2011-02-11

「続・人類の拡散」 シリーズ 初期ホモ属~ヒトはいつからヒトになったのか?~

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ホモ・ハビリスの予想図

 今回は「ホモ」、つまり「ヒト」として分類された最古の化石、「ホモ・ハビリス」を含む初期ホモ属に関する記事です。

逆に言えば、前回取り上げられた「アウストラロピテクス・アファレンシス」は、まだヒトではない、ということになります。

では、どこからがヒトで、どこまではヒトでないのか?

なかなか難しい問題です。「ヒトとは何か?」という問いと同義だからです。広く知られているヒトの基準は以下の三点です。(霊長類であることが前提です)

1.二足歩行をすること
2.道具を使うこと
3.脳容量が大きいこと

前回記事にある「アウストラロピテクス・アファレンシス」は二足歩行をしていましたが、2と3の条件を満たしません。(つい、最近のニュースでは、アファレンシスの足には土踏まずがあったとか。かなり長距離を歩けたようです。)

二足歩行に加えて、道具を使い、脳容量が大きい、というすべての条件を満たし、ヒト=ホモという名前を与えられた最も古い化石が、今回取り上げるホモ・ハビリスをはじめとする初期ホモ属なのです。

(とは言うものの、「どこからヒトか」という問い立てそのものが、西欧的価値観のような気もしますが、そこは追々…)

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List    投稿者 blogger0 | 2011-02-11 | Posted in 5)人類の拡散No Comments » 
2011-02-05

雌雄の役割分化14~なぜ真猿や類人猿は乱婚をするのか

前回のテーマは、オス猿の序列統合でした。真猿以降の集団化した猿のオスは、日常的な序列闘争により力の序列を共認することで、性闘争を抑止して集団の崩壊を防いできました。そして、進化するにしたがって力の原理だけではない幅の広い共認形成力が、序列闘争の制覇力として求められるようになって行きました。

序列闘争と共認により、強固な序列規範を形成し、集団化した真猿や類人猿ですが、近年の観察結果では、ボス以外のオスとメスが交尾する乱婚が数多く報告されています。性闘争、縄張り闘争の本能を強化した哺乳類では、乱婚は珍しい現象です。なぜ、真猿、類人猿では乱婚が見られるようになったのでしょうか。

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List    投稿者 nodayuji | 2011-02-05 | Posted in ③雌雄の役割分化No Comments » 
2011-02-02

「続・人類の拡散」 シリーズ アウストラロピテクス・アファレンシス~ヒト?or類人猿?~

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 画像はこちらからお借りしました。
こんにちわ。「続・人類の拡散」シリーズ第3回です、前2回はプロローグとして、問題意識や化石の基本的知識を紹介しましたが、今回からはいよいよ具体的に追及していきます。
 今回は、アウストラロピテクス・アファレンシス(以下アファレンシス)。
 アウストラロピテクスは、「南の猿人」という意味を持ちます。また、アファレンシスの名は発見された「アファール」という地名から取った様です。要するにアファール地方で見つかった南の猿人という事ですね。
 アウストラロピテクス属は最古の猿人ではありません。例えばアルディピテクス属等は、アウストラロピテクス属より前に存在していた様ですが、A.アファレンシスはアウストラロピテクス属とヒト属の共通の祖先であり、現代のヒトに直接繋がっていると考えられています。
 そこで、本シリーズの最初に追及する猿人として選定しました。
 
 尚、学者によってどこまでA.アファレンシスと考えるか?が多少なりとも変わってくるのですが、今回は、一般的に共認されている範囲に限定しました。
 追求内容は以下の4点です。
①化石が発見された場所
②アファレンシスの存在時期
③アファレンシスの生存環境
④骨格的特長
あらためて調べてみると興味深い事も分かって来ました。
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List    投稿者 arinco | 2011-02-02 | Posted in 5)人類の拡散No Comments » 
2011-01-29

「続・人類の拡散」 シリーズ プロローグ

「続・人類の拡散」シリーズ プロローグ第二回です。
続編は化石から辿る人類の拡散がテーマですが、タイムリーなニュースがありましたね

「早期にアラビア半島進出か=現生人類、アフリカから」
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時事通信 1月28日(金)4時57分配信

 現生人類(ホモ・サピエンス)が約20万年前にアフリカ東部に出現した後、約12万5000年前にはアラビア半島東部に居住していた可能性が高いことが分かった。これまでは、インド洋沿いに同半島に進出したのは約6万年前とみられていた。
 英ロンドン大などの国際調査隊が、アラブ首長国連邦(UAE)の遺跡の中から現生人類が作ったと推定される約12万5000年前の石器を発見したと、28日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 この遺跡はペルシャ湾とインド洋をつなぐホルムズ海峡近くにある。調査隊によると、石器の特徴はアラビア半島の他の遺跡で発見された物より、アフリカ北東部で見つかった石器に近かった。アフリカ東部とアラビア半島西部を隔てる紅海の入り口にある海峡の水位が気候変動で下がり、渡りやすかったのではないかという。
 

これらは12万5000年前の石器とのことですが、今回のテーマはここに着目しています。

・遺跡や化石はどんなところで発見されるのか?

・どのように年代を測定しているのか?を紹介します。

 
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List    投稿者 tsuji1 | 2011-01-29 | Posted in 5)人類の拡散1 Comment » 
2011-01-25

雌雄の役割分化13~オス猿の序列統合

前回の記事は、サル時代の雌雄分化を、メスの性収束にスポットを当ててまとめました。
ポイントは、2点ありました。
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●闘争共認に基づく同類闘争→メスは闘争上の役割欠損から強力に依存収束、性収束。オスは闘争、メスは生殖と解脱充足という役割共認による雌雄分化、雌雄共認が一段と進化している。
●サルの集団は、原猿段階で形成された「雌雄解脱共認」を中心的な紐帯とし、真猿時代の同類闘争に対応する陣形を塗り重ねた内雌外雄の集団形態に進化している。

/////////////////////////////////////////////////////////
雌雄の役割分化12~サルの雌雄解脱共認より)
今回は、オスにスポットを当ててサルの雌雄分化を見ていきます。
原猿から真猿への進化の過程で、単独生活⇒単雄複雌⇒複雄複雌へと集団形態が変わっていきますが、複雄複雌型の集団になってくると、オスがどう集団を統合していくかがポイントになってきます。
では、オスはどのように集団を統合しているのでしょうか?
その前に復習として、これまでの記事も併せて覗いてくださいね

【過去シリーズ記事】
雌雄の役割分化 1 ~雌雄分化って何?~プロローグ
雌雄の役割分化 2 ~単細胞生物の「接合」~
雌雄の役割分化 3 ~雌雄分化の第一段階=殖産分化~
雌雄の役割分化 4 ~雌雄分化の第二段階=精卵分化~
雌雄の役割分化 5 ~雌雄分化の第三段階=雌雄躯体分化~
雌雄の役割分化 6 ~雌雄分化の第三段階=躯体分化(特殊編)~
雌雄の役割分化 7 ~オスとメスが決まる仕組みとその進化~
雌雄の役割分化 8 ~雌雄分化の中間まとめ~
雌雄の役割分化 9 ~哺乳類の集団形態(事例紹介)
雌雄の役割分化10~哺乳類の集団構造と外圧の違いによる特殊性
雌雄の役割分化11~哺乳類のオスメスの庇護依存関係と原猿の雌雄共認との違い
雌雄の役割分化12~サルの雌雄解脱共認

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List    投稿者 MASAMUNE | 2011-01-25 | Posted in ③雌雄の役割分化No Comments » 
2011-01-22

意外と多様な両生類の世界

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NationalGeographicより
 
いまグループで脳を探求していて、サル・人類に特有の共認機能や人類だけが持つ観念機能の実体に迫ろうとしています。しかし、いきなりそこにアプローチするのは難しいので、まずは共認や観念以外の部分である本能について、その構造と脳内のありかを明らかにしようと試みています。
 
