2018-12-13

記憶と一番結びついている嗅覚~匂いの好き嫌いを決める脳内メカニズム

記憶と一番結びついている嗅覚を調べました。

五感のなかで嗅覚だけが、感情と記憶に関係する大脳辺縁系に直結しているため,嗅覚よって思い出される記憶は、他の感覚刺激によって思い出される記憶よりもより鮮明でより感情的であると考えられています。原始的哺乳類は夜行性であったこと、食べ物が安全かを確かめるのにまず臭いで判断するほうが食べてみるよりも安全であることから、視覚や味覚より先に嗅覚が発達したと考えられています。

記憶は、優先順位の低い五感による情報のほうが残る

五感の活用しやすさという意味では、「触覚」が一番上位となるわけですが、面白いことに、優先順位が低い感覚を通じて得た情報のほうが、記憶に残りやすいという特性があるんですね。「味覚」を通じて情報を得たときの記憶のほうが残りやすいということなのです。味そのものをしっかりと覚えているというよりも、過去に何か美味しいもの(逆に不味いもの)を食べたときの状況・情景(思い出)が明瞭に記憶として残りやすいということなんですね。逆に言うと、”触覚”を通じて得た情報って、ほとんど記憶には残っていなかったりするものなんです。(記憶に情報が残りにくい)五感の中で、「味覚」と「臭覚」に関しては、具体的に、現時点でその時の味や香りなどをインプットすることなくても、案外、過去時点での味や香りも記憶と共に思い出すことができたりするものなんですね。「視覚」「聴覚」に関しては、これらの感覚に優れた自然民族さんを除くと、実際に、過去と同じ風景を見たとき(視覚)や音楽などを聞いたとき(聴覚)に、過去の記憶が蘇るといった形となるもの。記憶を引き出すための引き金(要因)が必要となるのです。

上記は http://shizen0.com/article/178297376.htmlより転載しました。

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匂いの好き嫌いを決める脳内メカニズムを解明(http://www.riken.jp/pr/press/2016/20160617_1/)より

-ハエの神経活動から匂い嗜好を解読する数理モデルを作成-

この発表資料を分かりやすく解説した「60秒でわかるプレスリリース」もぜひご覧ください。

要旨

食べ物の匂いを快いと感じる一方、腐敗物や捕食者の匂いを不快と認識することは、動物の生存にとって大変重要です。しかし、匂いの好き嫌いが脳のどのような情報処理によって決定されるかは、解明されていませんでした。その理由の1つとして、匂いに反応する多数の神経細胞の活動の記録が技術的に難しいことが挙げられます。

そこで研究チームは、ほ乳類よりもはるかに少数の神経細胞で、ほ乳類と類似した機能を発揮するショウジョウバエ成虫(以下、ハエと省略)の嗅覚回路に着目し、神経活動から匂いの嗜好を解読することを目指しました。まず、匂いの好き嫌いを評価するために、ハエの行動に応じて匂いや景色が変化する“仮想空間”を構築し、その中でハエが匂いに対して近寄るのか逃げるのかを観察しました。また、嗅覚情報を処理する触角葉[1]という脳の領域が、匂いに対してどのように応答するかを調べました。触角葉は約50個の糸球体[2]という球状構造で構成されていますが、レーザー顕微鏡を用いたカルシウムイメージング[3]で、ほぼ全ての糸球体からそれぞれの活動を同時に記録することに成功しました。

研究チームはこれらのデータを組み合わせ、糸球体群の活動からハエの匂いの嗜好を解読する数理モデルを作成しました。その結果、各糸球体は固有の割合で誘引(留まる行動)もしくは忌避(逃げる行動)に貢献し、それらの活動の総和でハエの行動が説明できました。これは、「匂いの嗜好は特定少数の糸球体の活動によって決定される」という従来の仮説を覆す結果です。この数理モデルは、新しく与えられた匂いに対する行動を予測する能力も持つことが分かりました。さらに、研究チームは、匂いに対する相対的な嗜好は周りに存在する匂いによって変化し、ときには反転し得ることを数理モデルによって予測し、その現象を実証しました。

嗅覚回路の機能やその基本的な配線図は、ハエからヒトまで共通であることから、本成果は、匂いの好き嫌いを決める普遍的な脳内メカニズムの理解につながると期待できます。

背景

良い匂いと不快な匂いを嗅ぎ分けることは、動物の生存にとって大変重要です。例えば、食べ物の匂いを快いと思うことで、エネルギー源にたどり着くことができます。一方、腐敗物や捕食者の匂いに嫌悪感を覚えることで、危険を回避できます。しかし、匂いの好き嫌いを決める脳内メカニズムは解明されていませんでした。

その理由の1つとして、匂いは一般に複数の神経細胞を活性化させることが挙げられます。すなわち、匂いの好き嫌いを決める脳内メカニズムを理解するには、匂いの情報処理に関わる全ての神経細胞の活動を記録する必要がありますが、それは技術的に大変困難だからです。そこで研究チームは、ほ乳類よりもはるかに少数の神経細胞で、哺乳類と類似した機能を発揮するショウジョウバエ成虫(以下、ハエと省略)の嗅覚回路に着目し、神経活動から匂いの嗜好を解読することを試みました。

研究手法と成果

研究チームは匂いの好き嫌いを評価するため、ハエの行動に応じて匂いや景色が変化する“仮想空間”を構築し(図1A)、その中で飛行するハエの匂いに対する応答を詳しく解析しました。仮想空間内では、ハエは背中がピンで固定されているものの、旋回しようと羽ばたくことで匂い空間(嗅覚刺激と接触する空間)の内と外を自由に行き来できます(図1B)。ハエが匂い空間の中を飛行する時間が長ければその匂いを好む、すぐに旋回して匂い空間の外に逃げれば嫌うと解釈できます。実験の結果、ハエは84種類の多様な匂いに対して誘引(留まる行動)から忌避(逃げる行動)までさまざまな反応を示しました(図1C)。ハエが匂いを認識するスピードは速く、嗅覚刺激と接触してから約0.2秒で誘引や忌避などの行動を選択することが分かりました。

また、研究チームは嗅覚情報を処理する触角葉という脳の領域が、匂いに対してどのように応答するかを調べました。触角葉は約50個の糸球体という球状構造で構成されています。各糸球体は、異なる匂い情報を伝達するチャンネル(経路)として見なすことができるため、匂いは糸球体群の神経活動パターンとして脳内に表現されることになります。神経活動パターン全体を記録することは技術的に難しいとされていましたが、研究チームはレーザー顕微鏡を用いたカルシウムイメージングで、その記録に成功しました(図2)。

さらに、研究チームはこれらのデータを組み合わせることで、糸球体群の活動からハエの匂いの嗜好を定量的に解読する数理モデルを作成しました(図3A)。その結果、各糸球体は固有の割合(重み)で誘引もしくは忌避に貢献することが分かりました(図3B)。また、ハエの行動は、各糸球体の活動を変換、重み付けした後、全てを足し合わせることで説明できました。これは、「匂い嗜好は特定少数の糸球体の活動によって決定される」という従来の仮説を覆すものです。

この数理モデルは、新しく与えられた匂いの混合物や濃度の異なる匂いに対する行動も予測したため(図3C)、汎用性があることが分かりました。また、糸球体の活動を人為的に阻害もしくは増進すると、ハエの行動は数理モデルが予測した通りに変化しました。これにより、数理モデルは神経活動と行動の相関関係だけでなく、因果関係も捉えていることが示されました。

