2020-07-20

植物の成長戦略(自給自足)

生物史を通して、植物は自然共生や自然循環社会(大気・動植物・土壌・微生物・水)の中心的存在である事が解かります。

前回、微生物を介して、「ヒトの腸と木の根は基本的に同じ構造」と投稿しましたが、 植物は、動物の様に動かず、一定の場所に千年以上、環境の変化に適応しながら成長して行きます。

植物の基本戦略は、「自給自足≒高度な体内栄養リサイクルシステム」の様です。

又『佐野千遥氏によると「体内の有機物質の炭素原子を基に別の炭素原子と酸素原子を創出し二酸化炭素を作る→土中から吸い上げた水と自ら創出した二酸化炭素と光合成を行い、余った酸素を放出」との仮説があります』

>植物は、根の周辺にある限られた栄養素を有効利用するため、一度吸収した栄養素を何度も再利用しながら成長していきます。

>特に、葉の細胞で光合成を行う「葉緑体[3]」には大量の栄養素が投資されるため、植物は時に葉緑体を積極的に取り壊すことでその栄養成分を回収し、より若い組織や次世代となる種子を作るために再利用します。

参考記事を投稿します

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二大分解系が独立に支える植物の成長戦略 リンク

-葉緑体分解をめぐる一つの議論に決着-

理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター分子生命制御研究チームの泉正範研究員、萩原伸也チームリーダー、東北大学の日出間純准教授、オックスフォード大学のポール・ジャービス教授、アリゾナ大学のジェシー・ウッドソン准教授らの国際共同研究グループは、主要な細胞内分解システムの「オートファジー[1]」と「ユビキチン・プロテアソーム系[2]」が植物では独立に働き、生体内の新陳代謝を支えていることを発見しました。

本研究成果は、植物が持つ高度な体内栄養リサイクルシステムの一端を解明するものであり、少ない肥料で環境負荷を低減しながらも、十分な収量・品質を維持できる農作物の設計に役立つと期待できます。

オートファジーとユビキチン・プロテアソームは、動植物問わず広範な生物が持つ細胞内成分の分解システムです。

ある時は独立して、ある時は直接情報交換することにより、細胞内の老廃物分解と栄養リサイクルを担うことが多くの生物で報告されています。

今回、国際共同研究グループは、国際的議論の一つとなっていた植物の葉における二大分解系の関係について明確な結論を得るために、モデル植物のシロイヌナズナを用いて遺伝子欠損株や変異株を作出し、成長やストレス耐性を評価しました。

その結果、二大分解系は独立に働くことで植物の栄養代謝を支えており、両者が同時に破綻すると活性酸素が過剰に蓄積し、葉が早期に枯れ、種子形成にまで異常が生じることを明らかにしました。

背景】

植物は、根の周辺にある限られた栄養素を有効利用するため、一度吸収した栄養素を何度も再利用しながら成長していきます。

特に、葉の細胞で光合成を行う「葉緑体[3]」には大量の栄養素が投資されるため、植物は時に葉緑体を積極的に取り壊すことでその栄養成分を回収し、より若い組織や次世代となる種子を作るために再利用します。

このような細胞内成分の分解は、老廃物が蓄積し、過剰に老化が進むことを防ぐためにも重要です。

「オートファジー」は植物に限らず、真核生物における細胞内成分の分解を担う主経路です。

泉正範研究員らはこれまでの研究で、オートファジーが葉緑体の分解を担うことを明らかにしてきました注1-2)

オートファジーのほか、もう一つの主要な細胞内成分の分解系として「ユビキチン・プロテアソーム系」があります。

ユビキチン・プロテアソーム系は「ユビキチン」という小さな目印をつけた成分を選び取って分解する仕組みで、近年、この分解系も葉緑体分解に関わることが明らかにされました注3-4)

これらの二大分解系は、独立して働くこともあれば、ユビキチン化された成分がオートファジーで壊されるというように直接情報交換をして働くこともあります。

しかし、葉緑体の分解においては二つの分解系がどのように作用し合っているのかは不明で、一つの国際的な議論となっていました。

研究手法と成果】

・・・

近年に報告された葉緑体のユビキチン化の仕組み注3-4)がなくとも、オートファジーによる葉緑体分解が正常に進むことが明らかになりました。生化学的なタンパク質解析も同様の結果を示しました。

・・・・・

葉緑体のユビキチン化はオートファジーの活性化に必要ないこと、つまり二つの分解系が独立に働いていることを実験的に証明しました。

以上の成果により、二大分解系が独立して働くことで成長を支える植物の生存戦略の一端が明らかとなりました。

複数の分解系が互いに補い合って働くことで、植物の成長を効果的に支えているものと考えられます。

今後の期待 本研究は、植物科学の議論の一つに結論を出すとともに、植物が複数の分解システムを組み合わせることにより体内での高度な栄養リサイクルを実現させていることを示すものです。

今後、その詳しい仕組みに踏み込んでいく必要がありますが、そのような研究が進展することで、植物の体内栄養リサイクルを人為的に効率化する技術が開発されると考えられます。

そのような技術は、少ない肥料で環境負荷を低減しながらも、十分な収量・品質を維持できる農作物の設計に貢献すると期待できます。

【補足説明】

  • 1.オートファジー植物、動物、酵母など、真核生物に広く保存されるタンパク質などの細胞内成分の分解システム。細胞質の一部や細胞内小器官(オルガネラ)を二重膜小胞で取り囲み、細胞内で高い分解活性を持つ酸性の小器官の液胞(あるいはリソソーム)に運ぶことで、分解・消化する仕組み。タンパク質や脂質をアミノ酸や脂肪酸にまで分解することで、それらを新しいタンパク質の合成や若い器官の形成に再利用できる。オートファジーの仕組みの解明によって、大隅良典博士が2016年のノーベル生理学医学賞を受賞した。
  • 2.ユビキチン・プロテアソーム系真核生物に進化的に保存されるタンパク質の分解システム。ユビキチン活性化酵素E1、ユビキチン結合酵素E2、ユビキチン転移酵素E3が働くことで、標的タンパク質に小さなタンパク質タグであるユビキチンを付加する。あるタイプの鎖状のユビキチン化が起きたタンパク質は、細胞質のタンパク質分解装置であるプロテアソームにより分解される。さまざまなE3が存在し、それらが特異的なユビキチン化標的を持つことで、非常に高精度な選択的タンパク質分解が可能であるとされている。また、特に哺乳類細胞において、ユビキチン化を受けた細胞内小器官がプロテアソームではなく、オートファジーの分解対象となる現象が報告されている。ユビキチン化システムの発見は、2004年のノーベル化学賞の受賞対象となった。
  • 3.葉緑体植物の葉の細胞で光合成を担っている細胞内小器官(オルガネラ)。光を集めるための色素(葉緑素)、二酸化炭素をキャッチするためのタンパク質群を持ち、太陽光エネルギーを利用し、大気中の二酸化炭素を炭水化物に変換する光合成反応を行う。その反応を支えるため、大量の栄養素が投資される。窒素は植物が最も多く必要とする栄養素だが、イネ、コムギ、モデル植物シロイヌナズナといったC3植物群では、葉の全窒素の7割以上が葉緑体に投資される。
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List    投稿者 seibutusi | 2020-07-20 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-07-16

