2020-06-12

野生ニホンザルのオニグルミ採食行動 ~採食技術とそのバリエーション~

本来、技術とは試行錯誤の塗り重ねで生まれる。実現塾(人類の起源)

霊長類は、試行錯誤の塗り重ねにより採食技術を獲得しながら、知能を進化させてきたと考えられます。 例えば、カニの甲羅を剥がして食べるカニクイザル等、サルは集団で試行錯誤の果てにその技術を身に付けたのでしょう。

今回は、野生ニホンザルのオニグルミ採食行動を観察した研究を紹介します。

 

京都大学 研究成果より。

野生ニホンザルのオニグルミ採食行動を観察  ―採食技術とそのバリエーション―

01

概要

京都大学大学院理学研究科の田村大也博士課程学生は、宮城県金華山島の野生ニホンザルが行うオニグルミ採食の詳細な行動観察を行ったところ、身体的に十分に発達した個体の中でも、クルミの硬い殻を割って中の子葉を食べることができる個体と、殻を割れず子葉が食べられない個体がいることが分かりました。

また、クルミの割り方には4つの異なる型が存在し、多くの個体はそのうちの⼀つの型を好んで使っていました。さらに、身体的な力がオスに比べて弱いメスが使う割り方では、クルミを回転させたり、噛む歯を左右入れ変えたりするようなクルミに対する操作が、オスが使う割り方よりも頻繁に行われていました。

メスはクルミを頻繁に操作することでオスに劣る力を補っていると言えます。これらの研究結果は、ニホンザルがオニグルミの殻を割れるようになるには、身体的な発達だけでなく、適した採食技術の習得も必要であることを示唆しています。

本研究成果は、2020年4月15日にアメリカの国際学術誌「American Journal of Primatology」にオンライン掲載されました。

1.背景

霊長類が食べる食物の中には、食べる前に何か処理をする必要があるものが含まれています。例えば、殻に覆われたナッツの子葉や巣の中にいる昆虫、鋭い棘で守られている植物の葉や茎などがそれに当てはまります。

霊長類はこれらの食物を獲得するために、様々な工夫を凝らします。例えば、野生のチンパンジーでは、石をハンマーとして用いて硬いナッツの殻を割る行動や、細い枝を用いて巣の中からアリやシロアリを釣る行動(道具使用)が知られています。また、南米に生息するオマキザル類では、硬いナッツを岩や木の幹に打ち付けて殻を割る行動(基盤使用)が見られます。

このような採食行動は、食物を獲得するという課題の中で高度な認知能力や複雑な手・物の操作が要求されるため、霊長類の知能の進化を促進した要因の⼀つ として考えられており、 「取り出し採食仮説」と呼ばれています。

宮城県金華山島に生息する野生のニホンザルはオニグルミを⾷べることが知られていますが、殻を割るために石や岩などの道具や基盤は使いません。サルたちは自らの歯で硬い殻を噛み割り、中の子葉を取り出して食べるのです。しかし、ニホンザルがいつからオニグルミの硬い殻を割れるようになるのか、どのように割っているのか、その詳細は明らかにされていませんでした。

2.研究手法・成果

宮城県金華山島に生息する野生ニホンザル 36 個体を対象に、2015年および 2016年の9月から12月(オニグルミシーズン)に合計 106日間の調査を行い、400事例以上のクルミ採食行動を観察しました。

調査の結果、身体的な力が弱い 4歳以下の子供や 19歳以上の老齢個体はクルミを割ることができませんでした。身体的に十分に発達した7歳以上のオスではすべての個体がクルミを割ることができました。一方で、身体的に十分に発達したメスの中にはクルミを割ることができる個体と、身体的には発達しているのにもかかわらず、クルミを割ることができない個体がいることが分かりました。

さらに、クルミの割り方には4つの異なる型が存在し、多くの個体はそのうちの⼀つの型を好んで使っていました。力の強いオスでは臼歯で押しつぶすように殻を割る方法が多く観察されました。一方、オスと比べて力が弱いメスは、頻繁にクルミを回転させたり噛む歯を左右入れ替えたりして、噛む位置を調節して殻を割っていました。

このようなクルミに対する操作を頻繁に行うことで、メスはオスに劣る力を補っていると言えます。しかし、すべてのメスがこの割り方を使っているわけではなく、中には独自の方法で殻を割っている個体も見られました。これらの結果は、ニホンザル(少なくともメス)がオニグルミの殻を割り中の子葉を取り出すという課題を達成するためには、身体的な発達だけでなく、適した採食技術の習得が必要であることを示唆しています。

3.波及効果、今後の予定

今後は、これらのクルミを割る技術をサルたちがどのように獲得していくのか、その発達や学習の過程を明らかにしていきたいと考えています。

~以下略~

 

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List    投稿者 seibutusi | 2020-06-12 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-06-11

培養肉(クリーンミート)と代替肉(フェイクミート)は実験室で創られた

「近年の食の異常事態 http://www.seibutsushi.net/blog/2020/05/5608.html」
「ミュータント小麦」1万5千年前から食べ続けて来た小麦を欧米では「そもそも小麦はよくない(腸の免疫障害を発生させる)」という認識が広がっている。(http://www.seibutsushi.net/blog/2020/06/5673.html/trackback)
でも紹介しましたが、
現代社会では、「ミネラルの無い美しい野菜」・「腸に免疫障害を起こすミュータント小麦」そして「培養肉(クリーンミート)と「代替肉(フェイクミート)」が登場しています。
> 動植物は、数億年をかけて免疫システムを作り上げて来たが、19・20世紀の西洋思想や近代科学が創り出した人工化学物質によって人の免疫力低下を引き起こしています。その結果、現代の感染症(ウィルス・微生物)にも適応できない体になっています。
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培養肉(クリーンミート)とは リンク 
「培養肉」とはその名の通り生体から取り出した細胞を容器内で培養することによって作られるお肉です。近年では、再生医療のための細胞培養の技術が進歩したことで、食用の肉への応用も実現する可能性が出てきています。
具体例としては、東京大学と日清食品ホールディングスが「培養ステーキ肉」を開発しています。(未来のカップヌードルの肉は培養肉になってしまうのか?)この肉は牛から筋肉の細胞を採取して、コラーゲンと混ぜて培養液に浸すことで作られるとのことです。

