2008-05-12

ウイルスって何?(1)~ウイルスの基礎

%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B6%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%A7%8B%E9%80%A0.gif

なんでや劇場を中心に「免疫機能」について勉強し、だいぶ仮設化→構造化されスッキリしてきましたね。そこで、今日から数回に分けて、免疫機能の敵 👿 である「ウイルス」について調べて行きたいと思います。
ウイルスと言えば、身近なところではインフルエンザウイルス、有名な所ではHIVウイルスや鳥インフルエンザウイルス、また数ヶ月前、厚労省の裁判で出てきたC型肝炎ウイルス等々。ウイルスと言ってもいろいろな奴がいるな~と言う印象ですね。
今日は、このウイルスの基礎について、まず、まとめたいと思います。
いつもの応援クリックお願いします。
ブログランキング・人気ブログランキングへ
にほんブログ村 科学ブログへ

上図は、こちらからお借りしました。

 にほんブログ村 科学ブログへ


●ウイルスの大きさ

%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E5%A4%A7%E3%81%8D%E3%81%95.gif

まず、ウイルスとは、どのくらいの大きさなのでしょうか?(資料により多少のバラツキはありますが)
上図にあるように、細胞(動物)の直径は、約10~20μm(μm:1/1000 mm)。
大腸菌等のバクテリアは、約1~2μm。
ウイルスの大きさは、約30~100nm(nm:1/100万 mm)。
細胞に較べウイルスは、はるかに小さい 🙄
●ウイルスの種類
%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%B0%8F.png

ウィルスをその遺伝子の種類によってに大雑把に分類すると、DNA型、RNA型、RNA逆転写型(逆転写酵素を持つRNA型)の3つに分かれます。構造は、この遺伝情報と、その外側にタンパク質でできた殻(カプシド)やエンベロープと呼ばれる膜成分で構成されています。ウイルスによっては、カプシドのみのウイルス(上図上段)、カプシドとエンベローブを持つウイルス(上図下段)に分類されます。
ウイルスは、遺伝情報とそれを包む殻や膜のみで構成されているだけで、自らを増やすためのタンパク質の合成等は出来ません。標的となる細胞に入り込み、その宿主のタンパク質合成機能や遺伝子複製機能を乗っ取り自らを増やしていきます。RNAやDNA等の遺伝情報は、それ単独では細胞外を移動することは出来ないため、宿主細胞でカプシド(+エンベローブ)を作り、細胞外に出て次の細胞へと移動します。
●ウイルスが増える仕組み
標的である細胞に入り込んだウイルスDNA(RNA)は、殻から分離し宿主細胞内で自らを増やし子ウイルスDNA(RNA)を増殖させます。またウイルスの遺伝情報から、宿主細胞のmRANへ情報を転写し翻訳し、宿主細胞のタンパク質合成機能を利用して、新しいカプシドを作ります。そして、その殻に入り細胞外へ出て他の細胞へと移動します。
脂質2重膜であるエンベローブを持つウイルスは、この機構の他に宿主細胞の膜の形成機能を利用します。膜の形成過程に自らの情報を割り込ませ、自分にあった膜を宿主の細胞膜上に形成します。
細胞外に出る時は、ウイルスDNA(RNA)が殻に入り、自分にあうように変質させた宿主細胞の膜をエンドサイトーシスにより、殻の周りに覆い、細胞外へ出ていきます。
では、この過程をHIVウイルスで具体的に見てみましょう。
HIVウイルスは、逆転写酵素を持つRNAの遺伝情報をカプシドとエンベローブに包んでいます。そして、標的とする宿主細胞は、このシリーズでも良く出てくる脊椎動物の免疫機能の司令塔であるヘルパーT細胞です。HIVウイルスは、ヘルパーT細胞に侵入し、逆転写酵素によって自らの遺伝情報を宿主DNAに組み込むことで増殖し、ヘルパーT細胞を破壊し免疫機能を不全化させます。
%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%ABHIV.gif

上図は、こちらからお借りしました。
①HIVウイルスがヘルパーT細胞の膜と融合し、細胞内へ侵入します。
②細胞内で、逆転写酵素を使ってRNA情報を逆転写し、DNA断片となります。
  この時、古くなったカプシド(殻)やエンベローブ(膜)は、細胞内で分解します。
③DNAとなったHIVウイルス情報は、核内へ移動可能となります。
④核内で宿主ヘルパーT細胞のDNAを切り、自らを組み込み、乗っ取ります。
⑤乗っ取ったヘルパーT細胞の複写機能を利用し、自らをどんどん増やします。
  同時に、ヘルパーT細胞のタンパク質や膜合成機能を使い、新しいカプシドや細胞膜上に
  エンベローブを作ります。
⑥細胞膜近くで、複写したRNAが集まり、タンパク質から合成されたカプシドが一体となります。
⑦宿主細胞膜をカプシドの周りに覆い細胞外へと出ていき、宿主細胞は破壊されます。

ウイルスは、このこのように遺伝情報と殻(+膜)で構成され、宿主細胞を乗っ取り自らを増やしていきます。
そもそもこのウイルスのRNAやDNA等の遺伝情報とは何でしょう?なぜ宿主細胞のDNAに入り込んだり、機能を乗っ取ったり出来るのでしょうか?
なんでや劇場では、「ウイルスは遺伝子の切れ端」と話しがありました。では、遺伝子の切れ端とは?DNAに入り込む仕組みは?
また、ウイルスは殻であるカプシドを必ず作ります。これは、どうなっている?どんな仕組みなのでしょうか?
引き続きこの詳細について、まとめていきます。

List    投稿者 yooten | 2008-05-12 | Posted in 未分類 | No Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.seibutsushi.net/blog/2008/05/473.html/trackback


Comment



Comment