サトウキビ搾りかすの化学分解により抗ウイルス物質を生産

緑茶以外にも、ウコン(ターメリック)、きのこ、たまねぎ、大豆、コメなどから、ニンニク、ブドウ、生姜など、一般的に体に良いと言われているものが多く、これらは、抗ウイルス作用も保持している食べ物のようです。リンク

緑茶を始め多くの植物(食用植物)には、抗ウイルス作用があるようです。

このような「植物の力」を活用した病原性ウイルス対策 の研究が進められています。

今回は、サトウキビ搾りかすから抗ウイルス物質を生産する方法 を開発した研究を紹介します。

京都大学の研究成果 より。

サトウキビ搾りかすの化学分解により抗ウイルス物質を生産
  ―ウイルスの感染対策やバイオマス利用に貢献―
京都大学生存圏研究所 木村智洋 博⼠課程学生(大学院農学研究科)と渡辺隆司 同教授は、京都大学ウイルス・再生医科学研究所 藤田尚志 教授らと共同で、化学反応によりサトウキビの搾りかす(バガス)から抗ウイルス物質を生産することに、はじめて成功しました。

~中略~

1.背景

地球温暖化および人やモノの移動のグローバル化により、病原性ウイルスの蔓延が非常に深刻化しています。現在は新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっており、病原性ウイルスのパンデミックが人類の生存を脅かす事態となっています。これまでに、2018 年の豚熱ウイルス、2010 年の⼝蹄疫ウイルス、2005 年の高病原性鳥インフルエンザウイルス、2002 年の SARS コロナウイルスなど、人や家畜に対する病原性ウイルスへの感染症対策が喫緊の課題となっています。

植物細胞壁成分であるリグノセルロースそのものは生理活性を持たないために、リグノセルロースを生理活性物質へと変換する研究例は非常に限られています。これまでに、化学反応のスクリーニングによりリグノセルロースから抗ウイルス物質を生産する方法を見出した報告例は無く、これが達成できれば、バイオマス利用の促進とウイルス感染症対策に同時に寄与する新技術となります。

また、植物バイオマスを石油に代わって利用する研究が現在盛んに⾏われていますが、普及にはバイオ燃料などの安価な生産物のみでなく高付加価値物を生産することが鍵となっています。植物バイオマスからの抗ウイルス物質の生産は、石油に依存した現代社会を植物バイオマスに根ざした持続可能な社会に転換する大きな原動力となると期待されます。

2.研究手法・成果

本研究では、製糖過程で排出されるサトウキビの搾りかす(バガス)を、酸またはアルカリを含む水溶液または水と有機溶媒の混合溶液と混合して、マイクロ波加熱を用いた化学反応を行い、分解物を抽出分画しました。そして、それぞれの画分の脳心筋炎ウイルス(EMCV)に対する増殖抑制活性を測定し、抗ウイルス物質の生産に適した反応系の探索を行いました。

その結果、バイオディーゼルの副産物でもあるグリセロールの酸性水溶液中の分解反応により、抗ウイルス活性が強く、かつ試験した条件では細胞毒性が検出されない物質の取得に成功しました。生産したこの抗ウイルス物質の構造解析により、リグニンが構造変換されることで抗ウイルス活性が発現することが明らかとなりました。この構造変換を受けたリグニンは、分子量が 2,000 程度と人や動物の細胞内に侵入するには分子サイズが大きいため、細胞毒性が極めて低いと思われます。また、このリグニンはウイルスと直接接触して作用することにより、抗ウイルス活性を発現します。

3.波及効果、今後の予定

植物細胞壁成分であるリグノセルロースから、化学反応のスクリーニングにより細胞毒性が非常に低い抗ウイルス物質を生産した報告例はありません。大量に存在する農産廃棄物などから安全で安価な抗ウイルス剤が生産されれば、抗ウイルス剤を動物畜舎などに散布することによりウイルスの蔓延を抑⽌することが可能となります。これは、家畜のウイルス感染症の防御になるのみではありません。

人の命を奪う多くの病原性ウイルスは、動物-動物、動物-人、人-人感染を通して広がるため、発生段階での動物間のウイルス感染を抑制することは、人の感染性ウイルス対策にとっても重要となります。現在、EMCV 以外のウイルスに対する増殖抑制活性の評価および作用機構の解明に取り組んでおり、⼀層大きな枠組みによる共同研究により実用化を目指しています。

~中略~

<用語解説>

サトウキビバガス :
製糖過程で排出されるサトウキビの搾りかす。最も大量に存在するリグノセルロース系農産廃棄物のひとつである。

リグノセルロース :
木材や草本など植物の細胞壁を構成するバイオマス。多糖類であるセルロース、ヘミセルロースと芳香族高分子であるリグニンからなる。

リグニン :
セルロースに次いで最も豊富に存在する有機資源。芳香族化成品の原料をはじめ、様々な利用用途の開発研究が⾏われているが、現在の利用の大半が燃焼利用に留まっている。

脳心筋炎ウイルス(EMCV) :
ピコルナウイルス科に属する。エンベロープを持たない RNA ウイルス。幅広い動物種に感染し、脳炎や心筋炎をはじめ様々な症状を引き起こす。現在、ピコルナウイルスに対して特異的に作用する医薬品は存在しない。

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  図1 地球温暖化抑制とウイルスの感染抑制に寄与するサトウキビの搾りかすからの抗ウイルス剤の生産
砂糖製造工程の副産物であるサトウキビ搾りかすから、高付加価値な生理活性物質を生産することにより植物の栽培を促進し、地球温暖化抑制に貢献。併せて、動物から始まるウイルス感染の連鎖抑制にも寄与すると期待される。

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 図2 サトウキビの搾りかすをマイクロ波反応で分解し、ウイルスと直接作用して増殖を抑制する物質を生産
植物細胞壁を固める成分リグニンの構造を化学反応により変化させることにより、抗ウイルス活性を賦与できることを発見。

(以上)

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List    投稿者 seibutusi | 2020-07-16 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-07-10

【実現塾】生命の起源と原理 1~生命の誕生

現在の生物の定義の主流は

(1)外界と膜で仕切られている。

(2)代謝(物質やエネルギーの流れ)を行う。

(3)自分の複製を作る。

とされている。そのため、膜が無く、自力で代謝も複製も行わない『とされる』ウィルスは生物ではないと定義される。しかし、宿主細胞を利用するにしても、その後は明らかに生物と同じような振る舞いをする。

そして、現在では、自力でタンパク質を合成する巨大ウィルスも発見されている。それらの新しい事実からすると、ウィルスは、細胞質を極限まで落とし、代謝を最小に抑えた、休眠状態の生物とみるほうが自然である。

そうすると、現在の生物の定義は明らかにおかしい。それでは、より深淵な生命の誕生から現在の生物までの繋がりも説明できないし、そもそも生命とは何であり、どのような原理で統合さているのか?や、人類まで繋がる共通の原理は何か?など、私たちの存在の意味を考える糸口すら見つけられない。

