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ヒドラ・その神経系の秘密【その3】

 前回の記事 [1]で、足長ヒドラは原始的な中枢神経である「神経環」を持つ、と書きました。では、「神経環」を持たない普通ヒドラは中枢神経を持たないのでしょうか?
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普通ヒドラも、【その2】 [1]で書いた足長ヒドラのように「クランプリング」こそしませんが、【その1】 [2]で書いたような「とんぼ返り」や「尺取り虫歩行」をします。そのためには、隣接した細胞を次々に動かし、全身のバランスを取る必要がある。
ということは、やはり神経系を統合する機能を持っているのではないでしょうか?
外敵から逃避するにしても、補食するにしても、身体がばらばらに動いたのでは適応できない。
「ヒドラの神経細胞には統合機能を担う特定の部位が発見されていないから、中枢機能は存在しない」というのが散在神経系と言われる所以ですが、身体が全体として適応的に行動するために統合機能は不可欠であり、神経細胞の分化についても、「まずは統合ありき」と考えた方が自然ではないでしょうか?
ひょっとしたら、われわれは「散在神経系」という言葉に騙されていたのでしょうか?
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