そして、いま本能の進化史の解明に着手しています。生物史をひもとき、本能の構造を明らかにするなかでわかってきたことは、本能の最基底部には、生命誕生以来の本能である、危機逃避本能、代謝⇒捕食本能、分裂⇒生殖本能、同類認識による追従⇒集団本能がありそうだ、ということです。
 
生物は生物史を通じて、それら本能を基盤として、新たな本能を開発して進化していきます。本能の解明とは、その全容の構造化にほかなりません。
 
その追求の過程で、登場時期が不明な本能が出てきました。動物などでおなじみの、オス同志がメスをめぐって闘う“性闘争”の本能です。哺乳類では一般的に見られますが、それより前の両生類や魚類ではどうなのでしょうか。それを明らかにするために、まずは両生類の生態に迫ってみます。
 
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List    投稿者 kumana | 2011-01-22 | Posted in 6)“祖先の物語”番外編No Comments » 
2011-01-20

雌雄の役割分化12~サルの性収束と雌雄解脱共認

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(※画像引用元 http://blog.sizen-kankyo.net/blog/2009/06/000541.html)
前々回までの記事で、哺乳類一般のオスメス関係について概観しました。
雌雄の役割分化10~哺乳類の集団構造と外圧の違いによる特殊性 
ポイントは、メスは胎内保育と産後保護により生殖負担が大きくなっていること。オスの性闘争の激しさ、その帰結としての首雄集中婚が一般的であること。母系集団を基本としつつ概ね内雌外雄的な集団形態をとっていること。ただし、オス(首雄)がメスと子どもたちからなる集団と恒常的に同棲しているケースは多くなく、交尾期のみ同棲するケースのほうが多い。

今日はそれらを踏まえて、サルの雌雄分化について考えてみます。
オスメスの関係(性、解脱共認)はどのように進化しているのか。一般哺乳類とも異なる特徴はどのあたりか。
サルのオスメス関係と集団形態は、原猿から真猿への進化過程の中で、単独生活=オスメス別棲→オスメス同棲→集団生活(単雄複雌型、複雄複雌型)へと移行していますが、それは何故なのか。

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List    投稿者 iwaiy | 2011-01-20 | Posted in ③雌雄の役割分化No Comments » 
2011-01-13

雌雄の役割分化11~哺乳類のオスメスの庇護依存関係と原猿の雌雄共認との違い

 さて、前回の記事では、哺乳類共通の特徴、また外圧の違いによる特殊性を述べました。
 今回は、哺乳類から一歩進化した原猿との違いの分析に入ります。 🙄
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List    投稿者 h100p | 2011-01-13 | Posted in ③雌雄の役割分化2 Comments » 
2011-01-09

哺乳類→人類が洞窟から出るまでの図解紹介

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約4ヶ月間追求してきた「人類の拡散と進化シリーズ」もついに先週で終わりを向かえました
今まで応援をしてくださった皆様、ありがとうございます 😀
今回は、人類の拡散と進化シリーズとして追求してきた集大成である全体図解と、これまで追求してきた進化の流れの全体図解を、合わせて紹介していきます!
最後に現在注目の追求テーマも紹介しますのでお楽しみに

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List    投稿者 mizuguti | 2011-01-09 | Posted in ①進化・適応の原理1 Comment » 
2011-01-07

雌雄の役割分化10~哺乳類の集団構造と外圧の違いによる特殊性

みなさん、あけましておめでとうございます
今年も生命の摂理の追求・解明に挑んでいきたいと思いますので、応援お願いします

さて、前回の記事では、哺乳類の集団の特徴について調べてみました。一口に哺乳類といっても多種多様な動物が存在し、集団形態の特徴も様々です
しかし、その中に哺乳類共通の特徴、また外圧の違いによる特殊性を見出すことができるのではないか、と考えます。
今回は、前回記事を元に哺乳類の集団形態の分析に入ります

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List    投稿者 andy | 2011-01-07 | Posted in ③雌雄の役割分化2 Comments »