よってここには、生命や生物に対する、大きな認識のパラダイム転換が必要になる。それは、

 実編論

第一部:前  史

可能性への収束=統合

 生きとし生けるものは、全て外圧(外部世界)に対する適応態として存在している。例えば本能も、その様な外圧適応態として形成され、積み重ねられてきたものである。また全ての存在は、本能をはじめ無数の構成要素を持っているが、それら全ては外部世界に適応しようとして先端可能性へと収束する、その可能性への収束によって統合されている。また、外部世界が変化して適応できなくなってくると、新たな可能性(DNA塩基の組み換えの可能性)へと収束し、新たな可能性(例えば、新たな配列)の実現によって進化してゆく。従って、歴史的に形成されてきた存在は(=進化を重ねてきた存在は)、生物集団であれ人間集団であれ、全て始原実現体の上に次々と新実現体が積み重ねられた、進化積層体(or 塗り重ね構造体)である。つまり万物は、それ以前に実現された無数の実現体によって構成されており、それらを状況に応じたその時々の可能性への収束によって統合している、多面的な外圧適応態である。 

である。生命とは外圧適応体であり、外部世界に適応しようとして先端可能性へと収束する。そして、その可能性への収束によって統合されている。つまり『可能性への収束=統合』という根底的な原理で貫かれている。 

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List    投稿者 sinsin | 2020-07-10 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-07-09

がれきから土木/建築材料へ、植物がコンクリートを蘇らせる

生物史を通して、植物(森林)は地域ごとの自然共生や自然循環社会の中心的存在であった。リンク

日本国内で年間に発生する約3500万トンのコンクリートがれきと約800万トンの廃木材を上手く循環利用する方法はないか。
今回は、植物の力を利用して建設廃材(コンクリートがれきと木材)の循環利用を実現した研究 を紹介します。

東京大学生産技術研究所プレスリリース (2020年02月06日)より。

がれきから土木/建築材料へ、植物がコンクリートを蘇らせる
 ~セメント不要、副産物なしの循環利用を実現~

○発表のポイント:

コンクリートがれきと廃木材を粉砕して混合して、加熱しつつ圧縮成形する ことで、それぞれが融合した新たな土木/建築材料 を開発 しました。

廃木材以外にも、野菜や落ち葉などさまざまな植物性資源でコンクリートがれきを接着できました再生過程で新たなセメントは不要な上、副産物も発生しません。

大量に発生するコンクリートがれきおよび廃木材の有効活用と循環利用が期待できます。さらに、生産の際にCO2を発生するセメントを使用しないため、温室効果ガスの排出抑制効果も期待されます。

○発表の概要:

東京大学 生産技術研究所の酒井 雄也 講師、株式会社バイオアパタイト 中村 弘一代表取締役社長、大野建設株式会社 大野 治雄 代表取締役社長らは、コンクリートがれきと廃木材を粉砕して混合し、ホットプレス(加熱しつつ圧縮成形)することで、コンクリートと木材が融合した新たな土木/建築材料として、コンクリートがれきをリサイクルすることに成功しました。リサイクルコンクリートは、既存のコンクリートよりも数倍高い十分な曲げ強度を示しました。

コンクリートがれきの再生過程で必要な材料は、コンクリートがれきと廃木材と水だけで、新たなセメントは不要です。また、副産物も発生しません。

リサイクルコンクリート内では、木材の成分の1つであるリグニンがコンクリートがれきを接着しています。リグニンは多くの植物に含まれるため、廃木材の代わりに、野菜や落ち葉、製紙工程で発生する副産物としてのリグニンなどを試したところ、これらでもコンクリートがれきを接着できることが確認されました。リグニンは難分解性ですが、特定の木材腐朽菌によって生分解されることが知られており、リサイクルコンクリートを使うことで処分が容易になり、環境負荷が低下すると期待されます。

~中略~

○発表内容:

<研究の背景>

一般的なコンクリートはセメント、砂、砂利に水を加えて製造されます(図1)。新たなコンクリートを作るには新しいセメントが必要ですが、セメントの製造では多くのCO2が発生し、その量は全産業の5%に達しています。

一方で、毎年約3500万トンと大量に発生するコンクリートがれきの使い方が問題になっており、リサイクル技術の開発が進められてきました。現状でも、コンクリートがれきのリサイクル率は98%と高いですが、そのうちの約9割は路盤材料として、道路建設の際に舗装の下に埋められているだけであり、循環を理想とするリサイクルを達成できてはいません。

加えて、近年の建設需要の低迷により、コンクリートがれきを今後も路盤材料として吸収し続けることは困難と見られています。残りの1割のコンクリートがれきからは、砂や砂利が取り出され新しいコンクリートの製造に再利用されています。しかし、取り出した砂や砂利の表面に付着物があると、これを用いて製造したコンクリートの性能が低下するため、付着物の除去が必要となりますが、その工程には多くのエネルギーと手間がかかっています。

以上のような背景から、コンクリートがれきの用途の拡大と、新たにセメントを用いることなく、多くのエネルギーや手間もかけずに質の高いコンクリートを再生できる技術開発が強く求められていました。

一方で廃木材についても、年間で約800万トンを超える量が発生していますが、その多くは最終的に焼却や埋め立て処分され、リサイクルを達成できていません。今後、昭和40年代に作られた建築物の更新や国内の木材資源の活用に伴い、より多くの廃木材が発生すると予想されています。

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 図1 一般的なコンクリートの例(右)と材料(左:セメント、砂と砂利)

<研究の内容>

本研究グループは、コンクリートがれきと廃木材を粉砕し、これらを混合した粉体をホットプレスすることで、新たな土木/建築材料としてコンクリートがれきを再生可能なことを発見しました(図2)。さらに、木材のみでなく、接着の主成分と考えられるリグニンを含む各種野菜や、製紙工程で発生する副産物としてのリグニンを用いても、十分な曲げ強度を示すコンクリートを製造可能であることを確認しました。製造条件によっては、一般的なコンクリートの10倍に達する曲げ強度を示す硬化体を製造することにも成功しています。

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 図2 本技術で製造したリサイクルコンクリート(下段:右に行くほどコンクリートがれきの割合が多い)と材料(上段:廃木材とコンクリートがれき)

<研究の意義と展望>

この技術を活用して、内装材や外壁材、合板の代替など、さまざまな土木/建築材料としてのコンクリートがれきの再生利用を考えています。生分解性を示すと予想できるため、処分も容易であり、環境負荷も低減されると期待されます。

この技術により、コンクリートがれきと廃木材を始めとする植物性資源の有効活用、循環利用が期待できます。さらに、生産の際に大量のCO2を発生するセメントを使用しないため、温室効果ガスの排出抑制効果も期待されます。また本技術の応用として、セメントの代わりに植物で砂や砂利を接着した新たなコンクリートの製造も可能と考えられます。

 

(以上)

 

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List    投稿者 seibutusi | 2020-07-09 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-07-09

自然に接する事で本能の開放を行う

現代日本人の2人に1人は何らかのアレルギー(気管支喘息 アトピー性皮膚炎 アレルギー性鼻炎 花粉症 アレルギー性結膜炎 食物アレルギー)を持つと言われており、そしてコロナ被害も、生物としての本能レベルの劣化(免疫系の誤作動・劣化)と考えられる。特に近代人は、外界状況の大部分をマスコミを通して視覚情報及び文字情報で観念的な捉え方をして、本能レベルからの思考は殆どしてない。

