2015-09-13

免疫とは『仲間を認識し、共生関係を構築するしくみ』

■免疫に関する考え方は時代とともに変化してきた

昔は、免疫は「病気(疫)から免(まぬが)れるためのしくみ」と考えらえた。牛の乳搾りなどで牛と接することによって自然に牛痘にかかった人は、その後天然痘にかからないという農民の言い伝えがあった。ジェンナーはこれを天然痘の予防に使えないかと、研究を続け、ついに天然痘ワクチンが開発され、「免疫=予防接種」という考え方が一般的になる。そしてその後、免疫は「自己と異なる非自己(異物)を認識し排除する」ためと考えられるようになる。

しかし、「食物」や「腸内細菌」などは人にとって異物でありながら排除されない。むしろ、異物でありながら積極的に体内に取り込む必要がある。そのために備わっているのが、「経口免疫寛容」と呼ばれる、異物に対して寛容(=反応が起こらず異物の存在を許す)するしくみだ。

つまり、免疫の認識機能は、次の2段階構成になっていると考えられている。
1.まず、自己と非自己(異物)を認識。
2.次に、非自己(異物)のうち、身体に必要な物に対しては寛容し、一方不用なものを排除する。

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List    投稿者 seibutusi | 2015-09-13 | Posted in ⑧科学ニュースより1 Comment » 
2015-09-06

西洋医学が有効な範囲は限られている~「細菌説」というドグマを断ち切る

 

現代は、毎年40兆円以上の医療費が費やされているにもかかわらず、国民の健康が改善している気配はなく、年間数百万人が受ける人間ドックで、まったく「異常なし」の人は7%しかいないという実に“異常”な状況だ。

その理由は何んだろうか?

その理由は、もともと近代医療(=西洋医学)では解決出来ない領域にまで手を出し、無理やり西洋医学的なアプローチで解決をしていることにあると考えている。では“近代医療では解決出来ない領域”とは何か? それは、年々患者数が増加しているアレルギーや自己免疫疾患、ガンなど、もともと身体に備わっている機能の「バランスの崩壊」「機能不全」に関わる病気がそれにあたる。それらの病気には特定の病原菌は存在しない。

もともと西洋医学が有効なのは、例えば感染症のように、ある病原菌が原因となリ発病する病気という限定された範囲でしか無い。なぜなら、『病気の原因はすべて病原菌にあり、その病原菌を殺せば病気が治る』という基本的な思考に基づき、発展してきたものが「西洋医学」だからだ。

その始まりは1880年代初頭、ルイ・パストゥールやロベルト・コッホらが唱え、西洋医学の基本的な考え方のひとつとして定着していった。その考え方は「細菌説」呼ばれる。

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2015-08-21

予防接種の誇大広告に要注意~“集団免疫”は予防接種に係らず発生する“自然現象”の一つ

予防接種の意義・目的として、次の二点があげられる事が多い。

 (1)個人の感染予防・重症化の防止
 (2)多くの人が接種を受けることにより、感染症のまん延を
   防止する(集団免疫)という社会的な意義

例えば、リンクリンクなど、多くの医療期間や行政のサイトで、表現は異なるが概ね同じ内容で説明がなされている。

ところが、この説明には問題がある。(1)はまだしも、問題は(2)集団免疫。素直に読めば「大勢が一気に予防接種をした結果として集団免疫の効果が得られる。だから予防接種は必要だ。」と読み取れる。しかし、この説明には違和感を禁じ得ない。なぜなら、“集団免疫”とは、予防接種に係らず、一定規模以上の集団であれば発生する、一般的な“自然現象”だからである。

そこで今回は、感染症流行における“集団免疫”効果とは何か?“予防接種”の効果とは何か?について整理をしてみたい。

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List    投稿者 seibutusi | 2015-08-21 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2015-08-15

光合成は太陽光の届かない海底で始まった

熱水噴出口
画像はこちらからお借りしました。

地球上で最初に行われた光合成は、光合成細菌が光エネルギーを利用して硫化水素を分解し、水素を(の還元力)を取り込んで硫黄を生成する酸素非発生型の反応でした。

このときに利用された光エネルギーは太陽光で、光合成が行われたのも海中の太陽光が届く範囲というのが旧来の説でした。

しかし、近年の調査・研究により、太陽光が全く届かない海底の熱水噴出口に光合成細菌が存在することが確認されています。
また、熱水噴出口から放射される遠赤外線領域(750 -1,050 nm)の光や、微弱ながらも可視光線領域の光(650 -750 nm)が実測された例があり、光合成が不可能な環境ではないことが分かっています。

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List    投稿者 seibutusi | 2015-08-15 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2015-08-11

免疫:3つの未解明の迷宮~2.経口免疫寛容

『免疫:3つの未解明の迷宮』

  1. 免疫記憶
  2. 経口免疫寛容
  3. 腸内細菌と免疫の関係

前回の『免疫記憶』に引き続き、今回は『経口免疫寛容』を取り上げる。

免疫とは自己/非自己を判断し、非自己である異物を排除する仕組みだといわれる。しかし、単純に非自己を排除するばかりでは、外界から入ってくる自己の生存にとって有益な食品を利用することが出来ない。そこで、消化管は非自己で本来は排除すべきものでも、自己にとって有益なものであれば、これを選別し、受け入れる働きがある。それが「経口免疫寛容」という現象だ。

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List    投稿者 seibutusi | 2015-08-11 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2015-08-06

食品の「乳化剤」が腸炎とメタボ招く~ここでも腸内細菌が密接に関わっている

食品に添加された乳化剤は、マウスの腸内細菌叢に影響して腸炎やメタボリックシンドロームを促進する、という論文がネイチャー誌オンライン版に掲載された。

乳化剤は腸の内側を守っている粘液層を破壊するが、その乳化剤の効果は直接的に粘液を壊しているのではなく、腸内細菌に働きかけた結果として間接的に起こっているようだ。

ここでも腸内細菌の深い関わりが見て取れる。腸内細菌も体の一部、つまり「多くの多細胞生物は微生物との共生によって生きている“微生物共同体”」なのだということを再認識する。

以下、「ネイチャー誌が警告、食品の乳化剤が腸炎とメタボ招く、ここでも腸内細菌の影響を確認」リンク からの転載。

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List    投稿者 seibutusi | 2015-08-06 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2015-08-02

地球史と生命誕生仮説の不整合点

生命は、38億年前頃、大気中の放電現象により有機物が生まれ、それが海中で、分子の結合、巨大化を繰り返しながら生まれたというのが、一般的な仮説だ。それは現在と同じような穏やかな海という暗黙の前提の下にある。

そしてこの仮説は、今も教科書に書かれているほど有名なため、最新の地球環境分析からすると、論理不整合であるにもかかわらず、その影響に縛られたままだ。(一部の論理を除く:『生命誕生 地球史から読み解く新しい生命像・中沢弘基著』など)。

どこまでが整合しているのか?

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List    投稿者 seibutusi | 2015-08-02 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2015-07-16

免疫:3つの未解明の迷宮~1.免疫記憶

2,500年前に「二度なし」現象(一度感染症に罹患した人は次に同じ感染症にはならないという事象)の記録があるように、人類が経験的に免疫の存在を知ってから随分時間が経過しているが、実は、免疫について詳しく分かり初めてのは20世紀になってからだっだ。それ以後、20世紀の終わりから21世紀にかけて、免疫学の世界では、いくつかのブレークスルーがあり、最近でも、従来の免疫のイメージを覆す新発見が相次いでいる。

しかし、それでも未解明な領域がまだ多く残されているのが現状だ。その中でも「未解明の迷宮」とも呼ばれる、次の3つの免疫機能について考えてみたい。

  1. 免疫記憶
  2. 経口免疫寛容
  3. 腸内細菌と免疫の関係

 

今回は、獲得免疫特有の機能である『免疫記憶』を取り上げる。

mom021_02.jpg

ウイルス、細菌などの招かれざる訪問者を排除する分子の番犬「抗体」

(写真はコチラからおかりしました)

ワクチンの有効性の原理でもある「 抗原投与による免疫記憶によって抗原排除に有利な抗体を作るという現象」の根幹をなす『免疫記憶』だが、実は、分かっていないことだらけ、というのが現状のようだ。

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List    投稿者 seibutusi | 2015-07-16 | Posted in ⑧科学ニュースより1 Comment » 
2015-07-15

熱力学第二法則に抗する生命活動と生物進化 

生命活動の根本原理は、秩序が崩れて無秩序化するとされる自然現象に抗して、秩序を高めていくことにある。例えば、生物は、生きている状態は、同じ物質でも腐敗しないが(常に秩序化されている)、死ぬとすぐに腐敗する(無秩序化する)。

energy

 画像はコチラからお借りしました

また、進化は巨大化と特殊化によって実現されてきが、巨大化とは構成分子の極端な増大であり、それ自体が高度な秩序化になる。それは、自由で無秩序に動いていた分子を、複雑な組織の中に取り込んで秩序化する物理現象だからである。

つまり、生命活動や生物進化は秩序化のエネルギーに貫かれている。だから、常に無秩序化に向かう熱力学第二法則が支配する従来の物理学では説明できない。よって、生命の起源の探究には、なぜ、秩序化できるのか?を含めて説明できる物理理論が必要になる。

そのヒントが、佐野博士の、『熱とは何か?温度とは何か?現代熱力学の誤りを正す(リンク)』にある。

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List    投稿者 seibutusi | 2015-07-15 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2015-07-09

単細胞生物と多細胞生物の適応戦略

単細胞生物と多細胞生物の適応戦略

「単細胞生物」というと“一個の細胞”で完結した生命体というイメージがあるが、実際は一匹で生きているわけではなく“群”として生きている。
では、多数の細胞で構成される「多細胞生物」とは何が違うのだろうか?
その違いを、“集団性と適応戦”という視点で考えてみる。

 

cyanobacteria

シアノバクテリア

光合成によって酸素を生み出すという特徴を持つ。

単細胞で浮遊するもの、少数細胞の集団を作るもの、糸状に細胞が並んだ構造を持つものなどがある。

(写真はコチラからお借上しました)

 

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List    投稿者 seibutusi | 2015-07-09 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments »