生物は常に飢餓状態で、群れて、情報を交換し合い生きようとしている
生物史を通じて、生物は常に飢餓状態で、群れて、情報を交換し合い必死になって生き延びようとしている。
ウイルスから細胞・多細胞そして人類まで飢餓が通常であり、進化の活力源でもあった。飽食の現代の活力源は?
今回は、生物の始原(ウイルス)に顕著に観ることが出来るバイオフィルムについて投稿します。
「新型コロナについて」
空気中に、1平方メートルあたり 8億個の浮遊ウイルスが浮遊しており、又必死に生きようとしているウイルスに「三密防止≒主要に空気感染防止及び孤立化」で効果有るとは思えない。
太古からウイルスと共存してきた人類は一定の免疫をもっており、外遊び・人との接触一体化・笑いが免疫強化に最も有効である。
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『バイオフィルム入門 -環境の世紀の新しい微生物像-』(日本微生物生態学会バイオフィルム研究部会 編著,日科技連)
他より
「毎日」1平方メートルあたり 8億個のウイルスが地上に降下していると見積もられるそうですから、日本でのちょっとした大きな都市なら、毎日、数兆個から数百兆、あるいはそれ以上のウイルスが日々地上に降り続けていることになります。まさに「私たちは毎日、ウイルスのシャワーの中で生きている」ということになりそうです。
そして
自然界では「生きているが培養できない Viable But NonCulturable (VBNC)」状態で存在している細菌が圧倒的多数であることが明らかになっている。
土壌中の細菌も海水中の細菌も,その大部分が飢餓状態にあるためとされている。世の中,甘くないのである。この過酷な自然で生きていくための戦略がVBNC化なのである。逆に言えば,培養できる浮遊菌とは要するに,養分が豊富にある特殊状況のものなのである。
同時にこのことは,なぜ自然界のバクテリアが浮遊状態でなく,バイオフィルムなどの固着状態で生きている理由が明らかになる。栄養が使い果たされた環境におかれたバクテリアは,何かの「表面」に固着しようとする。物の表面は帯電しているために有機物を吸着しているからだ。その有機物をねらうなら表面にとにかくくっつくことだ。だから,表面があればそれに固着するのがバクテリア本来の生き方であり,基本戦略である。
バイオフィルムとは「細菌共同体」であり,自然界普遍のものである。
というわけで,バイオフィルムの基本的知識を列記しようと思う。
- 世界にはいろいろな物があるが,物には必ず表面がある。表面があれば必ず微生物が付着する。
- 「表面」と水が接するところでは,複数の細菌が表面に付着して微生物共同体を作る。これがバイオフィルムである。
- バイオフィルム内では複数種類の微生物が共存している。
- 細胞外多糖類からなるマトリックス内部には複数種の細菌コロニーが存在している。コロニー間を密度の低いポリマーが埋め,そこは水が自由に移動するwater channelsとなっている。これは多核細胞生物体に極めて近い構造体であり,それがバイオフィルムの本質である。
- バイオフィルム内では他種類の細菌が高密度で生息していて,お互いに代謝産物やエネルギー,情報のやりとりをしていて,遺伝子の交換も起こっている。このことで,単独の細菌にはない機能を生み出すと同時に,多種多様な環境変化にも対応できるようになる。
変化の激しい環境で生き抜くために,細菌たちはお互いに身を寄せ合い,生きるために情報を交換し合い,必死になって生き延びようとしているのだ。
このような細菌たちの姿を知ると,そんじょそこらの方法で除菌ができないことは簡単に理解できるだろう。ステンレスの表面の微細の傷にもバイオフィルムが作られるのである。 ステンレス鋼内部にバイオフィルムを作り,金属を破断させる細菌ですらいるのである。金属内部にバイオフィルムを作ることの困難さに比べたら,人体の粘膜や創面に定着するなんざ,朝飯前なのである。
消毒薬の効果にしても試験管内で調べられたものである。つまり,本来の生存形式であるバイオフィルムを破壊して,さらに,本来固着生活をしている細菌を浮遊させた(一個一個に強制的に分離し)条件で調べたものである。こういう状態で消毒薬が効いた,効いていない,と論じても無意味である。
細菌の侵入と定着は避けられない自然現象である以上,「消毒したから安全」と短絡的に考えるのでなく,異変が起きたらすぐに異変と気付くシステムを構築すべきだと提言している。
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