2022-06-18

観念回路の形成過程⑦~万物との一体化回路と本能・共認回路との間の矛盾・意識の混濁にぶつかる~

自然人類は、前回【同類との一体化回路を基盤にして、万物との一体化回路を形成しました】。

樹上に住めなくなった”カタワのサル”は、今までの本能、共認機能(回路)では生きていけないために、完全同一化回路を形成しました。そして、同類との一体化⇒万物との一体化を通じて一体化回路を強化していきました。

しかし、この一体化回路は、今までの本能、共認回路との間には矛盾が生じたのです。どんな矛盾なのか?

 

どういう矛盾・混濁に直面したのか?

そもそも本能回路は外圧に対峙、防衛するもですから、外圧との一体化を阻害する回路です。従って一体化するときは、本能・共認回路を麻痺させなければなりません。

一体化回路が捉える万物(宇宙、自然)は、エネルギーの固まり=充足の対象ですが、本能が五感で捉える対象は、全てが充足対象ではなく、恐怖や警戒の対象も含まれるのです。

また、共認回路は、同類に対応するためのものです。そのため、一体化回路が捉える万物(宇宙、自然)は対象外なのです。そのため、共認機能は本能機能の判断に判断を委ねる関係になります。よって、本能、共認機能では、一体化回路が捉えた充足対象が恐怖の対象となり、同じ対象で違う判断となり、意識が混濁する=行動出来ない関係にあるのです。

つまり、本能・共認回路と一体化回路は存在自体が矛盾しているのです。

混濁というよりも分裂しているのです。しかし、生存課題という現実課題に直面した時には、やっぱり自然に適応しようとすると本能を開放して作動させないといけないし、同類との関係という点でも共認回路を作動させないといけない状況にりなります。

本能は対象を「エサか、敵か」などのプラス・マイナス回路で判断し、それに基づいて行動指令を下す。
共認回路は同類闘争の敵・味方や相手と共感でプラス・マイナスがある。しかし一体化回路はそんなプラス・マイナス判断なしに全ての対象と一体化する。そのままでは(洞窟の外では)生きていけない。

★少しイメージを膨らませましょう。

「ジル・ボルト・テイラー博士」という方をご存じでしょうか?

彼女は1959年アメリカ・ケンタッキー州生れで、脳科学者であり神経解剖学者としてハーバード大学の第一線で活躍していた37歳の1996年12月10日に、突然脳卒中になり左脳につながる血管が破裂したことにより、左脳の機能が停止してしまいます。
その後、8年を要して身体機能と思考能力の奇跡の回復を遂げますが、彼女が脳卒中で左脳機能を失い右脳だけの機能になった時の体験は、非常に興味深いものです。

ある脳科学者の事例(ブログ『神秘のあんみん』り引用)

その朝、私は左目の裏にひどい痛みを感じ目が覚めました。
少しすると、私はマシンを握っている自分の手が原始的な獣か何かの鉤爪のように見えることに気がつきました。変だと思った私は、その後自分の体を見下ろし、そして自分がなんて奇妙な姿をしているのだろう、と思ったのです。その時私は、 私が私自身をマシンの上から見下ろしているような感覚にとらわれました。とても奇妙な感覚にとらわれ、頭痛がひどくなったので私はマシンを降りてシャワーに向かおうとしました。
しかし、私の体の機能のすべてがとても遅くなり、ぎこちなくなっていることに気がつきました。
身体機能も認識能力も制限されているようなその状況の中、なんとか動けるように体に意識を集中して歩きました。浴室に向かう途中、私は実際、私の頭の中の「声」が聞こえるような気がしました、それは「筋肉、縮め」「筋肉、緩め」という指令を出しているのです。

しかしすぐに私はバランスを崩し、壁にもたれかかりました。そして自分の腕を見た時、もはや自分の体とその周りの物の境界線がわからなくなっていることに気付いたのです。自分という存在がどこから始まりどこで終わるのかも見分けがつきません。まるで私の腕の分子が壁の分子と入り交ざって、一体になっているような感覚なのです。唯一認識できるのは、私の体の中のエネルギーです。

私は考えようと努力し、私に何が起きているのかを問いかけようとしました。しかしその瞬間、さっきまで聞こえていた左脳の「声」が完全に途絶えてしまったのです。まるで静寂です。
私はその状態にとてもショックを受けましたが、それと同時に私という存在が周囲の大きなエネルギーと共同体となっている状態に魅了されたのです。もはや体の境界さえわからない私は、自分という存在が周りのエネルギーと一体となり大きく、大きく広がる感覚を感じたのです。それはとても素晴らしいものでした。

重荷やしがらみのない素晴らしい世界。しかしそうしていると、突然左脳が復帰してまた「声」が聞こえるようになったのです。
それら左脳からくる「声」は、「問題が起きた!」「助けを呼べ!」「大変な問題が起きた!」と繰り返し指令を出すのです。私は「これは問題なのだ」と認識し始めました。

しかしまたすぐに、その「声」は消え、私はさきほどのエネルギーの共同体となっている意識世界へと押し戻されました。
私はこのすばらしい空間を ラ・ラ・ランド(陶酔世界)と呼んでいます。そこは本当に素晴らしい世界なのです。外の世界と自分をつなぐ一切のしがらみから完全に切り離されているのです。
想像してみてください、仕事のストレスがすべて消え、体が軽くなることを。外の世界とのすべての関係、ストレスの原因がなくなるのです。平和に満ちあふれた世界です。
37年間ものさまざまな感情の重荷から解放されるのです、どんなにそれは素晴らしいものでしょう、ああ!

右脳で判断した世界は、自分と周囲との境がなくなった一体化の世界=陶酔世界なのです。しかし、左脳の判断は、全く異なり、身体機能も認識能力も制限されているような状況で、満足に歩くことも出来ない=行動が出来ないのです。

 

では、その相反する回路を使い分けることはできないのか?
時と場合を判断して使い分けれていたら混濁しないし、同時に出てくるから混濁します。

一体化回路だけを使おうとしても、本能・共認機能が作動していないとなると何も行動できない。逆に樹上機能を欠損した本能や同類欠乏の共認機能だけを作動させても自然には太刀打ちできない。だからこそ、自然に対して突破口を探るという意味で一体化回路に可能性収束しました。

使い分けたところで、どちらにしても生きていけないのです。

加えて、前回追求したように一体化回路は、本能・共認回路を超えた地平にできている回路であり、そこに本能・共認回路が無意識に可能性収束している。従って、一体化回路を一切使わずに作動することはできないのです。

では、この混濁をどのようにして脱却したのか?

この矛盾を突破するために、本質の抽出と、精霊の措定(概念化)を行いました。どういうことか?次回、追求していきます。

List    投稿者 hirosige | 2022-06-18 | Posted in 4)サルから人類へ…, ②シリーズ“祖先の物語”No Comments » 

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