また、米国やイスラエルには様々な動物の細胞を培養して食用の肉を作ろうとしている企業も出てきています。
代替肉(フェイクミート)とは?
「フェイクミート」とは植物性のタンパク質で作られた人工肉です。
培養肉は動物性のたんぱく質を作り出していますが、フェイクミートは植物性という点が大きく違います。
例えば、フェイクミートの原料としてはタンパク質が豊富な大豆がよく使われており、日本でも「畑のお肉」や「大豆のお肉」として製品化されて販売されています。
例えば、肉の香りや肉汁を再現するために大豆たんぱく質から遺伝子を酵母に注入したheme(ヘム)という分子が開発され、フェイクミートに使用されています。このヘムは植物由来であっても遺伝子組み換え原料であり、本当に安全であると言えないといった問題も出てきています。
【大豆肉】
材料はこちら↓グルテン粉 200g 小麦粉 20g 自然塩 小さじ1 水 600cc
今後の展開予想!!
「代替肉(フェイクミート)」については味の改善やコスト削減、安全性の確認によって、ますます活用の場面が増えてくると考えています。特にヴィーガンやベジタリアンの方にとってはなくてはならない食材となっていきそうです。
「培養肉(クリーンミート)」についても技術革新が進み、味の改善や生産コストも劇的に落ちる時が来ると思います。そして、動物愛護などの観点からもどんどん需要が伸びてくる可能性がある。
しかし、培養肉はいくらクリーンミートと言ってもやはり安全面や感情面ですんなりと受け入れることはできない消費者も多いのではないでしょうか?いずれは、感情面の問題が解決され、安心して口にできるようになる日も来ると思いますが。。。(安心という感情面だけでなく、本当に「安全な食品」か?という検証も絶対に必要です。)
そのうえで、私はこの「培養肉(クリーンミート)」の低コスト化が進めば、魚の培養肉を使って「魚粉」を作ることで養殖の餌に活用できるのではないかと期待しています。
マグロ・サーモン・エビなどの養殖は畜産のように植物性たんぱく質から肉を生み出すことができません。養殖では必ず、餌となる魚(魚分の原料)を獲ってこなければならないのです。(詳しくはこちら↓)
「養殖業」が「畜産業」ほど発展しない理由培養肉の安全が確保されて、感情面の課題を解決するためには「養殖業」を一度間に入れることで解決していけると考えます。
そうすることで、「本当に持続可能な養殖業」にも一歩近づけるのではないでしょうか?
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“牛肉は研究室で”作られる! 「培養肉」研究の第一人者に食の未来を聞いたhttps://emira-t.jp/ace/10917/
近い将来、必ず訪れるといわれている世界の人口増加に伴う食糧危機──。不平等な食糧分配やフードロスといった現状の問題を解決するとともに、穀物や畜産物など食糧の生産力そのものを大きく引き上げることは人類にとって喫緊の課題だ。そうした中でにわかに注目され始めた研究分野が、本物の肉に代わる可能性を秘めた“培養肉”だ。ことし3月には日本の産学共同研究チームが、世界で初めて牛肉由来の筋細胞を用いたサイコロステーキ状のウシ筋組織の作製に成功した。
機械工学から食への画期的なアプローチ
現在の機械はほとんど金属やプラスチックなどの材料で作られていますが、生体が持つ機能には到底及んでいない領域がたくさんあります。例えば、筋肉に見られるようなエネルギー効率の良さ、嗅覚などの感度の良さ、脳の処理能力といったことですね。細胞が壊れたら自ら治す自己修復機能も、現在の機械から見ると夢のような機能です。そうした機能を人工物で作れるようになるまで待つのではなく、“生物にできているならそれを利用しよう”というのがバイオハイブリッドの考え方です」

単に生体の一部を切り取って持ってくるのではなく、細胞を採取し、培養して大きく育て、生体の機能を再現することもバイオハイブリッドの研究に含まれる。今回のウシ筋組織は、そうしたこれまでの研究知見を生かして開発されたものだ。

「代替肉、培養肉は欧米を中心として近年急速に注目されはじめ、既に知財が押さえられつつあります。日本はそれに追従するだけでなく、“先を行かなければ駄目だろう”ということで始まったのが今回のプロジェクトです」
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List    投稿者 seibutusi | 2020-06-11 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-06-05

グルテンフリー知っていますか?(その2) 今食べている小麦は「ミュータント小麦」

グルテンフリー知っていますか(1)の続きです
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グルテンフリー/ノングルテン特集

https://www.binchoutan.com/gluten-free/index.html より

【もっとも日常的なグルテン「小麦」】
1万五千年も前から人によって栽培され、今も世界三大穀物のひとつといわれる小麦。
古代から様々なかたちで食べられ、その遣いみちも小麦にとどまらず幅広く研究されています。
一般的に、人類が長いあいだ食べ続けてきた食品は安全性が高く、体にも悪影響は少ないといわれています。
では、小麦によって体調を崩す方がこんなにも増えたのはどうしてでしょう?
それは、小麦の流通をとりまく様々な「ひずみ」が大きな原因ではないかと言われています。

【小麦アレルギーの原因は小麦じゃない?!今食べている小麦は「ミュータント小麦」】
現在私たちが食べている小麦は、その本来の姿とはかけ離れていることはご存知でしょうか。
人類ではじめて栽培されたのは「ヒトツブコムギ」という品種の小麦。
これは染色体がわずか14本しかないごくシンプルな遺伝子情報を持った品種でした。人々はこの小麦の栽培を15000年程前からはじめ、 そこから1900年代初頭まで、自然環境の中でわずかに進化したのみで、ほとんど変わらない姿で私たちの暮らしを支えてくれていました。
しかし、そんな小麦の姿はアメリカが国策としてはじめた「緑の革命」によって大きく変化します。
1940年代から始まった「緑の革命」では、農業の生産性を上げ飢餓を減らすという目的のために 穀物類を品種改良して、災害や干ばつに強い種を新しく作りました。
特に主要作物である小麦・トウモロコシ・稲などの品種改良は特に力を入れた開発が進められ、IMWIC(国際トウモロコシ・コムギ改良センター)では小麦の異種交配や遺伝子移入などの実験が重ねられました。
その結果、1980年までに何千種もの小麦の新種が誕生し、中でも生産性の高い品種は米国をはじめとした世界中に植え付けられました。 現在世界で作られている小麦の99%は「緑の革命」以降に作られた品種の小麦だといいます。
この矮性遺伝子を使った改良により、それまでも世界で最も食べられていた作物である小麦は 飛躍的な収量向上に成功し、歴史上最も大規模に生産・消費されるようになりました。
しかし同時に起こったこと。それは小麦自体の遺伝子構造の大きな組み替えです。
実際に、「緑の革命」で生み出された小麦のたんぱく質を親の品種と比較すると、どちらの親とも違うたんぱく質が沢山発見されます。 グルテンは特に交配によって大幅に構造が変化したといわれており、わずか1世紀前の品種と比べてみても、グルテンの遺伝子の量が増えています。
この時つくられた小麦は、人為的な交配実験ではありますが、「遺伝子組換え」ではありません。 しかし、遺伝子組換えのムーブメントが起こるはるか昔から大規模で人為的な交配を繰り返し遺伝子を組み換えたという点では同じようなものです。
(しかもこの実験には動物実験も人体への安全確認の試験も行われていません。この時作られた「ミュータント小麦」はその安全性も確認されず世界中に広がり、今も人々の体を蝕み続けています)
今や深刻な問題となっているセリアック病ですが、古くからの文献には小麦にまつわる病気はありません。 実際に、昔から栽培されていた品種では症状が出ないor軽い症状しか見られないという人も多く、 「セリアック病は緑の革命で作られたミュータント小麦による病ではないか」とも言われています。 (全ての人の症状が軽くなるという結果が出ているわけではありません) ミュータント小麦を作って以降、文明の進歩や食文化の変化もありますが、先進国では肥満が深刻な問題となり、健康を害する人が激増しました。
あまり知られていませんが、小麦には、グルテンが引き起こす問題のほかに「ポストハーベスト(post harvest)」と呼ばれる大きな問題があります。
ポストハーベストとは、輸入品の輸送中に、作物が虫や環境の変化によってダメになってしまわないよう、収穫の後にふりかけられる農薬の事。 スーパーで、ミカンやグレープフルーツなどに「防腐剤を使用しています」と書かれているものを見たことがあるかもしれません。 それがポストハーベストです。
日本から外国へ農産物を出荷する際、ポストハーベストをかける事は全面的に禁止されています。 しかし、日本へやってくる農産物にポストハーベストをかける事は禁止されていません。
私たちが食べている小麦はごく一部を除いてほとんどが外国からの輸入物。
輸入小麦は船便で輸送する最中に駄目になってしまわないよう、収穫した国の人たちが食べるものよりも 更にたっぷりの薬をかけて出荷されます。生育中にではなく、収穫して粉になった後に、です。
「基準は上回ってはいない」と国はいいますが、この輸入時の残留農薬によって健康被害が引き起こさているのでは、という指摘は実際にあります。現在、日本では小麦、大豆、トウモロコシの9割以上を輸入に頼っている現状。
安価で品質が劣化しないよう大量の小麦を輸入するにはポストハーベストは必要なものとみなされており、どこかで規制されない限りずっと続くでしょう。
そもそも小麦という作物自体、農薬を大量にふりまいて作られる事が当然とされてきた作物であることも忘れてはいけません。
有機でない小麦は「収穫の数日前に除草剤をたっぷりつけると収穫量が上がる」とアメリカの農家の間では長く言われており、 致命的な有効成分を含む除草剤がごく最近まで一般的に使われていたという歴史もあります。
たっぷり農薬をかけて生育し、更に収穫後にも農薬を大量にまいて運ばれ…そうやって、小麦は安価な材料の代名詞となりました。
安いものにも高いものにも理由がある。小麦と農薬の問題を考えると、その言葉がしっくりと胸に入ってきます。
もはやこれは「グルテンが悪い」というだけの問題ではなく、小麦の大量生産における栽培〜収穫〜輸送〜加工〜調理にいたるまでの、全ての工程の問題が寄せ集まった結果でもあるのでしょう。
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List    投稿者 seibutusi | 2020-06-05 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-06-05

