2021-02-26

フリーエネルギー技術開発の特徴と種々相

前回「コロナ後の世界はフリーエネルギーの追求が始まり、日本がトップランナーとなる可能性が高い」と投稿しましたが、

今回は「現状のフリーエネルギー開発の状況をまとめた記事」が有りましたので転載します。

事実現象として下記の事項が上げられるが、Chap.1~25に現在の研究内容が記されており、参考に出来ます。

・宇宙第5の力:反重力はやはり存在した

・ロシアの新エネルギー技術―セレクション集〈Vol.1 Nos.1-3〉

・地球が浮かぶエネルギーの海(The Sea of Energy in Which The Earth Floats)

・気の探究と応用・フリーエネルギー、UFO、第3起電力で世界は大激変する 永久機関の原理がすでに見つかっていた

・反重力の秘密:テスラ,UFO,および秘密にされた宇宙航空技術

・フィールド 響き合う生命、意識、宇宙、超能力と気の謎に挑む

 

例えば、Chap.19.  元素転換、核廃棄物の無放射能化

【日本における最近の新しい研究】の項目に日本経済新聞2014.4.8 の記事が記載されており下記に転載します。

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最近、三菱重工業が原子炉や大がかりな加速器を使わずに、重水素を使い、少ないエネルギーで元素の種類を変える元素変換の基盤技術を確立したといわれている(2014年4月)。以下はその文献[1]の抜粋である。 厚さが数10nmの金属のパラジウムと酸化カルシウムの薄膜を交互に積層した多層膜に、変換したい金属を付ける。この膜に重水素を透過させると百数十時間で、元素番号がそれぞれ2から4、6多い元素に変わったという。

セシウムはプラセオジウムに、ストロンチウムはモリブデン、カルシウムはチタン、タングステンは白金に変わることを確認した。元素変換を示唆するガンマ線も微量ながら検出している。同社はセシウムの場合、パラジウム多層膜の内部で4個の重水素が1個のセシウムの原子核に十分近づき、陽子4個と中性子4個が加わりプラセオジウムになったとの仮説を立てている。 ただ、詳しいメカニズムや理論は分かっていない。これは1989年に提唱された常温核融合と同じ考え方である。常温で核融合が起こり、過剰熱が発生するという現象を再現しようと世界中で再現実験が研究されたが、あまりうまくはいっていない。 三菱重工業では「現在、決定的な解決策がない放射性廃棄物の無害化は価値が最も高い。当社は原発メーカーでもある。10年後には実用化したい」という。

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フリーエネルギー技術開発の特徴と種々相 リンク

Chap.1 この分野における基本的考え方など

Chap.2. イーサ(エーテル)のいろいろ

Chap.3a. イーサ応用: イーサ応用: イーサ・モータ、その他

Chap.3b. イーサ応用: オーゴン・エナジーとオーゴン集積器の諸特性

Chap.4. イーサ応用: 人工降雨装置クラウドバスター

Chap.5a. トーションフィールド(ねじれ場)とその関連

Chap.5b. トーションフィールド(ねじれ場)とその関連

Chap.6. ゼロポイントエナジーと悪魔(ディモン)

Chap.7. ゼロポイントエナジーとメカニカルな回転

Chap.8a. 電気エネルギー(主にテスラ)

Chap.8b. 電気エネルギー(主にテスラ)

Chap.9. ドン・スミス & カパナーツェ・インバータ再現実験

Chap.10.  テスラ技術とダラードその他

Chap.11. 電気エネルギー(主に管球)

Chap.12. 電気エネルギー(主にコイル&トランス)

Chap.13. 電気エネルギー(共振、薄膜、スイッチング回路、etc.)

Chap.14. グラジエント

Chap.15. パルス充電式バッテリーシステムと冷電気

Chap.16. 重量変化・重力・浮揚

Chap.17.  浮揚・電気・ソリトンなど

Chap.18a.  オーゴンエナジーと水を利用した装置&火花放電など

Chap.19.  元素転換、核廃棄物の無放射能化

Chap.20a.  回転体の物理(重力・放射線など)

Chap.20b.  回転体の物理(発電・浮揚・重量変化・冷却など―主にSEG)

Chap.21a. モータ/回転機/発電機、他

Chap.22. 新領域:意識工学の研究の可能性

Chap.23. 植物・微生物から直接発電、樹木発電、その他

Chap.25 テレポ-テション・その他,雑録

以上

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List    投稿者 seibutusi | 2021-02-26 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2021-02-18

コロナ後の世界はフリーエネルギーの追求が始まり、日本がトップランナーとなる可能性が高い

■日本は世界から次世代のリーダと期待されている

★日本民族の特徴(自然との共生と集団第一の価値観)

「自然の恵(食糧・温暖)と脅威(地震・火山・台風)の中で育った民族」

・豊かな食糧に恵まれて生活に余裕を持ち、争いあう必要もなければ、余暇を生活の工夫や自然の摂理の追求してきた。

ベーシックインカム実施による生活の補償及びトランプ革命によって

・「中央から地域へ」≒食・エネルギー・情報の自単位での確立が必要(自主独立)

・「未知追求の時代」⇒同類闘争としてフリーエネルギーの開発は必須

 ★現代社会では既にフリーエネルギー(小規模で利用できる)は素人発明家が実現しているリンク

之まで、教科書に記載されている物理学に矛盾する内容であった為、イカサマ扱いをされていた。

しかし フリーエネルギーと言っても 入力<出力を創り出すシステムであり身近な例では空調用の空冷ヒートポンプパッケージがある。

電動機(電気入力Qe)で大気から熱(Qo)を取り出し室内に熱(Qe+Qo)放出する。入力Qe<出力Qe+Qoとなる。

同様に、ソレノイドコイルを使い少しの入力Qeで宇宙空間からエネルギー((Qo)を取り出し出力(Qe+Qo)する。

又、上記フリーエネルギーの科学証明を「スミルノフ物理学(佐野千遥)」で行っており、

そもそも 之まで現代物理学(西洋科学)はあらゆる処で破綻をきたしている(現象事実を論理的に説明できない)その理由は物理の基本原理が誤っていると考えられるからである。

コロナ後の世界(合体版)9

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【驚嘆すべき変革が自然科学の分野(コロナ後の社会)で起こる予感がある。】

新たな物理学(ニュートン・スミルノフ・佐野千遥宇宙方程式)リンク

・「ニュートンの第3法則」=「動的作用反作用の法則」F1 ×v1 = -F2 × v2が成り立つかつ時間・空間は連続態でなく不連続態である。

・自然界は個体・液体・気体・プラズマ・エーテルの5相で成立しており、発散と統合を繰り返している。物質の発散統合(個体⇔液体⇔気体⇔プラズマ⇔エーテル)

・自然界(星から粒子まで)は対数螺旋構造の渦であると定義した。→左巻きhelix(螺旋)ネジ型のエーテル紐と電子及び右巻きhelixネジ型のエーテル紐と陽電子 のモデルを定義した

・宇宙はメビウスの帯のような複素空間で、エーテル繊維(のエネルギー)で満たされている。

・常温核融合、放射性元素は無害化、常温超伝導、反重力、テレポーテーション、フリーエネルギーなど、スミルノフ物理学から導かれる。

 

 

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List    投稿者 seibutusi | 2021-02-18 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2021-02-18

