2022-05-28

観念回路の形成過程①~初期人類に生じた感謝回路の本質~

前回まで、木に登れなくなったサルがどのように生き延びたのか、その際のオスメス関係、親子関係、仲間関係を追求してきました。

今回は、その様な状況に陥った初期人類が、道具の制作や言語の元となる「観念回路」を形成する過程を追求していきます。まずは、初期人類に生じた感謝回路の本質にせまってみたいと思います。

 

〇サル時代に形成された同一視の回路と、初期人類に生じた感謝の回路の共通点と違いは何か?

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【共通点】
・逆境から生み出されたもの
・同類対象があってこそ
・不全を解消するためのもの

【相違点】
・同一視は、過密状態の同類の敵がいる中で生まれた回路。
 それに対して感謝回路は同類が全くいない状態(同類欠損)で生まれた回路

・同一視はお互いの欠乏、状況を同一視することで充足する回路。
 それに対して感謝回路は、ただいるだけで存在そのもので充足する回路。

 

〇まず、感謝回路を生み出した同類欠損とはどういう状態なのか?

サル時代は同類闘争が最大の圧力であり活力源で、同類との同一視(共認機能)が最大の充足源になっていました。その同類が全くいないということは、最大の外圧も、最大の充足源も失い、内圧が生起しなくなったということです。

また、最先端機能である共認機能が全く作動しなくなると、そこに収束する全ての機能に本能でさえもまともに作動しなくなります。初期人類は、同類欠損によって本能も共認機能も作動せず、主体が完全に失われた状態といえるでしょう。

 

〇感謝回路の本質とは何か?

主体喪失の状態で同類が現れた時どうなるか?

主体がないということは意識が対象に溶け合い、全面開放している状態です。その結果、相手の中に自分がいる、相手と自分との境目がない全面受容状態になります。

主体喪失ゆえに「全面開放→全面受容→一体充足」それが感謝回路の本質です。

その状態は敵も味方も関係ない。それは、赤ちゃんのイメージであり、主体がなく全てを受けいれるというのと近しい。

現代の感謝の中身のほとんどが、相手が何かしてくれたから感謝するというもので、しっかり自分があります。そこが初期人類の感謝回路(全面受容)と大きく違う点ではないでしょうか。

 

次回は、一体充足度を高めるために用いた「同期回路」について深めていきたいと思います。

List    投稿者 amino | 2022-05-28 | Posted in 4)サルから人類へ…No Comments » 

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