細胞同士の認識を確実にする「糖鎖」
全ての細胞は、「細胞膜」で覆われていますが、その細胞膜はたんぱく質や脂質が埋め込まれた状態で存在しています。この細胞膜タンパクの表面からヒゲのように伸びているのが『糖鎖』です。この糖鎖は、今やゲノム解読以上に脚光を浴びています。
この糖鎖は、細胞同士がコミュニケーションを取る上で、非常に重要な役割を果たしていると考えられているからです。細胞同士は、この糖鎖によって、お互いを認識しあっています。
最も身近なものでは、ABO式の血液型(赤血球の糖鎖の形が違う)がありますが、受精時にも必ず必要ですし、ウィルス感染やガンの転移も糖鎖異常が関わっています。
つまり、あらゆる細胞間認識において、糖鎖は「細胞の標識」のような役割を果たしています。
そう、細胞同士の認識にとって、細胞膜、その中でも糖鎖が非常に重要な役割を果たしているのです。例えば・・・・
昆虫~複眼の不思議
今回も前回に続いて昆虫の微小脳を紹介してみたい。
「昆虫―驚異の微小脳」からの紹介です。
前回は昆虫と人を生物界の2つの頂点として紹介しましたが、具体的に見ていくことでますますその事が判ってきます。今回は眼のしくみを見ていきます。
昆虫の目と人類の目は根本的に構造が異なります。人類を頂点とする脊椎動物の目をレンズ眼とすれば昆虫のそれは複眼と呼ばれ光を集光する光ファイバーのようなものなのです。
なぜ昆虫は複眼をもつことができたのか?そもそも複眼ってなんなんだろうか?人類と昆虫の戦略の違いは?どちらが生命体として優れているのか?ここに迫ってみます。
以下、著書から抜粋してみます。書き出しが面白いです!)
>眼は心の窓という。まずは昆虫の視覚のしくみについて述べ、昆虫の小さな脳の入り口としたい。地上のすべてのものは、太陽から降り注ぐ光にあまねくさらされている。光はまわりの様子を探るのにとりわけ有用な媒体である。動物は明るさの空間的な分布やその時間的な変化を手がかりにして捕食者や餌や交尾の相手を発見するために、さまざまなタイプの眼を進化させてきた。その傑作のひとつが昆虫の複眼である。
⇒昆虫は複眼を獲得することで細かい動きやアクロバティックな運動を実現しただけでなく、360度の視覚を獲得したのです。
複眼とは・・・
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ヒドラ・その神経系の秘密【その3】
前回の記事で、足長ヒドラは原始的な中枢神経である「神経環」を持つ、と書きました。では、「神経環」を持たない普通ヒドラは中枢神経を持たないのでしょうか?
普通ヒドラも、【その2】で書いた足長ヒドラのように「クランプリング」こそしませんが、【その1】で書いたような「とんぼ返り」や「尺取り虫歩行」をします。そのためには、隣接した細胞を次々に動かし、全身のバランスを取る必要がある。
ということは、やはり神経系を統合する機能を持っているのではないでしょうか?
外敵から逃避するにしても、補食するにしても、身体がばらばらに動いたのでは適応できない。
「ヒドラの神経細胞には統合機能を担う特定の部位が発見されていないから、中枢機能は存在しない」というのが散在神経系と言われる所以ですが、身体が全体として適応的に行動するために統合機能は不可欠であり、神経細胞の分化についても、「まずは統合ありき」と考えた方が自然ではないでしょうか?
ひょっとしたら、われわれは「散在神経系」という言葉に騙されていたのでしょうか?
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神経堤(神経冠)ってなに?