さらに、この数理モデルは匂いの相対的な嗜好は周りに存在する匂いによって変化し、ときには反転し得ることを予測しました。すなわち、匂いの好き嫌いは絶対的なものではなく、直前に嗅いだ匂いの種類や頻度によって変わることを予測しました。研究チームは、実際その通りにハエの匂い嗜好は環境依存的に変化することを見出しました。これにより、ハエの嗅覚システムも視覚や聴覚システムと同様、すばやく環境に適応する能力を持つことが分かりました。

今後の期待

今回発見した匂いの好き嫌いを決める脳内メカニズムは、嗅覚回路の機能やその基本的な配線図がハエからヒトまで共通であることから、広く動物の脳で用いられている可能性があります。

本研究で行った神経活動を解読するアプローチは、脳が情報をどのように処理しているかという根本的な問いの解明につながると期待できます。また、それはブレイン・マシン・インターフェースの改良など、さまざまな応用も期待できます。ブレイン・マシン・インターフェースは、脳と機械をつなぐハードやソフトを意味し、神経活動によって機器などを操作する技術です。例えば、体の不自由な人の動きを機器でサポートする場合、神経活動から適切な情報を抽出する技術が鍵となるため、作成した数理モデルを拡張したものが役立つ可能性があります。

さらに、心の病への貢献が考えられます。精神疾患は客観的な診断が困難ですが、疾患に特徴的な脳活動を検出し情報を読み出すことで、より定量的なデータに基づいた診断と治療が可能になると期待できます。

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List    投稿者 seibutusi | 2018-12-13 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2018-12-06

五感の内最も原始的な感覚「触覚」について

人には、五感があり、「五感には、活用するにあたって優先順位が存在する」との事です。

活用できる優先順位の高い順番に並べると下記のようになるそうです。「触覚」>「聴覚」>「視覚」>「臭覚」>「味覚」これが何を意味しているのかと言うと、「優先順位の高い感覚を活用しているときは、下位感覚を活用できない(活用しにくい)」ということなのです。

優先順位の離れた感覚である「触覚」及び「聴覚」を活用しているような状況下においては、正直「味覚」を活用することは出来ないのです。”人に腕を掴まれていたり・触れられていたり”したら、食べ物の味などわからないものなんですね。”寒い・暑い”を触覚で感じているときも、「味覚」は上手く働かないということなのです。

最強で最も原始的な触覚について調べてみました。

>触覚は五感のうち最も原始的な感覚であり、外界を感知する基本機能として生物の生存に不可欠です。例えば、ヒトの皮膚は、体表のあらゆる部位に幾万もの「触覚受容器」を配置している人体最大の感覚器官です。触覚受容器は、体表で生じるさまざまな物理刺激を化学シグナルに変換し、その情報を、感覚神経を介して中枢神経系に伝えることで触覚を生み出しています。触覚には、対象に接触しなければ感覚を得られないという欠点がありますが、多くの動物は、表皮細胞から毛や羽などを作ることで、外界から体を保護しつつ、知覚可能な空間領域を拡張しています。毛は皮膚表面から突出したセンサープローブとして機能し、そこから生じる物理刺激を、毛を作る器官である毛包内の触覚受容器に伝達します。(http://www.riken.jp/pr/press/2018/20181128_1/)より

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“感じる脳”のメカニズムを解明

-皮膚感覚を司る神経回路の発見-(http://www.riken.jp/pr/press/2015/20150522_1/)より転載します

要旨

国際共同研究グループは、皮膚感覚を知覚する脳の神経回路メカニズムを解明しました。

私たちが物に触れた時に得られる皮膚感覚の情報は、脊髄や視床を経由し大脳新皮質の第一体性感覚野(S1)に到達した後、より高次な脳領域に伝わります。この低次領域から高次領域に向かう入力を「ボトムアップ入力」と呼びます。一方、高次から低次に向かう入力を「トップダウン入力」と呼びます。従来の仮説では、外界の情報に由来する外因性のボトムアップ入力と、注意や予測といった内因性のトップダウン入力とが脳のある領域で連合することで、皮膚感覚は知覚されると言われてきました。しかし、この仮説が正しければ、外因性のトップダウン入力だけでは皮膚感覚は知覚できず「注意して物を触らなければ何も感じない」ことになります。しかし、実際には特に注意せず、ぼーっとしている状態でも皮膚感覚の知覚は可能です。このように、皮膚感覚の知覚を形成する基本的な神経回路とそのメカニズムは全く分かっていませんでした。

国際共同研究グループは、マウスの肢を刺激した時に脳内で起こる神経活動を単一神経細胞レベルから回路レベルまで包括的に測定しました。また、マウスが皮膚感覚を識別する課題を行っている最中の行動を解析しました。その結果、内因性トップダウン入力と外因性ボトムアップ入力が同じタイミングで連合する神経活動は観察されませんでした。一方で、皮膚感覚の情報が外因性ボトムアップ入力としてS1から高次脳領域に送られた後、再びS1へ「外因性のトップダウン入力」として自動的にフィードバックされる反響回路を発見しました。また、外因性トップダウン入力だけでも、従来提唱されてきた内因性トップダウン入力と外因性ボトムアップ入力の連合入力と同等な機能を担っていました。さらに、光遺伝学的手法を用いてこの外因性トップダウン入力を抑制したところ、マウスは皮膚感覚を正常に知覚できなくなりました。

(中略)

研究手法と成果

国際共同研究グループは、マウスの皮膚感覚の知覚を司る神経回路を探るため、神経活動を広範囲に捉える膜電位イメージングを大脳新皮質に対して行いました(図1A)。マウスの後肢を刺激すると、まず後肢に対応したS1の領域が活性化し、その後、第二運動野(M2)が活性化しました(図1B)。次に神経活動を抑える薬をS1またはM2にそれぞれ投与し、その効果を観測しました。その結果、S1を抑制した場合はM2 の活動が、逆にM2を抑制した場合はS1の遅い活動(遅発性神経活動)が抑制されました。これらの結果は、後肢からの情報はS1→M2→S1と流れることを示します(図1C)。これは、皮膚感覚が外因性ボトムアップ入力としてS1から高次脳領域であるM2に送られた後、再びS1へ「外因性のトップダウン入力」としてフィードバックされる反響回路が存在することを示します。

次に、反響回路における神経活動を詳細に調べるため、シリコン電極を用いて活動電位応答を測定しました(図2A)。大脳新皮質は層構造をなしており、それぞれの層は異なる役割を担います。まず、S1における神経活動を皮質の全1-6層から記録したところ、全ての層において早発性神経活動と遅発性神経活動の2つのピークが記録されました(図2B)。一方、M2からの神経活動の記録では、S1のような2つのピークではなく1つのピークが観察されました。そのピークは、S1で観察された早発性神経活動と遅発性神経活動の間で見られました(図2C)。また、膜電位イメージングと同様にM2の活動を薬で抑制すると、S1の遅発性神経活動が有意に減少しました(図2D)。S1の早発性神経活動が外因性ボトムアップ入力、S1の遅発性神経活動がM2からの外因性トップダウン入力と考えられることから、膜電位イメージングで示された反響回路の存在を支持する結果と言えます。また、全6層のうち5層での遅発性神経活動が特に活発であることが分かりました(図2E)。これは、樹状突起が他細胞からの情報を受容し統合する役割を持つことから、全6層のうち最も長い樹状突起を持つ5層神経細胞では、より多くの情報を、より長い時間統合することが可能なためと考えられます。国際共同研究グループは、S1における5層での遅発性神経活動は、M2からの外因性トップダウン入力のみで引き起こされていることを解剖学的・生理学的に解明しました。5層での遅発性神経活動に対する外因性トップダウン入力単独が、従来提唱されている内因性トップダウン入力と外因性ボトムアップ入力の連合入力(図3A)と同等の機能を担うことが分かりました。この結果は、皮膚感覚の知覚における従来の神経回路モデルとは異なる新しい神経回路モデルを示したと言えます(図3B)。

さらに、国際共同研究グループは、光遺伝学的手法によりM2からS1への外因性トップダウン入力を特異的に抑制し、マウスの皮膚感覚の知覚における外因性トップダウン入力の役割を調べました。具体的には、マウスに対して皮膚感覚を手掛かりとする2種類の床面の識別する行動課題を行いました。1つ目の課題では、四角い箱の床面に紙やすり(ザラザラ)と、それを裏返した面(ツルツル)を半分ずつ敷き、その箱の中にマウスを置きました。マウスの脳には小型光刺激装置を設置し、外因性トップダウン入力を光刺激で抑制できるようにしました(図4A、B)。マウスはザラザラ、ツルツルの床面のどちらか一方を好む傾向があるため、光刺激をしないマウス群では、ザラザラ、またはツルツル床のどちらかに滞在時間が偏りました。しかし一方で、光刺激をしたマウス群では、その偏りが減少しました(図4C)。2つ目の課題では、Y字迷路の分岐点の手前の床面でザラザラ、またはツルツル床を提示し、ザラザラなら右方向、ツルツルなら左方向に進むよう訓練した後、光刺激の有無が正解率に与える影響を調べました(図4D)。光刺激をしないマウスは約80%の正解率を示しましたが、光刺激をしたマウスの正解率は約65%まで減少しました(図4E)。以上のことから、M2からS1への外因性トップダウン入力が、正常な皮膚感覚の知覚に必須であることが分かりました。

今後の期待

国際共同研究グループは、正常な皮膚感覚の知覚には、S1への外因性ボトムアップ入力だけでなく、その後のM2からS1への外因性トップダウン入力が必須であることを発見しました。また、今回発見した神経回路は、従来の回路とは異なり、注意をしなくても知覚できる回路として利用されている可能性があります。脳は2つの異なる神経回路を状態によって使い分けているかもしれません。神経科学者にとっての最重要課題の一つは、知覚などの「主観的な体験」を神経活動で説明することですが、本研究結果はその可能性を示しました。

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List    投稿者 seibutusi | 2018-12-06 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2018-10-12

日本人(種として)の活力低下は本当か?

日本人の活力低下度合は、先進国の中で最低であるといわれている。

生物の自然の摂理を調べている中で

個の<生命体>の活力低下は滅び(死)として存在するが、自然界で種全体の活力低下は存在するのだろうか?との疑問があった。そもそも生物(集団)は生き残るために全存在をかけている。

実現塾での回答

・活力の評価基準が、お金の獲得競争(私権獲得)に対しての活力を基準にしているからではないか?先進国も最も早く豊かになった日本では、私権獲得競争は活力源にはならない。(納得)

一方で、生命(≒活力)の捉え方が、生物学(近代科学)と我々の実感が異なる事も分かった。

岩崎秀雄著:「生命とは何だろう」より

>自然科学では生命は対象に宿るが、日常的に感得される生命は、対象と僕たちの関係性の中に宿る。

これは、「芸術における生命」の関係と相似である。

>ある絵画作品が、どのような構図や技法、配色で描かれているのか、といった作品分析は、ある意味生物学的に生物の在りようを分析する試みだ。と同時に、作品との関係性において僕たちは「芸術的な体験」をするというわけである。

 

要するに科学で捉える生命は「細胞や遺伝子の分析」であって、現実の生命(≒活力)は人と人の関係(人に対する外圧)の中で生じる。

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Synodosより

https://synodos.jp/science/19883/2

 

生命と芸術の感得様式の親和性:「生命とは何か」という問いをめぐって

 

生物学では、しばしば次のような問いかけがなされる。「生物はどのような物質からできているのだろうか?」「どんな種が存在するのだろうか?」「どのように進化してきたのだろうか?」「どのように環境に適応しながら生きているのだろうか?」いずれも興味深い問いであり、生命科学は多くの知見を明らかにしてきた。

 

たとえば、生物はDNAを遺伝情報として持っており、生体高分子などの化学物質からできている。内と外を分ける細胞膜などを持ち、代謝を行うことで常に物質とエネルギーを外部と交換しながら自律的に増殖したり恒常性を維持する。自己同一性を保ちつつ、常に変異を起こし、進化・適応することで多様性も生み出してきた、といった具合だ。

 

いっぽう、次のように問うこともできる。「僕たちは日常的に生命をどのように感得しているのだろうか?」「生命という概念の哲学的な基盤とは何か?」「時代や文化によって、生命観はどのように異なるのか?」これらの問いは、一般的には「文系的」な問いとみなされ、生物学の教科書には普通書かれていない項目だ。だが、重要な問いであることは疑いがない。たとえば、「活き活きと」とか「活気に満ちた」という表現に見られる躍動的な生命感、死者を想う時の粛然とした気分、深い森の中にいる時の自然への畏怖の感覚、親しい存在や動植物に感じる愛着など、僕たちの死生観に関わる印象は、いずれも「僕たちにとって」生命が何なのかを示している。

 

ここでは、生命は「観察者と対象との情動的な関係性の中で感得されるもの」であり、必然的に主観的で情動的な要素を含む。それに対し自然科学では、一般的に(一部の脳科学・認知科学などを除き)主観性や情動性を排除しようとする。

自然科学では生命は対象に宿るが、日常的に感得される生命は、対象と僕たちの関係性の中に宿るのだ。

 

この見方は芸術に関する古典的な議論と重なる。芸術を対象(作品)に内在的に宿るものとしてみるか、あるいは鑑賞者と作品の関係性の中に宿るものとしてみるのか、という議論だ。ある絵画作品が、どのような構図や技法、配色で描かれているのか、といった作品分析は、ある意味生物学的に生物の在りようを分析する試みだ。と同時に、作品との関係性において僕たちは「芸術的な体験」をするというわけである。

 

生命の問題もこれと似たところがあるのではないか。生命が生物に内在する固有の特性であることと、僕たちが対象との関係性において生命性を感得・体験するということ、その両面に目を向けないといけない。その際に、その両面を常に認識している芸術という立ち位置は参考になるのではないか。生命と芸術を感得する様式には、こうした共通項がある。

(以上転載文)

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List    投稿者 seibutusi | 2018-10-12 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2018-09-13

なぜ一分子から生命は進化したのか?(一分子生命ビッグバン仮説)

数十年前、実験室で「無機物からDNAおよびRNAの核酸塩基や、アミノ酸が自然界で生成できる事」を明らかにしました。そして近い将来、無機物から生命が作られるのではないか?と思っていましたが、その答えの一つが「生命は生命からのみによって生まれる説(分子生命ビッグバン)」です。
生物の起源について 疑問とその解説 の面白い記事がありましたので転載します

【なぜ一分子から生命は進化したのか】日出ずる国の特許事務所

https://www.hiranoyasuhiro.com/%e3%81%aa%e3%81%9c%e4%b8%80%e5%88%86%e5%ad%90%e3%81%8b%e3%82%89%e7%94%9f%e5%91%bd%e3%81%af%e9%80%b2%e5%8c%96%e3%81%97%e3%81%9f%e3%81%ae%e3%81%8b

 

  1. 一分子生命ビッグバン仮説の欠陥
  2. なぜ地球上の生命体は二種以上の有機分子から進化できなかったのか
  3. なぜ地球上の生命体は二個以上の有機分子から進化できなかったのか
  4. なぜ一分子生命ビッグバンではたった一つの有機分子しか自己複製ができなかったのか
  5. なぜ一分子生命ビッグバンは地球上で一回しか生じなかったのか
  6. 自然淘汰により現在の生命体系に収斂されたとする説はどうか

一分子生命ビッグバン仮説の欠陥

「一分子生命ビッグバン(Bigbang of Life from One Molecule )」の学説によると、地球に現存する生命の全ては、地球に最初に誕生した、たった一つの有機分子から進化したとされます。

このたった一つの有機分子は自己複製機能を有していました。

たった一つの有機分子から地球上の全ての生命は進化したから、理論上あったはずの多様性の要素が生命発生のスタート時点で全て排除されたと考えるのが一分子生命ビッグバン仮説です。

もちろん少しの例外はありますが、全ての自己複製可能な生命体から作られる地球上のタンパク質は、20種類のアミノ酸(一部は22種類 )からできています。

アミノ酸にはそれぞれ光学活性体が存在します。光学活性体とは、右手と左手の関係のように互いに鏡に映したときの鏡の中に現れる虚像と、鏡に映す前の別側の実像とが、一致するタイプの化合物のそれぞれをいいます。

右手型の光学活性体と左手型の光学活性体は、構造上互換性がありません。どのように回転、移動させても一方を他方に変換することができません。

光学活性体の場合、左手型のアミノ酸を右手型のアミノ酸に変換しようとすれば、構造を破壊して再構築する以外に手段はない、ということです。

ご自身の右手の手のひらと左手の手のひらを見てみてください。右手を左手に変換するのは簡単ではないことが分かるでしょう。

アミノ酸の中でもグリシンのように左手型と右手型の構造が一致するタイプのものもありますが、グリシンには光学活性がありません。光学活性体でないものを用いて光学活性体についての議論をしないように注意してくださいね。

さてアミノ酸にはそれぞれL体とD体の光学活性体が存在します。ここでは説明の便宜上、L体を左手型、D体を右手型と呼びます。

地球上の生命体に使われるタンパク質は、一部の例外を除き、L体、つまり左手型だけで構成されています。自己複製のメカニズムはDNA(一部はRNA )のたった一つのシステムに依存しています。そして自己複製に直接関与するDNAは右巻きのものだけです。

なぜ生命を形作るアミノ酸はL体だけなのか、なぜ地球上の生命体にDNA以外の自己複製システムがないのか、なぜDNAは右巻きなのか、という疑問に対して、一分子生命ビッグバン仮説は、「スタートがたった一つの自己複製可能な有機分子だったので、地球上のあらゆる生命体はこのたった一つの有機分子の性質を受け継いでいるから」、と説明します。

ところがこの一分子生命ビッグバン仮説には、大きな欠陥があるように思えます。

一つは、なぜたった一つの自己複製可能な有機分子からだけしか、地球上の生命体は進化を遂げられなかったのか、ということです。二つ以上の自己複製可能な有機分子から地球上の生命体が進化したシナリオがあってもよいのではないか、という意見に一分子生命ビッグバン仮説は答えていません。

もう一つは、地球上の生命は、本当に自己複製可能な、たった一つの有機分子により生じたのか、ということです。同時多発的、または時間軸をずらして多発的に発生した生命体もあったのではないか。この意見に一分子生命ビッグバン仮説は答えていません。

残る一つは、地球上の生命発生時点における初期のパラメータを厳密に規定することにより、仮に現在におけるアミノ酸の左手右手選択問題、自己複製のメカニズムがDNAの一種類しかない問題、自己複製に関与するDNAが右巻きである問題などの生物学上の難問に仮に答えられる案が存在したとしても、そのような厳密に規定したパラメータが、生命発生後の40億年間保持されたという証拠はあるのか、ということです。

要は地球上における生命発生時点で厳密にパラメータが規定されていたから現在の生命体系が形成されてきた(一分子生命ビッグバン仮説)のではなく、多種多様な生命体が地球上のあちらこちらで散発的に発生を繰り返した後に、互いに切磋琢磨しあいながら現在の体系に統合されて進化してきた(一分子生命ビッグバン否定説)と考えるのが自然、という意見です。

ところが一分子生命ビッグバン仮説は、これらの疑問の全てに対して回答を用意しています。
今回は、一分子生命ビッグバン仮説に対する疑問を徹底検証します。

なぜ地球上の生命体は二種以上の有機分子から進化できなかったのか

一分子ビッグバン仮説の主張は、地球上のあらゆる生命体の進化の樹形図は、たった一つしかない、という点に基づいています。地球上のあらゆる生命体について、過去に向かって進化の過程を樹形図に沿って辿っていくと、ついには一点に収束する、というのです。

この一点が、一分子ビッグバン仮説にいう、自己複製可能なたった一つの有機分子です。
なお、ここでいうたった一つ、というのは一種類とか一系統とかの意味ではありません。文字通り、ただの一個という意味です。

生命体が別システムにより同時発生すると互いに食い合いをして自滅する

一分子生命ビッグバン仮説によれば、地球上に最初に発生した自己複製可能な有機分子が登場する前に、この有機分子を地球上に送り出すきっかけになった代謝系がたった一つ存在したとされます。

この代謝系はMother Templateと呼ばれます。頭文字を略してMTとも呼ばれます。
このMTはたった一つしか存在しなかったから、MTから産生されるアミノ酸は、左手型か、右手型の必ず一方に決定されます。

もし二つ以上あったとしたら、確率論的に、右手型のアミノ酸が産生可能なテンプレートと、左手型のアミノ酸が産生可能なテンプレートが存在したはずです。

そうすると、最終的に産生されるアミノ酸の構造は左手型一方になるとは限らないことになります。

MTから産生されたアミノ酸が反応してタンパク質が形成される過程において、左手型アミノ酸にとって、右手型アミノ酸の存在は脅威になります。

左手型アミノ酸だけで形成されたタンパク質と、左手型アミノ酸に右手型アミノ酸が混入したアミノ酸から形成されたタンパク質とでは、最終的な立体構造が異なります。

右手型アミノ酸が混入した部分で、タンパク質の折れ曲がり構造が変化するから、です。

仮に原初生命体に関連するタンパク質を構成するアミノ酸が50個あった、としましょう。

この中に、左手型以外の右手型のアミノ酸が一個でも混入すると、50個のアミノ酸を連結してできあがるタンパク質の最終立体構造は異なるものになります。

タンパク質の機能は、最終立体構造が異なれば同じものではなくなるでしょう。

もし50個のアミノ酸からなるタンパク質に使用されたアミノ酸が、50%対50%ずつの左手型と右手型を含むアミノ酸であったとしたなら、その順列組み合わせは、2の50乗で軽く100兆を超えます。

つまり左手型か右手型かの選択をサイコロに委ねたとすると、たった50個のアミノ酸からできるタンパク質でさえ、100兆種類の異なる構造のタンパク質が産生される結果になってしまいます。

オール左手型のアミノ酸を使ったタンパク質が正常に機能すると仮定すると、自然発生的にタンパク質が生成したとしたなら、100兆分の一個しか、正常に機能するタンパク質が入手できないことになってしまいます。

ところが一分子生命ビッグバン仮説に従うなら、地球上に最初に登場した代謝系であるMTから産生されるアミノ酸は全て左手型ですから、そこで産生されるタンパク質の高次構造、つまり最終立体構造は全て同じになります。

最初から右手型と左手型とのタンパク質の最終立体構造の違いを心配する必要がありません。

仮に地球上で最初に生命が発生した現場で、左手型と右手型のアミノ酸を産生することのできる代謝系が同時に存在したとすると、それは大変なことになります。

左手型のアミノ酸に、一個でも右手型のアミノ酸が混入すると、最終生成物であるタンパク質の構造が違ったものになるため、正常に機能するタンパク質の入手が事実上不可能になるからです。

左手型のアミノ酸を産生することのできる代謝系の仕事をケーキ工場に例えると、大量に生産されてくるショートケーキの上に、砂をまくような行為をするのが右手型アミノ酸です。

一粒でもショートケーキの上に砂が降りかかると、そのショートケーキはもはや製品としては出荷できなくなります。

左手型のアミノ酸からタンパク質を産生する生命生産システムにとって、右手型のアミノ酸の存在は脅威です。まさに右手型アミノ酸の存在は生命生産システムキラーになります。

左手型アミノ酸生成系と、右手型アミノ酸生成系は、生命発生の現場において同時に同居することはできなかった。

仮に同居したとしたなら、正常に機能しないタンパク質のみが大量に産生されるばかりで、現状のような生命体系は、40億年の時間を経ても形成されなかったことでしょう。

なぜ地球上の生命体は二個以上の有機分子から進化できなかったのか

一分子生命ビッグバン仮説によれば、地球上のあらゆる生命体は、自己複製可能なたった一つの有機分子から進化したことになっています。

ただ、この仮説はなぜ二つ以上の有機分子により地球上の生命体は進化できなかったのかとの問題に答えていません。

なぜ地球上の生命の進化は、たった一つの自己複製可能な有機分子に託さなくてはならなかったのでしょうか。

同時に二個以上を生成できるシステムでは必ず問題が生じる

地球上に自己複製可能な有機分子を送り出した代謝系が、同時に二個以上の有機分子を生成することができる構造であったとしたなら問題が生じます。

そのような代謝系が生成される環境下であったなら、その代謝系の鏡像体が生成される可能性もまた、ゼロではないからです。

同時にたった一つの光学活性の有機分子しか生成することのできない代謝系であれば、その代謝系から生成される光学活性の有機分子は左手型か、右手型かが必ずどちらか一方に決定されます。

これに対して同時に二つ以上の光学活性の有機分子が生成される場合、それらの有機分子は左手型か右手型の一方に決定される要素がまったく存在しません。

そして一方に決定されなければ、右手型の光学活性を有する有機分子が、左手型の光学活性を有する有機分子に反応して、その生命活動への貢献を妨害します。そのことは上記のケーキ工場の例で理解できると思います。

なぜ一分子生命ビッグバンではたった一つの有機分子しか自己複製ができなかったのか

一分子生命ビッグバン仮説に対する最大の誤解は、現在の生命体系につながる自己複製可能な光学活性をもつ有機分子しか、自己複製をする有機分子はこれまで地球上に自然発生しなかったと受け取られる点にあります。

これは完全な誤解です。

一分子生命ビッグバン仮説にいう、自己複製可能な光学活性を持つたった一つの有機分子以外に、数多くの自己複製可能な有機分子が一度は生成した可能性が今後排除されることはないでしょう。

ただし、一分子生命ビッグバン仮説にいう、たった一つの自己複製可能な光学活性のある有機分子以外は、右手型・左手型の光学活性体が同時生成されるシステムであったため、最終的に生成されるタンパク質構造の順列組み合わせ数が指数関数的に膨大となり、結局、順調に機能するシステムを維持することができなくなった。

つまり、右手型・左手型の光学活性体が同時生成されるシステムの場合は自滅するシナリオを辿ることが避けられなかった、ということです。

極限まで反応スピードを低下させるため

実は、反応スピードの制御も一分子生命ビッグバン仮説では重視されています。

仮に地球上に最初に登場した代謝系であるMTが二個あれば単位時間当たりの反応スピードは2倍に、100兆個あれば反応スピ−ドは100兆倍になります。

例えば一カ所に大量にMTが存在したとすれば、MTの近傍にきた原料をあっという間に使い尽くしてしまいます。

このため例えばアミノ酸であるアラニンの原料となる物質がMTに接触した場合には、あっという間に原料の全てをアラニンに変換してしまいます。

そうすると、アラニン同士が結合したタンパク質しか生成されないことになってしまいます。

最初にアラニンの原料を食べ尽くしてしまうため、次回にアラニンが本当に必要になったときにアラニンを生成することができないのです。

これに対して一分子生命ビッグバン仮説は、MTは一個しかないのですから一度にアラニンの原料を食べ尽くしてしまうことができません。

次の原料がMTに接触するまではMTは活動を停止しますので、適度にシャッフルされた複数のアミノ酸を産生することができるのです。

アラニンの原料となる物質がたった一個のMTに接触すればアラニンが生成し、アルギニンの原料となる物質がたった一個のMTに接触すればアルギニンが生成します。

このように究極まで反応スピードを落とすことにより、適度にランダムに原料を使って多種のアミノ酸を生成することができたのです。

たった一個だけからスタートしたから、適度に左手型だけの複数種類のアミノ酸を産生することができました。こういった反応スピードの制御機能があったことを、一分子生命ビッグバン仮説なら説明することができます。

なぜ一分子生命ビッグバンは地球上で一回しか生じなかったのか

短時間で一気に一分子生命ビッグバン仮説にいう、たった一つの自己複製可能な光学活性のある有機分子が左手型のアミノ酸のデファクトスタンダードを取ってしまったからです。

たった一つの自己複製可能な光学活性のある有機分子は、MTと同じ左手型のアミノ酸の産生機能を有しています。

MTから生じたたった一つの自己複製可能な光学活性のある有機分子は、自己をコピーする機能を持っているのでコピーに次ぐコピーにより、指数関数的に爆発的にその数がねずみ算的に増えます。

そして一度増えてしまった自己複製可能な光学活性のある有機分子は、地球上に大量に左手型アミノ酸を提供したことでしょう。

後から生成した右手型アミノ酸を産生する自己複製システムは、既にデファクトスタンダードとなった左手型アミノ酸による自己複製の妨害行為を受けて自滅していく以外に選択肢はありませんでした。

一カ所で付いた火が、あっという間に地球全体に拡がるように、左手型アミノ酸による自己複製システムが地球上を席巻していきました。

(後略)

 

 

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List    投稿者 seibutusi | 2018-09-13 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2018-08-15

赤ちゃんは人の顔色を見て育つ

赤ん坊は「相手を注視し相手と同化する事」と「なんで!なんで!と追及する事」で著しい成長を図っています。

人類の脳回路は、本能回路、共認回路、追求回路、観念回路の四層構造となっており、赤ん坊の状況を見ると共認回路、追求回路が強化されていると考えられる。

実際この事象を研究した内容が「赤ちゃんは人の顔色を見て育つ」「霊長類の色覚が、顔色を見分けるのに適していることを証明」として有名科学雑誌に発表されています。

一方で「KY:他人の顔色が理解できないような行動をする人、その場の空気が読めない」の人も多く存在し始めている気がします。多分に欧米の子育て方法に影響を受けたのではと思います。

 

 

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【赤ちゃんは人の顔色を見て育つ!?】

http://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2012/02/20120222_01.htmlより

「この人は何を考え、何をしようとしているのか――」。ヒトの赤ちゃんは、他者の顔色を見ながら行為を理解し、学習していることが、京都大学大学院教育学研究科の明和(みょうわ)政子・准教授(発達科学)や京大霊長類研究所の平田聡・特定准教授(比較認知科学)らのチンパンジーとの比較実験で分かった。21日付の英オンライン科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表した。

