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新型インフルエンザ・鳥インフルエンザ・カンピロバクター症・ギラン・バレー症候群を結びつけるものはなにか?

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先日女優の大原麗子さんが死去されました。
死因はギラン・バレー症候群。あまり聞き慣れない病名ですが、案外多くの有名人がこの病気が原因で死亡されています。
このギランバレー症候群、その原因分析を調べていくと現代社会が抱える食品安全性の欠陥問題にたどりつきます。
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以下 「いのち文化研究所 赤心庵2」 リンク [4] より抜粋引用します。

ギランバレー症候群について語る前に、この原因であろうかと思われる「菌」の一種で、カンビロバクター菌について申し上げたい。
もともとこのカンピロバクター属菌は、約百年前から家畜の流産菌として農業畜産界では認識されていた。
それにもかかわらず、人の腸炎起因菌としての重要性が明らかになったのはまだ数十年以内という変わった経歴をもつ菌である。
したがってそういった性質は、もしかすると耐性菌が生まれた時点で新たに獲得していった形質であるのかもしれないのだ。
カンピロバクターとギラン・バレー症候群の関係。
それは、人や家畜、ペットの治療現場で発生した耐性菌が、われわれが考えている以上に、食物連鎖などを通じて人の生活圏と自然界を循環している証明なのかもしれない。
カンピロバクター感染後に、自己免疫疾患と考えられているギラン・バレー症候群が起こる理由を説明してこの項を終わろう。
■カンピロバクターが体内に入る
    ↓
■免疫系がこの菌を殺すために抗体を作る
    ↓
■この菌と人間の神経細胞が似ているために誤って抗体が運動神経を攻撃する
    ↓
■その結果、筋肉が動かなくなる
といったもの。
10万人に1人程度の発症とはいえ、その1人となってはならない。
さらに問題は、ほかの感染症やその感染症の耐性菌だ。
家畜由来の感染症や、その感染症の耐性菌が、カンピロバクターと同じようにヒトの自己免疫疾患系の病気に関係している可能性はないのかということである。
そういった意味でじつに興味深い話がある。
医療関係者向けの事前接種(プレ・パンデミック用のワクチン)の話が先日発表されたばかりであるが、その接種の安全性に関する話だ。
『1976年に米国ニュージャージー州でH1N1型の豚インフルエンザが流行。大流行を恐れた政府がよびかけ4000万人がワクチンを接種したところ、約500人がギラン・バレー症候群をおこした』というもの。
この数字は、数字としてはかなり高いものと考えられる。
この事件でひとつだけ言えることがある。
それは新型インフルエンザ・鳥インフルエンザ・カンピロバクター症・ギラン・バレー症候群の間には、すべて「家畜」が関係していることだ。
それは誰にも否定できない。
そしてまたしても私は思う。
家畜の工業的飼育には、負うべきリスクが多すぎはしないだろうか、と。

  家畜の工業的飼育とはなんだろうか?
メタボリックな胴回りと環境汚染 [5] より引用します 

人間が経済から割り出し家畜に求める成長サイクルは、家畜の成長から得る利益、与える餌の量から経済価格を割り出し効率的な飼育期間のサイクルで計算している。
早く固体を大きくするには脂質によって作り出す、脂質に早く転換する飼料を多く与えると家畜は水分を多く要求する、雑穀と水分の量を多く摂取すると早く固体の体重が増加する。
家畜の餌の摂取量が減少するとホルモン剤が投与される。
家畜はただ太る為に食べ続ける。
生命サイクルを無視した生育を求めるて家畜に餌を与えると肥満になり、短時間に販売に見合った重量を得られるが、決して健康的な生体ではない。
牛も豚も鶏も不健康な肥満体に飼育され出荷されている。
不健康な生体を低価格と喜び過食と飽食を継続した結果が食物連鎖し現代病の原因を作る。
家畜の価格が低下し、年中高脂質の動物性食品の摂取が可能になった。しかし、世界的に家畜飼育の規模は拡大し、飼育から生じる環境汚染は増加し、大規模集約的飼育から生まれるウイルスによる伝染病の影響は増加する。その結果、成長ホルモン剤、抗生物質への依存は高くなる。先進国とは経済的に豊かな地域を指す、経済的に豊かな地域は常に美食を求め、美味い物を追求する、美食とは脂質の多い食品を指す、家畜の動物性脂肪質の多い肉質が要求され、その結果、様々な現代病が拡大する。

※近代科学技術は様々な分野で生産効率を高め、その結果多くの人に物的豊かさをもたらしました。
しかし目には見えない破壊が現在ゆっくりと顕在化しており、それが食料・環境などへの影響に現れています。
生産効率だけを追い求めた結果が上記のような悪循環をもたらしたとすれば、その原点を転換する必要があると思います。

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