グルテンフリー知っていますか?(その1)小麦を主食にしている欧米で「そもそも小麦はよくない」との動き有

先日、パスタの原料表示に「グルテンフリー」とあり。これなに?と娘に聞いた所、
娘「知らないの?今どきの常識」と答えられた。
グルテンフリーについて調べてみると
1万5千年前から食べ続けて来た小麦を欧米では「そもそも小麦はよくない」という動きがあり、今では美容や健康のためにグルテンフリー生活を実践されている人がどんどん増え、国内でもグルテンフリー対応のお店や商品が徐々に増えて来ています。
先日投稿した「近年の食の異常事態 http://www.seibutsushi.net/blog/2020/05/5608.html事態」
と同様な事:動植物は、数億年をかけて免疫システムを作り上げて来たが、19・20世紀の西洋思想や近代科学が創り出した人工化学物質によって人の免疫力低下を引き起こしています。 →近代社会の自然の摂理を捨象した「効率第一主義」が原因です
参考となる記事を転載します
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グルテンフリー/ノングルテン特集

https://www.binchoutan.com/gluten-free/index.html

>今食べている小麦は「ミュータント小麦」
1940年代から始まった「緑の革命」では、農業の生産性を上げ飢餓を減らすという目的のために 穀物類を品種改良して、災害や干ばつに強い種を新しく作りました。
特に主要作物である小麦・トウモロコシ・稲などの品種改良は特に力を入れた開発が進められ、IMWIC(国際トウモロコシ・コムギ改良センター)では小麦の異種交配や遺伝子移入などの実験が重ねられました。
「緑の革命」のおかげでメキシコの小麦生産効率は3倍になり、飢餓に苦しむ数億の人々を救ったといわれています。
確かに「緑の革命」は世界の平和に大きく寄与した…しかし、それならなぜ今もなお南の国と北の国の貧富の差がこんなに大きく、先進国では小麦による病気が増えているのでしょうか。 「緑の革命」は一体誰のために行われたのか。長期的に地球を良くできたといえるのだろうか。当初は賞賛の嵐であったこの政策も、今では効果を疑問視する声が多くみられます。
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【そもそもグルテンって何? グリアジン + グルテニン = 「グルテン」】
グルテンとは、小麦に含まれている「たんぱく質」のひとつです。
一般的に「炭水化物」に分類される小麦粉の中にも実はたんぱく質が6~15%ほど含まれています。
そのうちのおよそ85%を占めているのが「グリアジン」と「グルテニン」。 小麦粉は水を加えて捏ねることで、このグリアジンの「弾力があるけど伸びにくい」という性質と グルテニンの持つ「弾力は弱いが粘着力が強く伸びやすい」という性質が結びつき、 両方の性質をあわせ持った「グルテン」というたんぱく質が生まれるのです。このグルテンの働きをうまく利用して、世界中で小麦を使ったさまざまな料理が作られています。
【グルテンフリーはこんな方におすすめです】
グルテン抜きの生活を余儀なくされている方 (セリアック病・小麦アレルギーなど)
近年、グルテンの摂取によって体調を崩す方が欧米を中心に増えています。
セリアック病は、摂取したグルテンが免疫系を刺激して特定の抗体を産生し、この抗体によって小腸粘膜が損傷してしまうという深刻な病気で、生涯にわたってグルテン抜きの生活をしなければいけません。 日本でも、小麦由来成分を使った石けんが原因で、購入した人々が小麦アレルギーになる大きな健康被害が生まれた事件がありました。
(略)
【グルテンによって引き起こされる体調不良やトラブル セリアック病】
「セリアック(シリアック)病」は小麦食中心の欧米で年々増加する自己免疫疾患で、グルテンの摂取を原因とする病気の中でも最もひどいものです。昔は数千人に一人の珍しい病気といわれていましたが、患者は年々増え続け、2016年の推計では欧州全体に500万人以上の人がセリアック病であるとされています(英国国立医療技術評価機構調べ)。
セリアック病の人は体の中でグルテンが分解できず、体がそれを異物と認識して免疫システムが過剰に働くことで、腸内が攻撃されて慢性的な炎症が起こります。 この炎症によって腸がしっかり機能しなくなり、栄養吸収障害をはじめとした以下のような様々な問題が出てくるのです。
(腹痛 腹部膨満感 下痢 脂肪便 便秘  栄養失調 神経障害他)
セリアック病には今のところ有効な治療法はなく、症状を抑えるためにはグルテンを含まない食事を生涯続けるしかありません。上にあがったほかにも多種多様な症状があり、またセリアック病で免疫系が攻撃されることを発端として別の病気にかかってしまう例も増えているといいます。
(略)
【グルテン過敏症/不耐症/非セリアックグルテン感受性】
アメリカでは人口の15%がグルテン過敏症であるといわれ、そのうち99%が自分のグルテン過敏に気づいていないというデータがあります。
「なんだかグルテンを食べると調子が悪い…」という方はこれらに該当する可能性が高いです。セリアック病のような重篤な症状は出ないといわれていますが、これらが進行するとセリアック病になるとも言われており、軽いからと油断してはいけません。
セリアック病は免疫システムが体自体を攻撃しますが、グルテン過敏症は食事の内容物に大してだけ行われます。なので、体に出る症状はセリアック病より軽度といわれていますが、腸が傷つくという点では同じ。
免疫システムの大部分を占める腸が傷ついてしまう。ということは、様々な病気への危険性が高まってしまうということでもあります。決して軽く見てはいけません。
セリアック病と同様人によって症状は様々ですが、主な症状は以下の通りです。
(集中力の低下 頭痛、偏頭痛、めまい 気分の変調  下痢・便秘 消化器系トラブル 発疹・湿疹 膝や腰などの関節の痛み)
現在日本人の7人に1人が当てはまるといわれている「過敏性腸症候群(IBS)」も、今まで主な原因はストレスといわれていましたが、小麦などに含まれる特定の糖質に対する不耐性が関わっているのではないかといわれており、それらを抜いた食事療法「FODMAP(フォドマップ)」を推奨する医師も増えてきています。

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List    投稿者 seibutusi | 2020-06-05 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-06-04

5Gが人体や自然に与える影響とは? ~『5Gから身を守る』より~

「コロナウィルスと5Gとワクチン」には意図的な因果関係があり、人類の身体→健康はデジタル化され遠隔操作されている リンクとも言われています。

改めて、5Gとは何なのか? 5G(電磁波)が人体や自然に与える影響とは?

