2022-02-24
オランウータンの生殖・性3 ~ オランウータンは、際立って性収束が強いのは何故?~
前回の投稿に続き、オランウータンの性について扱います。
今回のテーマは「オランウータンが際立って性収束が強いのはなぜ?」です。
チンパンジーの交尾は15秒程度なのに対して、オランウータンはなんと対面で40分も交尾を行います。
チンパンジーやゴリラは排卵時にしか交尾いない=「繁殖のための性」であるのに対して、オランウータンは排卵に関係なく、交尾をする。つまり「繁殖を超えた性」に発達したのです。なぜここまで性収束が強くなったのか?追求していきます。
オランウータンの生殖・性2 ~テナガザル系が”年中発情”する深い理由とは?~
前回のエントリーに引き続き、今回もオランウータンの性について扱いたいと思います。
今回はとりわけテナガザル系の類人猿全般にみられる、”年中発情”という生殖様式。
この秘密を探りたいと思います。
■1.”年中発情”とは何を意味するのか?
哺乳類にとって、【排卵】とは繁殖可能な(交尾して妊娠可能な)期間を示していますが、哺乳類は【交尾排卵方式】。つまり交尾による刺激で排卵するという方式をとっており、ほぼ100%妊娠します。
大半の食虫類、食肉類とげっ歯類の一部(フェレット、ウサギ、リス、イエネコ、ラクダ等)は、オスの交尾により排卵が誘発される方式をとっており、これが、より原始的な生殖形態と考えられます。(おそらく原猿初期も交尾排卵方式)
その後、霊長類(草食動物も)は【自然排卵方式】、つまり交尾がなくても定期的に排卵する方式に転換しました。
これは、雨季や春の始まりなど【餌が豊富になる時期に出産できる】よう、春や雨季の始まりから逆算して妊娠期間を引いた時期に排卵=交尾期が設定されるという適応戦略の為です。
しかし、サル達が適応した熱帯では、乾季や雨季等が無く、季節性がなくなります。
その結果、それぞれのメスが異なる時期に一定期間発情するようになります。
つまり、【年中発情】とは、「季節を問わず排卵ができる」ということ。
ちなみに妊娠するまで1か月ごとに排卵が続き、排卵の前後にメスは尻を赤くし、フェロモンでオスを惹きつける様式をとります。
では、”年中発情”すると一体何が変わるのでしょうか?
オランウータンの生殖・性1 ~オランウータンが授乳期間や子育て期間を延ばしたのは何で?~
これまでの記事で、人類の祖先は”オランウータン”であることがほぼ明らかになりました。
・サル社会の構造20 ~テナガザルの特徴 オランウータン編②~
・オランウータン・ゴリラ・チンパンジーの生態の違いはどうして生まれるのか?
・人類の祖先はゴリラ?オランウータン?チンパンジー?
・チンパンジーと人類DNA99%一致説を検証する
今回からは、そのオランウータンを中心とした、類人猿の【生殖や性】について追求していきたいと思います。
大前提として、【生殖や闘争】は一番大事で抑えておくべき課題。しかし、大事であるにも拘わらず、生殖過程についてはわからないこと、未解明の課題ばかりなのが、現在の生物学であり、人類学です。
したがって、固定観念に縛られずに追求していくことが重要になります。それでは追求していきましょう。
チンパンジーと人類DNA99%一致説を検証する
前回の投稿では、身体の類似点から人類の祖先はオランウータン説が有力と述べた。
しかし現状の人類学では、チンパンジーと人類のDNAが99%類似していることを根拠として、チンパンジー=人類の祖先説(人類とチンパンジーの共通祖先から人類は分岐した)という説が主流となっている。
果たして、それはチンパンジーが人類の祖先であるという根拠になるのだろうか?
【番外編】オミクロンは重症化しない?②オミクロンはどこで誕生したのか
『オミクロンは重症化しない?①』では、オミクロン株は致死率は低いが感染率が高いため、結果、死者数が増えてくる可能性が高いとお伝えしました。
ウィルスは単独で増殖していくことはできず、人間や動物の細胞がなければ増殖できない性質を持っています。
致死率を高めすぎると感染した宿主(人間や動物)が死亡してしまい増殖できません。軽症で済む感染症ほど宿主を介してウィルスが運ばれ、感染率をあげることが可能となります。
ウイルスは遺伝子を世界中に広めたいと思えば、自ら毒性を弱めて発症までの潜伏期間を長くし、保菌者が元気に(不顕性感染)あちこち動き回ってくれた方が、ウイルスは拡散し世界中に広がります。自分の勢力を広げたいウイルスは、感染力を高めるためにあえて自身の毒性を弱めることだってあるのです。
画像は『まにゅまるスクリプト』さんよりお借りしました。
また病状として、これまでのウイルスは肺まで達して深刻な肺炎を引き起こしていましたが、今回のオミクロンは上気道の炎症を引き起こしやすいと言われているのに加えて、「筋肉痛」「関節痛」の症状も多くなっており、ウイルスが体のいたるところで増えているという可能性もあるで、これまでのコロナウイルスとは別物の症状が現れているような気もします。
今回のオミクロン株はどこで誕生したのでしょうか?
(さらに…)
人類の祖先はゴリラ?オランウータン?チンパンジー?
前回の投稿では、ゴリラ、オランウータン、チンパンジーの違いを押さえ、その違いはそれぞれが置かれている外圧状況が関係していることが明らかになりました。
今回はそれらの違いを踏まえて、「人類の祖先は誰なのか?」について迫っていきたいと思います!
人類の祖先と言われているのは、「足の指が先祖返りして木から落ちたサル」。
足の指が先祖返りするというのは、足の指で木が掴めなくなること。
樹上機能を失い、地上で生きていくことになったサルたちはどのような状況に陥ったのでしょうか?
【番外編】オミクロンは重症化しない?①致死率は低いが死者数は増加
日本でも世界でも「オミクロン株は従来のコロナに比べて重症化しない」という意見が一般的になっていますが、それで安心して良いのでしょうか?
オミクロン株は従来のコロナに比べて感染率が高く、致死率は低くなっているようですが、それによる死亡者の数が減るかというとそうではありません。感染率が高い分、従来のコロナより死亡者の数は増える可能性もあります。実際、ヨーロッパの国の中にはオミクロンによる死亡者数が最大になっている国もあります。
現在のオミクロン株とはどのようものなのか?従来のコロナとの関係はどうなっているのか?など、複数回に分けて追求していきます。
(さらに…)
オランウータン・ゴリラ・チンパンジーの生態の違いはどうして生まれるのか?
これまで様々なテナガザルの生態や特徴を紹介してきました。今回は類人猿のオランウータン・ゴリラ・チンパンジーに注目していきます。まずは3種の違いを見ていきましょう。
(画像はこちらからお借りしました) (画像はこちらからお借りしました)
(画像はこちらからお借りしました)
・ゴリラやチンパンジーは地上に降りて生活しているのに対して、オランウータンは専ら樹上生活。(地上には滅多に降りてこない。)
・ゴリラやチンパンジーは集団を組むが、オランウータンはオスもメスも単独で生活している。(集団を組むこともあるが、基本はオスメス単独)
・授乳期間がゴリラは3~4年、チンパンジーは4~5年に対して、オランウータンは7~8年と各段に長くなっている。
などの違いがあります。
なぜこのような違いが生まれるのでしょうか?