2021-10-12

哺乳類の知能進化② ~性闘争は知能進化を促進した~

原始哺乳類である原モグラは触覚⇒皮膚感覚を進化させます。哺乳類は、皮膚と脳の判断=駆動物質のやり取りを強化することで、皮膚の持つこの機能を脳に転移させ、脳と皮膚を「共進化」させたのです。

そして、哺乳類の特徴であるスキンシップがその進化を促進してきのです。つまり、判断機能を持った皮膚感覚の進化とともに、知能も進化させてきたのです。

それに加えて、哺乳類のもう一つの特徴である性闘争も知能進化を促進しているのです。
今回はその性闘争がどのように知能進化に関わっているのか追求します。

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◆性闘争が知能進化を促進
外敵闘争あれば予め勝敗は決まっている。かつ外敵に対しては「逃げる」、食対象であれば「捕まえる」という単純な行動様式(パターン)である。

一方、性闘争となるとそう単純な行動ではない。同類同士では体格差は大差ないので、勝負の行方は、オスは縄張り闘争の場数や判断力で決まる。
つまり、縄張り闘争によって後天的に形成された要因(場数や判断力)が僅差の性闘争の勝敗を決定するのである。

◆集団形成で知能を発達させた
他方メスも縄張り闘争=性闘争を行ってきますが、オスほどの闘争圧力はありません。
原モグラ以降、哺乳類はスキンシップ→親和機能の強化によって母系集団を形成することになります。その集団にはリーダーが存在し、多様な連携行動を取るようになります。=集団形成が知能を発達させることになります。

同時に集団のリーダーはメス間の序列闘争(性闘争)によって決定されますが、当初(モグラ時代)、身体能力で決まっていたものが第に判断力や親和能力(+オスを惹きつける力)に秀でたものが集団を導く存在=リーダーとなっていきます。

 

◆個間闘争で知能を進化
このように哺乳類はオス・メス各々が同類間の個間闘争を行います。そこでは勝敗、優劣は、オスは闘争上の判断力、メスは集団統合上の親和力や集団防衛上の判断力が主軸となります。しかもそれらは先天的に備わっていたものではありません。

哺乳類は、このように親和機能と性闘争によって、【後天的に】生き抜く力を身に着ける戦略によって知能進化を実現したのです。

List    投稿者 m-yoriya | 2021-10-12 | Posted in 2)知られざる原始哺乳類, ①進化・適応の原理, ④脳と適応No Comments » 

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