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書籍『5Gから身を守る』(著・古庄弘枝)の書評より、見ていきます。

長周新聞(2020年5月29日)より。

『5Gから身を守る』 (著・古庄弘枝)

電磁波が人体や自然に与える被害の実態について講演活動を続けるノンフィクションライターが2月に出版した。5Gが自動運転車や工場で自動的にロボットが生産することを可能にするといった利便性ばかりが喧伝されるなかで、人体や自然や動植物へもたらす危険性、リスクについての基本的知識と世界的な動きを簡潔にまとめた一冊だ。

2020年に商用サービスが始まった5G(第5世代移動通信システム)の最大の特徴は「高速・大容量」「超低遅延」「多数同時多接続」だ。「超高速・大容量」は、通信速度が4Gの100倍、データ容量が4Gの1000倍ということ だが、具体的には「2時間の映画を3秒でダウンロード」というのが売り文句となっている。時代を遡って比較してみると、2G→40日以上、3G→約30時間、4G→約5分、5G→3秒で通信速度の早さは一目瞭然だ。

「昆虫の80%が失われた」

だがその早さや利便性の裏側には何があるのか。 「100㍍おきの基地局設置」や、自動運転車を走らせるために「邪魔となる樹木を何百万本も切り倒す」ということ、つまり人間の目先の利益や便利さのために、動植物の命を傷つける のだ。すでにアマゾンの奥地でもヒマラヤの山頂でも携帯電話が繋がるように、過去20年で電磁放射線によって昆虫の80%が失われている可能性があり、「アリ」「鳥」「ミツバチ」「ネズミ」「野生生物」の奇形も出現しているとの報告もある。

さらに 5Gの電磁放射線は人間の人体(精子の劣化・自然流産・がんの増加・認識機能障害・循環器障害など)、次世代の命をも危険にさらす ことが明らかとなっている。

5G導入で問題とされているのが「ミリ波」だ。ミリ波とは波長が1~10㍉の電磁放射線。ミリ波の特徴は強い直進性があり、非常に大きな情報量を送ることができる反面、大気中の酸素や水蒸気に吸収されるため、近距離通信にしか利用できないというものだ。ミリ波を使う5Gでは、約100㍍おきに基地局が必要となるのはそのためで、政府は「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」(2019年6月閣議決定)のなかで、全国に設置されている約20万8000基の信号機を5Gの基地局として活用できるようにするとしている。

もともと5Gの開発はアメリカ国防総省が冷戦時代に旧ソ連軍との電子戦争を想定して開発したもので、いわば「誘導性の電磁波武器」だと、国際政治経済学者の浜田和幸氏が発していることを紹介。サイバー攻撃・個人情報漏洩リスクなどの危険性も増すと指摘している。

地球の電磁環境に影響

さらに著者が警鐘を鳴らす内容として、5G用人工衛星が地球の電磁的環境を脅かす ということ。5G用の人工衛星が米国と中国を中心に2万基以上も打ち上げられる予定で、これによって現在、軌道上を周回する通信衛星の数は10倍以上に増えることになる。これらの人工衛星は低軌道(高度2000㌔㍍以下)と中軌道(高度2000㌔㍍~3万6000㌔㍍未満)を周り、数千本のアンテナからミリ波を放つ。米国の研究者アーサー・ファースバーグ氏は、問題は「人工衛星が、大気圏の電気的特性に多大な影響を及ぼす地球磁気圏のなかに位置していること」と指摘し、地球上の電磁環境に変化を与えることは、地上の5Gアンテナから放たれる電磁放射線よりも、「生命にとっての脅威になりかねない」と指摘する。

著者は、約37億年前、地球上に生物が誕生して以来、生物は「地球の脳波」といわれるシューマン共振波といわれる電磁放射線と共存してきたが、そのシューマン共振波を乱すような大量の5G用人工衛星の打ち上げは、「地球上に存在する全ての生命に対する犯罪的行為と言えるものではないか」と警鐘を鳴らしている。

知ることが力に

人間の金もうけや利便性を優先させることが、地球規模で人間を含む生物の生命に危険を与える。そのことが明らかになるにつれ、世界36カ国180人の科学者と医師たちが「5G普及の一時停止を求める声明文」を発した。昨年12月にはアメリカの医師・科学者・エンジニアなど100人超が大統領あてに「5Gの一時停止」を求めた。今年1月には世界35カ国で5G導入停止を求めるデモがおこなわれ、日本でも昨年「5G問題を考える会」が発足し、直ちに停止するよう求めている。

イタリアの区議会・イギリスの町議会など世界各国の自治体が、5G展開に反対決議をあげ、アメリカのカリフォルニア州のミルヴァレー市議会が「住宅地における新たな5G基地局の設置の禁止」をしたことなども報告している。

「知ることは力です」というメッセージつきの、さまざまな資料も併載しており、「5Gとは何か、一人でも多くの人に知らせて『5Gストップ』の声をあげ、市町村で『住宅地には5Gアンテナを建てさせない』など、新たな条例をつくることが必要」と呼びかけている。5Gの基本的な情報が凝縮された一冊となっている。

(以上)

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List    投稿者 seibutusi | 2020-06-04 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-05-29

世界医薬産業の犯罪 化学・医学・動物実験コンビナート 

生物が生きる活力は自然との共生関係を維持する事(それによって肉体的にも精神的にもより充足感を得て活力UP)で発生するが、近代社会は、この自然の摂理に反した流れとなっている。特にコロナ騒動で世界医療産業の犯罪性(企業・大学が一体になって新ワクチン開発等)が目に付いてきた。又多くの人がおかしいときずき始めている。

この事について、既に1990年代に「世界医薬産業の犯罪 化学・医学・動物実験コンビナート ハンス・リューシュ 太田龍」https://web.archive.org/web/20120331153025/http://hon42.com/iryou/sekai.php#link=1-231

との記事がありますので改めて転載します

PART2 化学・医学・動物実験コンビナート 

化学工業シンジケート

(前略)

化学工業界の利益は、ほとんどの基幹産業 鉄鋼、石油、航空機、武器と密接に絡み合っている。が、我々はここでは、医学界、および動物実験業界と、化学業界とのドロドロした関係に目を向けてみることにしたい。三者の関係を簡単に図式化すると、医学界は大衆を洗脳し、化学業界がペテンビジネスを続けていられるよう力を貸している。すなわち、ある薬が無用または有害であるということが大衆の目から隠しきれなくなっても、すぐそれに取って代わる新薬を繰り出せるよう常にお膳立てをしているのである。そして動物実験業界は、他のふたつの巨大パワーに原材料と技術とを提供している。この化学・医学・動物実験コンビナートの結束はきわめてかたい。というのも、この三者の利益は完全に常に一致しているからである。今日、化学工業界の送り出す石油化学製品は世界経済の中枢をなし、我々の生活のあらゆる側面に浸透している。ざっと見渡すだけでも、医薬品、化粧品、染料、顔料、添加剤、工業用洗浄剤、接着剤、衣料用洗剤、合成繊維、肥料、農薬、樹脂、プラスチック、潤滑剤、合成ゴム、原子炉などにわたり、その上、その各分野で常に新製品を供給し続けているのである。もちろん、このリストがすべてを網羅しているわけではない。たとえば西ドイツのヘンケル社だけでも、同社発行のパンフレットによれば、あらゆる分野にわたる八〇〇〇種以上の製品を製造しているという。このように、化学工業は他の工業、たとえば石油、鉄鋼、武器産業などの筆頭顧客であると同時に筆頭原料供給者でもある。顧客として大量の石油や鉄鋼を買い入れ、毒ガス、ナパーム弾、細菌兵器、核兵器などの製品にして売るのである。

