サル社会の構造③~恒常的な縄張り闘争の下でメスはどうした?~
原猿時代、単体で生存していたメスは、若オスだけでなくメスを含めた周りの同類は全て敵という状況で、常に飢えに苛まれ縄張りが持てなかった可能性が高い。
そのような状況下でどうやって生存=適応していったのでしょうか。
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サル社会の構造②~大型化して樹上を独占した原猿がぶつかった外圧~
初期原猿は、地上に比べて餌の少ない樹上では繁殖ができず、少産化で成体数を減らす戦略を取りました。つまり、この時期の樹上はさほど過密でもなく、性闘争も過激ではなかったのです(この状態が概ね2000万年以上)。
今回は、原猿はその後どのような外圧にぶつかったのか?(=適応したのか?)を追求していきます。
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サル社会の構造①~原モグラと原猿。違いと共通点~
今回から「サル社会の構造」に入っていきます。
サルの特徴は、
①オスメス集団が(初めて)形成されたこと
②共認機能を形成し、著しく知能を発達させたこと
③オス同士が集団を形成したこと
今回は下の図のモグラ・ツパイと原猿の違いと共通点から、まず原猿のおかれた状況を押さえていきたいと思います!(原猿とはモグラが樹上に逃避した種。)
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哺乳類の知能進化(番外編)~・ドーパミンの基礎知識・~
ドーパミンは快感物質(解脱物質)と言われる。
この駆動物質は特にサル・人類に顕著な神経伝達物質であり、サル・人類史(つまり、共認回路あるいは観念回路)と深くかかわる物質です。
ドーパミンに関する基礎的な知識をまとめます。
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哺乳類の知能進化(番外編) ~アドレナリンとは何か?~
これまでのブログで「哺乳類の知能進化」について扱ってきました。その中で、脳の役割とは、
脳の役割は、外識機能(5感)で得たあらゆる外部情報を集約し、状況に応じた適切な判断を下して「行動」を起こすためにあります。つまり、脳は「情報を集約し行動する為」にあるのです。http://www.seibutsushi.net/blog/2021/10/7405.html#more
と定義しました。そして、行動を起こすためには「駆動物質(=情報伝達物質やホルモンのこと)」が必要で、知能進化との関連が深い脳の働き・役割を追求するために「駆動物質とはそもそも何なのか?」は知能進化を解明するための重要な追求テーマです。
※駆動物質について(http://bbs.kyoudoutai.net/blog/2021/10/9158.html http://bbs.kyoudoutai.net/blog/2021/10/9394.html)
前回のブログでは、駆動物質のひとつで、快感物質で言われるエンドルフィンについて扱いました(http://www.seibutsushi.net/blog/2021/11/7432.html#more)。今回は、興奮・闘争系の駆動物質として知られる「アドレナリン」について扱っていきます。
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哺乳類の知能進化(番外編) ~快感物質と呼ばれるエンドフィンの本来の役割とは?~
これまで、哺乳類の知能進化の謎を追求していますが、それには「皮膚感覚の発達」が関係していました。
皮膚感覚の快感回路(安心感)の発達は同時に不快感や、何かおかしいという違和感や、しっくりこないなどの不整合感の感覚も鋭敏にさせます。
実はこの不整合感の回路こそが、探索回路を発達させる駆動力になります。したがって、快感回路=「充足への欠乏」が探索回路を発達させ、知能進化の駆動力になっているということなのです。
この皮膚感覚の快感回路。これは明らかに快感物質(つまり駆動物質)を皮膚が発生させているということだと思いますが、この快感物質をはじめとした、そもそも情報伝達物質(現在では”情報の伝達”というよりも、行動を起こす為の駆動力の根源とも言える為、駆動物質とも言っていますが)とは、そもそもどんなものなのかを整理する必要があります。
今回は、快感回路の最も根源的とも言えるであろう、エンドルフィンについて扱います。
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哺乳類の知能進化⑦~外敵闘争と同類(性)闘争は何が違う?~
前回までは哺乳類の連携行動を見てきました。
哺乳類は「外圧+同類の状況把握」を高めることで、連携行動を可能にし、脳を発達させてきました。
今回は「知能が発達すると、外敵闘争に比べて、同類同士の(性)闘争は何がどう違ってくるか?」を見ていきます。
〇外敵闘争
哺乳類以前の魚類や両生類までの本能にも、外敵の把握や、食対象の把握の機能が備わっています。
外敵からは「逃げる」すなわち「関わらない」(=遠ざかる)のが鉄則。
従って外敵闘争においては外敵が「どこにいるか」が最大の問題になってきます。
食対象(餌)も同様。まずは食べられるのか、「毒」なのか。毒や未知の生物にはかかわらないのが原則。
外敵や餌対象に対しては、「関わらない」「捕まえるか」と行動パターンが限定されているのです。
外敵闘争や食対象においては、比較的単純で、必要な情報も限られています。
では同類(性)闘争はどうでしょうか?
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哺乳類の知能進化⑥ ~魚などの群れと哺乳類の連携行動の違い~
哺乳類とその他の動物の群れの行動は何かが違うように見えます。一体何が違っているのでしょうか?
例えば、魚の群れと哺乳類の群れの違いがどこにあり、知能進化とどのように関わってくるのでしょうか?
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哺乳類の知能進化⑤ ~皮膚の発達が先か?脳の発達が先か?~
■皮膚の発達が先か?脳の発達が先か?
「哺乳類の知能進化のカギは皮膚感覚にある」ということを以前投稿しましたが、脳が発達したから皮膚感覚が発達したのか?それとも皮膚感覚が発達したから脳が発達したの?今回はこの論点を整理したいと思います。
皮膚と脳は下記のように「共進化」の関係にありますが、実は「授乳期間(スキンシップ)の長期化」による皮膚感覚の上昇が、それを先行しています。
目や耳ができるまでは生物は皮膚によって外部情報をキャッチし(それを集約し)判断していました。つまり、皮膚はそれ自体がもともと判断機能を持っていたのです。
例えば触覚が生み出す「心地よさ」「気持ちの悪さ」「怖さ」等は皮膚自身がが感じ生み出す感情です。
ここで感覚器官としての皮膚の特殊性に注目する必要があります。目や耳は情報を脳に伝えるだけで、自ら判断機能を持っているわけではありません。
哺乳類は、この皮膚と脳の判断=駆動物質のやり取りを強化することで、皮膚の持つこの機能を脳に転移させ、脳と皮膚を「共進化」させたのです。(「哺乳類の知能進化のカギは皮膚感覚にある」)
皮膚感覚の発達は、脳のやりとりを増大させ、その分だけ脳神経も増加します。しかも、皮膚はそれ自体が判断機能を持っています。(心地よさ、鳥肌など)
同じ判断機能である皮膚と脳のやり取りは、判断と判断の突き合せにより、情報→指令という一般神経と脳のやり取りよりも、より緊密な回路を形成することになります。
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哺乳類の知能進化④ ~脳は何のためにあるのか?~
これまでの投稿で哺乳類の知能進化を扱い「知能進化のカギは皮膚感覚にある」ことを追求してきました。今回は、改めて根本に立ち返り「そもそも脳は何のためにあるのか?≒知能進化とは何か?」を追求していきたいと思います。