細菌のべん毛運動 ~細胞内のモーター回転力をべん毛繊維に伝達して自在に運動する~

しかし、生物にとって回転は特殊な動きなのです。実際、生物における回転運動は、ATP合成酵素以外ではバクテリアの鞭毛くらいしか存在しません。リンク

生物にとって特殊な動きである回転」。その一つである細菌のべん毛運動」。

細菌は、どのようにべん毛を使って運動しているのか。その運動と「回転」はどのように連動しているのか。

今回は、「細菌のべん毛運動の仕組み」について追求した研究報告から見ていきます。

沖縄科学技術大学院大学(2019-10-01) より。

細菌の自由自在な運動性を解明

細菌べん毛は、自然がデザインした巧妙な発明品であると言われます。細菌はこの強力なナノマシンを利用して泳ぎ回り、食糧やすみかを探します。細菌べん毛については過去半世紀にわたり多くの研究が行われていますが、未だ精緻な機構は謎のままです。

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この度、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究者らは、フックとして知られる細菌べん毛の柔軟なジョイントを通して、菌体内部のモーターから外側のべん毛繊維に力を伝達する仕組みを発表しました。Nature Structural & Molecular Biology誌に掲載されたこの発見は、将来、命に関わる細菌感染症との闘いにおいて役立つ可能性があります。細菌がどのように運動するか を深く理解することにより、将来、疾病予防戦略を改善できるかもしれません。

研究チームは、細菌が移動するときに、べん毛フックがダイナミックに動くジョイントとして、どのように細胞内部から回転力を外側のべん毛繊維に伝えているかについて説明しました。また、クライオ電子顕微鏡を使用し、詳細な構造解析を元に、フックが単一のタンパク質からのみで構成されているにもかかわらず、柔軟性と剛性を兼ね備えている仕組みを説明しました。規則的に組み上がった単一のフックサブユニットタンパク質はフック構造内で少なくとも11もの立体構造を協調的にとることで、フック構造がダイナミックに変化します。

「外側のべん毛繊維構成タンパクは二つの状態で構造中に存在すると考えられていましたが、フック構造は異なるように見えます。このことはフック機能の説明に従来想定されていた『二状態モデル』は当てはまらず、その違いがフックの柔軟性を表しています。」と、責任著者であるマティアス・ウルフ准教授はコメントしています。

べん毛の複雑なシステムは、数百万年間にわたって最適化されてきた進化の証なのです。」

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べん毛フックはダイナミックに動くフレキシブルジョイントとして機能し、細胞の内側のモーターからの回転力を外側にあるべん毛繊維に伝達します。回転するべん毛繊維を用いて細菌は運動します。 提供: 柴田敏史博士
べん毛は驚くべき離れ業を持っています。ローター、ステーター、ドライブシャフト、ブッシング、ベアリング、そしてプロペラのようなフィラメントが同期し、粘性液体中を細菌が毎秒、自身の数倍の距離を移動できる推進力を生み出します。フックは、柔軟なジョイントを作製しようしている人間の試みを、多くの点において超えるものです。」と、本論文の筆頭筆者である柴田敏史博士は述べます。

「フックのモデルを構築している間、その素晴らしい組立て構造に驚きました」と、共同筆頭著者である松波秀行博士はコメントを加えます。

実はハイテクな単純生物

ウルフ准教授の率いる生体分子電子顕微鏡ユニットは、べん毛のフック構造に焦点を当て、クライオ電子顕微鏡を使用し、多数の2次元像から精巧な3次元像を再構築しました。同ユニットでは、これまでにエボラウイルスのコア構造や、がんと闘うセネカバレーウィルスの3次元再構築にも成功しています。

(中略)

べん毛フックは約130ものサブユニットからなるジョイントであり、各サブユニットは単一種類のたんぱく質でできています。各サブユニットは3つのドメインで構成され、剛健なドメインは各々柔軟なヒンジ(ちょうつがい)でつながっています。興味深いことに、これらサブユニットは、同一の化学構造にもかかわらず、重合体内で11もの異なる状態をとれることがわかりました。回転しているフック内ではサブユニットの構造は協調的に変化します。

らせんチューブ状のフックを介してモーターから回転力が外側にあるべん毛繊維に伝達されます。ヒンジを持ったサブユニットの特徴は、フックがどのようにして柔軟性と剛性を兼ね備えているのかを説明しています。チームはまた、異なる細菌のフックサブユニットにヒンジのモチーフ(基本的な形)が保持されていることを確認しました。このことは、今回観察されたフック構造が一般的な特徴であることを示唆しています。

べん毛がいかに機能するかを知ることは、その機能を活用するための初めの一歩です。この研究で使用されたモデル生物であるサルモネラ・エンテリカは、人間における病原体のひとつであり、開発途上国では主要な死因となっています。細菌の運動性は、細菌の感染に決定的な要素であり、べん毛フックはその運動性において不可欠なものです。将来的に、フックを介した運動を遮断することができれば、貴重な疾病予防戦略となる可能性があります。

 

(以上)

 

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List    投稿者 seibutusi | 2021-02-18 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2021-02-12

豊かな食糧に恵まれて生活に余裕を持ち、争いあう必要もなければ、余暇を生活の工夫や自然の観察に使えます(古来の日本)

日本は、世界から次世代をリードする民族として注目を集めています。

豊かな食糧に恵まれて生活に余裕を持ち、争いあう必要もなければ、余暇を生活の工夫や自然の観察に使えます(皆の追求で充足)

【日本は「まわりじゅう食べものだらけ」】と言われるほど自然に恵まれた温暖の島国で自然の脅威(地震・火山噴火・台風等)もあり、自然と共生し1万年前から平和が続いた縄文時代には、世界最古の土器が出土している。(世界最古の文明)

西洋史観による4大文明(5千年前:エジプト文明、メソポタミア文明、インダス文系、黄河文明)は自然との共生が出来ず砂漠化している。

日本列島は、地質学的にも希な4つの奇跡が造りあげた美しき豊かな大地だった

4つの奇跡が造りあげた日本列島  (国際派日本人養成講座)より転載します。

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■1.日本列島が産んだ日本料理

日本列島は山が多く、水蒸気を含んだ風がぶつかって雨や雪を降らせます。年間降水量1700ミリは、温帯では世界トップクラス。水が豊かなため、動物や植物の種類も世界のほかの温帯地域と比べればダントツに多く、動植物の固有種は3000種類、淡水魚だけでも500種に及びます。 縄文時代には狩猟・採集中心で、農耕や牧畜をしないまま定住に入ったという、世界の他の古代文明とはまったく違った生活様式を生み出しましたが、それもこの豊かな自然があったからです。多くの種類の食材を、旬を考えて調理するという日本料理の特徴も、この自然の豊かさからきています。

また雨水が岩石の間を通る際にカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが溶け込みますが、日本では山が急峻なため、ミネラルをあまり含まない「軟水」となります。 フランスのように平らな大地を水がゆっくり浸透すると、ミネラルの多い「硬水」となりますが、それでお吸い物を作ると、ミネラルが昆布の表面にくっついて、「うま味」が出ません。出汁(だし)をうまく使った日本料理は、軟水だからこそ発達したのです。 また急峻な山肌がそのまま海に入るので、海岸線のすぐ近くに深海があります。ホタルイカは200~300mの深さに住んでいますが、富山湾は深いところで水深1000mもあるので、岸のすぐ近くで獲れるのです。伊豆半島近海でとれる金目鯛も深海魚ですが、駿河湾や相模湾にも2000~4000mの深海がすぐそばにあるからです。急峻な山と深い海という特性が、日本料理の食材を豊かにしています。
■2.卵の殻が動いてぶつかり合う