ヒトの生後8カ月と12カ月の乳児30人、成人15人、チンパンジー(5-15歳:人間の小学生から高校生に相当)6頭に、女性がペットボトルのジュースをコップに注ぐ動画を見せ、「アイ・トラッカー」という視線検出装置でそれぞれの視線の先や動きを調べた。

チンパンジーは、ヒトの成人と同じく、ジュースが注がれる前に動きを予測してコップに視線を集中させたのに対し、ヒトの乳児はコップよりも長時間、女性の顔を見ていた。チンパンジーは物と物との因果関係に注目して、その人の行動(目的)を予測し理解するが、人間は顔の表情と物の情報を合わせて予測、理解していると考えられる。

明和准教授は「ヒトは他人の顔色を見て、心の状態をも推測して、次の展開を予測する。これは複雑な社会環境に適応するために、独自に獲得した学びのスタイルだ」としている。

【霊長類の色覚が、顔色を見分けるのに適していることを証明】

―適応進化の過程の解明に期待―

九州大学大学院芸術工学研究院の平松千尋助教、カルガリー大学人類考古学部Amanda Melin 助教、ニューヨーク大学人類学部James Higham 助教らの共同研究グループは、霊長類の3色型色覚が、顔色変化の検出に有効であることを初めて実験的に証明しました。

ヒトを含む多くの霊長類は、L、M、S の3つの錐体視細胞により光の波長弁別を行う3色型色覚で世界を見ています。3色型色覚は、赤い果実や若葉を緑の葉の背景から見つけることに適しているため、祖先型である2色型色覚から進化したと考えられています。しかし、果実を見つけること以外でも3色型色覚が有効な場面が考えられ、霊長類の行動や生態学的意義と照らし合わせ、幅広く調べていく必要があります。3色型色覚が有効な場面の候補として、顔色変化などの社会的シグナルの検出が挙げられていました。

共同研究グループは、霊長類の3色型色覚が、顔色変化の検出に適しているかを実験的に調べました。繁殖期に顔が赤くなるアカゲザルの写真を用い、様々な色覚の見え方を模擬して、ヒト参加者にメスの繁殖期と非繁殖期の顔を見分けてもらいました。その結果、霊長類が持っているL 錐体とM 錐体の波長感度が長波長域に偏った3色型の色覚は、3種類の錐体の波長感度が均等に分布した3色型や、2種類の錐体により色弁別を行う2色型よりも顔色の変化をよく検出できることが分かりました。この結果は、社会的シグナルの検出が3色型色覚の適応的意義の一つであることを裏付けるものです。ヒトが顔色から感情を読みとり、健康状態を察知できるのも、霊長類が持つこのような色覚特性のおかげであると考えられます。今後、霊長類進化のどの段階において、顔色変化が社会的シグナルとして使われはじめたかなど、霊長類の色覚の適応進化の過程に迫ることが期待されます。

本論文は、学術誌「英国王立協会紀要」オンライン版で2017 年

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List    投稿者 seibutusi | 2018-08-15 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2018-08-13

[性の進化史] 「性」はなぜ存在するのか? 2~雌雄の役割分化

前回は、無性生殖と有性生殖という2つの生殖方法から「性」について考えました。今回は、「雌雄分化」という切り口から追求を深めてみます。
生物史上の大進化はいくつもありますが、中でも生命の誕生に次ぐ様な最も劇的な進化(=極めて稀な可能性の実現)が光合成であり、それに次ぐのが「雌雄分化」です。

■ゾウリムシの生活サイクルから見る「有性生殖」の意義

真核生物が性を獲得し有性生殖を行うよになった意義とは何なのでしょか。それを見事に示してくれる例がゾウリムシという真核単細胞生物です。ゾウリムシは通常は無性生殖によって増えますが、時々異なるゾウリムシ同士が接合し、とても奇妙なことが起こります。

無性生殖と有性生殖の両方を行う点では、前回取り上げた酵母と同じですが、有性生殖がおこる状況が大きく異なります。酵母の場合、環境が劣化すると有性生殖を行います。一方、ゾウリムシの場合、六百数十回ほどの分裂すると有性生殖を行います。正確言うと、接合せず分裂し続けると老化して死んでしまいます。つまり、ゾウリムシにとって、有性生殖は種の保存のためには必要不可欠なものなのです。

ゾウリムシは「分越」に関わる栄養核と呼ばれる大きな核(大核)と、生殖に関わる小さな核(小核)を持っています。接合すると大核が消失し、小核は減数分裂によって4個の核を作ります。そして、そのうちの3個は消滅して1個だけが残ります。この1個はもう1度分裂して2個になり、うち1個は、2匹のゾウリムシが接合して接触している面を通って相手の体内に入って相手のもう一つの核と合体します。

同様に、相手の核の一つも逆の方向に移動して、もう一方のゾウリムシの核と融合します。その後、消失した大核は小核をもとにして、新たな大核に作り直されます。このようにしてゾウリムシは、二つの異なる個体が接合して核を交換し、互いの遺伝子を混ぜ合わせることによって、接合する前とは遺伝的に異なる新たな生物体に変身することができます。そして元気な個体として生き返ることができるのです。このようにゾウリムシは単細胞生物ですが、生殖細胞と体細胞が分かれている多細胞生物の原型とも呼べるしくみを持っています。

 

zouri2

画像はコチラからお借りましした

無性生殖は、子孫を残すという意味ではとても簡単で効率の良い方法ですが、作られる子孫はすべて同じ遺伝的組成を持つクローンであるため、無性生殖の個体が遺伝的に変化するには、1遺伝子当たり1/20,000~1/1,000,000くらいの頻度で起こるまれな突然変異に頼るしかありません。もし生存に有利な遺伝的変化が起こったとしても、無性生殖の場合、それらの有用な遺伝的変異は特定の個体で独立して起こるため、それらが異なる個体間や集団内で広まることはほとんどありません。そのため無性生殖は、既に述べたように遺伝的多様性を生みだすという点では不利益が大きく、周りの環境に大きな変化が生じた場合、適応できずに絶滅してしまう危険性を秘めています。

多様な環境条件の変動に適応し、種を存続するには、子孫を増やすと同時に、多様な遺伝子の組み合わせを持った子孫をつくらことが必要です。遺伝物質を混ぜ合わせて遺伝子の組成を変える、そして多様な遺伝子の組み合わせを作りだす生物の出現によって、有性生殖という新たな生殖様式が始まったと考えられています。

■雌雄の役割分化
真核生物が誕生し、そして性が出現したのはおそらく太古の昔の海の中であったと考えられています。広大な海の中で、異なる性の配偶子が巡り合うことは極めて低い確率になります。そのため、性を獲得した後は、サイズも形も大きく異なる異型の配偶子が作られるようになります。それが、雄のつくる精子と雌のつくる「卵子」とオスがつくる「精子」です。広く大きな海の中で異なる配偶子が巡り合い、受精卵が育っていく繁殖の効率を極力まで高めるために、運動性がなく大きくて栄養を蓄えた配偶子である「卵子」と、極力、無駄なものを排除し海の中を泳ぎまわって卵子にたどり着くためだけに特化された、小型で運動性に富んだ「精子」が作られたと考えられます。異なる性の個体の配偶子(精子と卵子)が受精することによって雄と雌の異なる遺伝子が混じり合い、多様な遺伝子構成を持つ個体を産み出すことを可能にしたのです。

(以下、るいネット「実現論前史ロ.雌雄の役割分化」より引用)
『それ以降、雌雄に分化した系統の生物は著しい進化を遂げて節足動物や脊椎動物を生み出し、更に両生類や哺乳類を生み出した。しかし、それ以前の、雌雄に分化しなかった系統の生物は、今も無数に存在しているが、その多くは未だにバクテリアの段階に留まっている。これは、雌雄に分化した方がDNAの変異がより多様化するので、環境の変化に対する適応可能性が大きくなり、それ故に急速な進化が可能だったからである。

事実、進化の源泉はDNAの多様性にある。つまり、同一の自己を複製するのではなく、出来る限り多様な同類他者(非自己)を作り出すことこそ、全ての進化の源泉であり、それこそが適応の基幹戦略である。しかし、同類他者=変異体を作り出すのは極めて危険な営みでもある(∵殆どの変異体は不適応態である)。従って生物は、一方では安定性を保持しつつ、他方では変異を作り出すという極めて困難な課題に直面する。その突破口を開いたのが組み換え系や修復系の酵素(蛋白質)群であり、それを基礎としてより大掛かりな突破口を開いたのが、雌雄分化である。つまり、雌雄分化とは、原理的にはより安定度の高い性(雌)と、より変異度の高い性(雄)への分化(=差異の促進)に他ならない。従って、雌雄に分化した系統の生物は、適応可能性に導かれて進化すればするほど、安定と変異という軸上での性の差別化をより推進してゆくことになる。(注:本書では差別化という概念を、優劣を捨象した客観的な概念として用いる。)』

 

参考
・るいネット「実現論前史ロ.雌雄の役割分化」
・松田洋一著「性の進化史」

 

 

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List    投稿者 seibutusi | 2018-08-13 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2018-08-11

グリア細胞の協調が支える脳機能・・・機械論的脳理論を超えて、思考の可能性を探る  

☆☆☆機械論的脳理論を超えて、思考の可能性を探る

脳及び、それとひとつながりになった脊髄内にある中枢神経系は、この100年間ほど、電気信号を伝達する複雑なニューロンネットワークモデルで、理解されてきました。

しかしこの回路は、所詮単線的なつながりしかなく、例えば『行動する、しない』などのデジタル的な判断が主になります。

 

画像はこちらよりお借りしました

 ところが、人間の判断はもっと有機的で、膨大な感覚情報から、照準を合わせて絞り込んでいき、最後に行動につなげていくという、多段階な絞り込みと判断を行動につなげていると考えるほうが現象とも整合します。

その感覚を頼りに、かつて

○『脳は判断する雰囲気を先につくる』・・・脳回路の全体性

○  脳回路の2段階構造

という仮説で、ニューロンネットワークモデルの不整合点を解決しようと試みました。

ところが、近年それを裏付けるような多くの研究成果がでてきて、注目を集めています。

その成果は、

○書籍:『もうひとつの脳 ニューロンを支配する陰の主役「グリア細胞」』

に幅広くまとめられています。この書籍を題材に、脳はどんな機能構造をとっているのか?について、こころの領域まで含めた仮説を、シリーズで『グリア細胞の協調が支える脳機能』として、アップしていきます。  

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List    投稿者 sinsin | 2018-08-11 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2018-08-09

[性の進化史] 「性」はなぜ存在するのか? 1~無性生殖と有性生殖

ヒトを含め、有性生殖をおこなう動物のほとんどは、男と女、雄と雌という二つの性を持っています。そして、雄の精巣で作られる精子と雌の卵巣で作られる卵子によって、次世代の子孫に自分たちの遺伝子が受け継がれていきます。では、そもそもなぜ「性」は存在するのでしょうか。今回は、無性生殖と有性生殖という2つの生殖方法から、「性」について考えてみます。

■無性生殖と有性生殖

ヒトや、犬、猫などを見る限り、雄と雌という二つの性があり、それらが作りだす精子と卵子が受精することによって子孫が生みだされます。このように、性と繁殖は密接に結びついたものですが、だからといって異なる性が存在することが繁殖に必要不可欠かというとそんなことはありません。また、発生や成長など、生物が生きていく上でも性は必ずしも必要ありません。そう考えると「性」は、およそ40億年前に生命が誕生した後に新たに出現したものと言えます。

生物が子孫を作りだす様式としては、「無性生殖」と「有性生殖」と呼ばれる二つの様式があります。文字通り無性生殖によって繁殖する生物に性はなく、細胞分裂で自分の分身であるクローンを作りだすことによって、自分の遺伝子を後代に伝えていきます。最初の「原核生物」は約8億年前に誕生したと考えられています。

原核生物とは、生物進化の初期に出現した、核膜でおおわれた核を持たない細胞からなる原始的な生物です。原核生物には性はなく、すべて無性生殖によって増殖します。 その後、大きく遅れて約3億年前に誕生した「真核生物」は、核膜で囲まれた核と細胞小器官を持つ細胞からなり、動物、植物、菌類、原生生物などがこれに属しています。真核生物のゲノムDNAはむき出しではなく染色体の中に収納され、細胞分裂によって新たにできた「娘細胞」(一つの親細胞から作られたまったく同じ二つの細胞)に、そして、有性生殖によって配偶子を介して次の世代に受け継がれていきます。

■酵母の生命サイクル ビールの醸造に使うビール酵母やパンを作るのに使うパン酵母は、真核生物で、菌界子嚢菌門の単細胞生物ですが、染色体を持つ真核生物です。カビなどと同じ子嚢菌門でですが菌糸はありません。このカビの一種は、無性生殖と有性生殖の両方で自らを増殖させます。

無性生殖の世代では、「出芽」という方法で増殖することから、「出芽酵母」と呼ばれています。細胞の一部分に芽のような膨らみができ、成長した後にそれが切り離されることによって娘細胞が作りだされます。一方、「分裂酵母」と呼ばれる別の仲間は、細胞が真二つに分裂して増殖します。 これらの酵母は、栄養が十分にある時は、単に細胞分裂だけで増殖できる無性生殖によって増殖しますが、栄養の不足などによって生育環境が悪化すると、有性生殖をおこないます。 酵母 無性生殖/有性生殖

※画像はコチラからお借りしました

  酵母にも接合型という「a細胞」と「α細胞」という異なる2種類の性があり、栄養分が枯渇するとフェロモンによって相手を区別し接合が起こります。接合すると、細胞が融合して2倍体(2n)の細胞になります。2倍体の細胞は、栄養条件が良いときは出芽して増殖しますが、栄養条件が悪くなると互いの遺伝子を混ぜ合わせて(組換えと減数分裂)、新しい遺伝子の組み合わせを持つ1倍体の「胞子」という配偶子をつくります。

■無性生殖と有性生殖の違いと特長

有性生殖は、酵母などの微生物からヒトに至るまで、性を持つ全ての生物において、子孫を残し、種を存続させる上では重要な手段ですが、生物全般を見渡すと無性生殖による繁殖法が多数派であり、人類のように雌雄が決まっていて有性生殖以外に繁殖方法を持たないタイプは一部に過ぎません。また、酵母など真核細胞生物や植物の多くは、無性生殖と有性生殖を使い分けます。

[有性生殖と無性生殖の比較]

有性生殖 無性生殖
増殖の能率 能率が悪い ×・雄と雌が出会わないと子をつくれない。 ・卵(卵細胞)や精子(精細胞)などの生殖細胞をつくる必要がある。 能率がよい   ・1個体で子をつくれる。   ・体の一部が分離して子ができるので、わざわざ生殖胞をつくる必要がない。
遺伝子の構成 新個体の遺伝子は、両親のものを半分ずつ受けつぐので、いろいろな組み合わせができる。親や兄弟と同じではない。 新個体の遺伝子は親とまったく同じ。
形質 新個体の形質はさまざま。親や兄弟とすべての形質が同じになるわけではない。 新個体の形質は親とまったく同じ。
様々な環境に 対する適応力 適応力が大きい  ・個体により少しずつ形質が違うので、様々な環境に適応していくことができる。 適応力が小さい × ・すべての個体の形質がまったく同じなので、生育環境が変化すると全滅するおそれがある。