『神経堤(神経冠)細胞』というのをご存知でしょうか
体のさまざまな組織にあり、神経や筋肉などになる多能性を持つ「神経堤(しんけいてい)幹細胞」が、採取した組織によって存在する割合が違い、異なる性質を持つことを、岡野栄之・慶応大教授らがマウスの実験で突き止めた。この細胞はヒトにもあり、将来、患者由来の細胞を使った脊髄(せきずい)損傷などの治療に役立つ可能性があるという。
神経堤は将来、脳や脊髄になる部分と皮膚になる部分の境界に存在する細胞の集団。脊椎(せきつい)動物の発生初期だけに現れ、成長すると消えてしまう。
~・後略・~
神経堤は脊椎動物のボディプランを支える細胞であり、外胚葉、中胚葉、内胚葉という3つの胚葉に次いで「第4の胚葉」と呼ばれています。
どういうこと・・・
男の脳 女の脳
るいネットで男の脳、女の脳についての投稿が続いています。
未解明部分を多く孕むといわれている右脳、左脳の発達との連関についても
言及しています。
まとめて紹介しておきます。
妊娠2ヶ月までは胎児の体も脳も男女差はないと言われています。人の体も脳も初期設定は女性。Y染色体を持った男の子は男性ホルモン(テストステロン)のシャワーを妊娠期間中に浴びることにより、女の生殖器の代わりに男の生殖器が作られるようになり、同時に胎児の脳が男性型に傾き始めます。
とはいっても、「男脳」「女脳」と真っ二つに分かれるのはでなく、胎児期に男性ホルモンシャワーを多く浴びるほど男性的な脳になるといわれています。いわばひとりの人間の中に「男脳」「女脳」が同居しているのですが、男性ホルモンのシャワー量によってより男脳に傾くか女脳に傾くかという違いがでてきます。
この男性ホルモンは左脳の発達を抑える影響があり、左脳というのは言葉や計算の能力を担当している。つまり、男の子の言葉が遅いという現象は、左脳の発達の遅れの現れということになります。
では、左脳の発達を抑えられた男の子はそのまま不遇をかこつのか?「遅れ」があると違う部分を発達させるのが脳のすごいところです。男の子は左脳の発達が抑制されたおかげで、右脳を発達させるチャンスを獲得します。右脳は、空間認識能力とか図形処理能力を担当している。一般的に男性の方が「地図が読める」「幾何学が得意」「将棋が強い」等の傾向があるのはこの理由によります。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=175347
男の脳の発達過程を紹介したところで・・
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多細胞生物の細胞接着
以前のなんでや劇場レポートで多細胞生物の体細胞はつかず離れずの状態にあるという話がありました。体細胞同士ってどういう仕組みでくっついてるんでしょうか?? 🙄
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神経細胞、免疫細胞、ウイルスがもつ共通構造
ウイルスの話題が続いてますが、先日のなんでや劇場では、獲得免疫(T・B細胞)は神経細胞の発達(脊椎動物への進化)によってもたらされ、さらにこれがウイルスの増殖を招き、DNA進化の袋小路をもたらしたという興味深い視点の提起がありました。
(詳細は→ 05月05日付の記事 を参照)
なんでや劇場での提起は、反発系の膜タンパクに着目して、解明していきましたが、今回は膜の識別機能に着目して、神経細胞・免疫細胞・ウイルスの関係性を考えて見ます。
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ウイルスって何?(3)~カプシドについて
ウイルスは、タンパク質殻(=カプシド)で、RNA又はDNAを包んだ構造をしています。前2回に引き続き、本日はカプシドに迫ってみます。
ウイルスって何?(2)~レトロポゾンとウイルス~
こんにちは。
今日は、ウイルスって何?(2)です。
昨日のyootenさんの記事では、以下の視点でなげかけがありましたね。
★なぜ宿主細胞のDNAに入り込んだり、機能を乗っ取ったり出来るのでしょうか?
★ウイルスは生物(遺伝子)の切れ端であるってほんと?
これらについて答えていきたいと思います。
ヒントになるのが、ほとんどの生物で普遍的に見られる「動く遺伝子」「転移因子」と呼ばれているレトロポゾン(レトロトランスポゾン)とトランスポゾンです。
これが、ウイルスを生み出した可能性が非常に高いと考えらます。
さてどうしてでしょうか?
レトロポゾン・トランスポゾンの構造に近づくことで、ウイルスの成立過程・構造が見えてきますよ。
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ウイルスって何?(1)~ウイルスの基礎
なんでや劇場を中心に「免疫機能」について勉強し、だいぶ仮設化→構造化されスッキリしてきましたね。そこで、今日から数回に分けて、免疫機能の敵 👿 である「ウイルス」について調べて行きたいと思います。
ウイルスと言えば、身近なところではインフルエンザウイルス、有名な所ではHIVウイルスや鳥インフルエンザウイルス、また数ヶ月前、厚労省の裁判で出てきたC型肝炎ウイルス等々。ウイルスと言ってもいろいろな奴がいるな~と言う印象ですね。
今日は、このウイルスの基礎について、まず、まとめたいと思います。
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上図は、こちらからお借りしました。