その様な中で、 木質住宅は「触覚感覚:心休まる触り心地、臭気感覚:リラックスできる香り、視覚感覚:暖かい自然な光沢等」で健康(免疫力UP)に良いとのアナウンスが林野庁記事などから発表されている。

そして 人が森林の中で心地よく感じるのは、森林(動植物・微生物・土壌・光・風・水音)からの交じり合った波動と人の波動が共振して一体感が生じた結果では。反対に一体感を得られない場合は、森林から恐怖を感じるのではと考えられる。

これらは、生物の本能に直接働きかけ、本能の活性化を図る手法、あるいは現代人が本能的な危機意識から潜在的に求めている事であると考えられる。

生物の脳回路の仕組みは、前感覚機能(波動の発信・人間の気や予知受・発信機能)触覚回路(空気・物体の外力接触)で味覚回路(甘い辛いの価値判断)臭覚回路(短距離の臭気や濃度を受信)聴覚回路(より遠い周波数情報を受信)視覚機能(遠隔の周波数情報を受信)となっており、前感覚機能そして触覚回路が最も本能に近く、人類の視覚機能は受信機能しか持ってなく、他の感覚と比べ本能と離れている。

又 生物の外部適応の基本は、外部状況を感知し、体内の駆動物質(一般にホルモンと呼ばれている)が意欲(欠乏)を発生させ行動する事です。

今回は、るいネット「脳回路の仕組み1 外識機能と内識機能」を転載します。

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☆外識回路を集約し、反復機能(海馬)と突き合わせて価値判断を下し、駆動司令を発するのが、大脳中枢系(大脳辺縁系)である(その駆動司令の中心が扁桃体・側座核・A10核か)。

☆内識とは、駆動物質の情報であり、駆動物質(の種類と濃度)そのものである。

☆重要なのは駆動物質であり、それを放出するグリア細胞である。

☆駆動物質こそ全ての意欲(欠乏)の発生源である。その意味では全ての意識の根元である。駆動物質は、伝達物質である前に、価値判断付きの駆動力そのものであり、当然その価値判断と駆動力は同種の神経細胞に伝達されるが、そこで伝達されるのは価値判断付きの駆動力そのものである。(従って、ホルモンを情報伝達物質と呼ぶのは大いなる誤ちで、本来、駆動物質と呼ぶべきである。)

☆ニューロンは単に、伝達スピードを上げるために作られた神経細胞で、スピードを上げるために駆動物質は1種類に限定されると共に、そこでは駆動物質はあたかも情報を伝達しているだけの物質であるかのようにしか見えなくなる。

 脳回路の仕組み(外識機能と内識機能)2

0.前感覚機能(松果体?):波動を受信するが、まだ感覚機能は備わってない。昆虫の触角の原機能。イルカetc.の受・発信機能。人類の気や予知の受・発信機能etc.

1.触覚回路:餌や棲家etc.接触対象の+-を判別する必要から(波動機能より進化した)触覚の受信機能を獲得。 空気や物体や濃度や外力etc.接触する外圧を受信し、扁桃体が熱い・寒い、痛い・痒いetc.の価値判断を下し、グリア細胞に様々な駆動司令を出す。

2.味覚回路:触覚機能の一部で、食物の+-判断に特化した受信機能を進化させた。触覚機能と同様に、扁桃体が甘い・辛いetc.の価値判断を下して、グリア細胞に駆動司令を出す。

3.嗅覚回路:非接触対象(近くの対象)の+-を判別する必要から(触覚機能より進化した)嗅覚の受信機能を獲得。比較的距離の近い対象の臭いの種類や濃度を受信する。はじめは受信して駆動するだけだったが、その後、その受信機能を土台にして様々な武器として性情動物質etc.を放出する機能を形成してゆく。

4.聴覚機能:より遠い外圧or対象の+-を判別する必要から、膜によって(0の)波動を増幅して受信する機能を獲得。この機能も、はじめは受信して情報を扁桃体に送るだけだったが、その受信機能を土台にして、主に同類に対して情報を発信することの利点から、その後、発声機能を形成すると共に、同類向けに周波数が限定されてゆく。

5.視覚機能:もっと遠い対象の+-を判別する必要から、もっと高周波の波動を膜によって増幅し、受信する機能を獲得。この機能も受信して情報を扁桃体に送るだけであったが、その後、昆虫や魚などは防衛力を高める必要etc.からDNA変異によって発光or発色機能を獲得した種も多い。しかし、人類は今も受信機能しか持ち合わせていない。但し人類は、その受信機能を土台にして(肉体的には何も発信できないが)、化粧や衣服etc.意識的に全ゆる物に視覚情報を発信している。とりわけ人類は3000年前に文字を発明して聴覚情報を視覚情報に変換させたが、その記録価値・固定価値は、同時に捏造や文字脳(観念脳)による追求力劣化、あるいは観念支配による思考停止etc.重大な弊害を生み出している。

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List    投稿者 seibutusi | 2020-07-09 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-07-04

日本の建材資源と森林文化の持続可能性 ~民族植物学の観点から~

人類は、滅亡の危機意識を本能的に感じ、生き残りをかけ、自然の摂理に則った「日本文明(木の文明)→地域循環共生社会」に向かい始めたのではないかリンク

木材資源の活用について各機関により研究が進められています。

今回は、植物と人間社会の文化の相互関係に着目する「民族植物学」の観点から、木材資源の枯渇のしやすさ(建材資源の利用可能性の脆弱度)についての解明 を進めている事例を紹介します。

琉球大学のプレスリリース (2020年07月03日) 最新の研究成果より。

民族植物学の情報を活用して生物多様性の恩恵を評価:日本の建材資源と森林文化の持続可能性

<発表概要>

背景と研究の視点

生物多様性を保全することの意義を、一般の人たちに理解してもらいたいとき、生物多様性の経済的な価値、つまり、自然資本としての価値を根拠にすることがあります。「様々な生物は資源を供給してくれるから、生物多様性を保全することは人間社会の持続可能性にも貢献する」という説明です(図1)。社会経済的な観点から、科学的データに基づいて「生物多様性の価値」を評価することは、生物多様性保全の重要性を適切に認知してもらうために、とても重要です。このような観点から、本研究チームは、日本の森林の多様性がもたらす恩恵(=生態系サービス)を定量することを着想しました。

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図1 自然資本としての生物多様性の価値

日本は国土の約70%を森林が占める森の国で、北から南にかけての気候の違い、地形の複雑さに対応して、様々な樹木が生育し、北方の針葉樹林や温帯落葉樹林から亜熱帯の常緑樹林まで、多様な植生が分布しています(図2)。そして、“適材適所”という言葉に表されるように、様々な森林で、それぞれの樹木種に見合った用途を発達させ、地域固有の森林文化を育んできました。一方で、森林伐採による木材資源の過度の利用は、森林生態系の劣化を引き起こす脅威になっています。したがって、生物多様性条約やSDGs(持続可能な開発目標)達成の観点からも、生物多様性の保全利用を適切に計画することが、国際的にも急務の課題です。

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図2 わが国に見られる様々なタイプの森林(撮影:久保田研究室)

