2021-10-26

哺乳類の知能進化⑥ ~魚などの群れと哺乳類の連携行動の違い~

哺乳類とその他の動物の群れの行動は何かが違うように見えます。一体何が違っているのでしょうか?
例えば、魚の群れと哺乳類の群れの違いがどこにあり、知能進化とどのように関わってくるのでしょうか?

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【魚などの群れ】

魚が群れを作る最大の理由は大型の外敵から身を守るためで、小さな魚も群れを作る事で外敵である大型の魚を威嚇する狙いがあると言われています。
魚などは廻りの同類の動きを対象に動いているが、彼らは同じ間隔、同じ方向、同じスピードで動いているだけなのです。

そもそも魚たちは大集団化することで防衛になっており、どちらに動くかさえ大した問題ではなく、周りの動きに合わせて動くだけで、同類の仔細な動きの違いなど対象化する必要はないのです。

【哺乳類の連携行動と知能進化】

一方、哺乳類は連携行動をとろうと思えば、同類の各個体の動きを把握したうえで、「どうする」を判断する必要性が出てくる。

それを可能にしたのが親和機能→皮膚感覚の発達。
母親はスキンシップを通じて、子どもの動きや体調の微細な違いを感じ取る。これが同類把握の起点となる。
哺乳類たちはスキンシップの充足に導かれて、スキンシップ演習(身体の嘗めあい、すり寄せ等)を重ね、同類の状態把握の機能を塗り重ねていく。

この同類の微細な動きの把握機能が生まれることで、外圧だけでなく、外圧+集団内の同類の状況という形で、状況把握が多層的になる。
同時にこの多層的な外圧把握に基づく「どうする」の行動も多彩となる。この外識機能(回路)の多層化(拡大)と、それに基づく「どうする」(回路)の多様化こそ、知能発達の中味である。

◎親和機能→同類(各個体)の状況把握→連携行動が脳を発達させた。(単に集団化したから脳が発達したのではない)
◎繊細(かつ総合的)な皮膚の識別機能を脳に転写したのは、同類の識別を高めるためである。

List    投稿者 m-yoriya | 2021-10-26 | Posted in 2)知られざる原始哺乳類, ①進化・適応の原理, ④脳と適応No Comments » 

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