(※6)。

5.ヒトゲノム中のレトロウイルス

レトロウイルスとは、感染後に細胞内でウイルス自身の逆転写酵素により、RNAゲノムから二本鎖DNAのコピー(プロウイルス)を作製し、それを宿主細胞のゲノム中に挿入するタイプのRNAウイルスをいいます。

宿主生物の生殖細胞のゲノムに組み込まれたプロウイルスは、内在性レトロウイルスとして子孫に伝達されます。ヒトのレトロウイルスの例としては、ヒト免疫不全(AIDS)ウイルスや、ヒトT細胞白血病ウイルスがあります。内在性レトロウイルスがヒトゲノムに占める割合は8%にも達します。更に、ボルナ病ウイルスなど、非レトロウイルス型の内在性ウイルスが次々に発見されています(※7)。

哺乳類のゲノム中に内在化したレトロウイルスは有害なだけの存在ではありません。例えばヒトを含む哺乳類の胎盤形成に必須の遺伝子の中には、内在性レトロウイルスに由来する遺伝子が複数存在する ことが明らかにされており、更に最近、乳腺や脳でもレトロウイルス遺伝子が発現していることが報告されています。これらの事実は、ゲノムに内在化したレトロウイルスが、ヒトの進化の過程で新たな遺伝子資源として機能を付与され、ヒト遺伝子として機能している ことを意味します(※7)。

6.ヒトゲノムの半分以上はウイルスとその関連物質?

京都大学ウイルス研究所の朝長啓造教授は、総説の中で次のように記しています:
ヒトゲノムには、内在性レトロウイルス(HERV)が約98,000ヵ所に組み込まれており、LTR(長鎖末端反復)型レトロトランスポゾンが約158,000ヵ所に組み込まれていることが判明している。(中略)このことは、私たちが進化の過程で幾度となくレトロウイルスの感染を経験してきた ことを意味している」(※7)。

トランスポゾンの起源については、一部は自己遺伝子由来の増殖因子の可能性もありますが、大部分は、長い進化の過程で感染した無数のレトロウイルスの化石、あるいはそれらの断片であるとする仮説が有力です。引用の文章もその立場で書かれていることは明らかです。

この仮説によれば、トランスポゾンの最大の特徴である転移能力がウイルスの性質に由来する、と説明可能です。また、前項で挙げた胎盤等でのレトロウイルス遺伝子の発現も、レトロウイルス遺伝子の一部の発現であることから、レトロウイルスの断片がレトロトランスポゾン化したものが発現した、と説明できます(※7)。

更に、レトロウイルスを、LTR型レトロトランスポゾンの一部に含める分類方法があります(※4)。また逆に、レトロトランスポゾンが自立したものがレトロウイルスの起源であると考える研究者もいます。このように、ヒトゲノムには、ヒト遺伝子の最大8倍ものレトロウイルスと、ヒトゲノムの半分近くものレトロウイルスの化石やその断片が含まれる可能性があります。このことは、ウイルスとヒトが長い進化の歴史を通して共存関係にあったこと、そして今後も共存せざるを得ないこと を意味します

(引用文献(※1~7)は元記事 リンク を参照願います。)

 

(以上)

  投稿者 seibutusi | 2020-10-01 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

男性ホルモン(テストステロン)と女性ホルモン(エストロゲン)

>生物史を通して、性(オスとメス)分化は「進化の原動力であり、多様な環境に適応できるシステム」そして「共に生きるという生命の大原則」である。

観念力の時代では「男性の存在理由」は物理的な闘争力でなく、追求力を原点としたものであると考えられるがその駆動物質は何か?

まず通説「男の男たる由縁は男性ホルモン(テストステロン)」と言う事でテストステロンを調べていた所

男性ホルモン(テストステロン)と女性ホルモン(エストロゲン)は各々男女特有のものと思っていましたが、ヒトは両方を持っており、性と密接な関係(テストストロン・エストロゲン共、生殖器官で造られる)が有る事が解かった。要するにメスの基本形があり、外圧変化に対応する為に基本から少し変異したオスが作られたと考える

以下にテストステロンに関する記事を転載します

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テストステロンとエストロゲンの関係や違いは?ホルモンの正しい知識!

ちょっと聞いただけでは磁石のような仲の悪いやつかなと思われていますが、この二つのホルモンは男性と女性、皆に存在してそれなりの役割を遂行している全く別のホルモンです。ただし、男性にはテストステロンの比率が高く、女性にはエストロゲンの比率が高いだけです。

  1. これらの正体は?

テストステロン:男性は睾丸から、女性は卵巣や副腎でそれぞれ生産されます。男女みんなに攻撃性と集中力を向上させます。

筋肉を発達させて、代謝量を増加させ、性欲を発動させる触媒です。テストステロン数値が高い人は男女共に統計的に攻撃的な性向が高く、筋肉の発達が優秀です。エストロゲン:女性は卵巣から、男性は睾丸と副腎で生産されます。体内で骨密度を向上させて、血圧を下げて、コレステロール、脂肪代謝、体毛の発達を制御します。

そのためエストロゲンが不足した男性の場合には、心血関係疾患発生率がとても高いです。女性の場合は生理周期に関与することはよく知られています。

しかし、男性の体内でもテストステロンとともに幼年期には生殖器発達を制御して、青年期以降は前立腺など男性生殖器の退行性変化を遮断します。

  1. 女性と男性にとって

男性の場合、年を取るとテストステロンの分泌量が少しずつ減少する反面、エストロゲンの分泌量は比較的一定に維持されます。

つまり(テ:エ)の比率に変化がおきます。

それで男性の場合、老年になったらテストステロンの減少で攻撃性が目立つほど減少し、性欲減退、各種の男性の更年期疾患の原因になります。ひどい場合は胸が女性の胸みたいになる症状など女性化が現われたりします。女性の場合はテストステロンは一生一定に維持される反面、エストロゲンは閉経以後に分泌量が急激に減少します。

骨粗鬆症、高脂血症など、女性の更年期疾患の原因になります。

同様に(テ:エ)比率が変わり、女性は中年以降にも攻撃性をそのまま維持する傾向があるので「おばさん、気が強いよ!」とよく言われるようになります。

  1. お互いの関係は?敵?

人々の最大の誤解が「女性ホルモンが男性ホルモンを抑える」あるいはその逆だという間違った知識です。

はっきり言えることは、この二つは競争関係ではなく、全く別の役割を持つホルモンです。

(むしろ1、2次成長の発現、妊娠など一定の段階では互いに協力する関係ということが明らかになりました)

  1. 比率は決まっている。問題は量。

上で述べたように男性はテストステロンが、女性はエストロゲンが高いです。

この比率は若干の個人差があって、その数値は生まれた時に先天的に決まります。そして比率は若い時期には一定に維持されます。それでは男性に人為的にテストステロンを投与したり、増幅制を利用してテストステロン血中濃度を高めると、どうなるか考えてみましょう。もちろん、望むように攻撃性が向上するのと筋肉がよく発達するだろうし、希望する効果が出るでしょう。ただ、彼の体は両方の比率を合わせるため、より多くの女性ホルモンを生産します。結果は増えた男性ホルモンも暴れるし、増えた女性ホルモンも暴れ始めるでしょう。 (男性ホルモンが女性ホルモンを抑えたり止めたりしません) 極端な例をいうと、「たくましい筋肉質の体+美しい女性の胸」のようなおかしな組合せの体になれるかもしれません。

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1女性におけるテストステロンの分泌

女性も副腎や卵巣でテストステロンを分泌しています。血中テストステロン値で比べると、男性の5~10%(1/10~1/20)と言われています(共に健常成人の場合)。

2女性におけるテストステロンの役割

男性ほどでなくても、女性も骨格や筋肉は発達しますし、男性的な思考をしたり、性衝動に駆られることがあると思います。これらのメカニズムは複雑で一概に言えませんが、一因としてテストステロンが関係していると思われます。

3女性の性欲・性衝動におけるテストステロンの役割

また、テストステロンの一般的な生理作用の中には性衝動を高める働きがあります。テストステロンを「天然の媚薬」と考える所以ですが、男女にかかわらず恋愛のパートナーがいない人はテストステロン・レベルが高いという報告があります。現代風の表現で言えば、いわゆる「肉食系」の人は男女にかかわらずテストステロンの分泌が活発なのかも知れません。

4女性に対するテストステロン投与の現状

女性に対する高用量なテストステロンの長期連続投与は、男性化(体毛が濃くなる、声が低くなる等)をはじめ、体内でテストステロンが代謝されて出来たエストロゲン(女性ホルモン)のレベルが結果的に高過ぎる状態になる懸念があり、消極的な意見が多いのが現状です。今のところ長期的な安全性評価の情報は入手できておりません。 しかしながら、後述の単回投与のように、生理的範囲内で低用量・間欠的に投与すれば、限りなく安全に、テストステロンのメリットを享受できるものと、今後の検討が期待されます。

なお、頭髪を除く体毛の育毛に対する男性ホルモンの塗り薬は、既に本邦でOTC(市販薬)として50年を超える長年の実績を積んでいますが、重篤な副作用の事例はございません。弊社製品「グローミン」にも、女性の恥部無毛症の効能が認められています。

5テストステロンによる「性欲」と、エストロゲンによる「性欲」は別?

「女性ホルモン(エストロゲン)が媚薬になるか?」と申しますと、テストステロンによる積極的な性衝動でなく、肉体面、精神面で「性行動の受容性を高める」作用と言われています。

6エストロゲンは?

たとえば、肉体面ではコラーゲンの分泌を促し皮ふの張りを良くして、性交時に濡れやすくなり、子宮内膜を厚くして妊娠するための準備をしますし、一方、精神面では受容的な(優しい)気持ちになり、パートナーを受け入れやすい状態になるわけです。

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  投稿者 seibutusi | 2020-10-01 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments »