【番外編】現代人の月経の数は異常なくらい多い!?
現代の女性たちの生理は、毎月腹痛や頭痛に苦しみ、ひどい人では立ち上がることすらできないくらいです。
それゆえ、痛み止めなど薬に頼っている人も少なくありません。
そして、現代人の生理の頻度は人類史上最大の多さだと言われています。
昔の女性は50回程度であったのに対し、現代の女性は約450回!
約10倍になっているというデータもあるようです!
なぜ生理がこれほど多くなっているのでしょうか?
女性は生まれたときに、卵巣には赤ちゃんをつくるのに必要な「卵胞のもと」(原子卵胞)約200万個あります。思春期になると、女性ホルモンのはたらきにより一定のサイクルで、赤ちゃんをつくるのに必要な成熟した「卵胞」が、1つずつ排出されるようになります。これが「排卵」です。
排卵がおこると、赤ちゃんを育てる部屋にあたる「子宮」の内側にある「子宮内膜」が1cmほどまでフカフカに膨み、受精卵を受け止める準備を始めます。
妊娠がおこらない場合、この内膜はこわされ、血液といっしょにはがれ落ちます。これが「生理」です。つまり「きちんと生理があること」は、カラダが赤ちゃんできたてのベッドでお迎えする準備ができている状態です。
生理回数が多い要因は?
初経の若年化
まず一つに、初経の若年化があります。
昔に比べて栄養状態が格段に向上し、子どもをつくれる身体に準備が整うことが早くなっていると考えられます。
そのため、昔に比べて生理の数が増加しているようです。
出産数の減少
妊娠中や授乳期間中は、排出されるホルモンによって生理は止まります。
昔は兄弟姉妹が10人を超えることも少なくなかったことから、子どもを産まない期間が短かったことが考えられます。(≒月経が止まる)

画像はこちらよりお借りしました。
近年晩婚化が進み、合計特殊出生率(女性が一生に子どもを産む数)が戦後は4.0、対して現代では1.3程度と数値を見ても明らかに少産少子化が進んでいます。
母乳から粉ミルクへ
授乳期間中も母乳分泌を促進する「プロラクチン」というホルモンによって、排卵も生理も止まると言われていますが、母乳ではなく、粉ミルクを赤ちゃんにあげることで、出産後の生理開始が早くなっているようです。
以上が生理回数の異常な多さの要因になっていると考えられます。
そもそも、本能には何年も子どもを産まないという状態はセットされていません。
(魚や哺乳類等、産卵期や繁殖期になれば子どもを産み、子孫を残していく。これらの本能は働き続ける。)
本来の生殖のあり方はどのようなものなのでしょうか?
そして生理は、月の周期と同じであることや月経とよばれることからも月が関係していそうですが、それは本当なのでしょうか?
次回以降は、魚類や両生類、爬虫類に遡って生殖を見ていきたいと思います。今回は以上です。
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