2022-08-03

観念回路の形成過程⑲~人類の知能進化の主要因は道具か?観念(言語)か?

教科書的に言えば、「人類は複雑な道具をつくることで手先が器用になり脳の発達を促した」とあります。
これは本当なのでしょうか?

こちらよりお借りしました。        こちらよりお借りしました。

道具の使用だけで見れば、チンパンジーやゴリラだけでなく、鳥なども道具を使う。
道具の発明で言うと、礫器からハンドアックスまでの進化にかかった時間の割にそこまで脳容量も増えていない。
つまり、道具と知能の進化は比例していないのです。

では、人類の知能進化の主要な要因はなんなのでしょうか。

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■道具の進化と観念の関係は?
道具は尖らせる、より切れやすくなどの機能以上に、磨製石器や黒曜石、ひすいなどは装飾品として急激に進化している。
それには、ものの背後に感じたエネルギーを表現したのではないか?

装飾品を作るのにも手先の器用さが必要となるが、その手先の器用さは身振りや手振りで精霊を表現し、相手に伝えることで進化してきた。そして、本質を掴んだからこそ、より器用に物を作れるようになった。
一流の職人たちも材料の奥に精霊を見ている。特に日本の大工道具は他の国に比べても種類が多い。それらは個々の精霊に合った道具に進化させてきたからである。

■観念はいつ頃形成されたか?⇒観念機能成立の証拠といえるものは何か?
・猿人に比べて大幅に増えた脳容量は、知能が上がって脳容量を広げる必要があったことを示しているのではないか?⇒ホモ・エレクトスで観念成立か?

・火の制御ができるようになったことか?
⇒他の動物も訓練すれば火を怖がらなくなることはあるが、火を制御することはできない。火の本質を掴まないと火を扱えない。
火の制御ができる=精霊の措定ができているということ。
つまり火の制御ができる以前から観念は形成されていると思われる。

・ブローカー野(運動性言語中枢)の痕跡が見られることか?
→動物たちの鳴き声とは違い、人類は多彩な声・微妙な違いを出せる。喉頭と脳神経が直接つながって、思い通りに動かせるようになった。それらの欠乏が喚起されたのも一体充足回路で掴んだエネルギーを表現しようとしたから。
⇒世間ではその始まりがホモ・ハビリス頃だと言われているが、脳は化石に残らない。見つかった頭蓋骨の化石一部を根拠にしており、いつ頃観念が形成されたのかは今後の追求ポイント。

■観念=言葉と言われると、コミュニケーション能力(人間関係力)を思い浮かべるがこれらとの関係は?
コミュニケーションを取る目的は、一体充足を高めていくため。でも一体充足のためだけなら言葉はいらない。
言葉を使ってコミュニケーションを取るのは、本質追求のため。
それは1人で行うのではない。仲間との“みんなで追求”のため、みんなで掴んだ本質を仲間に伝えるために言葉がある。
★人類は、言葉以前の一体充足と、言葉を用いた追求充足が生きる活力源となっていた。

■現代人の脳は、なぜ原始人と比べて1割程度小さくなっているのか?
知能進化は、組みかえと探索に規定される。
そして探索欠乏の起点は、一体充足回路が基盤になっているが、現代は一体化を阻む観念が蔓延っており、一体化さえしていない。つまり不整合や矛盾も感じない=探索欠乏が湧きおこらない状態。そして固定観念化していくので組みかえ、探索を全くしていない。だから脳が縮小していった。
★また現代と原始時代での大きな違いは親子関係。原始時代の親子は“追求仲間”であった。その中で構造化能力も磨いていった。(一体化なしに観念(答え)を押し付けても知能は上昇しない。)

我々が学ぶべきことは(その突破口となるのは)、人類は一貫して「一体充足回路に収束している」ということ。人類は一体充足回路が生命線である。
一体充足回路で捉えた世界を、人類固有の包含思考でプラスもマイナスも関係なく包含し、受容できるか。それができないと本質にも迫れない。
教科書も暗記脳で覚えるだけでなく、一旦プラスもマイナスも受容した上で、不整合を感じ取り本質を抽出できるか、幹を掴めるか。本質追求ができれば、受験時や社会に出た時に応用問題にも何にでも対応できるようになる。

List    投稿者 m-yoriya | 2022-08-03 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

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