2021-10-28

哺乳類の知能進化⑦~外敵闘争と同類(性)闘争は何が違う?~

前回までは哺乳類の連携行動を見てきました。
哺乳類は「外圧+同類の状況把握」を高めることで、連携行動を可能にし、脳を発達させてきました。

今回は「知能が発達すると、外敵闘争に比べて、同類同士の(性)闘争は何がどう違ってくるか?」を見ていきます。

〇外敵闘争
哺乳類以前の魚類や両生類までの本能にも、外敵の把握や、食対象の把握の機能が備わっています。
外敵からは「逃げる」すなわち「関わらない」(=遠ざかる)のが鉄則。
従って外敵闘争においては外敵が「どこにいるか」が最大の問題になってきます。

食対象(餌)も同様。まずは食べられるのか、「毒」なのか。毒や未知の生物にはかかわらないのが原則。
外敵や餌対象に対しては、「関わらない」「捕まえるか」と行動パターンが限定されているのです。

外敵闘争や食対象においては、比較的単純で、必要な情報も限られています。

では同類(性)闘争はどうでしょうか? (さらに…)

  投稿者 takayama | 2021-10-28 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

哺乳類の知能進化⑥ ~魚などの群れと哺乳類の連携行動の違い~

哺乳類とその他の動物の群れの行動は何かが違うように見えます。一体何が違っているのでしょうか?
例えば、魚の群れと哺乳類の群れの違いがどこにあり、知能進化とどのように関わってくるのでしょうか?
(さらに…)

  投稿者 m-yoriya | 2021-10-26 | Posted in 2)知られざる原始哺乳類, ①進化・適応の原理, ④脳と適応No Comments » 

哺乳類の知能進化⑤ ~皮膚の発達が先か?脳の発達が先か?~

■皮膚の発達が先か?脳の発達が先か?

「哺乳類の知能進化のカギは皮膚感覚にある」ということを以前投稿しましたが、脳が発達したから皮膚感覚が発達したのか?それとも皮膚感覚が発達したから脳が発達したの?今回はこの論点を整理したいと思います。

皮膚と脳は下記のように「共進化」の関係にありますが、実は「授乳期間(スキンシップ)の長期化」による皮膚感覚の上昇が、それを先行しています。

目や耳ができるまでは生物は皮膚によって外部情報をキャッチし(それを集約し)判断していました。つまり、皮膚はそれ自体がもともと判断機能を持っていたのです。
例えば触覚が生み出す「心地よさ」「気持ちの悪さ」「怖さ」等は皮膚自身がが感じ生み出す感情です。
ここで感覚器官としての皮膚の特殊性に注目する必要があります。目や耳は情報を脳に伝えるだけで、自ら判断機能を持っているわけではありません。
哺乳類は、この皮膚と脳の判断=駆動物質のやり取りを強化することで、皮膚の持つこの機能を脳に転移させ、脳と皮膚を「共進化」させたのです。(「哺乳類の知能進化のカギは皮膚感覚にある」

 

皮膚感覚の発達は、脳のやりとりを増大させ、その分だけ脳神経も増加します。しかも、皮膚はそれ自体が判断機能を持っています。(心地よさ、鳥肌など)
同じ判断機能である皮膚と脳のやり取りは、判断と判断の突き合せにより、情報→指令という一般神経と脳のやり取りよりも、より緊密な回路を形成することになります。

 

(さらに…)

  投稿者 tuti-nor | 2021-10-22 | Posted in 2)知られざる原始哺乳類, ①進化・適応の原理No Comments » 

哺乳類の知能進化④ ~脳は何のためにあるのか?~

これまでの投稿で哺乳類の知能進化を扱い「知能進化のカギは皮膚感覚にある」ことを追求してきました。今回は、改めて根本に立ち返り「そもそも脳は何のためにあるのか?≒知能進化とは何か?」を追求していきたいと思います。

(さらに…)

  投稿者 t-kenta | 2021-10-19 | Posted in 2)知られざる原始哺乳類, ①進化・適応の原理, ④脳と適応No Comments » 

哺乳類の知能進化③~哺乳類の遊びの役割とは?~

今回は「哺乳類の遊びの役割」についてみていきます。

ほぼすべての哺乳類は子どもも大人も遊び行為を盛んに行っています。
じゃれ合いをしたり、追いかけっこをしたりする姿は頻繁に見られます。
うさぎはボクシングをして遊んだり、ネズミはかくれんぼをして遊んでいるんです!
ゾウはなんとおしくらまんじゅうをしたりもします!
哺乳類の遊びは本当に多様です。哺乳類も無意味に遊んでいるとは思えません。
「哺乳類にとって遊びは知能の発達上、能力形成上どのような意味を持つ」のでしょうか?

哺乳類のほとんどは、可変性・組み換えが可能な状態、つまり未熟な状態で生まれてきます。
哺乳類は、生まれてから【後天的に】生き抜く力を身に着ける戦略をとったのです。
生き抜く力を身に着けるためには、生まれてくる外圧状況も変化します。
常に変化し続ける外圧に対応するには、【後天的に】生き抜く力を身に着けることが必要なのです。
それを哺乳類は【遊び】の中で行っているのです!

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  投稿者 takayama | 2021-10-14 | Posted in 2)知られざる原始哺乳類, ④脳と適応No Comments » 

哺乳類の知能進化② ~性闘争は知能進化を促進した~

原始哺乳類である原モグラは触覚⇒皮膚感覚を進化させます。哺乳類は、皮膚と脳の判断=駆動物質のやり取りを強化することで、皮膚の持つこの機能を脳に転移させ、脳と皮膚を「共進化」させたのです。

そして、哺乳類の特徴であるスキンシップがその進化を促進してきのです。つまり、判断機能を持った皮膚感覚の進化とともに、知能も進化させてきたのです。

それに加えて、哺乳類のもう一つの特徴である性闘争も知能進化を促進しているのです。
今回はその性闘争がどのように知能進化に関わっているのか追求します。

(さらに…)

  投稿者 m-yoriya | 2021-10-12 | Posted in 2)知られざる原始哺乳類, ①進化・適応の原理, ④脳と適応No Comments » 

哺乳類の知能進化① ~知能進化のカギは皮膚感覚にある~

最近のブログでは「哺乳類の集団形態」を①~④のシリーズでまとめました。

今回は、哺乳類追求の新しいシリーズとして「哺乳類の知能進化」について扱っていきます。

 

最初に追求するのは「知能を進化させた要因」です。

哺乳類の脳は、それ以前の魚類、両生類に比べて脳(とりわけ新皮質)が著しく発達しています。その要因は何か?を追求していきます。

(さらに…)

  投稿者 t-kenta | 2021-10-08 | Posted in ①進化・適応の原理, ④脳と適応No Comments » 

哺乳類の集団構造から見える、現代の既成集団のおかしさ

哺乳類の集団構造から見ると、いかに現代人の既成集団が異常なのかが見えてきます。

 

 

■1.集団化の大前提は、全成員が外圧を察知すること

 

哺乳類の集団構造② ~哺乳類はなぜ集団化したのか?~

 

哺乳類の大半は食虫類(モグラ)、げっ歯類(ネズミ等)、コウモリ類で占められています。つまり哺乳類は基本的に弱者で、見つかったらほぼ終わりという存在です。その為、一番の課題は、「隠れる・逃げる」こと。種の絶滅に直結するのは、子供が狙われることですが、どうしても隙が出てしまうのは、餌を狙っているとき・食べているとき。

 

縄張り闘争に負け、隠れやすい地中から追い出されたモグラ=げっ歯類が、地上へ出ると、そこは大型爬虫類の世界。その為地上に出たら、外敵をより察知する必要が高まった。だから、敵=危機察知がどれだけ早くできるかに生き残りの全てはかかっています。集団化すれば、360度から外敵を察知することができる。

 

つまり、【外圧を察知するため】に集団化したということ。これはオスにもメスにも貫通されている。

★集団化するだけで何とかなるわけではなく、【全成員が外圧察知できていなければ集団化の意味がない】。

 

では、現代はどうか?殆どの人間が外圧を掴もうともせず、ぶら下がって、ぼさっとしているだけではありませんか

 

だから、国も企業も、上にぶら下がり、上の指示に従うだけ。教えてもらったこと、言われたことだけやってれば良い。逆に言われてないことには思考が働かない。それは学校教育での勉強の強制、ペーパーテストでの成績第一→自分第一の思考の植え付けによって、「自分さえ良ければそれで良い」。その結果、追求力、活力ともにどん底に。そして家庭でも、決められたレールに乗せるため親の子供への異常な管理・監視圧力で子供の活力を衰弱させている