(中略)

どこの国でも、医学権力は化学工業界のもっとも頼りになる協力者である。無智な大衆はこの両者の協力関係に気づいていないので、事は実に能率的に運ぶ。中世では教会が果たしていた役割を、今日では医学権力が担っているのである。一九七七年、西ドイツ、パソー大学法学部教授のマルティン・フィンク博士が『薬剤テストー犯罪的手法』を出版し、薬剤テストの犯罪性を糾弾した。この本では病院がどのようにして何も知らない患者をだまして新薬のテストをしているか、中には新薬の効能と安全レベルを確定する目的で、スケジュールに組み込まれてしまう患者さえいる、といったことが述べられている。医学界に対しフィンク博士の下した判決は謀殺により有罪。普段は互いに激しく競争し合っている西ドイツの、バイエル、ベーリンガー・ゾーン、べーリンガー.マンハイム、ヘキスト、メルク、シェリング、クノールの七つの製薬会社が、ここで共通の危機に瀕したとみるや、ただちに結束し、「薬学医学研究協会」なる団体を設立した。この団体は、その攻撃の矛先をもっぱらフィンク博士のプライベートな面に向けた。というのも、法律的科学的論争ではとても勝ち目がないと分かっていたからである。本来、製薬会社の犯罪を暴くのは政府の役目である。しかしながら、国と製薬会社とはグルになっているため、国が製薬会社を告訴したといった例はどこの国でも見当たらないスイスという国は、国としては小さいが、その経済力はなかなかのものである。このスイスにおける製薬業界の影響力は政府経由で他に及んでいる。そしてこのスイス方式が、他の多くの先進国でのやり方の手本となっているのである。スイスの製薬業界のある大立者が、中央政府に対し、次のように言ったことがある。「私たちがこの国での一番の多額納税者であり、大口雇用者なんだってことを忘れないで下さいよ。私たちが国を支え、あんた方を護ってるんですよ。だから私たちが政府のやり方に口をはさむのは当たり前でしょう。もし私たちのやり方が気にくわないとおっしゃるんでしたら、私たちはすぐにでもスイスの工場を閉鎖して、どこか開発途上国に移転してもいいんですよ。そこじゃ私たちは大歓迎を受けるでしょうからね。ま、いずれにせよ、私たちは人類のために働いているわけで、あんた方の幸せもスイス国民の幸せも、私達のそれと一心同体ってわけなんですな」。「人類のため」云々は眉つばであるにせよ、この大立者の言わんとしていることへの反論は難しい。事実、スイス政府は彼らの前にひざまづき、言われた通りにする他、しようがないのである。その結果が、予防接種の義務化、医療費の急騰、人口に不相応な強大な軍隊、豊富な水資源を無視した無駄な原子力発電所、などなど、さまざまな常軌を逸した政策となって現われる。アメリカでも事情は酷似しているのではないだろうか。

「法」を作るのは誰か

今日の薬品市場の状況は言語道断、悲劇的でさえある。政府は製薬業界が無用の薬を市場にあふれさせるがままに任せている。彼らに言わせれば動物実験によって、それらの薬の有効性・安全性は十分にテスト済みだという。しかし、これは詐欺である。しかも政府公認の詐欺である。というのは、薬のメーカーも、それを認可する政府も、動物実験などは元来まったく無意味なものであるということを百も承知しているからである。それでありながら、新薬の発売に先だって、一応動物実験さえ経ておけばその薬の副作用が隠蔽不可能という段階に至っても、「必要なテストはすべてクリアした。法律には反していない」と言いわけができるというのが本音なのである。しかし、この「法律」なるものを作らせたのが、実は自分たち自身なのだということは、メーカーも政府も、おくびにも出さない。実際に立法に携わる人々は医学の専門知識などもち合わせておらず、立法の際、最終的には「医学専門家」と呼ばれる人々の意見に従わざるを得ない。ところがこの専門家というのが誰あろう、薬メーカーの代理人なのである。しかもこれらの代理人は政府の保健機関と密接なつながりがあり、両者が同一人物である場合さえある。

(後略)

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List    投稿者 seibutusi | 2020-05-29 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-05-28

愛情ホルモンが左右するメダカの異性の好み ~オスとメスで逆に働くオキシトシン~

男の脳と女の脳はどのように違うのか?

胎児期に浴びる男性ホルモンのシャワーが、男の左脳の発達を抑制し、右脳の発達を促している(空間認知、図形処理)という。
「男の脳と女の脳の成長過程に見る相違」

男の脳と女の脳には、脳内物質(ホルモン)により構造的な違いが形成されるようです。

一方、脳内物質オキシトシンの作用がメダカのオスとメスで逆に働くという興味深い実験結果があります。
同じ脳内物質でも、動物種や性別によって、異なる(逆の)働きをするものがあるということなのか。解明が期待されます。

東北大学プレスリリース より。

愛情ホルモンが左右するメダカの異性の好み   
 ~オスとメスで逆に働くオキシトシン~

ポイント
・メダカが親密な異性を好む性質は,オキシトシンホルモンによって制御されていることを解明。
・オキシトシン遺伝子を壊すと,メスでは好みが消失し,オスでは親密なメスを好むようになる。
・メダカの基礎研究から親密な異性への好みや性差を生み出す機構の解明に期待。

北海道大学大学院薬学研究院の横井佐織助教,岡山大学大学院自然科学研究科の竹内秀明特任教授/東北大学大学院生命科学研究科教授(併任)及び基礎生物学研究所などの研究グループは,メダカが親密な異性を好むか否かをオキシトシンが制御していることを明らかにしました。

メダカのメスには「そばにいたオス」を目で見て記憶し,そのオスの求愛を積極的に受け入れる傾向がある一方,オスは親密度に関係なくメスに求愛します。本研究では,「愛情ホルモン」として知られるオキシトシンに着目し,メダカでの異性の好みに対する効果を検証しました。オキシトシン遺伝子を壊したメダカを用いて実験をしたところ,メスではオスに対する好みが消失し,見知らぬオスを積極的に受け入れましたが,オスでは三者関係(オス,オス,メス)において,初対面のメスには無関心である一方,親密なメスに対してはライバルオスを追い払ってメスのそばにいる様子が観察されました。

ヒトなどでは,オキシトシンには親密な他者に対する愛着を強める働きがあるとされていますが,メダカのオスでは逆に愛着を下げる方向に働くことが明らかとなりました。このことから,オキシトシンが動物種や性別によって「愛情ホルモン」以外の働きを持つ と考えられます。