このように有性生殖と無性生殖どちらも有利な面と不利な面があり、一概にどちらがすぐれているとはいえません。

 では、なぜ私たちヒトを初め多くの動物は、有性生殖以外に繁殖方法を持たないのでしょうか? 次回、「雄雌の役割分化」という切り口から、この点を考えてみます。 参考:松田洋一著「性の進化史」

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List    投稿者 seibutusi | 2018-08-09 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2018-08-09

ヒトの細胞は細菌とウイルスと表裏一体の関係にある。

近年、生物学上でもマイクロバイオームの研究が進むにつれて、近代西洋哲学(個人と外界は対立するもの)の誤謬(自然界の事実と異なる)が明らかになってきた。

>・・共生細菌、そして共生ウイルスまで含めたマイクロバイオームは、正にヒトと「而二不二」の関係にあるといえる。(ヒトの細胞と共生細菌:http://www.ekoko.jp/blog/files/34ff454c77f1475d582383447d0e4272-6.php

※「而二不二(ににふに)」とは、「而二」と「不二」の二つの言葉がくっついたものです。「而二」とは、一つのものを二つの面から見ることで、「不二」とは、二つの面があっても、その本質は「一」である、ということです。

>・・ヒトゲノムには4000万年前のウイルス遺伝子が組み込まれている https://science.srad.jp/story/10/01/12/0126248/

大阪大学微生物病研究所の朝長啓造准教授率いる研究チームが、ヒトやサルなどのDNAに「ボルナウイルス」の遺伝子が取りこまれていることを発見したそうだ。この遺伝子は、少なくとも4000万年前までに取り込まれたと考えられるとのこと。

今までも生物のDNAにレトロウイルスの遺伝子の一部が取りこまれることがあるというのは知られており、ヒトゲノムではその8%がウイルス由来のものだとされている。しかしレトロウイルス以外のウイルスがゲノムに取りこまれていることが明らかになったのは今回が初めてだそうだ。取り込まれた遺伝子は今もタンパク質を作り続けているという。

 

>・・人類も、単細胞の時代から今日まで外圧適応態として必要であった全てのDNA配列=諸機能or 諸本能は、今も現在形において(しかも最基底部から上部へと段階的に塗り重ねられて)その全てが作動しているのであって、単細胞や動物たちの摂理を人間とは無関係な摂理と見なす様な価値観は、人類の傲慢であり、かつ大きな誤りである(http://www.rui.jp/ruinet.html?i=100&c=1&t=1#02 実現論 前史)

 

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ヒトの細胞と共生細菌

マイクロバイオームという言葉がある。これは人体には自身の細胞の10倍もの数の細菌が存在しており複雑な生態系を構築している姿をマイクロバイオームと呼んでいる。

(中略)

ヒトの細胞の数はひとつの小宇宙とも呼べる程に膨大なものではあるが、更に驚くことは、このヒトの口や鼻の粘膜、胃や腸、皮膚や膣などには、このヒトの細胞数の10倍ともなる約1000兆個の細菌(常在菌)が生息していることである。  マイクロバイオームに含まれる微生物(細菌)はヒトの体(心身)の維持や活動に深く関わっており、善玉菌も悪玉菌も混じっているがそれぞれが単純に善玉、悪玉と決めつけ難い複雑な関係を維持しながら、体と共生菌の複合社会を構成している。

例えば、胃に生息するピロリ菌は、胃酸を制御する働き以外にも食欲に関わるグレリンとレプチンという二つのホルモンを作る働きもしている。グレリンは空腹感を伝え、レプチンは満腹感を体に伝える。このため胃潰瘍や胃ガンの原因ともいわれたピロリ菌を抗生物質で除去した人は体重が増えるといわれている。また、ピロリ菌がなくなると逆流性食道炎を起こしやすくなる弊害も出てくる。

肺炎連鎖球菌は通常人の鼻腔におとなしく住みついているが、身体がインフルエンザウイルスに応答して体温を上げ、ノルアドレナリンなどのストレスホルモンを放出すると遺伝子のパターンが変化して呼吸器細胞に致命的な影響を与える。

このように体内・体表に生息する細菌は、人の健康や病気に間接・直接に心身にわたって複雑に関わっている。

ヒトの遺伝子の数は2万~2万5千といわれるが、マイクロバイオーム全体ではその数が約330万となる。これから見ても共生細菌のヒトの体に対する影響力が甚大であることが想像できよう。

ヒトの細胞と体に生息する細菌は区別できる。ヒトの細胞にはヒトのDNA(遺伝子の構成要素)が内蔵されており共生細菌はヒトとは異なるDNAを持っている。顕微鏡でその共存状態を確認すれば、それぞれの個体も区別・識別できる。

しかし機能的には、ヒトの細胞も共生細菌も極めて密接な関係が実在しており、機能的には完全に区別することは難しく現実的ではない。

例えば、赤血球は体内にありヒトのDNAを持っており間違い無くヒトの細胞であり、機能的にも人体の維持に深く関わっている。この赤血球は微細なピンセットで摘むことができ、個体として独立した細胞でもある。

共生細菌(例えば、ピロリ菌)は機能面でこの赤血球とどう異なるのであろうか?ピロリ菌は胃粘膜の外側に付着しているが赤血球は内側にいる。場所は多少異なれども人体の維持にそれぞれ関係している。ピロリ菌はヒトの一部なのであろうか、それともヒトの外界なのか?

赤血球とピロリ菌をヒト細胞と共生細菌の例として述べたが、個体としては別、人体の維持という機能面では共通、といえよう。これは、ヒトを主体(内界)と環境(外界)の両面からとらえる場合、ピロリ菌は個体として見るならば外界の存在であり、機能から見るならば内界に含まれる存在ということができることになる。

この場合、ヒトの細胞と共生細菌の関係は、而二不二(ににふに)という関係が成り立っているといえる。 実は、細胞膜を持たずDNAと核酸のみからなっている(細菌より更に微小な)ウイルスも共生細菌と同様にヒトに付着し、ヒトの健康・病気に関係している。このウイルスの数は細菌を更に上回るのはまちがいない。

ヒトの体内にある遺伝子の99%はヒトの細胞ではなく共生する微生物のものであるという事実は厳粛に受け止めなければならない。

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List    投稿者 seibutusi | 2018-08-09 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2018-08-02

[性の進化史] 性と雌雄分化から見た生物史

男女を区別するものはなんでしょうか? 生物学的に言えば、その違いはY染色体にあります。動物の性差を決定づけるのは性染色体です。これにはよく知られるようにXとYとがあり、X-Xの組み合わせからは女性が、X-Yの組み合わせからは男性が生まれるます。

ところが、そのY染色体は、数百万年にわたって減少していて、いずれ消滅してしまうかもしれないと考えられています。X染色体には1000以上の遺伝子が含まれているのに、Y染色体には78しか存在しません。もともとは同じ数だったのに、次第に減少して現在の数になったのです。

ではなぜ、Y染色体の遺伝子は減少し続けているのでしょうか?そもそも、なぜ減少するのでしょうか?

性の進化史を紐解きながら、この疑問を追求したいと思います。

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List    投稿者 seibutusi | 2018-08-02 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
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