この日本列島の地形は、数千万年の間に地質学的な奇跡が4回も重なってできたもの、という事が明らかになっています。「地球上でも例のない奇跡の大地」と呼ばれています。[NHK, p96]  この4回の奇跡は、いずれも日本列島の近くにある3つの巨大な岩盤(プレート)の動きから引き起こされています。プレートとは、地球を半熟卵に例えると、表面の殻のようなものです。ただしその殻はヒビ割れて14~15枚に分かれて、それぞれ独自に動いています。

(中略)

■3.第1の奇跡: ユーラシア大陸から引きちぎられた列島

約3千万年前、すでに恐竜は絶滅し、ユーラシア大陸では体長7メートル、肩高5メートルほどもある史上最大の哺乳類パラケラテリウムが闊歩(かっぽ)していました。のちに日本列島となる一帯はユーラシア大陸の東端にくっついていました。 そこに大地震を発生させながら、大陸の東端の大地が割れはじめ、激しい火山活動が始りました。東端部は数百万年かけてゆっくり、東へ東へと引き裂かれていきました。裂け目には、始めは水が溜まり湿地や湖ができましたが、2500万年前、太平洋の海水が入り込み、東端部は大陸から分かれた島になりました。

(中略)

■4.第2の奇跡: 伊豆諸島の日本列島への衝突

伊豆諸島は伊豆大島から南南東に向かってほぼ一直線、三宅島、八丈島など大小100余りの島が550kmに渡って並んでいます。これらの島々はフィリピン海プレートの北への移動に乗って、日本列島に接近してきました。 そして1500万年前に西日本の北側に衝突を始め、現在の甲府盆地の西の櫛形山地、次いで御坂山地、丹沢山地ができました。丹沢山地は富士山の東、神奈川県北西部にある南北20km、東西40kmの地帯で、標高1500メートルを超える山が9つあります。ここはかつては南の海の海底で、今でも山頂でサンゴやオウムガイの化石が見つかっています。

(中絡)

■5.第3の奇跡: 西日本の山岳を作った超巨大カルデラ噴火

1400万年前の日本列島には、まだほとんど山はなく、湿地が広がり、ゾウやワニの祖先が暮らしていました。しかし、現在の西日本では紀伊半島から、四国の南部、宮崎から鹿児島と、山地がベルト状に広がっています。 これらの地域では、1400万年前に超巨大噴火が集中して起こったのです。日本列島となる一帯がユーラシア大陸から引きちぎられて現在の場所に移動していた時に、今の沖縄付近にあったフィリピン海プレートも東に引っ張られ、裂けた部分に巨大な割れ目ができました。

(中略)

■6.第4の奇跡: 東日本の山々を作った東西圧縮 

一方、東日本の山々を作った第4の奇跡が、300万年前に起きました。この頃、南から北に移動していたフィリピン海プレートが太平洋プレートにぶつかり、それ以上北には進めなくなって、北西に沈み込む方向を変えました。これは地球史上でもめったに起きない現象だと言われています。 それに伴って、ユーラシア大陸プレートに押しつけられましたが、こちらでもこれ以上、動けません。すると縁の部分にある日本列島が東西に圧縮されて、隆起しました。この「東西圧縮」の力で、東日本は2千メートル以上、隆起したと考えられています。

(中略)

■7.豊かな日本列島で定住生活が可能になった

こうして世界にも希な奇跡が4つも重なって形成された日本列島に、我々の先祖は大陸から移ってきました。極寒のシベリアを超えて北海道へ、朝鮮半島や中国南部から海を渡って九州へ、さらには南から南西諸島をたどって。 そこは温暖な気候、豊かな雨量で繁茂する山林があり、小動物や木の実、キノコが豊富にとれました。急峻な山肌が作った複雑な海岸線は多くの入り江を作り、魚や貝をとるには好適でした。しかも豊かな森の落ち葉による腐葉土の栄養を河川が海に流し込み、たくさんの魚を育てています。

世界の古代文明は1万2千年前くらいから農耕と牧畜を始めて、ようやく定住生活に入れたというのが従来の文明観でしたが、我々の先祖たちは採集と狩猟だけで定住生活を始めたのです。それもこの豊かな日本列島のお陰でしょう。 しかも、縄文時代には大陸のような大規模な戦いの跡は見つかっていません。我々の先祖たちは多様な出身を問わず、仲良く暮らしていたのです。それも、豊かな日本列島のお陰で食糧を奪い合うような争いは不要だったからでしょう。

■8.4つの奇跡が作った日本列島への感謝と慎み

豊かな食糧に恵まれて生活に余裕を持ち、争いあう必要もなければ、余暇を生活の工夫や自然の観察に使えます。縄文時代の遺跡からは、獣60種類以上、魚70種類以上、貝350種類以上の残滓が見つかっています。 貝にしても、どこの入り江のどのあたりで、どんな貝がとれ、それはいつ頃に旬を迎え、食べる量をどれくらいに抑えていれば、翌年も豊かな恵みをいただけるか、考えて採集していたようです。シジミやハマグリは遣された貝の断面の成長線を調べると、全体の70%は4月から6月にかけて食べていたことがわかっています。現代の潮干狩りと同様、この時期が最も脂がのっているのです。 狩猟・採集といっても、麦だけを植える農耕や、羊だけを育てる牧畜などより、はるかに複雑な知識を発達させていたのです。このような知識集約型の生活から、世界でも最古級の土器が生まれたというのも、不思議ではありません。[JOG(1078)]  こうした日本列島の豊かな恵みに感謝すれば、そびえる山、巨石、高い木、清らかな川、豊かな海に、自分たちを護ってくれている神々を感じとるのは、人間の自然な心理でしょう。神々は時にはお怒りになって、暴風雨や山崩れ、地震などで人間を襲いますが、だからこそ人間は神々の恵みに感謝しながら、慎み深く生活しなければならない、とご先祖様たちは考えたのです。 こうして見ると、日本人の古来からの世界観と文明を生みだしたのは、日本列島だった事が分かります。そして、この列島は地質科学でも希な4つの奇跡が創りだしたものでした。現代の我々も、ご先祖様と同様、感謝と慎みの心をもって、この日本列島を大切にしたいものです。(文責 伊勢雅臣)

参考リンク

■ a. JOG(1078) なぜ世界最古の土器が日本列島から出土するのか? 1万年以上も自然と共生し、平和が続いた縄文時代は「文明先進国がどこも体験することのできなかった貴重な時間」だった。http://blog.jog-net.jp/201809/article_1.html_____________________________

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List    投稿者 seibutusi | 2021-02-12 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2021-02-11

生き物のエネルギー供給源を生み出すナノモーター ~酵素の「回転運動」によるエネルギー創出~

人間を含めあらゆる生物のエネルギー供給源となるATP(アデノシン三リン酸)。

ATPを作り出すATP合成酵素は、なんと「回転運動」によりエネルギーを創り出しているという。

回転運動とはエネルギー創出の普遍的な原理なのか?

