【番外編】ケラチノサイトは五感を超えた感覚器官である。
人間や哺乳類、生物等の五感(視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚)と言われる感覚器は、進化の歴史を辿ると全て「皮膚」から発達してきました。
初期の多細胞生物はクラゲのような動物だったと言われており、彼らは「皮膚」で海水の温度や流れ、PH値を感知するシステムまで持っています。
その後の進化で生物は、皮膚表面を外圧状況に応じて、鱗(魚類・両生類・爬虫類等)や、羽毛、体毛(哺乳類や鳥類)で覆うように進化していきました。
感覚器は皮膚だけでなく、一部の感覚に特化する形で眼(視覚)や鼻(嗅覚)や舌(味覚)に集約されていきました。
そして皮膚の中でも注目すべき点は、皮膚の表層にある「表皮」です。
表皮は「ケラチノサイト」と呼ばれる細胞でできています。
このケラチノサイトが様々な環境からの刺激を感知する機能を持っていることが分かってきたのです。
(ケラチノサイトは、表皮の深い部分で生まれ、免疫細胞と共に、表面に向かって進み、やがて死に角質・垢を創る細胞。)
例えば、電磁波である光、色、電気、磁気、音、温度、大気圧、酸素濃度、その他物理的な現象全てを感知する能力を持っていること。
加えて、嗅覚、味覚に関係する様々な分子を識別する能力を持つことも明らかになってきました。
つまり表皮は、五感全てと、眼や耳で感知できない紫外線、超音波、磁場などまで感知できる驚くべき感覚器官と言えるのではないでしょうか?
さらにケラチノサイトには、大脳の情報処理の基礎となる情報伝達物質と、それらによって作動される受容体も存在し、機能していることも分かってきました。
体毛をなくした120万年前と同じタイミングに、人類の脳の容量が大きくなり始めたと言われています。
全身のケラチノサイトの数は1000億にも達しており、その全てから多くの情報が送られてくるとするならば、莫大な情報を処理するために脳が大きくなるのも理解できますね♪
ケラチノサイトは、五感を超える驚くべき感覚器官であると言えそうです!
今回は以上です。
参考:https://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=376689
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