そこで本研究では、植物と人間社会の文化の相互関係に着目する「民族植物学」の観点から、[裕樹3] 植物の用途情報をデータ化して、日本における有用植物の分布、特に建築材として利用される木材資源の分布に焦点を当てて、生態学的な分析を行いました。すなわち、民族植物学と生態学を統合した学際的研究によって有用樹木の資源的価値を定量し、木材資源の枯渇のしやすさ(建材資源の利用可能性の脆弱度)を解明しようとしました。

内容

日本の森林資源の利用様式を地域ごとに評価するために、民族植物学的な情報、葉と材に関する機能特性情報(植物種の形態的、化学的な性質を表す情報)、植物の地理分布情報を整備しました。民族植物学的情報は、人間が自然界で利用できる植物種についての知識の集大成です。本研究では、日本に分布している樹木1012種の用途(建材、木工品、薬用、食用など)を文献調査し、データベースとして整備しました。

植物の葉や材の機能特性には、その植物の生存戦略や環境耐性が反映されており、生態学的にとても重要な情報です。同時に、それらは人間の資源利用にも関係しています。例えば、樹木の木材の固さや、樹木の大きさ(樹高)は、建材としての有用度合いを左右します。また、葉の窒素濃度や葉の薄さは、樹木の生長速度に関係しているので、建材資源を持続的に供給するための再生産速度の指標になります。

そして、樹木種ごとの機能特性値と民族植物学情報(=どの種が人間にとって利用可能か)を組み合わせることで、図3のように、有用樹木種の機能特性値の広がり(領域)の面積、領域の重心、領域内での種の分布(有用種の充足度合い)を把握できます。

~中略~

図4は、有用樹木種の機能的多様性を、10㎞x10㎞グリッドの解像度で地図化した結果です。建材として利用される樹木種の機能的多様性の全国分布を表しており、 “人間が利用する木材資源のニッチ”が地域によって大きく異なる、ということが分かります。

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図4:木材有用種の機能的多様性(材密度と最大樹高の豊富さ)の地図。

近畿・東海地方などの本州中央部の森林は、木材有用種の機能的多様性が豊かなことがわかる。

~中略~

有用樹木種の機能的多様性(建材利用ニッチ)の劣化の進み方には、地理的な勾配、つまり高緯度と低緯度の地域で違いがあることが分かりました(図5)。どの地域でも、種の損失に伴って、葉の窒素濃度や比葉面積の平均値は増加するという、共通した傾向も見られました。これは、成長速度の速い種の相対優占度が高くなり、建材資源の再生産性の高い森林へ推移していることを示しています。

また、北方の高緯度地域では、種損失が軽微でも、建材の機能的な豊富さや多様化度の劣化が顕著でした。これは、高緯度地域の建材種は、いったん伐採されてしまうと、その代わりになる樹木種が少ないことを示しています。このことは、北方の森林は、有用樹木種を伐採してしまうと森林の資源価値が急速に劣化することを意味し、供給可能な建材の質と森林資源の利用の間に、強いトレードオフ関係があることが示唆されます。

一方、南方の低緯度地域では、種損失割合が小さい時には、有用樹木種の機能的多様性(建材利用ニッチ)の変化は相対的に小さくなっています。南方の森林では樹木の建材としての質が種間でお互いに類似していて、代用できる樹木種が比較的豊富なため、伐採によって種が消失しても機能的多様性の劣化が顕在化しにくいことを示しています。これは、生態学的には「生物多様性の保険効果」と呼ばれています。

しかし、種の損失する割合がとても高くなると、有用樹木種の機能的な豊富さはやがて劣化します。さらに、種損失に伴い、機能特性の多様化度(建材の質としての種間の違い)が増加しています。これは、伐採によって種が損失するにつれて、建材に代用できる樹木種が枯渇して、見かけ上、種間の機能特性値の違いが強調されたからです(色々な建材が利用できるようになった、という意味ではありません)。

これらのことは、種の豊富な南方の森林においても、生物多様性の保険効果が徐々に及ばなくなることを示唆しています。このような、森林伐採に関係した有用樹木種の機能的多様性(建材利用ニッチ)の脆弱性の地理的な傾向は、気候要因でも説明されました。
以上の結果から、気候に関係した樹木種多様性の分布に関係して、日本の建材資源の持続的な利用可能性は地域によって異なること、つまり、北方の針葉樹林や温帯落葉樹林では建材資源が枯渇しやすく、資源利用の脆弱度が高いこと、南方の森林においても、生物多様性の保険効果には限界があり、過度の森林伐採が建材資源の脆弱度を高める可能性があること、が明らかになりました。

歴史的に見た場合、日本の都(首都)は近畿や関東に位置し、膨大な木材資源を利用して社寺・仏閣・城郭・住宅などを造営してきました(図6)。この背景には、首都周辺から辺境地域にかけて様々な森林で、豊富で多様な建材資源を調達できたことがあります。本研究の分析から、多様な建材を確保する上で、建材資源が枯渇しやすい地域(建材樹木種の機能的多様性の脆弱度)を地図上に可視化できました。これにより、それぞれの森林の脆弱性に基づいて建材資源を賢く利用する方法を考えることができます。日本において将来的に、建材資源を持続的に利用する場合、木材資源の脆弱度地図を元にして、地域ごとの森林管理計画を検討できるでしょう。

~以下略~

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List    投稿者 seibutusi | 2020-07-04 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-07-03

ヒトの腸内環境と土壌は、根本的につながっている

生物史を通して、植物(森林)は自然共生や自然循環社会(大気・動植物・土壌・微生物・水)の中心的存在である事が解かります。

此処で、地球の大気の組成:窒素;78% 酸素;21% アルゴン;1% 二酸化炭素;0.03%となっているが、

植物の光合成は、統合作用「二酸化炭素(大気)+光(大気)+水(土壌から)→ 炭水化物(木の組織)+酸素(大気へ)」とするのであるが、単純に見ても二酸化炭素不足になる。

とすると二酸化炭素は何処から取り入れるのか?

土壌中の微生物の活動による? 「光合成の逆反応の発散作用「土壌にある炭水化物や有機物を二酸化炭素(又は酸素他)+水+エネルギーに分解する。」この時、微生物が排出した二酸化炭素他が大気中に放出されたと推察するが・・

『佐野千遥氏によると「体内の有機物質の炭素原子を基に別の炭素原子と酸素原子を創出し二酸化炭素を作る→土中から吸い上げた水と自ら創出した二酸化炭素を光合成を行い、余った酸素を放出」との仮説があります』

要するに、木の根は微生物へ炭水化物を共給し、微生物は分解した栄養素が溶け込んだ水(保水された雨水や化学反応でできた水)を木の根に供給する共有関係があり、植物と微生物は小さなネットワークが築かれていると思える。

今回は、ヒトの体からみた

微生物を介して、「ヒトの腸内環境と土壌は、根本的につながっている」記事を紹介します。

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(前略)

土と内臓』という邦題が示すように、一読して伝わって来るのは、私たちヒトのからだのうちにある腸内環境と、そとの土壌の環境は、根本的につながっているということです。

そして腸とは植物にとっての根っこであり、その根っこに栄養を送るために、微生物の存在は欠かせないのです。

ヒトマイクロバイオームが私たちの免疫機能に欠かせないように、植物の根の内部やまわりに棲む微生物は、植物の防御機構のために欠かせないものだ。人間は植物と同じ生物学的防御戦略に組み込まれている。いずれも特殊化した領域――植物なら根圏、人間なら大腸――に、微生物を呼びよせる栄養を用意する。これらの部位は、微生物が植物や人間と栄養を交感し協力関係を結ぶ市場として機能する。

(中略)

土壌を育むように腸内環境を育てることが、健康維持のためには必要。

 

しかし、本書『土と内臓』を読んで考えさせられるのは、現代の農業においては、微生物の存在が植物の成長のために必要不可欠であるにも関わらず、微生物の働きに気づかず、農薬や化学肥料に頼ることで微生物を追い払うことが当たり前になっている点です。

 

土壌の炭素の量は微生物の数に大きく左右される。植物は炭素を、炭水化物の豊富な滲出液の形で根圏に流し込み、ほとんど尽きることのない食欲を持つ有益微生物に餌を与える。微生物にとっては、まるで誰かが作物を育てて収穫し料理を作って運ぶところまで、すっかりお膳立てをしてくれるようなものだ。それは植物には、いともたやすいことだ。何しろ大気から直接炭素を取り入れて、光合成で炭水化物を一から作れるのだから。地下経済のために紙幣を印刷するようなものだ。

(デイビッド・モンゴメリー+アン・ビクレー『土と内臓 微生物がつくる世界』 片岡夏実 訳 p120)

 

土壌を生物学的システムと考えれば、少数の植物病原菌に「対処」する農芸科学的手法が、現代農業を悩ませている問題の根っこにある理由を把握しやすい。広範囲に効く殺生物剤がよいものも悪いものも一緒に殺してしまうと、真っ先に復活するのは悪者や雑草のようにはびこる種だ。この根本的な欠陥によって、農薬を基盤とした農業は中毒性をもたされている――使えば使うほど必要になるのだ。販売店や中間業者にとって、これは商売としてうまみのあるものだが、客にとっては長い目で見て逆効果だ。そして農業の場合、私たち全員に影響が及ぶのだ。

(『土と内臓 微生物がつくる世界』 p132)

 

平行宇宙のように腸内環境と土壌を重ね合わせてみる見方がこれから大切。

 

ちなみに『土と内臓 微生物がつくる世界』は、デイビッド・モンゴメリー氏の妻であるアン・ビクレー氏の庭造りのエピソードから始まるのですが、最終章の「土壌の健康と人間の健康――おわりにかえて」では、以下のように書かれているのは印象的です。

 

微生物が土壌の健康と人間の健康の両方に果たす、きわめて重要な役割の類似が明らかになった今、私たちの世界を見る目は変わらずにはいられない。足元にある隠された自然の半分を見ることは依然できないが、それが日々庭で目にする生命と美の根本であることを、私たちは知った。そして私たち一人ひとりは数十兆の仲間たちの一員であることを知り、自分自身への見方も変わっている。

(デイビッド・モンゴメリー+アン・ビクレー『土と内臓 微生物がつくる世界』 片岡夏実 訳 p313)

 

堆肥や木材チップやマルチが土壌生物を育てるのと同じように、食べ物は腸の共生生物を育てる。生きている土は地上に影響を及ぼして、庭や畑の健康と回復力を支えるが、人間の内なる土はもう一つの庭、すなわち私たちの身体を支える。有益な微生物を育てれば、それは病原性の微生物を避け、免疫系が自分に牙をむくことなく正しくはたらくようにしてくれる。

(同 p315)

 

ところで近年、100種類100兆個以上の微生物の集まりは、お花畑になぞらえて「腸内フローラ」と呼ばれ、ダイエットや健康維持だけではなく、生活習慣病の予防や、大腸がん、アレルギー、アトピー、うつ、自己免疫疾患などの病気の改善のために脚光を浴びるようになりましたが、私たちの体内の腸を健康にし、様々な現代病を本当の意味で防いでいくためには、平行宇宙のように、腸内環境と土壌を重ね合わせてみるという見方が、これから必要になってくるのかもしれません。

 

人間とは古いつき合いの微生物と協力するということは、長期的な思考によって短期的な行動を左右するということだ――これは理屈では簡単だが、実行は相当厄介なことがある。信念を手放すのは難しい。それが親、広告代理店、社会全体によって強化されたものである場合は特にそうだ。小さいころから私たちは、泥の中で遊んではいけないとか、五秒ルールを守りなさいとか言われている。ほとんど何を買いに行っても、細菌論がわれわれの世界にすっかり浸透していることがすぐにわかる。私たちは、手や身体を抗菌製品で覆い、世界をありとあらゆる消毒剤で清潔にすることを勧められる。抗菌剤はプラスチック製品、靴の裏地、衣類、おもちゃ、テレビのリモコン、キーボード、車のハンドル、何にでも練り込まれている。合理的な衛生管理までやめてしまえというつもりはない。何といってもセンメルワイス医師が大昔に、手洗いの正しさを証明しているのだから。

(デイビッド・モンゴメリー+アン・ビクレー『土と内臓 微生物がつくる世界』 片岡夏実 訳 p319)

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List    投稿者 seibutusi | 2020-07-03 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-06-25

自然の摂理に則った「日本文明(木の文明)→地域循環共生社会」に向う

生物史を通して、植物(森林)は地域ごとの自然共生や自然循環社会の中心的存在であった。

有史以来、西洋は石の文明、日本は木の文明と呼ばれている。

一方、近代社会は、西洋文明の元で「鉄と石油を支配する産業資本」によって制覇されてきた。戦後の市場は化学工業界の送り出す石油化学製品(医薬品、化粧品、合成繊維、肥料、農薬、プラスチック、原子炉)が中枢を担っている。

ところが、十数年前から「低炭素社会・循環型社会・自然共生社会(環境省平成26年白書)」と言われ、コロナ後人々の収束先も「地域循環共生社会」に向かっている。

人類は、滅亡の危機意識を本能的に感じ、生き残りをかけ、自然の摂理に則った「日本文明(木の文明)→地域循環共生社会」に向かい始めたのではないか

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「鉄と石油の文明」から「木の文明」より

我が国は鋼鉄を作るために鉄鉱石を輸入し、各種プラスチック製品を作るために石油を輸入している。CNF(木を材料としたセルロースナノファイバー)の技術革新により、これらの原料輸入を大きく削減できる。エネルギー用途に使う石油輸入も、薪や木片チップなどを用いたバイオマス発電や、小水力発電、潮流発電など、日本の自然を活用したエネルギー利用で減らしていくことができる。 海外の原油や鉄鉱石に依存してきた我が国の産業形態を、林業、製紙産業、高分子化学産業、部素材加工業、自動車・家電・建築産業が垂直に繋がった自国の持続型資源による21世紀型脱炭素産業形態へと大きく変革できる。

かつては、家屋や家具、道具の原材料は木材であった。エネルギーも薪や木炭など、山林から得ていた。近代に入って、原材料もエネルギーも輸入品に代替されてしまったために、経済の中心は臨海部に移り、経済的役割を失った山村は過疎化していった。 CNFの技術革新によって、海外から輸入される石油や鉄鉱石を樹木で代替し、山村を再び我が国の経済構造の中心に引き戻すことができる。それによって、人口も臨海から山村に逆流し、現在の行き過ぎた都市の過密化を変えていくこともできる。森林大国日本は、その「隠された日本の財産」を活用して、新しい「木の文明」を築くことができるのである。