フリーエネルギーへの注目リンクが高まる中、エネルギーについて追求を進めて行きます。

今回は、世界で初めてATP合成酵素が回転していることを観察した研究報告を紹介します。

京都産業大学HP より。

生き物のエネルギー通貨を生み出すナノモーター
 —ATP合成酵素の回転運動を世界で初めて観察—

~前略~

全ての生物のエネルギー通貨

物を見る時、脳の中ではどのような情報処理が行われているのでしょうか。それを考えるために、錯視・錯覚を起こす図を用意しました。

ATP(アデノシン三リン酸)とは、生物に必要不可欠なエネルギーの供給源です。植物もバクテリアも、全ての生物はこのATPという小さな分子をADP(アデノシン二リン酸)とリン酸に加水分解することで生まれるエネルギーによって活動しています。運動はもちろん、細胞の中のいろいろな化学反応を進行させる、嗅いや味を感じる、あるいはDNA(遺伝子)の複製まで、あらゆることにATPは用いられます。いわばエネルギーと交換できるお金のようなもので、エネルギー通貨と呼ばれることもあります。

ATPが分解されて出来たADPとリン酸は、食べ物を燃焼して得られるエネルギーによって再びATPに合成されます。人間の体内にはわずか数10グラム、約3分間分のATPしか存在しませんが、常時使っては合成しているので、一日に作られるATPは体重に相当する量になります。

このATPはATP合成酵素※により作られますが、そのメカニズムについては大きな謎でした。これに対して画期的な仮説を立てたのがポール・ボイヤー(Paul Delos Boyer,1918-)です。彼は、ATP合成酵素は回転していると提唱しました。このアイデアはあまりに常識破りであったため、長い間、学界では相手にされませんでした。しかし、ボイヤーの考えは実際には正しいものだったのです。そして彼の説を裏付けたのが、世界で初めて回転するATP合成酵素を観察することに成功した私たちのグループだったのです。

ATP合成酵素に関する研究は大変重要なものであり、1997年秋にボイヤー、ウォーカー、スコウの3名はノーベル化学賞を受賞しました。私たちもノーベル賞に迫っていたと思いますが、ノーベル賞は3人までにしか与えられませんから、4人目の候補だったのかもしれません。

回転するATP合成酵素

人間の場合、ATP合成酵素はミトコンドリアの内膜にあり、水素イオンの流れによってATPを作っています(図1)。その仕組みを、水力発電を例にとって説明しましょう。

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水力発電は、水の位置エネルギーを電気エネルギーに変換するものです。ダムの堤で高所に水を貯めておいて導水路の中に落とし、その勢いで発電機のタービンを回して、電気を生みます。

ATP合成の場合、水素イオンが水で、膜がダムの堤、ATP合成酵素が導水路と発電機にあたります。水素イオンの濃度差が、ダムにおける水位の高低差です。

ミトコンドリアの外側にある水素イオンは、膜によって内側に入るのを塞き止められています。この水素イオンは溜まってくると内側との濃度差によって膜に点在するATP合成酵素の中に流れこみます。すると、その流れの勢いで酵素中央のシャフトが回って、発電機の代わりにATPを合成するマシンが動き、ADPとリン酸からATPを合成するのです(図2)。

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もちろん、これを続けるとミトコンドリア内部の水素イオン濃度が上がっていずれ内外の濃度差がなくなってしまいそうです。しかし、ミトコンドリアには食べ物を燃焼すること(細胞呼吸)によって水素イオンを外側へ汲み出す機構がいつも働いているので、水素イオンの濃度差は維持されて、ATP合成酵素はATPを作り続けることができるのです(図1)。

ところで、ATP合成酵素が回転しているということは、注目に値する事実です。

私たちの身の回りには、回転運動が至るところに見られます。モーターなどは顕著な例でしょう。ロボットも、モーターの回転を並進運動に変換して動いています。しかし、生物にとって回転は特殊な動きなのです。実際、生物における回転運動は、ATP合成酵素以外ではバクテリアの鞭毛くらいしか存在しません。

回転が生物にとって例外的な動きであることは、スクリューで進む魚やプロペラで飛ぶ鳥、車輪を持った動物がいないことからもわかります。回転してしまうと付随する血管や神経、あるいは骨などの器官が千切れてしまうからでしょうか。回転するためには、情報伝達系やエネルギー伝達系を切れないようにうまく組み合わせておかないといけないのです。ATP合成酵素が回転できるのは、回転軸が周囲のリング状の固定子の中で浮いていて、固定されていないからです。

ATP合成酵素を研究するということ

ATP合成酵素が回転する理由は、現在のところわかっていません。回転せずにATPを合成する機構はいくらでもありますし、ATP合成酵素の反対の仕組みも、私たちの体内の様々な場所で見いだせます。たとえば、胃袋の内部は常に強い酸性で保たれていますが、これはATP合成の逆で、ATPを利用して水素イオンを濃度の低いところから高いところへ汲み上げているのです。

ダムの例えでいえば、下流の水をポンプで上流に汲み上げているようなものです。ですから、この胃袋の酵素を逆に使えば、ATPを合成することはできるということです。その仕組みもずっと簡単ですが、実際これを用いてATP合成を行っている生物はいません。

ではなぜ、あらゆる生物が簡単な機構ではなく、複雑なナノモーターを使用しているのか、それには、何か重要な理由があるはずです。もし火星で生命が見つかったとして、その生命も回転によってATPを合成していたとすれば、回転には宇宙的な普遍性があるといえるでしょうが、現段階ではまだ謎のままです。

~以下略~

 

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List    投稿者 seibutusi | 2021-02-11 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2021-02-05

絡合(絡み合う)のサイエンス(太古の人類の科学)その2

絡合(絡み合う)のサイエンス(太古の人類の科学)の続きです リンク

生物の世界は、外圧適応(生き残る)する為に物質と情報+霊魂?(精霊、気、エネルギー)で構成(集団として秩序化され方向性を持っている)されている。

その中で、「気」について科学的に研究された記事が有りましたので転載します

 電磁波によるがん治療は存在し理解できますが、古来の治療方法:手当て(患部などに手をあてること)や祈り、変性意識への誘導などで治療する方法は空言の様に考えていましたが、物質と気が絡み合う現象を実験室で再現出来たとの記事です。

この研究報告は、一旦エネルギーを無機物質(綿花)に貯めてそして病んだ細胞(エネルギーの授受をしている)に与えるのです。

 心と物質がお互いに作用しあうこと、さらに心と体がつながっていることを示す事は容易に理解できますが、ヒーリングの思いを物質に保存し、その物質に触れる事で治療する事。

>具体的には、(ヒーリングの)エネルギーをコットン(綿花)に保存(記録)させたものを用いて、乳がん細胞に与え、がん細胞を変化させる。

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世界の裏側ニュース リンク より

「治癒のエネルギー」は物質に保存して、その物質に触れることで治癒効果が発揮されることが研究で明らかに」:

試験管内の実験でがん細胞に変化が
【まとめ】

事実:ヒーリングの願いやエネルギーは、保存し、その後インビトロ(試験管内で取り出した細胞などを用いた実験)で乳がん細胞を治療するために用いることが可能であることが新しい研究から明らかになりました。心と物質がお互いに作用しあうこと、さらに心と体がつながっていることを示す実例の一つです。

考えてみよう:こういった研究結果は信じがたく、科学の主流派はそういった可能性を無視し続けていますが、それはどうしてでしょう。

現在の科学は、本当の意味で科学と呼べるのでしょうか。単なる独断的な考えになりさがってはいないでしょうか。

健康を専門とするプロの人には、「ヒーリング(癒し)のエネルギー」について依然として懐疑的な姿勢を取っている人が多くいます。しかしながら、健康を専門とするプロや科学者の多くの中で、この点に関して関心を寄せる人の数は増え続けています。これは単に、研究の結果や科学が事実を物語っているからにすぎません。

「心と体」のつながりや「遠隔ヒーリング」は、治療効果の点で見た場合、医薬品の認可に使われるほとんどの科学よりも、統計的に大きな効果を出していますが、このことはあまり多くの人には知られていません。

