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観念回路の形成過程⑱~人類の知能が著しく進化したのはいつか?~

これまで4回にわたって、木に登れなくなったサルがどのようにして観念回路を形成してきたかを図解形式で追求してきました。
観念回路の形成過程⑭~「機能欠損~同類との一体化」はどうやって起きたのか?~ [1]
観念回路の形成過程⑮~「同類との一体充足回路」はどうやって強化したのか?~ [2]
観念回路の形成過程⑯~万物(宇宙)と一体化できたのは何で?~ [3]
観念回路の形成過程⑰~初期人類はついに観念回路を生み出した!その仕組みは?~ [4]

今回は、この過程の中でも、著しく知能が進化した段階を振り返り、人間の知能進化の本質に迫っていきたいと思います。

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そもそも知能とは?

哺乳類はモグラの土中生活から始まり、サルのスキンシップ(毛づくろい)など皮膚感覚を進化させてきました。この皮膚と脳の判断=駆動物質のやり取りを強化することで、皮膚の持つ優れた判断機能を脳に転移させ、脳と皮膚を「共進化」させたのです。『哺乳類の知能進化①~知能進化のカギは皮膚感覚にある~』 [6]

この欠乏は、皮膚感覚の充足度が上がる(快)と不整合、非充足(不快)に敏感になることから湧いてきます。人類になっても同じで一体化ができればできるほど、一体化できないときの非充足を感じ、組みかえ、探索が行われます。この欠乏がないと、組みかえ、探索は行われません。
知能進化とは、「組みかえ」と「探索」がどれだけできるかということです。

どの段階で知能が進化したのか?

・一体化か?

一体化は、組みかえ、探索によりひたすら皮膚感覚の機能を発達させています。一体充足によって快の感覚を知ることで不快にも敏感になるので、探索の欠乏喚起にはつながっています

・包含思考か?
包含思考は、一体化回路で感じ取ったエネルギー全体を感じたままに括っているだけで、組みかえ、探索は行っていません。

・構造化か?
構造化には行動するために運動機能を含めてネットワークが必要です。包含思考から構造化までの統合過程は一発で答えを出せるわけではなく、不整合を感じる度に何度も「包含思考」まで立ち戻って組みかえ、探索を行います

一体充足回路(→快)が強化されると、一体化できない(→不快)に敏感になり、もっと一体化したい欠乏が湧きます。それが原動力になって本質の抽出⇒精霊の措定⇒構造化を押し進めます。
この構造化による繰り返しの組換え・探索が、知能が飛躍的に進化した要因と言えるでしょう。

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