2010-01-19

実現論勉強会シリーズ6 サル時代の同類闘争と共認機能(後編)

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実現論勉強会シリーズ第六弾
前回の続きです 😀
~前回のおさらい~
■共感統合の原基構造(サル・人類の意識の第一の統合様式)
・安心感+が、相手+⇒仲間+共感を形成、共感充足へ可能性収束。
・相手の期待に応え充足を与えることは相手に期待し充足を得ることと表裏一体。相手の期待に応えること自体が、自己の充足=共感の真髄


サル達は、極度の不全状態を緩和するために、相手に依存・期待することにより充足を得ることができ、意識を統合することができました。
しかしそれだけでは解決にはなりません。
この後どのようにして、DNAの変異ではどうしようもなかった壁を、乗り越えていくのか読み解いていきたいと思います
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 親和(スキンシップ)は皮膚感覚を発達させ、より不全感を解消する効果が高い+(快=ドーパミン)感覚回路を親和回路の周囲に形成していった。この+回路(ドーパミン)は、全ゆる不全感覚を捨象する(マヒさせる)事が出来る。従って、不全感を捨象すべく解脱収束したサルたちは、生存課題であれその他の何であれ、そこに障害=不全がある限り、それを捨象すべく+回路に収束する。これが、共認統合に次ぐ、サル・人類の意識の、第二の統合様式たる+統合であり、全ての捨揚統合の原点である。

 

第二の統合様式は捨揚統合、つまりプラスのベクトルに収束していくというです。
これにより更に不全感を解消することができるようになりました。

 原猿弱者たちは、この+回路によって怖れや怯えや危機逃避をマヒさせ=捨象し、仲間+縄張り闘争+へと+共認収束することによって、遂に闘争集団を形成し、縄張りを確保する事が可能になった。(これは、麻薬で怖さをマヒさせて闘いに打って出るのと同じである。人類に見られる闘いの前の踊りも、同じ効果を期待したものである。)こうして約3000万年前、遂に同類闘争(縄張り闘争)を第一義課題とする真猿集団が形成された。親和収束⇒+収束を母胎にして、より上位の闘争系・集団系の課題を共認し、その闘争共認に従って役割を共認し規範を共認してゆく、この第三の統合様式たる闘争系の共認統合こそ、サル・人類集団を維持させている主要な統合様式である。

 

第三の統合様式は闘争系の共認統合です。第二までは捨象し不全を解消するのが主要素でしたが、この第三の統合により、闘争集団を作り上げるまでになりました。そして集団課題において、役割・規範を共認し更に集団力を強化していきます。

 要約すれば、樹上に進出したサルは、同類闘争(縄張り侵犯)を激化させ、飢えと怯えの不全感から解脱すべく、相手との期待・応望回路=共認機能を進化させていった。こうしてサルは、本能を超えた共認によって、はじめて自らの意識を統合することができた。サルが形成したこの全く新たな共認機能について忘れてならないのは、不全感から解脱する為の解脱共認(親和共認を含む)こそが、全ての共認の原点であり、その母胎の上に闘争共認や規範共認が上部共認として形成されているということである。

 

極度の不全感が共認機能を生み出し、その根源には解脱による共認が存在します。つまり共認は、解脱するべく不全=外圧がなければ機能しないことになります。

 はじめ原猿の段階では、極限的な性闘争=縄張り闘争圧力(それは、同類を対象とする同類圧力であると同時に、自然や外敵を対象とする生存圧力でもある)の中で期待・応望回路を発達させたが、真猿以降は生存が集団によって保障される事によって生存圧力<同類圧力となり、性闘争や期待・応望(相互解脱)や同類闘争(縄張り闘争)などの同類圧力を主圧力として、更に共認機能を発達させていった。もちろん、大前提として、サルにも本能を刺激する生存圧力(自然圧力や外敵圧力)が働いているが、それら生存圧力より同類圧力の方が遥かに大きく、要するにサルは、同類圧力→同類課題を第一義課題として共認機能を進化させたのである。この共認機能こそ、サルの知能を著しく進化させたその本体であることは、言うまでもない。


生存が集団によって保証されると、猿同士の闘争圧力が一番の課題になる。それは同類であるため、僅差が勝敗を左右することになります。つまり集団としての力=共認力が重要になると言うことです。

 この共認機能は、下部の解脱共認・仲間共認から上部の規範共認・闘争共認に至るまで様々な共認内容を形成し得るが、それらは全て不全課題や闘争課題etc.の課題に応えんとする期待・応望回路によって形成されたものである。従って、その課題=期待に対する充足度が次の最先端の問題となり、上記の全ての共認は、その充足度に基づく評価共認へと収束してゆく。つまり、全ての共認は課題共認⇒充足(内容)共認⇒評価共認へと先端収束することによって(言わば仲間の評価を羅針盤として)最良の内容へと収束し、共認内容が最良内容に固定されると共に、それ(評価収束→内容固定)によって、皆=集団の統合が実現される。これが共認統合である。

 

充足度を仲間全体で評価する=依存し委ねることをしているなんてすごいですね。人ではなかなか他人を肯定視し、その評価を羅針盤にするなんてことは難しいです。

 課題共認や規範共認は本能の代替機能でもあるが、本能にはない解脱共認や同類闘争共認が象徴している様に、共認機能は本能の単なる代替機能を超えた機能である。むしろサルが形成した共認機能は、本能を進化させるDNAの組み替えより遥かに容易に、かつ多様に、(本能の代替物でもある)共認内容を組み替えることが出来る機能であり、それまでのDNA進化という生物史を覆す、全く新たな進化機能の実現だったのである。


「心」を進化させ、今まで外圧に対する進化適応の要だったDNA変異では、どうにもならない問題を、乗り越えることに成功した唯一の生物なんですね。


まとめ
このように考えると、「心」=「共認」を外圧適応の主軸にすることにより、より高度な可能性を見いだし、進化適応していくことができるようになったということです。
にもかかわらず、相手を肯定視するという、根本の部分で人類はつまずいています。これは観念機能の進化によって、間違った価値観念(個人主義→特にプライド)が蔓延し邪魔していると考えられます。
猿の時代は、いくら力があっても集団への視点や思いやりがない雄はボスとして認められませんでした。そしてそれは共認収束している現代でも同様で、更に顕著になってきていると感じます。


猿の世界と人類の世界は、知れば知るほどよく似ていることに驚かされます やはり実現論の中に社会閉塞を突破する鍵があると思いました 😀
では次回をお楽しみに~

List    投稿者 mizuguti | 2010-01-19 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

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