2022-05-18

人類って何?⑥~初期人類になって、オス・メス関係はどのように変化したのか?~

■先祖返り→同類欠損⇒強烈な同類欠乏

前回のエントリーでは、初期人類の状況に同化し、飢えや外敵、自然外圧の変化はもちろんありましたが、最大のポイントは、樹上にいた頃には周りに当たり前にいた、”同類が全く居ない”という状況。これまで経験したことの無い、「孤独」というのが最大の外圧だったのではないか?というところまで整理しました。

 

「孤独」というと言葉で言えば、平易ですが、樹上にいた頃のサルは、同類圧力を掴むために全神経が形成されており、外圧=内圧の生命原理から見ると、同類圧力が最大の活力源です。にもかかわらず、いきなり同類の居ない世界に放り出されるわけです。

 

そして、サル時代に形成された「共認機能」は敵対する同類が多くいる中で、同類を「同一視」したことによって充足を得る機能です。

つまり、活力源であり、充足源でもある同類が居ないという状況は、もはや「世界の喪失」と言っても過言ではないでしょう。

 

このように、初期人類は同類欠損の状態。そこから”強烈”な「同類欠乏」が生じたのだと推定できます。

では、そのような状態の初期人類は、オランウータンや(大型)テナガザルと比べて、共認欠乏や共認充足の中身や深さはどのように変化したのでしょうか?

 

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■オスに全面依存するメス⇒それに応えるオスの庇護本能

今の人類まで生き残っていることを考えると、先祖返りしたオスだけでは、子孫を残せないので、そのまま死滅するはず。
なので、先祖返りしたメスの状況に同化しましょう。

 

先祖返りしたメスは、上記の通り同類欠損状態。前回エントリーで扱った通り、そのような状況のメスは、樹上にいた頃のように、ボス(強者)に収束するのではなく、「同類が居るだけで有難い」と感じる為、その対象は、弱オスも含む「全てのオス」に対して、その収束先は広がったと考えられます。

 

オランウータンの授乳期間は7~8年。先祖返りした初期人類(メス)は、親離れした後に落ちていくとすると、子供が生めるようになる15歳(性成熟)までの間は、オスを惹き付ける性的アピール(フェロモン・見た目(性的)アピール・上目遣い・身振り手振りなど)はできないはず。しかし、性成熟までの期間もオスを引き寄せることができていないと生存不可能です。

 

だからこそ、強い期待と感謝感を持って、全面的にオスに委ねる。この“全面依存”がオスを引き付ける引力になったのではないでしょうか。ここでは、感謝という言葉を用いると少し価値観念的に捉えられてしまうので、”全面依存”する回路(感謝回路)と呼ぶことにします。

 

このような”全面依存(=感謝)回路”は、相手を充足させる回路であり、性収束を上回るほどの強い引力となったのだと思われます。(赤ちゃんと同じような次元)おそらく、オスの庇護本能もこの辺りから生じているのではないかと考えられます。

その証拠に、人類のメスは毛を薄くして皮膚を鋭敏化しています。身を守るために毛が生えているにも関わらず、何十万年、何百万年もかけてより一体になるため(密着するため)に身体的進化も遂げたのです。

 

★メスが先行して、オスへ強く全面依存(=感謝)し、それに応える形で、オスの庇護本能が解放された。オスメスの互いの期待応合関係は、それ以前よりもはるかに高まったのだと考えられます。

今回はここまで。

List    投稿者 tuti-nor | 2022-05-18 | Posted in 4)サルから人類へ…, ③雌雄の役割分化No Comments » 

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