2010-01-30

生物史に興味を持ってもらうシリーズ-3 ~その2.中心体の秘密~

前回記事「その1.中心体が生命活動の統合役」の続きです。
 
中心体が生命活動の統合役を担えるのはなんでなのか。なんでそんなことができるのか。
秘密はその組成にあります。
 
中心体は何でできてる? 
 
下図の一番上を見てください。黄色い丸で表現したのが中心体。真ん中に中心小体が2つあり、その周りに周辺物質で囲まれています。その下の図が中心小体の断面です。細長いチューブがいくつも連なっています。
 
一番下の図はそのチューブを横から見た図です。中心体は細胞分裂のときにこれと同じ形をした微小管という繊維状の分子を放射状に伸ばし、染色体をつかまえて2つに分けます。
 
グレーと白の大きいつぶつぶはタンパク質です。その間にある赤と青のつぶつぶがGTP、GDPという物質で、ヌクレオチドと呼ばれています。これが糊のようになってタンパク質を連結します。
 
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(なんでや劇場資料45より)
 
このヌクレオチドが重要な機能を持っています。 ヌクレオチドってなに?
 
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  投稿者 kumana | 2010-01-30 | Posted in 6)“祖先の物語”番外編2 Comments » 

オスとメスの違いって何?(3)~性染色体で性決定するのはなんで?~

前回(オスとメスの違いって何?(2)~性決定因子の働きがオスとメスを分ける~)では、
1)雌雄同体型
2)性転換型
3)孵化時環境決定型
について見てきました。今回は、
4)遺伝子決定型
について考えてみます。それを考えるに当たっては、「そもそも、オスとメスに分化したのは、何で?」を考える必要がありそうです。先ずは、そのことを鮮明にしている投稿を紹介します。

「オスメス分化の塗り重ね構造」 より)
多細胞動物の生殖系の進化のステップは、3段階。
 Ⅰ 保存と仕事の分化(殖・産分化)
 Ⅱ 精卵分化
 Ⅲ 雌雄躯体分化
Ⅰ 保存と仕事の分化(殖・産分化)
・真核倍数体生物は、保存(減数分裂システム:生殖細胞)と仕事(単純分裂システム:体細胞)へと機能を分化。これが多細胞化の起点。
・種の保存上、最も負担の大きい生殖を専門に分離することによって、体細胞系列を高度に機能分化させていくことも可能となった。(中略)
Ⅱ 精卵分化
・精子と卵子に配偶子が分かれたのは、運動と栄養の役割分担により、受精過程(出会い)と発生過程(エネルギーを要する)の両方に適応的な形態への分化。
(*精子と卵子に配偶子が分化したのはなんで?
・さらに、受精卵の中心体が精子由来であること、その中心体は変異活性度が高いこと、またオスのみに存在する抗原タンパク質(HY抗原)の存在等を考え合わせると、精子が外圧変化に対応した何らかの変異情報を媒介している可能性が高い。(なお、中心体が独自の遺伝情報を持っているか否かは不明であるが、近年の研究ではその可能性が示唆されている)
・このように考えると、精卵分化の本質は、精子:変異配偶子と卵子:保存配偶子への分化であることが見えてくる。変異と保存の分化、これがオスメス分化の原基となる。
・これは、変異+不変の組み合わせによる、生物的に安定な生殖システムとも言える。
(*生物史から学ぶ『安定』と『硬直』の違い

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  投稿者 staff | 2010-01-29 | Posted in ③雌雄の役割分化2 Comments » 

実現論勉強会シリーズ7 ホ.サル時代の雌雄分化

実現論勉強会シリーズ第七弾です
~前回のおさらい~
第4の楽園である樹上を制覇したサルにも、これまでにない不全状況が訪れた。
縄張り闘争に負けても淘汰されないという、本能ではどうにもならない不全状況。
前回は、そのような状況下をサル達がどのように乗り越え、意識を統合する事が出来たのか?を学びました。
第一の統合様式:相手に依存・期待収束し、共認する事で意識を統合。
第二の統合様式:捨揚統合、つまりプラスのベクトルに収束し、更に不全感を解消。
第三の統合様式:闘争系の共認統合。集団課題に対する役割・規範を共認し、共認によって統合された集団を形成。

このように共認によって統合された集団は、共認内容を組替える事で容易に、かつ多様に、集団の統合様式を組替えることが出来る機能であり、それまでのDNA進化という生物史を覆す、全く新たな進化機能の実現でもありました。
しかし、その共認機能も決して完璧では無く、また新たな問題を同時に発生させる事になります。
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  投稿者 kawait | 2010-01-26 | Posted in ③雌雄の役割分化4 Comments » 

生物史に興味を持ってもらうシリーズ-3 ~その1.中心体が生命活動の統合役~

takesyoさんの記事生物史に興味を持ってもらうシリーズ② ~DNAとRNAって何?~から、たんぽく質の組み立てという重要な仕事を担っているのは専らRNAだということがわかりました。
■RNAの働き(タンパク質の生成)を統合しているのは中心小体か?
 
