2014-04-27

歳をとるにつれて時間経過が早くなる?~動的平衡から見る時間の流れ~

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 大人になり、1日・1ヶ月・1年が早く感じるようになったとよく聞きます。

なぜ大人になると時間が短く感じられるのでしょう?

科学的には、人間の時間の感じ方の差異について、いまだ解明されていませんが、 生物学的理由から一つの仮説が立てられます。

生命とは動的平衡にある流れである1 動的平衡とは何か?」より、生命の流れである動的平衡は、以下のように定義づけられています。

生物が生きているかぎり、栄養学的要求とは無関係に、生体高分子も低分子代謝物質もともに変化して止まない。生命とは代謝の持続的変化であり、この変化こそが生命の真の姿である。

このように生物は日々代謝を繰り返し、その機能を維持しています。

この代謝のスピードは各生物で異なることに注目すると、代謝のスピードによって時間感覚も変化すると考えられるのではないでしょうか?

そこで、人間の時間感覚について、動的平衡という視点から調べてみました。

 

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  投稿者 seibutusi | 2014-04-27 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

 シリーズ 人類と病気 アレルギー(2) アレルギーの原因は人工物質

食べ物や花粉が原因ではない

日本において、アレルギー関連の症状は1960年代後半から急増しています。

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(NPO日本健康増進支援機構より)

食べ物(タンパク質)や花粉自体が犯人で原因であるなら、もっと昔からあるはずだし、花粉症などは花粉の多い山間部で多くなるはずです。しかし、実際は都市部で多くなっています。つまり、食べ物や花粉自体が原因(犯人)ではなく、媒体に過ぎないということです。

では真犯人は?

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  投稿者 kumana | 2014-04-24 | Posted in ⑤免疫機能の不思議, ⑥病気の起源、正体No Comments » 

「かたちから自然の摂理を学ぶ」シリーズ2~樹木が発生するのは水を好むからではない

自然や動植物、人間世界に現れる「かたち」を、流動系として捉え直すシリーズ。第2回目は、誰もが目にする「樹木」についてです。
「樹木はなぜ存在するのか」について、コンストラクタル法則の視点から見ていきます。

樹木

■樹木はなぜ存在するのか
原生林を残す屋久島などに行けば、誰もが自然界がつくる大きな生態系に心を動かされる。古い木の上に新しい木が重なり合い、大きな時間の中で、一つの生態系をつくっている。私達は、樹木から自然の営み、流れを直感的に感じ取り、その背後にある自然の摂理の存在を理解しているのでしょう。

一方、科学的にみれば、森は多様性とランダム性の実験室と見なす。確かに、単一の種を眺めたとしても、樹木には一つとして同じ枝も同じ葉はない。
ダーウィンの説に従えば、「樹木とは、増える一方のさまざまな競合する要求に駆り立てられ、非常に複雑な進化の過程の間に出現する生命ある構造」と見なします。
つまり、樹木は、日光を浴び、二酸化炭素を吸収し、水を大気へと放出するために、周囲の樹木と競争し、強風や枝に積もる雪など様々な自然外圧に適応し、開けた空間に向かって伸び続けなければならないのです。

しかし、改めて、なぜ樹木は存在するのでしょうか。そして、なぜ全ての樹木が(同じかたちはないにしても)樹状構造なのでしょうか。

■流動系としての樹木
樹木は一見すると、流動系とは思えない。太い幹があり、地面の中ではしっかり根を下ろしているため、ほとんど動くことはない。
しかし、樹皮の内側ではまったく異なる流れがあり、日々盛んに活動している。

樹木の中では何が流れているか?
―答えは簡単で、「水」が流れている。樹木や森林は大地から大気中へと水を運ぶために年中無休働いている揚水所と見なすことができる。
つまり、樹木は水という流動系を運ぶためのデザインとなっている。

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では、なぜ樹木は大気中に水を運ぶのか?
それは熱力学第二法則によっている。つまり、エネルギーは「高」から「低」へ流れる自然法則に従い、自然界は局地的にも全体的にも湿気の多い所から少ない所へ水を動かす傾向にある。
例えるならば、木も草も、湿気の少ない空気が大地から水分を吸い取るためのストローのようなもの、ということになる。

つまり、始めに水があった。そして熱力学第二法則により、水は環境内の全ての水分を平行状態にする自然の傾向に支配されている。そして、その動きを促進するために、広範囲な変形と接続の流動デザインが現れた

植物が水の流れのためのデザインであることは、樹木の存在(大きさ、密度)と降水量との間の地理的相関関係が物語っている。

 

樹木が「発生する」のは、そこに水があり、(上方へ)流れなければならないからであって、「木は水を好む」からではない。(p.198)

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樹木は地球規模の水循環をつくりだすために存在し、大きな秩序の中で流動系として協働しているのです。
次回は、最適な水の流れをつくりだすための樹木デザインについて見ていきます。

お楽しみに!

  投稿者 andy | 2014-04-22 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

花粉症も動的平衡の流れのひとつ~身体に備わる、異物を排除する力と許容する力~

スギ花粉のピークは過ぎましたが、花粉症の症状に悩まされる方が多い時期ですね。
花粉症対策として、マスクやメガネ、花粉症対策薬・・・と色々なグッズが生み出されるくらい、花粉症に悩まされる人が増えてきました。私も、その1人ですicon_cry.gif
花粉症は、何が原因でここまで広まっているのでしょう?
そして、花粉症の薬って効くのでしょうか?
今回、花粉症について調べてみましたm146.gif

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  投稿者 seibutusi | 2014-04-06 | Posted in ⑤免疫機能の不思議1 Comment » 

君もシャーマンになれるシリーズ30 ~古代人は「幻覚」をみていた~

ラスコーの壁画

前回(こちら)の「人類の観念(創造性)は「ドーパミン」によって造られた」に続いて、今回は始原人類の脳について考えていきます。

生きていく上で過酷な環境にあった始原人類は、身体や生命の危機に際して現代人が体験する幻覚と同様な幻覚をみていた可能性が高いと考えられます。果物が豊富な樹上生活を失い、ビタミンC不足に陥った始原人類の脳は、ドーパミンからノルアドレナリンを生成できずに、幻覚を誘因しやすいドーパミン過多の状態に陥っていた可能性が高いのです。また、ドーパミン優位の大脳を発達させてきた人類の脳は、初期段階ではドーパミン系の新しい大脳と古い脳との連係も未発達で不安定だった可能性があります。

なお、ドーパミン優位の脳は、集中力を高めて脳を覚醒させ、ストレスの解消や楽しさ・心地よさといった感情を生み出す働きがありますので、そのことも生存には欠かせない適応的な要素の一つだったことでしょう。生存をかけた適応とドーパミン優位の人類の大脳の発達の必然性はここにあるのかも知れません。人類は「解脱」(苦からの脱却)なしには生きられないものなのですが、その理由もドーパミン優位の大脳とその形成過程に見いだせます。

さて、最近あった研究に、「古代壁画の絵は麻薬で体験する幻覚とよく似ており、古代人は儀式等で麻薬を使っていた可能性がある。」というものがありました。ただし、古代人は麻薬でラリッていたのではなく、「幻覚をみやすい脳を持っていた」というのが正しいと考えます。そして、古代壁画の絵が現代人のみる幻覚とよく似ているということは、古代人は現代人と同じような幻覚を見ていたということを示唆します。

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  投稿者 cosmos | 2014-04-01 | Posted in 未分類 | 1 Comment »