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昆虫のドロドロの正体は何なのか?

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昆虫は現在の地球上で繁栄を極めており、500万種以上の種類があると言われている。

なぜ昆虫はこれほどまでに繁栄し得たのか。その1つの戦略として、完全変態をする昆虫が生まれることになるが、例えば蝶では、卵からイモムシが生まれてきて、それがサナギとなり、サナギから成長した蛾や蝶に姿が変わる。しかし、この変化は並大抵のことではない。
例えば、ある一定の時にサナギを開いてみると、虫の体内はドロドロに溶けたスープ状の状態になっている。一体、どういう仕組みになっているのか。

イモムシは卵から生まれてくる前、すでに大人の体の部位が育ち始めた状態で生まれてくる。その「成虫原基」と呼ばれる、とても小さな細胞の塊は彼らの体中に広がっていて、変態の間にそれぞれの原基が成虫の蝶や蛾のさまざまな体の部位として発達するとされている。

イモムシがサナギになる時、酵素を放出するので、ほとんどの細胞組織を溶かしてしまう。成虫原基と、特定の筋肉と神経システムの部分しか残らない。そして、体の残りはすべてドロドロに溶けてしまう。
このたんぱく質豊富な廃物液は新たな細胞分裂の急増を促進する助けとなり、成虫原基が成虫の羽根,目,そして脚と変化する。
つまり、生存上最低必要な呼吸や一部の神経系を除き、幼虫時代に用いられていた細胞は自死して分解される。それに代えて、成虫時代に必要な器官のもととなる幹細胞が休眠状態から作動し、成虫の身体を作り上げる。このことから、昆虫は幹細胞からもう一度生まれ変わっているとされている。

 

では、ドロドロに溶けるのはなぜなのか?また、その際に「幹細胞」に生まれ変わるのはなぜなのか?これはまだ誰しもが解明していない超難問である。

そもそも、細胞がすべて溶かされ、それがドロドロになる,つまり、DNAやRNA,そして核までもがドロドロに溶けると仮定すると、昆虫そのものの再生は難しいはずである。
ここで一旦の仮説を提示すると、このドロドロの正体は実は「血液」が主成分なのではないか?という点。
例えば、人間。ドロドロ状態になっているものは何か?それは「血液」である。以前、実験の際にウサギの腱の骨髄を切断した経験があるが、その際の血液はまさにドロドロ状態。

血液が主成分という仮説を考えるときに、「千島学説」を考える。千島学説においては、「細胞は赤血球から作られている」と提唱されている。

千島の研究によれば 血液(赤血球)は白血球(リンパ球その他)を経て健康体では体のすべての細胞に分化し、体の組織に変化すると言われている。そもそも既成の医学では、赤血球は骨髄で造られるとされているが、千島学説では赤血球は骨髄で造られるのではなく、消化された食べ物が腸の絨毛で変化したものであるという腸管造血説なるものが提唱されている。

以上の説をもとに考えると、ドロドロの正体は、細胞が再度血液の状態に戻っているのではないか?という仮説に行き着く。ところが、血液は赤色ではあるが、実際の研究ではカブトムシの蛹の中を観察すると、白っぽいクリーム色をしているとされている。よって、ドロドロになるのは血液に加え、何か別な物質も含まれている可能性が高い。

 

次回は、ドロドロの正体をさらに深堀りし、解明していく。

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