 

誰も彼もが、集団を取り巻く外圧を掴もうともせず、ぶら下がるo自分のやり方を押し付けているだけ。これでは集団は成立しません。

 

 

■2.集団を形成してきたのはメス⇒メスの親和本能がまっとうな集団を作る

 

哺乳類の集団形態③~哺乳類はなぜ母系集団なのか?~

 

哺乳類の集団を作ってきたのは実は【メス】でした。哺乳類はメスが集団の中心=母系集団が集団形態の基本です。

 

 

この圧倒的弱者という外圧状況下でメスは子孫を残し、生きていくために、性闘争本能以上に【親和本能】を強化したのです

 

哺乳類のメスは、胎内保育で子どもをほぼ成体の状態まで育てていきます。 胎内の子どもを異物と認知しないために、オキシトシンという親和物質を出して、胎内保育を可能にしました。地上に出た初期哺乳類のメスは、防衛力を高めるためにこの授乳などのスキンシップで親和物質を強化して集団を形成し、生き延びてきたのです

 

 

哺乳類の母系集団のカギは、【メスの親和本能】の強化です。

私権時代は家父長制により、男が集団のボスになっていましたが、現代の家庭では、母親が中心になっていることは、みんなも思うところ。

 

でも、現代の家庭では、母親(メス)の【親和本能】よりも、こどもへの【監視・支配】の方が強まっている。

「集団崩壊の危機感→母親自身の子育て不安・自己評価不安からくるこどもの支配意識」

これではまともな母系集団は形成できないし、まっとうな子も育ちません。

 

 

■3.オスは成体になると母親のもとを離れ、未知の世界に挑み続けていく。これがオスの本来の役割

 

哺乳類の集団形態④~哺乳類のオスの役割=存在理由は何か?~

 

それでは逆にオスはなぜ集団化しなかったのか?

 

 

オスは【変異】の存在であり、胎内保育によって淘汰圧力が弱まったので、個体間闘争を強め、オス同士が激しく戦う【性闘争本能】をより強化することになりました。

結果としてオスは、性闘争本能が強いために集団をつくることができないのです。

しかしオスには【巣立ち本能】が備わっており、ある一定の時期になると、集団から巣立っていきます。

つまり、より広い世界に出て新しい環境に挑戦し続けることこそがオスの役割であり、根源的な役割に近いものではないでしょうか。

種の変異を実現するためには、オスは成体になると母親のもと(集団)を離れ、未知への世界に挑み続けます。これこそがオスの役割であり、存在理由と言えます。

 

 

より強い種を残すための生命の原理は「安定」×「変異」。オスはその「変異」を担っている。

外圧変化したとき多様な種を生み出す「適応拡散」は、単細胞から続く、生き物としての大原理。だからクローンを作ってもダメで、多様な同類他者をつくり出すこと。

だから、戻ってくるオスなんていないし、より遠くのメス集団のところにいく。より外に出て探索し、より外圧に晒され変異の可能性を種にもたらす。

 

★つまり、【挑むこと】がオスの役割。挑み続けないと、オスは活力がわかない。(それが本能!)

本来、オスは“飛び出していく”のが、生命の大原則で、ある程度の年齢に来たら本能上「勝手に出ていく」。

 

でも現代では、20歳になるまで成人とは言えない制度になっているし、二十歳過ぎても親の監視・支配から脱せない、依存し続ける若者も多い。本来12~14歳になっても、外に出ていきたいとならなければ、この原理から見れば、子育て失敗ですし、出ていこうとする子供(特に雄)にしがみつく親なんて、最悪です。

 

「親子の仲が良い」という一見良いことのように思いますが、生命原理から考えると、このこと自体が異常だと捉え直す必要があるのではないでしょうか。

哺乳類の集団形態④~哺乳類のオスの役割=存在理由は何か?~

前回は『哺乳類はなぜ母系集団なのか?』を扱い、
メスは性闘争本能を上回る【親和本能】を強化することで母系集団を形成したことが分かりました。

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では、オスは一体どうしているのでしょうか?
そもそもオスの役割とはどのようなものなのでしょうか。
今回は、オスの役割について追求していきます。
(さらに…)

  投稿者 m-yoriya | 2021-10-01 | Posted in ①進化・適応の原理, ③雌雄の役割分化No Comments »