注)CNF(セルロースナノファイバー)で我が国は資源大国に

木のいのちをさらに活用する画期的な技術革新が生まれようとしている。紙や綿花は植物の繊維をとりだして作られるが、同様に、植物繊維の主成分であるセルロースを1ミリの百万分の一のレベルで取り出した材料がCNFである。

CNFは樹木の強さを引き継いで、鋼鉄の1/5の軽さで5倍以上の強度をもつ。自動車のドアなどの車体材料に用いれば、2割程度軽量化できる可能性がある。また歯車や軸受けなども試作されている。建設も、CNFの構造材で骨格を作り、壁や床は愛工房で乾燥させた生きた板材、ガラスはCNFによる透明な代替材料を使えば、森林由来の材料で自然と人間に優しい建物ができる。 CNFは、プラスチックの代替材料としても使える。 森林の2/3を占めるスギやヒノキなどの人工林において木材の蓄積量が毎年7,500万立米増加している。木材1立米の重量を400kgとすると、その半分はCNFなので、人工林で毎年1,500万トンのCNFが蓄積していることになる。それは我が国における年間プラスチック消費量の約1.5倍の量に匹敵する。

つまり、現在国内で消費されているプラスチックはすべてCNFに置き換えることも可能なのだ。その原料となる木材パルプは国産原料であり、100円/kg以下という安価で、大量かつ安定的に入手できる。その分の石油輸入も不要となる。またCNFは従来の紙と同様の廃棄・リサイクルが可能であり、そのための技術や社会インフラがすでに確立している。
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List    投稿者 seibutusi | 2020-06-25 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-06-25

「前向きな気持ちはアレルギーを改善させる」 ~ 脳内ドーパミンの働き ~

実際にはなんの治療効果もないはずの薬を飲んでいるのに、「効き目がある」と思い込むことで、本当に症状が良くなる“プラセボ効果”と呼ばれるこの現象。単に精神的な面だけでなく、「きっとよくなる」と願うことで身体も生理学的な反応を実際に起こし、免疫反応を活性化して有害なストレスホルモンの分泌を抑制します。リンク

ポジティブな精神状態が症状や薬の効果に大きな影響を及ぼすと言いますが、その生物学的なメカニズムはどのようになっているのでしょうか? 今回は、山梨大学の研究から見ていきます。

山梨大学プレスリリースより。

「前向きな気持ちはアレルギーを改善させる」

―脳内ドーパミン報酬系の活性化はアレルギー反応を抑制する―

研究成果のポイント

・花粉症や気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患では、ポジティブな精神状態が、症状や薬の効果に大きな影響を及ぼす可能性が示唆されていましたが、生物学的なメカニズムは不明でした。

・本学の医学部免疫学講座 中尾篤人教授、中嶋正太郎助教(現:福島県立医科大学講師)、医学部神経生理学講座 喜多村和郎教授らは、前向きな感情を脳内で司るドーパミン報酬系の活性化はアレルギー反応を抑えることを、マウスを用いた実験で示しました (欧州アレルギー学会誌に6月20日にオンライン掲載)。

・この結果は、ポジティブな精神状態を生み出す特定の脳内ネットワークがアレルギーを生じる免疫のしくみと密接にリンクしていることを直接的に証明した世界で初めての知見です。アレルギーをもつ患者さんを適切に診療し症状をコントロールするためには、患者さんに前向きな気持ちを保ち続けてもらうことも日常生活の管理や投薬などと同時に大事なことが示唆されました。

■ 研究の背景(「こころの状態とアレルギーの関係は大きな謎」)

花粉症や気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患は、精神的なストレスにより病気が悪化することが知られています。 一方で、アレルギー疾患に対する新規薬剤の臨床試験では、患者さんの前向きな感情が薬効と無関係に効果を高める「プラセボ効果」が強く出てしまい、新薬の評価を判定することが困難なことが多々あります。このように精神的な変化がアレルギーの症状に影響を与えることは経験的かつ疫学的に知られているものの、その背景にある生物学的なメカニズムはほとんど明らかにされていないのが現状です。私達はこのアレルギーにおける大きな謎に迫ろうと考え研究を始めました。

■ 研究の目的(「前向きな感情を司る脳のネットワークはアレルギーに影響を与えるのか?」)

以上のような背景から、特に精神的状態の中でも「プラセボ効果」と関係の深い“前向きな感情”(やる気)を司る脳内の特定部位がアレルギーに与える影響について検討しました。“前向きな感情”は脳内では、ドーパミン報酬系という神経ネットワークが司っています。本研究では、マウスを用いてドーパミン報酬系をいくつかの方法で活性化し、そのアレルギー反応への影響について解析しました。

■ 今回の研究成果(脳内ドーパミン報酬系の活性化がアレルギー反応をおさえる)

マウスの脳内ドーパミン報酬系を3つの異なる方法を用いて活性化し、そのアレルギー反応への影響について解析しました。

1)マウスの脳内報酬系を人為的に直接活性化できるシステムを利用:

DREADDと呼ばれる脳を操作する最新の技術を用いて脳内の中脳腹側被蓋野(VTA)(ドーパミン報酬系の中心となる部位)を人工的に活性化させた後、アレルギー反応のモデルとして皮膚にじんましん反応を惹起しました。VTA    を活性化させたマウスでは対照においたマウスと比べてじんましん様反応の大きさが有意に減少していました
(図1−3)。

2)人口甘味料を自発的に飲ませることでマウスの脳内報酬系を自然に活性化させるシステムを利用:

マウス飼育時に飲水ボトルに人口甘味料であるサッカリンを混ぜておくと“甘み”によってマウスは自然な形で(自発的な行動として)VTAを活性化させます。その後、皮膚にじんましん反応を惹起しました。サッカリンの自由飲水によってVTAを活性化させたマウスでは、対照においた水だけを飲んでいるマウスと比べて、じんましん反応の大きさが有意に減少していました。この方法は1)で取った方法と比べるとより自然な形で脳内報酬系を活性化させた実験です。

3)薬によってマウスの脳内報酬系を活性化させるシステムを利用:

マウスにドーパミン(dopamine)の前駆体(材料)であるL-ドーパ(L-dopa)を注射すると脳内でL−ドーパはドーパミンに変換され、ドーパミン量が増加します。その後、皮膚にじんましん反応を惹起しました。L-ドーパを注射で投与したマウスでは、対照においたマウスと比べて、じんましん反応の大きさが有意に減少していました。 L-ドーパ(L-dopa)は現在、パーキンソン病の治療に使われている薬でもあります。

これらの実験から、脳内ドーパミン報酬系の活性化がアレルギー反応を抑える効果があることが示されました。

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(概念図)

■ 研究の意義

(学術的意義)
本研究によって、前向きな感情を脳内で司るドーパミン報酬系の活性化はアレルギー反応を抑えることがわかりました。この結果は、ポジティブな精神状態を生み出す特定の脳内ネットワークとアレルギーを生じる免疫のしくみが密接に関係していること直接的に証明した世界で初めての知見です。こころとアレルギーの関係を明らかにしていくことは21世紀のアレルギー/医学研究の大きなテーマの1つですが、本研究はその先駆けです。

(臨床的意義)
花粉症や気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患をもつ患者さんの治療は、現在、抗アレルギー剤や抗炎症薬などの投薬が主体ですが、よりきめ細かく適切に診療するには、患者さんに前向きな気持ちを保ち続けてもらうようにコミュニケーションをとることも大事であることが示唆されました。

 

(以上)

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List    投稿者 seibutusi | 2020-06-25 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2020-06-18

新型コロナ感染は静かな第三次大戦か?