行動異常を示したメダカの脳ではいくつかの遺伝子の発現量に顕著な変化があり,その遺伝子は ヒトにも存在したことから,メダカの基礎研究からオキシトシンが親密な他者に対する愛着を制御する仕組みや性差を生み出す仕組みが明らかになることが期待されます。

 

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  オキシトシンが左右するメダカの異性の好み

(以上)

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List    投稿者 seibutusi | 2020-05-28 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-05-22

木は伐採してからも生きている~「自然界にある温度でなきゃかわいそう」

地球上の生物は全て共生関係にあり、自然循環サイクルの中で存在しています。

前回の記事で

「イチョウの木は老化ではほぼ死なない≒植物は不死である」http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_355129 ←老化に関連する遺伝子がイチョウには見当たらず、また、どれだけ年をとっても、成長もさほど鈍化せず、そして「ストレスに対しての反応も一生ほぼ同じ」という生命体であることがわかった】を示しましたが、

今回、植物の特質を知る事で現代文明(鉄と石油の文明)から素人による新たな文明の可能性を見ることが出来る記事を転載します。

 国際派日本人養成講座 http://blog.jog-net.jp/202004/article_2.html より

「鉄と石油の文明」から「木の文明」

______________________

■1.国産材のボトルネックは乾燥

(前略)

「問題の根本は、豊かな国内の森林を十分に活用できていない所にある。

その理由は、国産材、特に杉は外材に比べて乾燥が難しいために、寸法や納期の問題を抱えていることだ。 乾燥には長い年月がかかる事

(略)

■2.「自然界にある温度でなきゃかわいそうでしよ」

実は、この乾燥問題を一気に解消する発明が実用化されている。

木材乾燥装置「愛工房」である。従来の装置は速く乾燥させるために100度もの高温を使っていたが、「愛工房」は45度だ。木材乾燥のプロがこれを聞くと「45度!? ほんとかい?」と耳を疑う。高温の方が速く乾く、という常識の逆を行っている。 しかも、杉の板材を乾燥させるのに100度の高温乾燥でも1週間かかるのを、45度の「愛工房」は1日で乾燥させてしまう。

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素人なのがかえってよかった。経済や効率優先の考え方ではなく、「伐採してからも生きている」「呼吸する生き物である」という考えに基づき、「木の立場」に立って製作したところ、今までの乾燥機とは全く違ったものが出来上がりました。[伊藤]

「なぜ、45度にしたのか」と聞くと、「だって木は生きているんだから、自然界にある温度でなきゃかわいそうでしよ」と答える。[船瀬、p48] 「なぜ、こんなに速く乾くのか?」と聞かれても、「なぜって言われても、速く乾いちゃうんだからしょうがない」と、腕組みをし、首をかしげる。[船瀬、p53]

■3.「杉って、こんなにきれいだったんだなぁ」

理論的解明はこれからだが、どうやら100度の高温乾燥は木を殺してミイラにするようなもの、45度はサウナで健康的な汗をかかせて水分を絞り出すもの、という違いがあるようだ。ミイラにする時間より、サウナで汗をかかかせる時間の方が短いのだろう。 高温乾燥した杉材は表面はきれいでも、内部はパサパサ、しかも芯の水分は残っている。杉の色、艶、粘り、香りも失われている。高温乾燥の後では、乾燥室の床や壁に「嘔吐物」が出る。

これは木の防虫・抗菌作用を持つ精油成分や、癒やし効果を持つ芳香成分らしい。これらを吐き出して、ミイラになった木材は白アリ、ダニ、カビに弱い。 だから、全世界の木材のほとんどは出庫・輸出前に、密かに殺虫剤や防腐剤の毒液を加圧注入、あるいは蒸気を染み込ませる。こういう「毒漬けミイラ」となった木材を使った住宅で、シックハウス症候群が起こる。 愛工房で乾燥した木材を、建設業者たちが手にとると、まずその軽さに言葉を失う。含水率は6~7%と、彼らが手にしたことのないレベルだ。

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さらに、あずき色の木目の流麗さ、色合いに驚く。「杉って、こんなにきれいだったんだなぁ」ため息。さらに、板を電灯にかざし、艶や照りに唸る。「虹みたいに光ってるよ、オイ」そして、木片を鼻先にもっていく。目をつむって深呼吸。えもいわれぬ深い芳香にただ首をふる。「凄っげえ、いい香り!」「こんな香りを嗅ぐの、初めてだよな」中の一人が手招きする。「それだけじゃないよ。ちょっとこれ見て」乾燥済みの杉板の木口から目を細めて見る。「ホラ、ぜんぜん反ってない」「ほんとだ、暴れてない」「寸法ピタリ!ありえねえ」[船瀬、p4]

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■4.木造住宅は3百年はもつ

「愛工房」で乾燥した木は生きているので、それで住宅を建てると、安らぎやリラックス効果を持つ芳香を部屋中に放つ。寝室や子供部屋に最適だ。自宅で森林浴ができる。 体熱を奪うコンクリートに比べれば、木ははるかに暖かい。「愛工房」で乾燥させた杉板でフローリングをすると、来客は10人が10人、「床暖房してます?」と聞く。 生きた木はコンクリートよりも何倍も強く、長持ちする。

法隆寺の大工・西岡常一棟梁は「コンクリート50年、木は1000年」と言っていた。確かにコンクリートの建物は50年毎に建て替えねばならないが、法隆寺は1300年の風雪に耐えている。

生きた木は年々、年を経るごとに強度を増していき、築300年くらいで最高強度に達する。白川郷の合掌造りの古民家も古いもので300年と言われている。現代の木造家屋が2,30年毎に建て替えなければならないのは、ミイラ化して脆くなった木材を使っているからだろう。

■5.「隠された日本の財産」

木は物やありません。生きものです。人間もまた生きものですな。木も人も自然の分身ですがな。この物いわぬ木とよう話し合って、生命ある建物にかえてやるのが大工の仕事ですわ。木の命と人間の命の合作が本当の建築でっせ。[西岡]

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西岡棟梁のこの言葉が復活する道が、「愛工房」によって開かれようとしている。特に日本全土に生えている樹木の約四分の一は杉だ。伊藤氏は言う。 日本の風土に一番適していたのが杉なんです。私たち日本人の先祖は、一番身近な杉の手入れをして、育て、共生してきたんです。[船瀬、p103]

そういえば、各地に杉のご神木が祀られている。 杉の学名は「クリプトメリア・ジャポニカ」、「隠された日本の財産」という意味である。ご先祖様たちが大切にしてきた宝物を、我々は山に置き忘れてきた。その宝を今こそ大切に活用しなければならない。 [船瀬]の著者は「緑の郷」構想を提唱している。それは全国各地の山村に「愛工房」を設置し、その近隣に木材加工工場、家具工場、建具工場などを併設する。山村が木材の供給地として復活すれば、これらの工場をその近くに建てることが経済的になる。これにより、山村にも仕事が生まれ、過疎地が再生する。

(後略)

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List    投稿者 seibutusi | 2020-05-22 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-05-21

人々が”自然”だと思う食べものの色は、どのように画一化されてきたのか ~消費主義社会における五感の歴史から探る~

化学肥料育ちの一般の市販野菜は、それによって収穫や収量は良いものの、肝心要のミネラルやビタミンなど人体に必要不可欠な栄養素が激減したハリボテ野菜なのです。 リンク

こうして作られた色は、単に自然界に存在する色の再現ということにとどまりません。さらに重要な点は、人工的に作り出された色を人々は「自然な」色だと認識するようになったことです。<(下記本文)