遠隔ヒーリングとは、簡単に言えば、治療を必要とする人に対して誰かが癒そうとする意識を送ることです。これは、科学によって繰り返し実証されている心と物質の相互作用の一つの形態です。

たとえば1999年、カリフォルニア大学アーバイン校の統計学のジェシカ・アッツ教授は、超心理学実験において、超心理学による心臓発作の予防を予防する効果が、アスピリンの1日分量以上を上回ったことを示す論文を発表しました(論文:PDFファイル)。

(訳注:超心理学とは、心と物あるいは心同士の相互作用を科学的な方法で研究する学問です)

アッツ教授はまた、その研究では抗血小板薬などの様々な医薬品に関する研究よりもはるかに良い結果が出たことも示しています。

超心理学と量子物理学の分野には多数の例があり、文字通り何千もの査読済みの発表論文が出されています。つまり、心と物質がお互いに影響を与え合っていることが、疑う余地もないほど実証されているということです。

心と物質がどのように相互作用するのか、さらにその相互作用の性質については現在も研究がなされています。非常に多くの著名な科学者らは何年にもの間会合を開き、物質だけが現実を作り出しているわけではないことを強調している理由の一つがこれなのです。

ある新しい研究結果がSAG Journalsに掲載されました。この研究では試験管内のコントロール下の状況でヒーリングの意志ががん細胞に与えうる影響が調査されましたのです。(「ヒーリング法に触れることで起きる癌細胞の転写の変化(原題:Transcriptional Changes In Cancer Cells Induced By Exposure To A Healing Method)」)

この研究の目的は、(ヒーリングの)エネルギーをコットン(綿花)に保存(記録)させたものを用いて、乳がん細胞に与える影響、またヒーリング法を実践しているヒーラーの電磁気の状態を記録したものを評価することでした。

古代からのならわし

歴史的に確認されている文明の実質上すべてにおいて、一部の人間には治癒する能力があると伝えられている。この治癒能力はしばしば、ある種の歴的な伝承制度に従うもので、治癒者自身はその文明の中で特別な地位が与えられている場合もある。

治癒のために様々な実践方法が用いられており、これには手当て(患部などに手をあてること)や祈り、変性意識への誘導などが含まれている。

ヒポクラテスはこの治癒方法について、「多くの人の手から流れ出る力」と呼んでいる。

人類の歴史を通じ、様々な文化においてこの種の治癒は実践されてきましたが、特に仏教文化圏において顕著でした。

この分野についての古代からの文書には、並外れた能力の人たちの話がたくさん含まれていますが、現在のリアルな世界を見るだけでも実際に、否定しようのない事例が存在しているということがさらにおもしろいところです。たとえば現代の研究においては、カナダのマギル大学のバーナード・グラッドという生物学者がこの分野の先駆者の1人です。

同氏はコントロール実験(対照実験)において、植物の種子の発芽に実際に影響を与え、また植物の成長を早める能力が一部の人にあり、さらには生理食塩水でショックを受けた種子の回復に影響を与えることができることを発見しました。

さらに、マウスの甲状腺腫を縮小させマウスの怪我の回復を促進させるヒーラーの能力の強さの計測に成功しています。(リンク)(リンク)(リンク

この研究で興味深いのは、これだけではありません。米国国立医学図書館の蔵書にある、アメリカでの中国医学に関するジャーナルで発表された研究では、ある一人の女性が特別な能力を持っていることが立証されていました。

 

この女性はより逞しいタイプの種子を開発する目的で、種子の発芽を促進させる能力を使っていたのです。

 

チュリン・サンという名前のこの女性は深いトランス状態に入ることで、通常は3~4日かかる種子を20分で発芽させることができます。彼女やこの研究については、こちらのリンクからさらに詳しく読むことができます。

 

■すでに存在している科学的な証明

上記のがん研究では、さらに多くの事例が引き続き引用されています。

グラッド氏の最初の研究以降、ヒーリングに関する前臨床研究が無数に行われており、意図的なヒーリングの対象によって分類されることもあります。

たとえばBenorは、コントロール研究で検査対象の酵素や実験室内での細胞、真菌・酵母、細菌、植物、単細胞生物、さらに動物に対する治癒作用について論じています。

ヒーリングに関する研究は近年、急増し続けています。

現在、急増している補完代替医療(CAM)の分野に特化した査読付きジャーナルがいくつかあり、さまざまな条件下での治癒に関する前臨床やコントロールされた臨床研究の両方が発表されています。

さらにCAMだけに焦点を絞っていないものの、この分野でのコントロール研究をオープンに発表している査読付きジャーナルの数も増えています。

科学者チームは、自らを「ヒーラー」と名乗る数名の者の治癒の意識をコットンに保存させてチャージしました。

そしてこの電磁気に触れた検査対象の細胞167のうち、37の遺伝子にはコントロール群(「治癒」の意識に触れていないグループ)と比較すると統計的に有意な変化が確認され、さらに68の遺伝子には統計的に有意な倍数変化が確認されました。

その後、この研究から、ヒーラーや記録された治癒エネルギーによって少なくとも生物学的な反応が起こるということが明らかに示唆されています。小さなことのように思われるかもしれませんが、この研究で確実に効果が確認されていることには大きな意味があります。

「このゲノミクス(ゲノムの構造の解析)の結果や、その原因となった複数の要素に対する注意深い評価は、今後さらなる研究が必要となります。

記録媒体がエネルギーに接触していた時間の長さや、記録媒体自体の成分ヒーラーのエネルギーを最も効率よく吸収できる媒体は何か、などの疑問に取り組む必要がありますが、このような疑問に対する答えを求める取り組みは進行中となっています。

この研究から導き出せる重要な点をまとめると次の通りです。

1.再現可能である生物学的な変化は、直接的な手当の治癒、または治癒活動を記録した媒体によって、生物学的な変化がされているが、これは再現可能なものです(訳注:「再現性」は科学的であるための条件の一つです)。

2.治癒の意識は保存し、その後解放することができるが、これによって治癒の現象をより幅広く広めることが可能になります。

3.治癒の意識を直接手を当てて行うヒーリング方法は、治癒の意識を保存した媒体を用いた場合よりも強力であることがこの研究からわかっています。つまり治癒意識を記録した媒介を用いた場合は、その可能性をすべて用いることができていないということです。

(後略)

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List    投稿者 seibutusi | 2021-02-05 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2021-01-28

生物は常に飢餓状態で、群れて、情報を交換し合い生きようとしている

生物史を通じて、生物は常に飢餓状態で、群れて、情報を交換し合い必死になって生き延びようとしている。

ウイルスから細胞・多細胞そして人類まで飢餓が通常であり、進化の活力源でもあった。飽食の現代の活力源は?