タンパク質の生成は生命活動そのものであり、これを統合している物質が生命起源に近いはずです。つまりこの問いは生命起源は何かということそのものです。その答えは生物学会では未だ出ていません。それはDNAばかりに注目しているからです。
 
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中心体(原基)が生命の起源であり、生命活動を統合している
というのが今回の記事の論旨です。全部で4回ぐらいの予定です。
  
(なお、中心体は中心小体と周辺物質と呼ばれるものからできています。次回の記事で詳しく説明します。以後、生命起源及び生命活動の統合役としては中心体または中心体原基という名称を用います。)
 
 
まずは中心体が生命活動の統合役だと考えられる現象を見てみます。
  
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  投稿者 kumana | 2010-01-23 | Posted in 6)“祖先の物語”番外編No Comments » 

オスとメスの違いって何?②~性決定因子の働きがオスとメスを分ける~

こんにちわ。arincoです。前回、オスとメスの違いって何?①~オスとメスはどうやって決まるのか~では、様々なオス・メス決定のパターンを紹介しました。
再度古い順番に型をまとめると、
①雌雄同体型
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雌雄同体魚マングローブ・キリフィッシュ。体長5㎝。両性生殖腺を持ち、脊椎動物では唯一自家受精を行う。 
②性転換型
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性転換魚オキナワベニハゼ。体長2~3㎝。群れ内の個体の体格差により雄⇔雌の双方向に性転換する。
③孵化時環境決定型
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温度依存型性決定のカミツキガメ。孵化時の温度28度前後でオス化し、低温または高温でメス化する。
そして、哺乳類に代表される、
④遺伝子決定型
に分けられます。 
②以降は、まとめて雌雄異体と呼ぶ事も出来ます。
 そもそも雌雄分かれていなかったリ、生まれた後も周辺環境によってオスになったりメスになったり、生まれる時の温度でオス・メスが決まったり・・・・・…と、様々な性決定要因がありますが、
前回の投稿でも触れた様に①~③までの生物の共通点は、性染色体を持っていないという点に尽きます。
言い換えると、
彼らの性は、性染色体の有無で決まっているのではない!
という事です。
 性染色体の有無でオス・メスが決定されているのではないのだとすると、彼らの性決定メカニズムはどうなっているのでしょうか?

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  投稿者 arinco | 2010-01-21 | Posted in ③雌雄の役割分化3 Comments » 

実現論勉強会シリーズ6 サル時代の同類闘争と共認機能(後編)

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実現論勉強会シリーズ第六弾
前回の続きです 😀
~前回のおさらい~
■共感統合の原基構造(サル・人類の意識の第一の統合様式)
・安心感+が、相手+⇒仲間+共感を形成、共感充足へ可能性収束。
・相手の期待に応え充足を与えることは相手に期待し充足を得ることと表裏一体。相手の期待に応えること自体が、自己の充足=共感の真髄


サル達は、極度の不全状態を緩和するために、相手に依存・期待することにより充足を得ることができ、意識を統合することができました。
しかしそれだけでは解決にはなりません。
この後どのようにして、DNAの変異ではどうしようもなかった壁を、乗り越えていくのか読み解いていきたいと思います
続きはクリック

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  投稿者 mizuguti | 2010-01-19 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

オスとメスの違いって何?①~オスとメスはどうやって決まるのか~

「もっといい女 になるには」「闘える男 になるには」など、なんでや露店でも男女のテーマは、みんなの関心が高いテーマです。

男とは何ぞや、女とは何ぞや、男、女が担っている役割は何なのか。
これらを知るためには、生物史を通じてオス、メスの歴史がどうなってきたのかを紐解く事が不可欠です。これからはそんな<オスとメスの違い>について、数回のシリーズとして記事を書いていきたいと思います。

それではまず、オスとメスってどうやって決まるの?というところからはじめたいと思います。
まず、一番身近な哺乳類から見てみましょう。

%E6%9F%93%E8%89%B2%E4%BD%93.jpg哺乳類は皆さんもよくご存知の通り染色体によってオスかメスかが決まります。
数ある染色体の中でも性を決定付ける染色体を性染色体といい、この性染色体の違いがオスかメスかを決めます。染色体は、図のように2本の染色分体でできていて、性染色体の場合X、Y、Z、Wの4種類の呼名があります。オスがヘテロ型(2本の染色分体が異なる)の種の場合にはX、Yの呼名を使い、メスがヘテロ型の種の場合にはZ、Wの呼名を使います。大部分の哺乳類はオスがヘテロ型なので、性染色体がX-Xであればメス、X-Yであればオスになります。