化学肥料や着色料など巷にあふれる人工物質は人々の五感をどう変えてきたのか。 消費主義社会における五感の歴史を見ていきます。

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academistJournal (久野愛 京都大学経済学研究科講師) より。

人々が”自然”だと思う食べものの色は、どのように画一化されてきたのか
    – 消費主義社会における五感の歴史から探る

資本主義社会と五感の歴史学

私たちが普段目にし、耳にする世界はどのように変化してきたのでしょうか。150年前の人々が路上で耳にした音は、自動車やバイクが行き交う現代の音とはまったく違うものでした。19世紀末以降、いわゆる「第二次産業革命」が進むなか、鉄道網の発達や自動車の登場で都市の風景や生活音は大きく変化してきました。また、化学産業の発展によって色や匂いを数値化したり、香りを化学的に生成することが可能となりました。

たとえば香料メーカーがラベンダーやローズなどの香りの化学合成に成功し、化粧品などに用いられるようになったのです。また、デパートの誕生やそこに陳列された多種多様な商品は、消費者の購買行動や嗜好の変化を促しただけではありません。19世紀末以降、ソースティン・ヴェブレンやヴァルター・ベンヤミン、テオドール・アドルノら批評家・研究者らが、視覚や聴覚への影響を含め消費活動の心理的・身体的変化に注目したように、新しい技術や商品、販売手法は、人々の五感の感じ方や感覚を通した周辺環境の認知の仕方にも多大な影響を与えるようになったのです。

植物の香りの化学生成を始め、近年では「フレッシュエア」の芳香剤や「森の音」のBGMなど、人工的に作り出された「自然」が日常生活に溢れています。これにより、何を「自然な」ものと認識するかが大きく変化してきました。つまり、資本主義経済の発展は、技術革新や大量生産・大量消費を特徴とする消費主義経済の拡大とともに、人々の五感に大きな変化をもたらした ともいえるのです。

五感の歴史性と文化性

このような五感の歴史性や文化性に注目した文化人類学者や歴史学者らを中心に、1990年代ごろから「感覚史(history of the senses)」という研究分野が注目を集めています。これらの研究は、五感の感じ方は個人の生物学的現象にとどまらず、社会的・文化的要因によっても規定されることを明らかにしてきました。

私の研究では、経営史・文化史・感覚史研究の手法を補完的に用いながら、消費主義社会拡大における五感の役割や重要性を解明することを目指しています。近著『Visualizing Taste』では、食品の色の歴史的変化に着目し、色が食品の生産・マーケティングで果たす役割や、消費者の食に対する認識の変化を、1870年代から1980年代までの米国に焦点を当てて分析 しています。

食品産業における色の研究は、これまで広告やパッケージデザインの分野で主に論じられてきました。しかし、果物の皮や身など食品そのものの色は、差異・多様性・奇抜性を目的とする広告やパッケージとは異なる意味・価値を持っています。つまり、食品にはトマトの赤やバナナの黄色など「あるべき色」、人々が「自然」だと思う色があらかじめ決まっているのです。

私の研究では、食品企業の生産・マーケティング戦略、政府の食品規制、「自然な」色の再現を可能とする技術的発展、消費者の文化的価値観の変化のなかで、食べものの色が物理的にいかに作り出されてきたのか、また、なぜ・どのように人々がある色を「自然な(あるべき)」色だと認識するようになったのかを明らかにしています。

食品の色の画一化

色の市場的価値がアメリカの食品生産者らに明確に理解されるようになったのは、20世紀転換期です。化学物質を生成して作られた合成着色料が広く食品(特に加工食品)に用いられるようになった1870年代以降、食品会社は、より安価かつ容易に、規格化・標準化された食品の色を再現できるようになりました。

これまで使用していた植物由来の天然着色料は、合成材料に比べ高価で、また褪色・変色しやすいため食品の色・見た目を長期間保つことが困難でした。この時期のアメリカ食品産業は、工業化・機械化の進展により大量生産体制が急速に進み、また缶詰など新しい加工食品の生産が急増します。拡大を続ける国内食品市場に向けて、安価で大量に標準化された食品を生産するため、合成着色料は不可欠な生産材料として用いられるようになった のです。

合成着色料の使用増加に伴い、連邦政府はこれまで市場に氾濫していた有害な食品・材料の取り締まりに乗り出し、1906年、連邦食品・薬品法を制定しました。同法は、有害な着色料の使用を禁止することで、有害物質の使用規制に一定の効果をあげたと同時に、7種類の合成着色料を「認可着色料」と指定し使用を公的に承認しました。

特定の着色料に対してその安全性に政府がお墨付きを与えたことで、食品企業による認可着色料の使用は急増し、人工的に着色された食品がアメリカの食卓に一層上るようになりました。つまり、食品・薬品法は、連邦初の食品規制法であるとともに、人工的な食品の着色が不可欠かつ正当な食品生産過程であることを認め、人工着色を推進することとなったのです。

合成着色料にいち早く着目したのが、酪農産業、特にバター生産者でした。バターは、牛の餌や生育環境によって、1年のうち春から夏にかけては明るい黄色ですが、冬になると白っぽい色になります。1年を通して同じ色のバターを提供するため、ヨーロッパでは少なくとも14世紀からバターの着色が行われていました。これは、バター生産者らが夏場の黄色こそがバターの「本当の自然な色」だと考えていたからです。バターの着色は米国でも行われ、1870年代後半になると、着色料メーカーは、バターの着色のためだけに「バターカラー」という着色料商品を販売し大規模な着色が始まりました。

近年の動向:「自然」と「人工」の境界

近年、食の安全性やオーガニック食品への関心の高まりにより、米国をはじめヨーロッパ諸国や日本でも合成着色料やその他化学物質の使用を疑問視する消費者が増加しています。これにより、食品会社のなかには、合成着色料から天然着色料に切り替える企業も増えています。こうした動きは米国ではすでに1960年代ごろからありましたが、世界的に天然着色料の使用が増加したのは2000年代に入ってからで、2010年前後を境に天然着色料の使用量が合成着色料を上回っています。

また、着色料のほか、動物の餌に色素を混ぜて「自然な(美味しそうな)」色を作る方法も開発されています。たとえば、鶏に海藻やマリーゴールドなどを食べさせることで黄色味のかかった肉や皮、卵の黄身をより美味しそうな色にしたり、養殖の鮭の餌に赤い色素を混ぜて「サーモンピンク」の身を作り出したりするなど、加工食品のみならず動物の育成過程においても色が操作されています。

こうして作られた色は、単に自然界に存在する色の再現ということにとどまりません。さらに重要な点は、人工的に作り出された色を人々は「自然な」色だと認識するようになった ことです。色の「自然さ」は、「自然」と「人工」とが複雑に融合したハイブリッドとして作られてきた といえます。

色や五感は、心理学や自然科学分野では長く研究対象とされてきました。今後は、こうした異分野との研究も取り入れながら、より学際的な研究に取り組みたいと考えています。

(以上)

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List    投稿者 seibutusi | 2020-05-21 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-05-15

自然の摂理(右脳:先祖脳)を封印し観念(左脳:自分脳)のみを使う様になった

 

生物史から観ると 生物は「共に助け合う」という共存のシステムの中で進化してきた事実がある。

又人は最先端の機能の脳についても安定(右脳:DNAに刻まれた情報)と変異(左脳:現実の情報)を両立させ、観念機能を獲得して進化してきた。

しかし観念機能を獲得した人類は、「農耕に伴う技術進化そして自然の摂理から外れた化学産業群創出」し、それと同時に自然の摂理(右脳:先祖脳)を封印し観念(左脳:自分脳)のみを使う様になった。