今回は、生物の始原(ウイルス)に顕著に観ることが出来るバイオフィルムについて投稿します。

「新型コロナについて」

空気中に、1平方メートルあたり 8億個の浮遊ウイルスが浮遊しており、又必死に生きようとしているウイルスに「三密防止≒主要に空気感染防止及び孤立化」で効果有るとは思えない。

太古からウイルスと共存してきた人類は一定の免疫をもっており、外遊び・人との接触一体化・笑いが免疫強化に最も有効である。

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『バイオフィルム入門 -環境の世紀の新しい微生物像-』(日本微生物生態学会バイオフィルム研究部会 編著,日科技連)

他より

「毎日」1平方メートルあたり 8億個のウイルスが地上に降下していると見積もられるそうですから、日本でのちょっとした大きな都市なら、毎日、数兆個から数百兆、あるいはそれ以上のウイルスが日々地上に降り続けていることになります。まさに「私たちは毎日、ウイルスのシャワーの中で生きている」ということになりそうです。

そして

自然界では「生きているが培養できない Viable But NonCulturable (VBNC)状態で存在している細菌が圧倒的多数であることが明らかになっている。

土壌中の細菌も海水中の細菌も,その大部分が飢餓状態にあるためとされている。世の中,甘くないのである。この過酷な自然で生きていくための戦略がVBNC化なのである。逆に言えば,培養できる浮遊菌とは要するに,養分が豊富にある特殊状況のものなのである。

同時にこのことは,なぜ自然界のバクテリアが浮遊状態でなく,バイオフィルムなどの固着状態で生きている理由が明らかになる。栄養が使い果たされた環境におかれたバクテリアは,何かの「表面」に固着しようとする。物の表面は帯電しているために有機物を吸着しているからだ。その有機物をねらうなら表面にとにかくくっつくことだ。だから,表面があればそれに固着するのがバクテリア本来の生き方であり,基本戦略である。

バイオフィルムとは「細菌共同体」であり,自然界普遍のものである。

というわけで,バイオフィルムの基本的知識を列記しようと思う。

  1. 世界にはいろいろな物があるが,物には必ず表面がある。表面があれば必ず微生物が付着する。
  2. 「表面」と水が接するところでは,複数の細菌が表面に付着して微生物共同体を作る。これがバイオフィルムである。
  3. バイオフィルム内では複数種類の微生物が共存している。
  4. 細胞外多糖類からなるマトリックス内部には複数種の細菌コロニーが存在している。コロニー間を密度の低いポリマーが埋め,そこは水が自由に移動するwater channelsとなっている。これは多核細胞生物体に極めて近い構造体であり,それがバイオフィルムの本質である。
  5. バイオフィルム内では他種類の細菌が高密度で生息していて,お互いに代謝産物やエネルギー,情報のやりとりをしていて,遺伝子の交換も起こっている。このことで,単独の細菌にはない機能を生み出すと同時に,多種多様な環境変化にも対応できるようになる。

変化の激しい環境で生き抜くために,細菌たちはお互いに身を寄せ合い,生きるために情報を交換し合い,必死になって生き延びようとしているのだ。

このような細菌たちの姿を知ると,そんじょそこらの方法で除菌ができないことは簡単に理解できるだろう。ステンレスの表面の微細の傷にもバイオフィルムが作られるのである。 ステンレス鋼内部にバイオフィルムを作り,金属を破断させる細菌ですらいるのである。金属内部にバイオフィルムを作ることの困難さに比べたら,人体の粘膜や創面に定着するなんざ,朝飯前なのである。

消毒薬の効果にしても試験管内で調べられたものである。つまり,本来の生存形式であるバイオフィルムを破壊して,さらに,本来固着生活をしている細菌を浮遊させた(一個一個に強制的に分離し)条件で調べたものである。こういう状態で消毒薬が効いた,効いていない,と論じても無意味である。

細菌の侵入と定着は避けられない自然現象である以上,「消毒したから安全」と短絡的に考えるのでなく,異変が起きたらすぐに異変と気付くシステムを構築すべきだと提言している。

 

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List    投稿者 seibutusi | 2021-01-28 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2021-01-21

微生物も「会話」をして、仲間とコミュニケーションを取っている!?

生物史から観ると 生物は「共に助け合う」という共存のシステムの中で進化してきた事実がある。リンク

即ち人類の言葉は、みんなで考える(答えを出す)ためにある、従って当然みんなに伝えるためにあるという二重性を持っている。【言語の進化】1.

人類は言語によって、仲間と共に追求し想い伝え合うことで、知能を飛躍的に進化させてきました。生物が仲間=集団を作って生きていくために、言語能力は欠かせない力のようです。

そして、何と「微生物も会話をして仲間とコミュニケーションを取っている」という驚きの記事を紹介します。

TIME&SPACE(byKDDI)2018/05/30 より。

会話をする微生物、そして高まるチームワーク

微生物も会話をし、仲間とコミュニケーションを取っている。
その言語を習得すれば、微生物を自由に操れるかも?!

微生物は予想以上に小さい

微生物というと、何を思いつくだろうか? 多くの人は「ミジンコ」と答えるかもしれない。でも実際にはミジンコはエビやカニの仲間。微生物に厳密な定義はないが、微生物学者はもっと小さな生き物を微生物と呼んでいる。ミジンコは1 mm程度、それに比べて微生物の中でも酵母は10 μm、乳酸菌や大腸菌などの細菌は1 μm程度。つまり、ミジンコと細菌は1000倍も大きさが違う。その比はゾウとアリくらい。

そんな小さな微生物、どうやって生きているかというと、もちろん1匹で生きているわけではない。仲間と一緒に群れを成して生きている。

集団でいるならもちろん仲間と会話をする。えっ、会話? 声を出しているの? 1 μm程の大きさの微生物にそのような巧妙な機能はない。低分子化合物を細胞の外に出して会話しているのだ。ここでは、微生物の会話に耳を傾けてみたい。

会話して何をしているのか?

多くの微生物は細胞の外に言語となる小さな物質を分泌していて、その濃度を認識する能力を持っている。そして、その濃度を感知することで周囲にどれくらい仲間がいるかを把握している。

微生物は集団となった際、少数では成し遂げられなかった機能を発揮する。例えば、病原性微生物の場合は毒素生産を、土の中の微生物だと抗生物質生産など。

会話をして集団となった際に発揮する微生物の機能は、もともと海に存在するイカの目で発見された。イカの目に存在する微生物は、1匹では光らないものの集団となった際に光りだす。このような行動は、少数のときに行うよりも、多数で行った方が効率良い。小さな微生物でも、うまくコミュニケーションを取って息を合わせているのだ。集団となれば、小さい微生物も大きな集合体となる。

微生物は会話をして、集団となった際に粘り気のある高分子化合物を作り出し、バイオフィルムという家を構築する。家の中に住むことによって、生きていく上でのさまざまなストレスから免れる。会話をすれば微生物も憩いの場を作り出す。

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異なる言語を話す微生物たち

人の場合、住んでいる地域や人種が異なれば会話に用いる言語も異なる。中には複数の言語を普段使っている国もある。微生物たちも、種類が違えば言語も異なる。例えば、病原菌である緑膿菌は、3種類の言語を用いるトライリンガルだ。他の微生物も用いている言語一つに、自分たちでしか使えない言語二つ。三つの言語を巧みに使いながら、集団となった際に病原性を発揮したり、住処となるバイオフィルムを構築したりする。

もちろん複数の種類が存在すれば、言い争いもする。我々は、ある微生物が言語として用いている化学物質が、緑膿菌の会話を阻止し病原性を抑制することを発見した。つまり、病原菌を殺さなくても、会話を止めるような言葉をかければ、病原性を阻止できる。

このような魔法の言葉を見いだせば、感染症などの病気を治せるかもしれない。それだけではなく、水の浄化や環境汚染物質の分解、食品発酵の促進など、あらゆる微生物反応が制御可能となる。微生物社会では人の社会よりも種が多く、複雑でさまざまなコミュニケーションが行われている。その中で、議論して解決する術を微生物は有しているわけだから、我々人間もその術を学び、微生物をあらゆる場面で活用したい。

(以上)

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List    投稿者 seibutusi | 2021-01-21 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2021-01-21