コロナ騒動を別な見方をすると、「全世界の大衆の完壁な奴隷化と、適切な人口計画のための大量殺繊処分を目的」とした「静かな第三次大戦(そこで使われるのは、コンピューターや生物的心理的兵器)」の可能性もある。

40年前のカーター大統領の「エイズ・ウィルス開発命令」から続く静かな戦争か

西洋科学は、自然の摂理を捨象して、分子生物学、遺伝子操作、生命工学、そしてマインド・コントロールの領域に突き進んでいる。

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世界医薬産業の犯罪 化学・医学・動物実験コンビナート】より

今日の欧米の(とりわけ、その「最先端」はアメリカだが)動物実験医学の医師たちは、「黒魔術師」以外のなにものでもない。そして彼らの「黒魔術」テクノロジーの本体こそが、動物実験=生体解剖なのではなかろうか。

一説によると、世界人間牧場(大衆を家畜人として飼育する牧場システム)の完成を目指す、世界支配の陰謀組織、フリーメーソンの頂点は、ロスチャイルド家であり、そしてこのロスチャイルドに、世界中の何万人という黒魔術師が直結しているという。

地中海周辺の諸文明は、どういうわけか、悪魔とその魔術(黒魔術)の大群を生み出した。或いは、この土地の自然条件に、問題があるのかも知れない。この地域で、数千年にわたって蓄積されて来た黒魔術(悪魔学)の、今日的発展形態が、クロード・ベルナール創始にかかる動物実験医学である、と見てよいだろうか。
しかし、我々は、「化学(製薬)=医学=動物実験コンビナート」は、もう一歩、踏み込んで考察すると、そこに、「マスコミ」を含めなければならないことに気付く。つまり、

「①化学(製薬)=②医学(教育を含む)=③動物実験=④マスコミ」コンビナート、としなければならないのではないか。

この四ヶ軍団の共同結合体(コンビナート)の威力はまさに天下無敵だ。こうなると、この力に打ち負かされないものはこの地上に存在しない、とさえ思えてくる。この「システム」を、まっさきに確立したのは、二十世紀初頭のアメリカである。アメリカから、イギリスとヨーロッパ大陸へ、そして日本を含む全世界へ、それは輸出されたもののようだ。

(中略)

それでは、この「国際謀略」の奥の院には何者が鎮座しているのだろうか?リューシュは、そこに、アメリカのCFR(外交関係評議会、カウンシル・オン・フォーリン・リレーションズ)を見出した。

しかし、アメリカに於けると同じく、日本でも、その名は、世間には殆ど知られて居ない。にもかかわらず、第一次世界大戦後に、ロックフェラー家によって設立されたこの機関は、事実上のアメリカの陰の政府である。そのメンバー(現在二、三千人程度か)は、ロックフェラー財閥によって指名され、金融界、産業界、マスコミ、教育、学界、宗教界、芸能界、軍首脳、法曹界、議会、など、ようするにアメリカを動かすすべての実権者たちを網羅して居る。過去七十年のアメリカ大統領と行政府高官の、殆どすべてが、CFRの会員から供給されて居る、とされる(アメリカの現大統領、ブッシュ氏も、もちろんCFRのメンバーである)。

(中略)

私はここで、エイズがアメリカ政府の生物兵器として(動物実験によって)開発された、という説を取り上げなければならない。この記事によれば、カーター大統領の命令によって、アメリカの過剰(不要)人口のスムースな殺戮処分のための兵器として、エイズ・ウィルスが動物実験的に開発された、というのだ。そして、その後、この開発に従事した研究者約百人が、続々と変死を遂げて居る、というのだ!この世のものとも思えない悪魔的なひびきを持ったストーリーだが、しかし、本家本元のアメリカで、ロックフェラーら、陰の地下政府のコントロールするマスコミがこれを黙殺すれば、この事件は存在しないことにされてしまう。前出の記事によれば、エイズ・ウィルスの開発にかかわったこの内部告発者自身も、生命の危険に脅えているという。けれども、こんなことぐらいでびっくりしてはならない。

実は、H・G・ウェルズやラッセル(いずれも、二十世紀前半の、イギリスを代表する高名な大作家、大思想家として世間から尊敬されて居る)のようなお歴々が、将来、過剰人口処分(殺戮処分のこと)のために、微生物兵器の製造・使用が必要になろう、と明言しているというのだ。

いや、更に恐るべき超秘密文書が出て来た。「沈黙の兵器――第三次世界大戦へのマニュアル」(一九七九年)、という、五十頁余の機密文書が、アメリカで偶然の機会に発見され、公刊されたのだ。それによると、一九五四年に、某所で、国際エリートの会議が開かれ、そこに於いて、全世界の大衆の完壁な奴隷化と、適切な人口計画のための大量殺繊処分を目的とした、第三次世界大戦の宣戦布告が行なわれた、というのだ。そしてこの第三次大戦は、静かな戦争であり、そこで使われるのは、コンピューターや生物的心理的兵器である、とされるのだ。カーター大統領のエイズ・ウィルス開発命令は、この線上でのみ、合理的に了解出来るのではなかろうか。そして実に、「化学=医学=動物実験=マスコミ=ニセモノの動物実験反対運動」のコンビナートは、秘密の地下世界帝国の第三次世界大戦遂行の不可欠の要素として機能して居るとも考えられるのだ。

(中略)

問題の犯罪シンジケートによる大虐殺は、動物たちに限らない。リューシュが、本書で強調しているように、この犯罪シンジケートは、「合法的大量殺人」の意図を抱いている。つまり、大虐殺の対象には、まさに、人類が含まれているのである。しかし、「合法的」ということばに注意しなければならない。合法的に殺人をなし得るものは、国家権力以外にない。

百七十余の国家群のうち、最大なるもの、超大国は、今や、アメリカ一国である。このアメリカの国家を、或る地下秘密結社がコントロールして居るとすれば、この謀略機関は、アメリカ政府を通じて全世界に一つの権力を打ち立て、この世界帝国に、過剰人口処分の合法的権限を与えようとするのではなかろうか。そして、この処分をスムースに遂行させるテクノロジーの開発を、動物実験的医学に命じるのではなかろうか。沼正三氏の『家畜人ヤプー』というSF小説は、我々の推理を進めるのに、大変、役に立つ。つまり、「システム」にとって、「動物実験」の主流は、今や、分子生物学、遺伝子操作、生命工学、そしてマインド・コントロールの領域に移されて居るのであって、一九八〇年代のエイズ・ウィルスは、この潮流の先駆的兆候の一つに過ぎない、とも考えられるのである。

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List    投稿者 seibutusi | 2020-06-18 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
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