 右脳と左脳 (http://www.seibutsushi.net/blog/2020/02/5349.html/trackback)

その結果、現実逃避した宗教(観念)は、正義の名のもとに何百万人もの人を殺し、略奪を働き、戦争を起こして来た。そして数十年前は共産主義(観念上の産物)の下でスターリン、毛沢東、ポルポトが何千万人の人を殺して来た。

そして現在、人工物質(肉体破壊・精神破壊←化学物質/生物兵器/電磁兵器)で人類滅亡の危機に瀕している。

今回は、 生命の扉「人はどこに行くのか」https://mugen3.com/seimei9.html より転載します

人類の未来を切り開く新しい進化の道は、何よりもまず、地球や生命のことを知る事から始まるのではないでしょうか  

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農耕に伴う技術の発展は人類を繁栄へと導く始まりだった

野生の小麦は、頑丈な殻に覆われていますが、栽培された小麦は殻が薄く、実が2倍も大きくなっています。植物を人間に有利な方向に変える農耕は、いわばバイオテクノロジーの始まりでもあったのです。

当時の人々が持っていた技術も、農耕を始めるのに役立ったと考えています。

石器でできた鎌もそのひとつです。1万年以上前の鎌がヨルダンで発見されました。

動物の骨をつかった柄に、石を巧みに割って作った鋭い刃が取り付けられています。切れ味は金属製のものと変わりません。

植物を栽培するのだけでは、農耕は成り立ちません。収穫から加工まで、様々な技術を持っている事が必要でした。小麦を栽培する農耕は、シリアの村だけでなく、その周辺の地域でも、ほぼ同じ時期に始まっています。

ヨルダン渓谷で発見されたベイダ遺跡もその一つです。この遺跡で、石臼が大量に見つかりました。これは、小麦を粉にひき、パンを焼くために欠かせない道具です。

農耕は自然をコントロールして食料を生産するという、まったく新しい技術でした。 大量の食料が得られる反面、それまでの狩猟採集生活にはない様々な新しい労働も生み出しました。

農耕は、人々の暮らしを大きく変えていったのです。1万年前、ほとんど変化のなかった人口が、農耕が始まると急激に増えはじめ、5千年前には1億に達していました。農耕は人類を繁栄へと導く始まりだったのです。

農業というビック・サイエンスの始まり

素朴な家が建つ小さな村の中で、農業が始まったといわれています。農業は狩猟採集生活に比べて、遥かに安定に食料を確保できる画期的なものでした。

農業というのは、種をまくだけの簡単なものではありません。実は、多くの知識と知恵を生かして、はじめてできる事なのです。 まず、多くの植物の中から気候の激しい変化に耐えられる、小麦という穀物を見つけ出さなければなりませんでした。そして、石臼で粉をひいて、パンを焼くという知恵も必要でした。

また、畑には小麦だけでなく、豆も植えられていました。ヒツジやヤギなどの家畜も飼っていました。この組み合わせも、現代に通用する見事な知恵でした。 小麦を植え続けると、土壌が弱って連作障害が発生します。

そのため、一緒に豆を植え、土壌改良をしたりしました。家畜の糞も利用されました。

農業は、当時の人類が自然や生命に対する知識を総動員して成し遂げた、ビッグなサイエンスだったのです。

農業は、人類が生命や地球の環境に手を加えはじめた最初なのです。この時から、人類はまったく新しい形の進化を始めたのです。人類は飛躍的に増え、複雑な社会が生まれ、さらに新しい知識を生み出していくのです。

農業という新しい進化、古代文明の誕生

シリア北部にあるエブラ宮殿。およそ5千年前に造られた古代都市です。人口は20万人を超え、周辺から多くの農産物が集まる取り引きの中心地でした。最古の図書館というべきエブラ王の書庫からは、くさび型文字で刻まれた粘土版が、1万5千枚も発見されました。 大半は税の支払いや土地の所有権、農作物の取り引きなど、経済に関する文書でした。小麦で支払った給与の明細表も見つかっています。これらの文書は、農耕が富を生み、複雑な社会を作り上げていったことを見事に示しています。 エブラ王の富と権力を象徴する金の装飾品、これらの装飾品からは、きらびやかな文化の芽生えが感じられます。農業は、これまでの生命がたどった進化の道とは違う、まったく新しい進化を人類にもたらしました。チグリス・ユーフラテス川沿岸、そしてエジプトやインダス川流域でも、小麦を中心とした農耕が文明を生みました。さらに、中国でもイネを生産する独自の農耕技術が生まれ、古代の文明へと発展していきました。 シリア中部には、1千年以上も前に造られた水車が残っています。高さが30Mもある、この巨大な水車は、灌漑用の水を汲み上げる為に、今も使われています。こうした灌漑技術の進歩によって、農耕による食料の生産量は、飛躍的に増えていきました。水車を動かす巧みな知恵は、現在につながる、さまざまな技術を生み出す元にもなりました。

自然の法則から外れた産業革命

確かに、18世紀後半から始まった産業革命も、始めは水力を応用した技術が中心でした。そして、蒸気機関などの発明などにより、さらに飛躍的に大きな力が利用できるようになりました。やがて人類は、石炭や石油など、地球資源から膨大なエネルギーを採り出し始めました。農耕によって得られる豊かな食料だけでなく、エネルギーをも自由に使うことによって、現在に至る文明を築いてきたのです。それは自然に手を加え自然をコントロールしてきた歴史でもありました。 農耕を始めてから増えつづけてきた人口は、産業革命をきっかけにさらに飛躍的に伸び、今では56億人を越えるまでになりました。56億人にも増えてしまった人類は、生命としてみた場合、どんな存在なのでしょうか?アメリカ・デューク大学の動物学者、シュミット・ニールセン博士は、人類は今や生命本来の原則からは、大きくかけ離れた存在になってしまったと博士は言います。シュミット・ニールセン博士:人間は、普通の生き物が受けている、食べたり食べられたりする、自然淘汰の原則から、完全にはずれた存在なのです。人間は、自然の法則からはずれ、進化の原則からもはずれた存在なのです。

(中略)

地球や生命の事を知る大切さ

農業を始めた1万年前、人類はまったく新しい進化の道を歩み、今の繁栄を導くことになりました。しかしそのことが今、人類が直面するさまざまな問題をもたらすことになったのです。人類は21世紀には100億人を越えるといわれています。もはや、このままの勢いで増え続けていくことはできないのです。私たちには、さらに新しい進化が求められているのかもしれません。 農業を始めて以来、私たち人類は、地球環境や他の生命に手を加え、コントロールしようとしてきました。しかし、私たちは、その地球や生命について、ほとんど何も知らないことに気付いたのです。宇宙に出るようになった今、初めて地球と生命が織り成すシステムが、いかに複雑かということに気がついたのです。 40億年の生命の歴史の上に、今の私たちがあります。人類の未来を切り開く新しい進化の道は、何よりもまず、地球や生命のことを知る事から始まるのではないでしょうか。1万年前、農耕を始めたことで、大きな飛躍を成し遂げた私たち人類は、さらなる飛躍への道を探し出せるのでしょうか?その道を見い出すために、私たちは、これまでとは違うまったく新しい知恵を、生み出さなければならないのです。

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List    投稿者 seibutusi | 2020-05-15 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
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