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観念機能の形成過程29~人類の同期機能と他の生物の同期機能の違いとは?~

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画像はコチラ [2]からお借りしました

だいぶ間が空きましたが、前回のエントリー「観念機能の形成過程28~同期力と充足増幅力を高めたメスの思春期~」 [3]では、メスの同期について扱いつつ思春期との関係を考察してきましたが、そもそも人類の同期機能とはどういうものなのでしょうか?

他の生物も同類間では同期します。同期機能とは、それぐらい原始的な機能。それと比べて、人類の同期回路は何が違うのでしょうか?

 

■1.他の生物の同期現象とは?
(ex.単細胞の集合(粘菌)、ホタルの光の点滅、蜂の8の字ダンス、鳥や魚の群れ、花の向き・芽吹き、体の中の器官(心臓の細胞)、哺乳類の体内保育etc.)

同期とは(電気学の言葉で)【受発信のタイミングを合わせる】ということ。英語で言うとシンクロです。

それに対して、例えばひまわりの花の向きがそろうなどの現象はひまわり同士が交信してタイミングを合わせているのではなく、個々が太陽の電磁波をキャッチして反応しているだけ。また、魚の群れも3つの法則をインプットすればPCでも再現できる。

つまり、その法則が本能としてセットされていれば(群棲本能)それぞれ本能に従って、外圧に適応するだけで、同期しなくても群れはつくれるのです。

ただし、鳥や虫などの正確な陣形を作る時には同期機能を使っている可能性があります。
一般に他の生物が同期するのは、接合、群体化、多細胞化など、ごく限られた時だけ。通常、ピタッとくっつくと光も栄養も当たらず、呼吸もできません。
だから、生物全般には、同類同士が一定以上の距離を保つ本能がセットされているのです。

危機や生殖などをきっかけに同期することによって、その本能がマヒして個体同士がピッタリくっつくことができるようになるのです。

 

■2.上記に対して、人類の同類との同期現象とは?

(ex.アルプス一万尺、餅つき、赤ん坊が母親の気持ちになる、哺乳類の胎内保育、二人三脚etc.)

人類は同類との同期行動が著しく発達しています。
私たちは、できて当然のように感じますが、自分の体に合わせるのではなく、意識的に相手or互いの息を合わせて、動きやリズムを合わせられるのは実は人類だけ。

人類の特徴は一体化回路ですが、その前提・起点に「息を合わせる」というのがある(息があってない時は一体感もないし、逆に一体化したくない時は息さえ合わせたくないと思っているんじゃないかと感じる)。
つまり、同類との同期行動(機能)が人類進化の土台をつくっている

 

■3.同類以外と同期ができるのも人類の同期の特徴だが、万物との同期現象とは?

(ex.ブランコ、トランポリン、縄跳び、サーフィン、バスケのドリブル、乗馬、メロディーに合わせて歌を歌うetc.)

ただ波に乗るのではなく、乗れる波、乗れない波と波の勢いやタイミングをつかんで力を増幅している。サーフィンする犬などもいますが、それはただ板に「乗せられて」波に揺られているだけで自ら波に乗り、波から波へと移動することはできません。

トランポリンでも、人類はトランポリンの動きに同期してジャンプするから動きを増幅させて高く飛べる。他の動物では乗せても動きが増幅しません。

★重要なのはタイミングを合わせるのが一回ぽっきりではなく、「リズム」を合わせる=継続性があるという事。変化し続ける動きに対して、リズムを意識的に合わせ続けられるというところも人類の同期のすごさなんです!

では、改めて「同期」とは一体何か?次回検証していきます。

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