チンパンジーの同類殺し
縄張りをパトロール中のチンパンジー
この間、サルの共認機能について調査しています。今日のテーマは、同類殺しという、少々ショッキングな内容ですが、過去投稿を紹介し、共認機能との関係から扱っていきたいと思います。
単雄複雌型の生殖集団~ハヌマンラングール編~
こちらから画像をお借りしました
ハヌマンラングール
『子殺しは雄にとっては適応的』とはどういうことなのか?
縄張りを小さくする方向に適応してきたハヌマンラングール(サル)の生殖集団について紹介します。
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チンパンジーの顔認識
画像は動物園の「ど」!さんよりお借りしました。
まずは京都大学霊長類研究所HPからの引用です。
顔は社会的に重要な刺激であり、ヒトでは視空間的注意を容易に捕捉することが知られている。チンパンジーにとっても顔は社会生活を送る上で重要な刺激であるが、顔に関連する注意のメカニズムについては不明な点が多い。そこで、本研究では若いチンパンジー3個体に単純な反応時間課題の実験に参加してもらい、顔や非顔刺激を含む先行手がかりがいかにチンパンジーの視空間注意を補足するかを検討した。その結果、標的刺激が出現する位置にチンパンジーの顔が先行して提示された場合、逆の場合に比べて反応時間が有意に速くなるという手がかり効果が認められた。このような効果はバナナの写真を先行手がかりとした場合には認められなかった。さらに、この効果はヒトの顔に対しても生じたのに対し、倒立提示されたチンパンジーの顔では認められなかった。このことは、今回の先行手がかりによる注意の捕捉効果は、チンパンジーが顔刺激を「顔」として処理した結果生じている可能性を示唆している。
哺乳類は宇宙では子供ができにくい?
今週の科学系の新聞記事に気になる 🙁 内容がありました。
まずその記事の紹介から
記事参照
哺乳(ほにゅう)類の受精卵が育つには一定の重力が必要なことが、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の若山照彦チームリーダーと広島大の弓削類(ゆげるい)教授らの共同研究でわかった。
宇宙ステーションや重力の弱い月、火星では子どもができにくい可能性があり、未来の宇宙移住構想に影響しそうだ。25日付の電子版の米科学誌に発表された。
魚類や両生類は宇宙空間でも繁殖することが実験でわかっているが、哺乳類では1979年にロシアがラットの繁殖に失敗。その後は実験が行われていない。
研究チームは、弓削教授らが開発した装置「3Dクリノスタット」で、ほぼ無重力の状態を地上で再現。マウスの体外受精を試みた。
卵子が受精する確率や、受精から24時間後に細胞が二つに分かれる確率は通常と同程度だったが、さらに無重力が続くと、子宮に着床する前の胚盤胞(はいばんほう)まで育った割合は30%で、通常(57%)の半分に落ちた。その胚盤胞を子宮に移植して出産に至ったのは16%で、通常(38%)より低かった。
結局、子どもの生まれる割合は、地上の重力の場合の4分の1にとどまった。生まれた子は正常だった。
若山さんは「哺乳類でも影響はないと予想していたのでショックだ。宇宙に人類が進出して子孫を残すには、どの程度の重力が必要かを調べ、対策を考えないといけない」と話す。
宇宙空間の場合は、大型の基地を回転させ、遠心力で“人工重力”を生み出す方法がSFなどに登場する。
(2009年8月25日16時07分 読売新聞)
哺乳類は、宇宙では子供ができにくい・・・・ちょっと ショックな話題です。
しかし、なぜ宇宙ではできにくいのか?
今日は、仮設満載になりますが、ここに突っ込んでみようと思います。
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新型インフルエンザ・鳥インフルエンザ・カンピロバクター症・ギラン・バレー症候群を結びつけるものはなにか?
先日女優の大原麗子さんが死去されました。
死因はギラン・バレー症候群。あまり聞き慣れない病名ですが、案外多くの有名人がこの病気が原因で死亡されています。
このギランバレー症候群、その原因分析を調べていくと現代社会が抱える食品安全性の欠陥問題にたどりつきます。
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植物の謎:接木・挿木で育つのは、なんで?
医学会ではクローン細胞の研究や万能細胞を作り出す研究が花盛り です。
動物においては有性生殖が一般的で、いわゆるクローン(無性生殖による)を作り出すのは困難とされていますが、植物においては、むしろ無性生殖は一般的で、栽培においても、日常的に用いられている手法です
いつも、読んでくださり、ありがとうございます 😀
群の中で発現する遺伝子
この間微生物の世界について調べてきました。そこで感じる事は、『生命はその始原から群として適応していた』という視点です。
殆どの生物関連の書籍は、『生物は単細胞生物から始まり、その後多細胞化の道を歩んだ』と進化の過程を説明しますが、それは生命原理からみると、非常に誤解を招く表現ではないでしょうか。
『生命はその始原から群として適応している』という認識は、未だ未解明な生命活動・機能を解明していく上で、欠くことのできない認識となると考えます 😀
それは遺伝子についても同様です。
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DNAの修復
昨日までの人体の恒常性の話題に続いて、今日も関連する(?)話題です。とはいっても、臓器や神経のことではありません。もっと小さな世界、DNAについてです。なかでも、今日はDNAの修復機構についてスポットを当ててみます。
・・・・・・私たちの体細胞を含めて、そのDNA分子が一日にどれくらい損傷しているのか知っていますか?このブログを読んでいる人は知っている人が多いと思いますが、そこから考えていきましょう・・・・・・。
本題に入る前に、まず、いつものヤツをお願いします。
女性必見!ダイエットと恒常性の維持、どっちが大事?
昨日のエントリーにて、男と女の恒常性の違いを紹介しましたが、今日はその延長で女性の恒常性についてもう少し踏み込んでみたいと想います。
実は、今ネットでダイエットを検索すると、結構な頻度で「恒常性」の説明が出てきます。
これは、ダイエットを始めた初期段階では成果が出ない事の説明。
即ち、食事の質や量を変えると、身体の状態を維持しようと生体恒常性機能が働き、いつも以上に栄養分を積極的に吸収しようとしたり、体の消費エネルギーを抑制しようとする仕組みが機能するのです。
なので、凡そ一ヶ月程度はダイエットに対する慣らし期間が必要であるとか、中途半端にやめるとリバウンドを起こしてしまうだとかが書かれています。酷い場合は、恒常性を極力働かせないようにする事が大事、なんて書かれ方まで。。。 🙁
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男女間における恒常性維持の仕組み
生物の外圧適応の仕組みとしての恒常性(ホメオスタシス)維持の仕組みには、明確な男女差がありそうです。 😉
人類の場合、この恒常性維持の仕組みとして代表的なものが、交感神経と副交感神経とによる体内バランス維持の仕組みです。
大雑把に分類すると、
交感神経 / 副交感神経
機能分類 :闘争、労働、運動/ 休眠、内臓活動(消化等)
興奮、緊張感、 / リラックス
恐怖、危機感、 / 安心感、修復
神経伝達物質:アドレナリン / アセチルコリン
ノルアドレナリン
というように、外圧の変化に応じて神経伝達物質を使い分け、身体の諸機能の働きを変化させる仕組みを持っています。
例えば、闘争状態・緊張状態になると、身体を即座に臨戦態勢に整える方向に伝達物質を経由して指令が送られ、運動中枢が活発化しやすくなります。それだけではなく、戦闘体制に入った時は、筋肉などに積極的にエネルギーを送り込む為に、その他の機能、例えば消化機能などは抑制され、排泄・分泌能などが低下します。
しかし、この緊張状態が長く続くとどうなるか?
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