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観念回路の形成過程②~初期人類が用いた同期回路~

前回はサル時代に形成された同一視回路と木から落ちた初期人類が形成した感謝回路の共通点と違いから、感謝回路の本質に迫っていきました。
初期人類はより“一体化充足を高める”ために、「同期回路」を用いたと考えられています。
今回は、「同期回路」について迫っていきますm192.gif

そもそも“同期”とはどういうものなのでしょうか?

■同期とは?
コトバンク [1]によると、

① 同じ時期。同じ期間。同じ年度。
② 学校・訓練所などで、入学または卒業の年度が同じであること。会社や官公庁などで入社または退社の年度が同じであること。また、その仲間。同期生。
③ すでに述べられた期間をさしていうのに用いる語。その期。
④ 作動の時を同じくさせること。シンクロナイズさせること。

という意味で使われていることが多いようです。

しかし、同期は本来コンピュータ用語として頻繁に使われる言葉です。
(スマートフォンやパソコンを操作する際にも、同期するという言葉はよく耳にしますよね。)
IT用語辞典 [2]によると、

機器やソフトウェアなどの間で信号やデータの送受信のタイミングを合わせ、正しく伝送されるよう制御すること。

という意味で使われています。

日常の現象で“同期”を思い浮かべるとどうでしょうか?

合唱や円陣など、“息を合わせる”“リズムを合わせる”ようなことが“同期”に当てはまります。

■同期行動はいつからしている?

[5]
実は、同期行動は“単細胞時代”からしているのです。
通常時は、“一定の距離を置きながら”それぞれ単独行動している単細胞生物。
しかし、餌が無いといった“危機状態”になると、ギューッと集まり1000~10,000個の細胞が“1つの生き物”のように動いて餌のある場所まで移動します。
そして餌場につくと、また離れて一定の距離を保つようになるのです。

他にも、魚類の“連携行動や群生”も同期回路を土台にしています。
哺乳類で言うと、おなかの中で赤ちゃんは母親と“心臓の鼓動”を合わせて交信しています。
そしてサル時代の母子も、同期回路を土台にした“共認機能や連携行動(呼吸を合わす、気をあわす)”によって一体になって行動をしているのです。

これらを踏まえると、同期とは“動きやリズムが合っていること”
そして動きやリズムが合って、“一体化している”ようです。

つまり“一体化するために同期回路を作った”とも言えるのではないでしょうか。

互いに増幅し合うというより、集まること=同期や一体化することで、全体としてのエネルギーが増幅していくイメージ。
単細胞時代からある機能なので、より根源的な機能と言えます。

従って初期人類は、より根源的な同期回路を使って、一体化充足を高めていったと思われます。
一体化するためには、同期が必要だったのだと思われます。
初期人類は今までにない、とてつもない外圧状況の中で適応するために、同期回路を用いて、より一体化充足を高めて生き延びていったのですね。

今回は以上です。

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