これからの科学「絡合(からみあう)のサイエンス(太古の人類の科学)」

生物史から観ると 生物は「共に助け合う」という共存のシステムの中で進化してきた事実がある。

又人は最先端の機能の脳についても右脳(先祖脳:DANに刻まれた共栄共存)と左脳(自分脳:現実の情報を観念で選択する)を使い進化してきた。

前回の投稿では、右脳から生み出された言語によって高度化された「社会」を造り上げたと考えられる事に関して、記載しました。

今回は、現代社会で優先されている左脳(西洋哲学/科学)について投稿します。

左脳優先が進んだ結果、「個人が全ての原点」となり「周りとの関係が希薄」となった。

その結果、常に不全感(自分と他人の区別)があり、現生が全てとし死を恐れるようになった。

反対に太古の人類は全てと繋がっている事が宇宙の真理と考えていた。

先端科学では、「宇宙(現世界)は、螺旋構造(DNA・巻貝・竜巻・宇宙)となっており、『物質+情報+未知(霊魂?)』 が絡み合って循環している。」と考える様になっている。(佐野千遥のスミルノフ物理学)

上記の事を「絡合(絡み合う)のサイエンス」として武田邦彦氏が論考しているブログが有りましたので転載します。

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(要約版)

>絡合の三段階  第一:生物も絡合 第二:物質+情報(現代科学)の絡合 第三:物質+情報+魂の絡合(古代人の認識)

>これからの科学は、物質中心から関係性、つまり「絡合」を扱うようになるだろうという予言。

>人間という動物が、なぜ幸せに過ごせないのか、という難題は、近年、物理学が相当いいところまできていて、人間の幸せの真理が解き明かされようとしています。

>大昔、単細胞生物だったのが多細胞生物化するのですが、細胞同士が身を寄せているわけです。このように絡み合って一つの生物を構成することを「絡合(らくごう)」と言います。くっついて一つになるのではなく、絡み合うので絡合といいます。

>プラナリアという生物は、頭ちょん切ると頭が生えてきて、しっぽをちょん切るとしっぽが生えてきます。頭の近くに切れ目を入れると、もう一つ頭が生えてきたりもします。自分の体の形をどこで記憶しているのか?という難題は、いまだに解明されていないと思います。さらに、頭を切って、再度生えてきた頭に記憶も残っていることがわかりました。かなり大雑把ですが、これらを支える仕組みが絡合ということです。

>難しくてわかり辛いかもしれませんが、他の例をあげたいと思います。前述の2億年後、多細胞生物になっても、単体で生きることができなくなり、群れを成すことで生き抜くことができるということが判明しました。海に泳いでいるイワシは、敵が現れると瞬時に群れを作り、敵の魚より大きく見せる行動をとります。群れになったイワシ同士の連絡手段は、現在も解明されていませんが、絡合していることは明確になりました。

>整理しますと、多細胞生物になり、手も足も目もできたのですが、独りぼっちではうまく生きられない。多細胞生物が集合し、絡み合うことで初めて生きていられるということです。そして、物質と情報がすべてではないということです。物質と情報がすべてなら、その二つでプラナリアの再生を証明できなければならないのですが、まだできていません。

>物質と情報がすべてというのが一般人の常識ですが、我々は、まだまだ分からないことがたくさんあるのです。人間の欠陥は、自分が理解できている内容で正しさを判断する癖があることです。さらに、一番初めに入ってきた情報が先入観となり、初めての情報が、おおよその自分にとっての正しさの基準となってしまうので、それに反していると、まず間違っていると誤判断してしまうことも大きな欠陥です。

>絡合についてまとめますと。・すべての物は個別に存在できない・絡合によって存在する・しかし、ヨーロッパ近代科学の発展により、相互作用の概念(つまり絡合)が発達しなかった。現在でも個人と権利を中心とした社会になっています・しかし、絡合を示す事実はいくらでもある

教育基本法第1条で、個人を強調し、国家、集団、家庭が削除されてしまっておりますが、個人では、生物の物理的観点からでは、生きることができません。たしかに滅びませんが、西洋医学によって生かされているとも見えてしまいます。絡合こそ、我々の基本であり、個人は絡合のために存在する。そして我々は、絡合によって正しく生きることができ、それは一番幸福な人生に成就する。いまこそ絡合という概念が中心になるべきと私は考えます。

>現在の物理学では、絡合が、物質と情報では動いていないことは判明しております。そして、生物は一人では生きられないということも判明しています。不幸になるのが絡合の不足であることも判明しています。

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List    投稿者 seibutusi | 2021-01-21 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2021-01-14

食と農から世界変える本物の農業への挑戦――下から新しいモデル創造する時代へ

共同体社会での「家族農業の挑戦」~国連家族農業の10年  リンク 

>日本の零細農業(古来から続いて来た「自然との共生関係」)の在り方が注目されており、コロナ禍後の世界は、共同体社会群(自主独立は自集団で食料生産が出来る)がネットワークで結ばれ有機体(生命原理に則った進化形態)になるとの予測もあります。

今回は、日本の小規模の第一次産業(農業・漁業)で共同体社会の実現態のなろうとしている事例を紹介します。

長周新聞 に記載されている

「食と農から世界変える本物の農業への挑戦――下から新しいモデル創造する時代へ リンク」を紹介します。

又「小規模漁業が輝く未来づくりをめざして リンク」の記事もあります。

_______________________________

はじめに

いま世界は大きな危機に立っていると思う。一つは自然環境の激変と自然生態系の変化に襲われてきていることである。そしてもう一つは、自然破壊の要因といえる世界経済と国際社会のあり方である。現在の産業構造は人間が簡単便利で何でも欲しいものをいつでも手に入れ環境も快適で移動も通信も思いのままという暮らし方を追求してきた。その結果、お金を軸とした社会構造を築き巨大な社会システムで人工的な都市と機械に囲まれた暮らしを作ってしまった。富の集中と大多数の貧困とを生み出してきている。

しかしこのコロナ禍によって世界貿易と交流が激減しその崩壊が始まった。国内でも人の交通が止まり、産業が衰退し地域社会が壊れるような状況にある。ここからの転換とこれまでの富の集中と貧困の拡大の問題にどう答えていけるかが問われている。こうした局面でどう立ち向かっていくかを考えてみたい。

サトウキビから考えること

種子島ではサトウキビの栽培と安納芋の栽培が盛んである。しかし農業中心の島で農業の崩壊局面にある。サトウキビ栽培について考えてみる。

サトウキビは島の中心にある大きな製糖工場で精白糖に製造される。ほとんどの栽培農家はここに原料として持ち込む。収穫量は一反当たり6㌧もあればいい方だ。キビの糖度によって買取価格は異なるが平均1㌧2万円であり、粗収入は反当(10㌃)12万円にしかならない。しかも収穫の手作業が高齢化で困難となり機械作業を頼むと四万円超ほどかかるので残るのは3万~4万円ほどにしかならない。これでも栽培交付金などで下支えされていての結果。砂糖の関税が撤廃されて国庫収入が無くなり交付金がゼロになったらやっていけない。すでに日米FTA自由貿易による砂糖関税撤廃が決まっているので絶望的である。しかしこれは島の農家には知らされていない。南西諸島のサトウキビ栽培は畑の半分からそれ以上を占める。離島の農業経済にとっては致命的だ。

普通のサトウキビ栽培と大工場での精製糖はもちろん必要である。だが、精製してしまうと世界中どこで作っても同じ商品となる。そのため価格差でしか差異がなくなる。この砂糖生産を守るためには関税などの対応と交付金による生産奨励しかない。この栽培は糖度と量の問題でしかなく農薬化学肥料に頼った圃場面積拡大と機械化によるものとなる。それでもチンチバックやメイチュウなどの病害虫に悩まされる。さらに米国の異性化糖が輸入を拡大していく。