ちなみに鳥類も性染色体によってオスメスが決まりますが、鳥類の場合はメスがヘテロ型なので、性染色体がZ-Zであればオス、Z-Wであればメスになります。哺乳類と逆なんですね~。(何故?と疑問がでるところですが、今回は一旦棚上げにします。今後のお楽しみに )

実は、この性染色体によってオスメスが決まるのは、昆虫、植物、特殊なケースなどを除けば、哺乳類と鳥類だけなんです。性染色体で性が決まるのが当たり前と思いきや、実は高度に進化を遂げた種だけで、それ以前のご先祖様は違う様式でオスメスが決まっているんですね~。

では、爬虫類以前の種は、性をどうやって決定していたのでしょう 🙄 。

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  投稿者 nannoki | 2010-01-14 | Posted in ③雌雄の役割分化2 Comments » 

実現論勉強会シリーズ5 サル時代の同類闘争と共認機能

みなさん、あけましておめでとうございます
本日の記事は「心」にまつわるお話です。
実現論前史では、人間誰しもが持っている共認機能=心の存在について、その獲得過程を突き止めるために猿時代にまで遡っています
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ここで「なぜ共認機能を猿時代にまで遡って分析するの?」と疑問に思う人がいるかと思います。実はこの分析の前提には、以下の大胆な仮説と検証の繰り返しがあるのです。
るいネット本能と観念の中間領域とは霊長類の世界では?より要約
仮説1 本能機能と観念機能の間に中間領域が存在するのでは?

検証1 観念機能以前のスキンシップとか、表情の豊かさとか、あるいは規範とかは、全て真猿たちにみられる現象

仮説2 本能と観念の中間領域(云わゆる「心」と呼ばれる領域)は、サル時代に形成されたのではないか?それを「共認」と呼ぶ

検証2 仮説を立てた「共認」という領域を使い、人類・猿の行動を説明できるか検証してみる。矛盾がないので「共認機能の存在」を事実として固定。

★共認機能「心」の獲得過程を猿時代にまで遡ってみる。

・・・なるほど、事実に迫るにはこのような思考過程の繰り返しなわけですね。
それでは、一緒に猿時代まで遡ってみましょう。ポイントはお猿さんになって読んでみることです
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  投稿者 andy | 2010-01-12 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

実現論を学ぶ意義、その効果等

昨年末から、実現論.前史を通じての勉強を続けてきましたが、中間整理として改めて生物史を学ぶ意義や気付き等を紹介します。
実現論前史、前半を学んで

①前史を学ぶ意義
>始原単細胞から人類を結ぶ直線上に塗り重ねられてきた遺伝子群(の内、現在も有効な遺伝子群)は、単細胞時代の遺伝子を含めて全て現在形において、作動している。~中略~(換言すれば、それら無意識の次元で作動する諸機能は、決して人間の意識と無縁ではない。)私たちが、哺乳類や原猿・真猿・類人猿にまで遡ってそれら諸本能や社会構造を解明しようとした理由も、そこに在る。(実現論1_1_04

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ここでは、人類の直面する課題に対してどの様な共認闘争を展開していくのか、その為の考える軸として、これまで進化してきた由来を捉えることの有用性を端的に示されている。
塗り重ね構造(=進化積層態)という存在規定は、個々人が歴史的存在であるとの認識を具体的に提示したものであると共に、例えばコンピュータに於けるファームウェア→OS(オペレーティングシステム)→ミドルウェア→アプリケーションなどのソフトウェア構造をも想起させる。否、恐らくは人類の側が進化積層態であるからこそ、自然界の模倣としてこの様なシステムを発想し得たのであろう。
その点からも、人類が諸課題に対して今後新たな可能性を見出すにはDNAに深く刻み込まれた歴史の掘り起こしと事実共認が有効であると予想される。

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  投稿者 kawait | 2010-01-05 | Posted in ①進化・適応の原理9 Comments » 

ゴリラに学ぶ 霊長類学者 山極寿一さん

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写真はコチラから
明けましておめでとうございます
昨年はどんな年でしたか?今年1年いい年にするためにも年始にはちょっといい話を、、、ということで、最近の僕のヒット記事を紹介します。

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  投稿者 MASAMUNE | 2010-01-04 | Posted in 3)地上へ進出した哺乳類(原猿から真猿へ)No Comments »