哺乳類の集団構造から見える、現代の既成集団のおかしさ
哺乳類の集団構造から見ると、いかに現代人の既成集団が異常なのかが見えてきます。
■1.集団化の大前提は、全成員が外圧を察知すること
哺乳類の大半は食虫類(モグラ)、げっ歯類(ネズミ等)、コウモリ類で占められています。つまり哺乳類は基本的に弱者で、見つかったらほぼ終わりという存在です。その為、一番の課題は、「隠れる・逃げる」こと。種の絶滅に直結するのは、子供が狙われることですが、どうしても隙が出てしまうのは、餌を狙っているとき・食べているとき。
縄張り闘争に負け、隠れやすい地中から追い出されたモグラ=げっ歯類が、地上へ出ると、そこは大型爬虫類の世界。その為地上に出たら、外敵をより察知する必要が高まった。だから、敵=危機察知がどれだけ早くできるかに生き残りの全てはかかっています。集団化すれば、360度から外敵を察知することができる。
つまり、【外圧を察知するため】に集団化したということ。これはオスにもメスにも貫通されている。
★集団化するだけで何とかなるわけではなく、【全成員が外圧察知できていなければ集団化の意味がない】。
では、現代はどうか?殆どの人間が外圧を掴もうともせず、ぶら下がって、ぼさっとしているだけではありませんか?
だから、国も企業も、上にぶら下がり、上の指示に従うだけ。教えてもらったこと、言われたことだけやってれば良い。逆に言われてないことには思考が働かない。それは学校教育での勉強の強制、ペーパーテストでの成績第一→自分第一の思考の植え付けによって、「自分さえ良ければそれで良い」。その結果、追求力、活力ともにどん底に。そして家庭でも、決められたレールに乗せるため親の子供への異常な管理・監視圧力で子供の活力を衰弱させている
誰も彼もが、集団を取り巻く外圧を掴もうともせず、ぶら下がるo自分のやり方を押し付けているだけ。これでは集団は成立しません。
■2.集団を形成してきたのはメス⇒メスの親和本能がまっとうな集団を作る
哺乳類の集団を作ってきたのは実は【メス】でした。哺乳類はメスが集団の中心=母系集団が集団形態の基本です。
この圧倒的弱者という外圧状況下でメスは子孫を残し、生きていくために、性闘争本能以上に【親和本能】を強化したのです!
哺乳類のメスは、胎内保育で子どもをほぼ成体の状態まで育てていきます。 胎内の子どもを異物と認知しないために、オキシトシンという親和物質を出して、胎内保育を可能にしました。地上に出た初期哺乳類のメスは、防衛力を高めるためにこの授乳などのスキンシップで親和物質を強化して集団を形成し、生き延びてきたのです。
哺乳類の母系集団のカギは、【メスの親和本能】の強化です。
私権時代は家父長制により、男が集団のボスになっていましたが、現代の家庭では、母親が中心になっていることは、みんなも思うところ。
でも、現代の家庭では、母親(メス)の【親和本能】よりも、こどもへの【監視・支配】の方が強まっている。
「集団崩壊の危機感→母親自身の子育て不安・自己評価不安からくるこどもの支配意識」
これではまともな母系集団は形成できないし、まっとうな子も育ちません。
■3.オスは成体になると母親のもとを離れ、未知の世界に挑み続けていく。これがオスの本来の役割
それでは逆にオスはなぜ集団化しなかったのか?
オスは【変異】の存在であり、胎内保育によって淘汰圧力が弱まったので、個体間闘争を強め、オス同士が激しく戦う【性闘争本能】をより強化することになりました。
結果としてオスは、性闘争本能が強いために集団をつくることができないのです。
しかしオスには【巣立ち本能】が備わっており、ある一定の時期になると、集団から巣立っていきます。
つまり、より広い世界に出て新しい環境に挑戦し続けることこそがオスの役割であり、根源的な役割に近いものではないでしょうか。
種の変異を実現するためには、オスは成体になると母親のもと(集団)を離れ、未知への世界に挑み続けます。これこそがオスの役割であり、存在理由と言えます。
より強い種を残すための生命の原理は「安定」×「変異」。オスはその「変異」を担っている。
外圧変化したとき多様な種を生み出す「適応拡散」は、単細胞から続く、生き物としての大原理。だからクローンを作ってもダメで、多様な同類他者をつくり出すこと。
だから、戻ってくるオスなんていないし、より遠くのメス集団のところにいく。より外に出て探索し、より外圧に晒され変異の可能性を種にもたらす。
★つまり、【挑むこと】がオスの役割。挑み続けないと、オスは活力がわかない。(それが本能!)
本来、オスは“飛び出していく”のが、生命の大原則で、ある程度の年齢に来たら本能上「勝手に出ていく」。
でも現代では、20歳になるまで成人とは言えない制度になっているし、二十歳過ぎても親の監視・支配から脱せない、依存し続ける若者も多い。本来12~14歳になっても、外に出ていきたいとならなければ、この原理から見れば、子育て失敗ですし、出ていこうとする子供(特に雄)にしがみつく親なんて、最悪です。
「親子の仲が良い」という一見良いことのように思いますが、生命原理から考えると、このこと自体が異常だと捉え直す必要があるのではないでしょうか。
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