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サル社会の構造①~原モグラと原猿。違いと共通点~

今回から「サル社会の構造」に入っていきます。

サルの特徴は、
①オスメス集団が(初めて)形成されたこと
②共認機能を形成し、著しく知能を発達させたこと
③オス同士が集団を形成したこと

今回は下の図のモグラ・ツパイと原猿の違いと共通点から、まず原猿のおかれた状況を押さえていきたいと思います!(原猿とはモグラが樹上に逃避した種。)

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【違い】
足の指で枝を掴めるようになった。
が大きくなっている。
・産む子どもの数が減った。(基本1匹)
が前に来ている。
・土中と違って、樹上はとなる虫が少ない。
・かつ小型の鳥という捕食上のライバルもいる。
授乳期間が長くなった。

◎身体機能の進化
・眼
眼を前にもってきたことで、両眼の視界の重なる部分ができて、立体感覚、距離感がつかめるようになった。
→だから木から木へ飛び移れるようになった。
さらに眼が前に来ると、後方が見えなくなるので、☆「首」の可動域を広げた。

・肩
木の上で生活できるようにするために「肩」の可動域も広げた。
→枝を掴むことで樹上でもバランスをとれるようになった。

【共通点】
・オスメスとも成体になると、集団を出ていく。(単体で縄張りを形成)
・土中も樹上もほとんど外敵がいない。(外敵はフクロウなどの猛禽類のみ)

⇒原猿は地上よりも敵の少ない木に登ったことで防衛力はある程度獲得。
しかし、木の上は餌となる虫は激減。さらに捕食上のライバルの鳥もいる。
従って、原猿はモグラ時代の多産化戦略をとることはできなくなった。
そこでオスメス単体のまま、子どもの数を減らす戦略をとった。

◎つまり初期の原猿誕生の時期の樹上は、過密でもなく、性闘争も過激でもない。

この状況からどのように変化していくのでしょうか?次回をお楽しみに。

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