2014-09-03
『少食のしくみ-2』~腸内細菌が、食べた植物を材料に必要な栄養素を創りだす
「1日青汁一杯、50Kcal」という超小食を十数年実践しながら元気に過ごしている森美智代さんの事例を1つの切り口として私たちの「食」を考えるシリーズ:『少食のしくみ』の第2回です。
前回は、森さんの著書『食べること、やめました』から、少食のしくみの鍵を握るのは、腸内が「まるでウシのなかのような植物動物に近い細菌構成」になっていることだと分かりました。 そこで、今回は、「ウシの消化吸収、常在細菌との共生関係」を明らかにし、森さんの「少食のしくみ」に迫ります。
ウシは、牧草だけを食べて日々成長し、500kgを超える巨体となり、毎日大量の牛乳を作ります。
なぜ、それが可能なのでしょうか?
その鍵をにぎっているのが「常在微生物との共生関係」、その具体的なしくみが「反芻」と「4つの胃袋」です。
反芻とは「一度飲み下した食物を口の中に戻し、かみなおして再び飲み込むこと」で、反芻をする動物を「反芻動物」と総称し、ウシやヒツジなど、いずれも偶蹄類に属しています。反芻には、他の動物には見られない、ウシと微生物の共生関係がよく現れています。 (さらに…)
健康・医療分野における微生物の可能性を追求する 03 皮膚常在菌の作用・役割
画像はこちらからお借りしました。
健康・医療に対する社会的期待は大きく、次々と新しい技術が開発され、生活環境の向上に貢献してきました。
しかし、実は人間の身体には、生まれた直後から最先端の技術をも凌ぐ健康/医療のエキスパートがいます。それは、常在菌(身体に日常的に存在する細菌)です。
常在菌は、腸内、皮膚表面、口腔内など人体のあちこちの部位に存在しています。そして、種類毎に、あるいは相互に連携しながら、様々な働きを担っています。
今回は、有用微生物を活用した製品による肌への効果を探っていく前段として、肌の健康のカギを握っている皮膚常在菌について調べてみます。
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