2022-08-10

観念回路の形成過程⑳~成体になったオスメスが集団から出ていく原猿や類人猿に対し、初期人類はオスメスともにの集団に残留させたのはなぜか?

初期人類の集団構造には、独自の特徴があることをご存じだろうか。

 

一般的に、哺乳類であれば、成体になるとオスが集団を出てゆき、メスが残留するケースが主流である。その後、進化した原猿や類人猿に至っては、オスもメスも集団から出ていく。それに対して、初期人類はオスメスともに集団に残留したと考えられている。

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初期人類は他の哺乳類と異なり、なぜこのような集団構造を選択したのだろうか?

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それを考えるにあたり、初期人類が置かれた状況を振り返ってみたい。初期人類の出発点は、足の指が先祖返りしたことで、サルの生存上の武器である樹上機能を失ったことにある。地上の外敵に対して匹敵する武器も持ち合わせていなかったので、環境としては劣悪な洞窟に隠れ棲むしかなかった。そのため、周囲に同類が全くいなかった。

 

哺乳類全般が集団を出ていく最大の理由は、多様な遺伝子(DNA)の交配させるため。だから遠方へ拡散し、他集団の異性と遭遇しようとする。これが生命原理だ。それに対し、初期人類は周囲に同類がいないのであれば、そもそも集団を出ていく意味がなくなる。また洞窟を離れること自体、地上弱者の人類にとっては危険性が極めて高い。人類がオスメスとも残留させた理由の1つと考えられる。

 

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他にも理由はある。初期人類は地上では弱者だったので、エサを洞窟の外へ取りに行くだけでも難しい。つまり日々が絶望的な状況だった。その中で唯一の生きる源となったのは、集団内の仲間との共認充足・一体充足であり、人類は一体化充足へ全面的に可能性収束した。

 

これら2つの理由によって、初期人類は性闘争を封印し、生物界では極めて特異なオスメス残留という集団を形成したのである。

 

哺乳類の遠方への拡散もそうだが、生物の進化は多様な遺伝子(DNA)の交配によってなされてきた。一方人類は、性闘争を封印しオスメス残留させることで、それまでのDNA変異による進化に代わり、共認進化や観念進化といった新たな進化形式を生み出した。そして共認内容・観念内容を柔軟に組み換えることで、DNA変異を超える進化スピードを実現したのである。

List    投稿者 oku-ken | 2022-08-10 | Posted in 4)サルから人類へ…, 5)人類の拡散, ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

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