2023-04-07

『外圧判断機能』の起源~細胞膜の仕組み/膜たんぱく質がポイント?~

外圧判断機能」の起源を追求する中で、腸の起源から海綿動物へ、その体を構成する細胞の一つの襟細胞、さらに襟細胞は単細胞生物の中の立襟鞭毛虫と類似するとろこまで見えてきました。さて、立襟鞭毛虫から、さらに遡って「判断機能」を軸にさらに探ってみようと思います。

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■立襟鞭毛虫とは?外圧判断機能は「」≒「細胞膜?」

 

立襟鞭毛虫は、海綿動物の襟細胞と同様、一本の「鞭毛」を持ち、それを環状に取り囲む形で並んだ微絨毛からなる襟という構造を持っています。鞭毛は螺旋状に動き、水流を起こしてバクテリアなどの餌粒子を集めこれを襟が捕捉することで「摂食」を行います。

注目すべきは、一見、鞭毛にて餌かどうかの判断も含めてしているように見えますが、鞭毛は水の流れをつくるモーターのような役割でしかなく、襟の微絨毛により食べられるか否かの「判断」を行うということです。体内に吸収してからではなく、襟細胞が害があるかどうかを判断できるんですね。

この襟にある微絨毛は微細な突起物であり、大きくは細胞膜にあたります。つまり、立襟鞭毛虫の外圧判断機能は「細胞膜」で行われており、「判断機能」の仕組みや起源もそこにありそうです。

 

■細胞膜の仕組み/判断機能のポイントは膜上の『たんぱく質(胆体)』?

 

細胞膜は動物、植物どちらの細胞の外側を覆う膜として存在し、単細胞の中でも真核単細胞生物よりも以前の、原核単細胞生物まで起源は遡ります。

 

原核単細胞生物は細胞質、染色体、そしてそれらを包む細胞膜という単純な作りで、このころから既に細胞膜は内外部の区分けだけでなく、外部の判断機能を担ってきました。

 

細胞膜は膜たんぱく質が埋め込まれた、リン脂質による脂質二重構造によって構成されています。脂質二重構造とは、親水性と疎水性の両親媒性をもったリン脂質が二層になった膜です。

水分子などの小さな分子はこの膜を良く通る「半透性」。分子の大きさで膜内部に入れるかどうかだけで、小さければ通過できるという意味では「判断機能」とは程遠い捉えれます。もう一つの働きで、脂溶性が高いものは細胞膜を通りやすい「選択透過性」の性質を持ち合わせています。また、たんぱく質(胆体)は、特定の分子を細胞膜の内外に輸送する働きを持ち合わせている。外部物質を膜内にいれる、いれないの選択が行われているこの性質は「外圧判断機能」の起源として重要な位置づけにありそうです。この膜上のたんぱく質(胆体)の特定の分子輸送≒外部の判断機能と捉えると、『たんぱく質(胆体)』が判断機能の起源として追求ポイントになりそうです。

半透性 *学習支援ブログHIMOKURIからの引用

選択透過性*学習支援ブログHIMOKURIからの引用

 

さて次回は、判断機能の起源となる「細胞膜」、その中でもポイントになりそうな「選択透過性」を担う、「膜たんぱく質」について追及していきます!

List    投稿者 huji-kou | 2023-04-07 | Posted in ①進化・適応の原理, ⑤免疫機能の不思議, ⑩微生物の世界No Comments » 

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