✤   ✤

しかし、種子島に残る小さいながらも伝統的な黒糖生産がある。登窯によって薪を燃やして三段の舟型鉄平底鍋に搾汁液を入れて、流れ作業で煮詰めて黒糖にするもの。サトウキビも黒糖専用に栽培し、量を追わず噛んで美味しいと感じられるように育て完熟させる。これを一本一本手刈りし虫喰いや折キビを排除選別して原料とする。生産者や畑ごとの単位で製造して味へのこだわりが強い。

種子島は南西諸島北端にあり糖度は平均5度から10度近く低い。甘さを抑えたミネラルバランスのいい美味しさになっているのである。これが黒糖を直接食べる文化が昔から定着した理由である。野良仕事のお茶請けや疲労回復や飲み過ぎの翌朝などで使われている。植物由来の鉄分やカルシウム、カリウム等が含まれる。

この黒糖作りはサトウキビ栽培から製造、販売まで農家自身が行っている。この結果、反当粗収入は40万円から50万円程になり経費を引いても30万円ほど残る。平均四反歩で粗収入200万円と田舎ではまずまずの収入である。

つまりサトウキビ栽培は単に工場への原料提供となると低収入に喘ぐことになる。しかし栽培から加工、販売まで農家が手掛けると収入は悪くない。しかも農家にとっては、自分の栽培したものがどのように最終的に消費されるか、生産と消費の全てに関わることが可能になる。生産から消費までのフードシステムを農家が主導権を持って関わることが可能になるのである。消費者の喜ぶ顔を見ることができる。ここから畑での仕事の仕方が変わるのである。すると農家の仕事が変わる。

大量生産大量消費を前提とした画一的な製品としての精白糖は世界中どこでも同じ製品である。差異は価格だけ。価格低減に流れていき生産者は苦しくなる一方である。栽培も可能な限り機械化工業化し効率を求めて化学肥料農薬頼みになっていく。果てはDNA操作種苗が出てくることが危惧される。世界的多国籍企業の出番である。

しかし、手作りの黒糖は、畑ごとに味が違う。サトウキビ一本ずつ味が違うのである。当たり前だが、その味がそのまま黒糖に出る。この自然からのミネラル食品の味わいと価値は、脳疲労回復を重視する博多の病院Boocsクリニックで患者さんに紹介しているほどである。この価値をどう伝えるか、こうした希少な伝統の黒糖作りを継承し発展させていきたい。

いま問われているのは農業の価値観が変わること。お金のために効率と平均化と見てくれ重視などの食べ物の商品化生産から、生命が喜ぶ生命系の生産循環に携わることを自覚することなのである。これは手仕事や五感を使った黒糖の製造作業などで心と体の統合的発達と充実をもたらすことになる。黒糖作りは、繊細な感覚と運動能力と味へのこだわりという芸術的な感性が求められている。ここにサーファーの聖地としての種子島への移住者たちの参加がある。今、島に移住したこうした若者たちと古老の先輩たちからの技術継承に取り組んでいるところである。それは本物の農業のあり方に迫る挑戦となっている。彼らは昔からの百の仕事をこなす自給型の生き方、百姓になるという。職人の価値観に似ている。

(中略)

農業の未来への挑戦――生産と加工と消費を結ぶこと

黒糖作りでサトウキビ栽培と収穫と加工、そして販売まで一貫して携わることで見えてきたものは何か。土作りの意味である。土壌分析をして植物の必要なミネラルバランスをどう回復させるか、その有機肥料資材の作り方である。また土の団粒構造は土壌菌と草の根から作られること、これをどう形成していくか。いかに土壌菌、それも枯草菌中心の畑を作るかである。慣行栽培の畑の作物は収穫後腐る。山は枯れるのである。山の土壌は枯草菌によって作られている。この関係を学ぶことだ。

種子島では昨年安納芋に元腐病が大発生した。原因は糸状菌である。この糸状菌は腐敗菌である。これを食べて繁茂するのが本来は枯草菌なのだという。土壌を殺菌剤によって殺菌し、化学肥料使用と妨害虫への農薬の多投は畑を弱らせる。こうした慣行栽培と連作は病害によって衰退していく。

農産物栽培は何のためか、誰のためかという基本に立ち返る必要に迫られている。お金のためという。しかしそれすらも確保できない状況に追い込まれているのだ。儲かるのは農業機械企業、化学肥料企業、そうして種苗会社を買収した多国籍化学企業である。肝心の農家は衰退する一方である。そして美味しくなくただ価格だけが安い農産物が氾濫していく。

地域づくり村づくりとコモン(共有)の価値

現在の社会は崩壊へ向かっている。ゲームは一人勝ちし他の人に掛け金が無くなったらおしまい、ゲームオーバーである。そうしたらガラガラポンでやり直しである。今までは戦争で廃墟としてやり直してきた。もうそれは不可能である。人類の絶滅しかない。 では、今まで述べてきたように農と食から作り直すこと。命にこだわる食のつながりで新しい産業と社会を生み出すにはどうすればいいだろうか。すでに日本各地でも、いや世界各地でもその動きは起こってきている。その共通語は自然とともに生きることである。

✤    ✤

では、新たな価値観と協同の創造力のために求められている価値とは何だろうか。これは理論だけではできない。効率は時間概念とともにある。これを捨てることは、非効率ではなく時間を命とともに積んでいくのだ。一定時間で一定の生産物を生むのではない。手仕事や身体全体で関わる仕事は、作ることに集中し短い時間を長く、長い時間を短く感じることである。これはものづくりの自分との関係性の中にある固有性であり、他人と同一の基準で図ることはできない。手仕事をなす人には分かる自明のことである。

✤   ✤

他人を意識しないものづくりはない。自己の表現としてのものづくりは、全て他人との関係性においてある。他人との関係性と社会性を直接に意識しない金銭的価値だけで作るものは価値がない。あるいは擬制的価値である。偽物である。それを作る自分もまたそうなる。

何を言いたいか。資本主義の問題を語りそのシステムを変えようとする人もまた資本主義の中で生きている。これは空気の中で生きているのにそれを自覚しないようなもの。いつの間にかその価値観の中で存在しているのである。だからいつも不安の中にいて分断と競争の中にいる。お金がなければ生きていけないと思っている。そしてお金に依存し食べることから暮らすこと労働すること、全てが金銭的価値の中で動いているのだ。

実は、人はお金がなくても生きていける。家族も養うことができる。それはどうやるか。まずは食べ物、住まいを自分たちで確保することからだ。いま日本の田舎は畑も土地も古民家も溢れかえっている。市町村の補助金も多く、工夫すればほとんどお金がなくても何とかなる。問題は食べ物を作り古民家を再生し、そして村人たちと様々な行事や村仕事をこなすことである。

世界を変えていくのは、いきなり巨大システムの上部を破壊するのではなく下から小さなコミュニティの単位でモデルを創造しつなげていくことだと思う。それはいま世界中で起きている。これまでの有力なリーダーが出てそしてそれに付き従う集団ではなく、多様で温かく愛と希望を持った小さなグループが主導していく。その価値観は、「アメニモマケズ」であり「イワンのバカ」の世界である。いま問われているのは新たな人々の未来である。

(パルシステム連合会顧問)

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List    投稿者 seibutusi | 2021-01-14 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments »