観念回路の形成過程⑦~万物との一体化回路と本能・共認回路との間の矛盾・意識の混濁にぶつかる~
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観念回路の形成過程⑥~万物との一体化回路はどのように形成されたのか~
観念回路の形成過程を追求する中で、前回は、同類との完全一体化回路について扱いました。
完全一体化とは、主体がない状態で相手を全面受容する回路です。初期人類で、木の上にいられなくなり、完全に同類欠損の状態に陥り無になったところから始まり、無になったからこそ、全面的に相手が入ってくるようになったことから発生した回路です。
今回は、その様な状態になった初期人類が「万物との一体化」をする過程を追求していきます。
万物とは文字通り、全てのもの。人間も万物の一つであり、可視光線の波長(見えるもの)だけでなく、見えないものも含めて全てのものです。ちなみに、仏教などでも宇宙と一体化することで悟りが開かれる、と言われていますね。
万物との一体化とは何か?については、以前の記事で詳しく書いています。
全面受容回路と同期回路によって、人類は性収束し皮膚感覚がより鋭敏化したことで、同類の波動だけでなく自然の波動までキャッチできるようになり、宇宙との一体化(波動との一体化)を可能にしたのです。『観念回路の形成過程④~なぜ初期人類は自然との一体化を可能にしたのか?~』
画像はこちらからお借りしました。
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観念回路の形成過程⑤~同一視を超える「完全一体化回路」とは何か?~
現在、初期人類の観念回路の追求中ですが、観念回路の形成過程は概ね以下のような過程を辿っていると思われます。
①サル時代に形成された同一視を超える、同類との完全一体化回路を形成。
②同類との一体化回路を基盤にして、万物との一体化回路を形成。
③万物との一体化回路と本能・共認回路との間の矛盾(意識の混濁)にぶつかる。
④それらの矛盾を突破するために、精霊の措定と概念化(本質の抽出)を行う。
まず今回は「①サル時代に形成された同一視を超える、同類との完全一体化回路を形成。」から扱っていきますが、そもそも「完全一体化回路」とは何なんでしょうか。
それを明らかにする為に、サル時代⇒オランウータン⇒初期人類の過程でどのような回路形成をしてきたかを抑えていきます。
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観念回路の形成過程④~なぜ初期人類は自然との一体化を可能にしたのか?~
初期人類は、全面受容の回路をつくったことで、同類との一体化が可能になりました。
ここでの一体化とは、相手(同類)と同期しエネルギーの増幅が高まることで、全面受容回路が開かれ、相手との境界がなくなっていくことです。
その後長い時間をかけ、全面受容回路と同期回路をさらに発達させ、人類は同類のみならず、自然との一体化を可能にするにまで至りました。
では、具体的にどうやって、自然との一体化を可能にしたのでしょうか?
その際、重要な役割を果たしたのが、「性」です。全面受容回路と同期回路によって、人類は性に収束していき、エネルギーの受容と増幅を高め、皮膚感覚をさらに鋭敏化させて、快感回路も増強していきました。
自然との一体化とは、自然=宇宙からの波動と同期し、エネルギーを受容することで、宇宙との境界がなくなっていくことです。
性収束し皮膚感覚がより鋭敏化したことで、同類の波動だけでなく自然の波動までキャッチできるようになり、宇宙との一体化(波動との一体化)を可能にしたのです。
では、一体化した自然のエネルギーとは、具体的にどのようなものでしょうか?
初期人類が自然からキャッチしたものは、宇宙のエネルギーの流れ(=宇宙の秩序)であり、その姿を探るヒントは原始人たちが描いた文様に隠されています。
たとえば縄文土器の紋様・洞窟壁画・肌のペインティング・入れ墨には、地域を問わず、螺旋や渦状の表現が多く見られます。この文様こそ、宇宙からの波動を表したものと考えられます。
なぜなら太陽系や生物の形(蔓や貝殻など)・台風・竜巻・(ミクロには)DNAなど、自然や生命は「螺旋形(のエネルギー)」によって構成されているからです。
これらの波の重なりが、初期人類に螺旋状や渦状のエネルギーを感じさせたと思われます。ここから観念機能の形成まで、どのような過程を進めていったのか。次回以降、この部分に迫っていきます。
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観念回路の形成過程③~全面受容回路と同期回路の関係に迫る~
感謝回路については『①初期人類に生じた感謝回路の本質』で、その本質が明らかになったように『主体喪失ゆえに「全面開放→全面受容→一体充足」』ということになります。
※感謝回路というと現代の価値意識に絡めとられるため、以降では「全面受容回路」として展開します。
一方、同期回路(②初期人類が用いた同期回路)とは単細胞時代からある回路で、根源的な適応欠乏として「一体化するための同期回路」ということになります。
全面受容回路、同期回路ともに一体化する回路ですが、その関係はどのようになっているのでしょうか?
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観念回路の形成過程②~初期人類が用いた同期回路~
前回はサル時代に形成された同一視回路と木から落ちた初期人類が形成した感謝回路の共通点と違いから、感謝回路の本質に迫っていきました。
初期人類はより“一体化充足を高める”ために、「同期回路」を用いたと考えられています。
今回は、「同期回路」について迫っていきます
そもそも“同期”とはどういうものなのでしょうか?
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観念回路の形成過程①~初期人類に生じた感謝回路の本質~
前回まで、木に登れなくなったサルがどのように生き延びたのか、その際のオスメス関係、親子関係、仲間関係を追求してきました。
今回は、その様な状況に陥った初期人類が、道具の制作や言語の元となる「観念回路」を形成する過程を追求していきます。まずは、初期人類に生じた感謝回路の本質にせまってみたいと思います。
〇サル時代に形成された同一視の回路と、初期人類に生じた感謝の回路の共通点と違いは何か?
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人類って何?⑧~初期人類になって成体の仲間関係はどのように変化したのか?~
では、成体のオス同士(メス同士)の仲間関係はどのように変化したのでしょうか?今回はここを追求します。
元々成体になると息子も娘も放逐され、単体で行動していきました。つまり、性闘争本能を強くしていたのです。そうすると疑問が湧いてきます。
〇同性同士の戦いの本能は作動するのでは?性闘争はどうなる???
どう考えたら整合する???
そもそも、哺乳類は生き延びるために『性闘争本能』を生み出しましたが、それ以外にも、生き延びるために、集団として行動するための『親和本能』も身に着けています。ここがヒントでは?
①性闘争本能は生存危機に直面しているときや、性闘争により生存危機を招く場合は働かない。
②生まれたときからずっと一緒に洞窟内で生活をしていることにより親和が蓄積されていく。(家族・兄弟のようなもの)→しだいに、親和本能が性闘争本能を上回っていく。
③同類欠損からの全面依存→感謝回路の形成により仲間(同類)を追い出さなくなった。
→性闘争本能よりも、とにかく一体化欠乏が高まっていく。
★どうでしょうか?
★★★このようにして、原始人類の仲間関係が出来てきたのではないかと思われます。木から落ちたサルが、生き延びるために獲得した全面受容の回路を頼りに、メスオス関係⇒母子関係⇒同性の仲間関係と一体化を高めながら、自分と相手との一体化(境界を無くす、融合する)を高めてきたのだと考えられます。
たしかに、現存する人類の行動様式を調べてみると、踊り(例えば、ケチャ、ハカ)等の一体化行動を大切(活力源、充足源)にしているのが分かります。現代でも、盆踊り、母と子の心臓の音、チーム戦での円陣等々・・・。まさに一体化行動=充足を得ている気がするし、我々も実感できると思います。
一体化充足を得るために、一緒に動く(一体行動)、声を合わせる、息を合わせる、気を合わせる、気が合う等を行い、自分と相手の境がなくなるほど一体化=同期する=同期回路が磨かれたのでは?と想像されます。
極限的な外圧状況の中で生き延びた人類。その基盤は、同期(気を合わす)ことで、同期充足を得てエネルギーを増幅させることが命綱になっていったのでは?
目の前の同類に対する感謝+同期が根底にあり、万物との一体化までに同期回路を磨くこととなる。そしてこれを基盤にすれば、この後生まれた、観念回路(目の前を超える対象・・・宇宙や自然や)を獲得していくことが可能だったかも???次への期待が膨らみます。
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人類って何?⑦~初期人類になって親子関係はどのように変化したのか?~
足で枝をつかめなくなった原オランウータン(初期人類)は、地上で生活せざるを得なくなり、活力源であった「同類圧力」と「充足対象」を全面的に喪ってしまいました。その結果、強烈な虚無感や絶望感に苛まれたことは想像できます。
そこで初期人類(地上に落ちたのはメス)は全存在をかけて同類を注視し、樹上にいるアンフランジオスを挑発して遭遇を試みたと予想されます。初めてオスが訪問してきた時の感情は想像に余るものがあります。
この時に、同類が居るだけで満たされる=有難いという感情が生起したと思われます。そんな中で得られた同類との共認充足が彼らの活力源となり、先日のブログでは、初期人類のオスメス関係がオランウータン時代からいかに変わったかを投稿しました。
今回は「親子関係の変化」について取り上げたいと思います。
〇親子関係はどのように変化したか?
初期人類(メス)は訪問してくれたアンフランジオスに対して、同類が居るだけで満たされる=有難いという感情を受け、オスはメスを庇護する意識が形成されました。
そのオスとの間に子どもが生まれることで、最大の懸念だった同類欠損も解消されます。ただ生まれてきても、厳しい外圧下ではオスも子どもも生き延びるのは難しい状況。
だから危険な食糧探しを担うオスに対しても、子どもに対しても、ただ「生きていてくれることに対してありがとう」という次元に進化し、より一層「感謝回路」が強化されたと思われます。そして、このサイクルを何世代もかけて徐々に太くしていった可能性が高いです。
〇母子密着期間はどうなったか?
オランウータンは体制感覚を磨く必要から、密着期間を7年と引き延ばし、そのスキンシップによって共認機能を発達させました。それに対して、地上では体制感覚を樹上ほど必要としません。またオランウータンは5年に1回出産しているのに対し、現人類は年子もいることから、授乳期間中も排卵できるようになり多産化戦略に切り替えていることが分かります。
これらのことから、初期人類の母子密着期間はオランウータン時代より短くなったと思われます。ただ短い密着期間でも、先述の「感謝回路」の形成に伴い、オランウータン時代より共認機能を十分に発達させることができたと思われます。
次回は、初期人類になって、成体のオス同士の仲間関係(=性闘争)はどのように変化したのか?を扱いますので、お楽しみに!
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人類って何?⑥~初期人類になって、オス・メス関係はどのように変化したのか?~
■先祖返り→同類欠損⇒強烈な同類欠乏
前回のエントリーでは、初期人類の状況に同化し、飢えや外敵、自然外圧の変化はもちろんありましたが、最大のポイントは、樹上にいた頃には周りに当たり前にいた、”同類が全く居ない”という状況。これまで経験したことの無い、「孤独」というのが最大の外圧だったのではないか?というところまで整理しました。
「孤独」というと言葉で言えば、平易ですが、樹上にいた頃のサルは、同類圧力を掴むために全神経が形成されており、外圧=内圧の生命原理から見ると、同類圧力が最大の活力源です。にもかかわらず、いきなり同類の居ない世界に放り出されるわけです。
そして、サル時代に形成された「共認機能」は敵対する同類が多くいる中で、同類を「同一視」したことによって充足を得る機能です。
つまり、活力源であり、充足源でもある同類が居ないという状況は、もはや「世界の喪失」と言っても過言ではないでしょう。
このように、初期人類は同類欠損の状態。そこから”強烈”な「同類欠乏」が生じたのだと推定できます。
では、そのような状態の初期人類は、オランウータンや(大型)テナガザルと比べて、共認欠乏や共認充足の中身や深さはどのように変化したのでしょうか?