観念回路の形成過程⑧~精霊って?~
前回のブログでは、初期人類が陥った新たな外圧である「万物との一体化回路と本能・共認回路との矛盾」を見てきました。
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本能は対象を「エサか、敵か」などのプラス・マイナス回路で判断し、それに基づいて行動指令を下す。
共認回路は同類闘争の敵・味方や相手と共感でプラス・マイナスがある。
しかし一体化回路はそんなプラス・マイナス判断なしに全ての対象と一体化する。そのままでは(洞窟の外では)生きていけない。
(中略)
この矛盾を突破するために、本質の抽出と、精霊の措定(概念化)を行いました。どういうことか?
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今回は「その矛盾をどうやって突破したのか」を詳しく見ていきたいと思います。
矛盾を突破するのに鍵になるのが、「本質の抽出」「精霊の措定」。
これらは一体どういうことなのでしょうか?
まずは「精霊」について迫っていきたいと思います。
皆さんは精霊と聞いてどんなイメージが思い浮かびますか?
目には見えないけれど、何かがいる・あるような感覚といったイメージでしょうか?
■精霊とは?
リンクによると、
樹木、動物、自然などのあらゆる万物に宿る「超自然的な存在」「気」。
精霊は時として万物の創造主であり、人間を裁き、災を与える、神に近い存在である場合があります。
また精霊に近い言葉で日本ではよく“御神体”という言葉が用いられます。
日本では山や樹木、岩、滝などの自然物や、刀や鏡や絵画などの神器を“御神体”や“御霊代(みたましろ)”などと呼びます。
(大木や岩にしめ縄が巻かれているのを一度は見たことがあると思います!)
画像はこちらよりお借りしました。
■御神体とは?
リンクによると、
御神体とは、そこに神さまの御霊が鎮まられると信じられる大切なもの。
神さまそのものは物体ではなく、御神体は、ただ神さまがお宿りになるもの、お鎮まりになる御座。
以上から精霊とは、山や岩や鏡などそのものではなく、それらの“背後に”精霊の存在を当時の人類は見ていたのです。
そして精霊は人類にとってプラスの存在(食べ物をいただく、恵みの雨など)だけではなく、時にはマイナスの存在(嵐や地震など)にもなり得ること。
これらも目に見える具象や事象の奥に、何かエネルギーや本質を感じ取っていたからこそ、プラスもマイナスも感じとれるようになったのだと考えられます。
それらを感じ取ることができたのは極限状態で磨いた皮膚感覚、同類だけでなく万物(=宇宙)との一体化ができたから。
だから何かのエネルギーや力を山や岩などから感じ取ることができ、その奥に精霊がいる、神様が宿っていると感じ取ることができたのではないでしょうか?
精霊がいる、神様が宿っていると感じ取れる事象といえば、「パワースポット」。
日本でも富士山や白神山地、屋久島、伊勢神宮などがパワースポットとして有名です。
こちらよりお借りしました。 こちらよりお借りしました。 こちらよりお借りしました。
これらパワースポットに一歩入っただけで、何か周りとは違う感覚を感じ取ったり、そこからエネルギーを感じ取ったりしますよね。
しかもその中でも、一際エネルギーを感じる場所もあると思います。
(例えば、屋久島の縄文杉と呼ばれる大きな大木。なぜか触れたくなりますよね。)
一際エネルギーを感じ取れるのも、“周囲や全体を対象化している”からこそ。
上記のような周りとは“ちょっと違う”“ここからエネルギーを感じる”などといった感覚や現象を、「本質の抽出」と呼ぶのではないでしょうか?
本質の抽出というのは、“全体を”対象化・把握したうえでできること。
言い換えれば、全体を対象化しないことには「本質の抽出」はできないと考えます。
つまり精霊を措定(感じ取れる)できたのも、「本質の抽出」ができたから。
「精霊の措定」も「本質の抽出」と同時期に発生したと考えられます。
次回はもう少し詳しく、「本質の抽出」「精霊の措定」を扱っていきたいと思います。
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