2015-09-27

990以上の村を調査して分かった『寿命の「長寿/短命」を決める食生活』とは?

 

『寿命の「長寿/命村」を決める食生活』とは何だろうか?

この疑問について、書籍「日本の長寿村・短命村―緑黄野菜・海藻・大豆の食習慣が決める」(近藤正二、サンロード出版)の豊富な事例を参照しつつ、考えてみたい。

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この本は、東北大学公衆衛生学教室の近藤教授が、昭和10年頃から満36年の長い間、日本全国くまなく990ヵ所の長寿村・短命村を、自らの足で歩き続け、『寿命の「長寿/命村」を決める食生活』を明らかにした貴重な記録だ。

昭和初期の日本は、ヨーロッパの文明国と比較して、平均寿命が短いことは分かってたが、満70歳以上の人の比率までも低いことを知り、「乳幼児の死亡が多いのももちろん問題だが、成人して70歳にならないうちに、どんどん死ぬのはまことに残念だ」と感じ、筆者は調査を始めたそうだ。

「物事は机上で考えて、結論を出してはなりません。実地に、実例を集めて見なければ結論を出してはいけない。」という気持ちで、全国の長生き村と短命村を回り、実地に捉えて出てきた結論が、『一番の決めてになる要因は、若いころから、長い間、何十年というあいだ毎日続けてきた食生活にある』ことだった。

それまでは「ドブロクの飲酒量」「長時間の重労働」など、食事以外の要素が「長寿/短命」を決める要因だと、一般的には考えられていたが、著者は多くの実例を通じて、それらの要因と寿命との関連は特に見られず、『寿命の「長寿/短命」を決めるのは、食生活がもっとも大きな要因』だと結論を出している。

では、この貴重で膨大な調査結果を通じて著者が明らかにした『寿命の「長寿/命村」を決める食生活』とは何か?

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  投稿者 seibutusi | 2015-09-27 | Posted in ⑧科学ニュースより5 Comments » 

免疫とは『仲間を認識し、共生関係を構築するしくみ』

■免疫に関する考え方は時代とともに変化してきた

昔は、免疫は「病気(疫)から免(まぬが)れるためのしくみ」と考えらえた。牛の乳搾りなどで牛と接することによって自然に牛痘にかかった人は、その後天然痘にかからないという農民の言い伝えがあった。ジェンナーはこれを天然痘の予防に使えないかと、研究を続け、ついに天然痘ワクチンが開発され、「免疫=予防接種」という考え方が一般的になる。そしてその後、免疫は「自己と異なる非自己(異物)を認識し排除する」ためと考えられるようになる。

しかし、「食物」や「腸内細菌」などは人にとって異物でありながら排除されない。むしろ、異物でありながら積極的に体内に取り込む必要がある。そのために備わっているのが、「経口免疫寛容」と呼ばれる、異物に対して寛容(=反応が起こらず異物の存在を許す)するしくみだ。

つまり、免疫の認識機能は、次の2段階構成になっていると考えられている。
1.まず、自己と非自己(異物)を認識。
2.次に、非自己(異物)のうち、身体に必要な物に対しては寛容し、一方不用なものを排除する。

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  投稿者 seibutusi | 2015-09-13 | Posted in ⑧科学ニュースより1 Comment » 

西洋医学が有効な範囲は限られている~「細菌説」というドグマを断ち切る

 

現代は、毎年40兆円以上の医療費が費やされているにもかかわらず、国民の健康が改善している気配はなく、年間数百万人が受ける人間ドックで、まったく「異常なし」の人は7%しかいないという実に“異常”な状況だ。

その理由は何んだろうか?

その理由は、もともと近代医療(=西洋医学)では解決出来ない領域にまで手を出し、無理やり西洋医学的なアプローチで解決をしていることにあると考えている。では“近代医療では解決出来ない領域”とは何か? それは、年々患者数が増加しているアレルギーや自己免疫疾患、ガンなど、もともと身体に備わっている機能の「バランスの崩壊」「機能不全」に関わる病気がそれにあたる。それらの病気には特定の病原菌は存在しない。

もともと西洋医学が有効なのは、例えば感染症のように、ある病原菌が原因となリ発病する病気という限定された範囲でしか無い。なぜなら、『病気の原因はすべて病原菌にあり、その病原菌を殺せば病気が治る』という基本的な思考に基づき、発展してきたものが「西洋医学」だからだ。

その始まりは1880年代初頭、ルイ・パストゥールやロベルト・コッホらが唱え、西洋医学の基本的な考え方のひとつとして定着していった。その考え方は「細菌説」呼ばれる。

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  投稿者 seibutusi | 2015-09-06 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments »