哺乳類の知能進化③~哺乳類の遊びの役割とは?~
今回は「哺乳類の遊びの役割」についてみていきます。
ほぼすべての哺乳類は子どもも大人も遊び行為を盛んに行っています。
じゃれ合いをしたり、追いかけっこをしたりする姿は頻繁に見られます。
うさぎはボクシングをして遊んだり、ネズミはかくれんぼをして遊んでいるんです!
ゾウはなんとおしくらまんじゅうをしたりもします!
哺乳類の遊びは本当に多様です。哺乳類も無意味に遊んでいるとは思えません。
「哺乳類にとって遊びは知能の発達上、能力形成上どのような意味を持つ」のでしょうか?
哺乳類のほとんどは、可変性・組み換えが可能な状態、つまり未熟な状態で生まれてきます。
哺乳類は、生まれてから【後天的に】生き抜く力を身に着ける戦略をとったのです。
生き抜く力を身に着けるためには、生まれてくる外圧状況も変化します。
常に変化し続ける外圧に対応するには、【後天的に】生き抜く力を身に着けることが必要なのです。
それを哺乳類は【遊び】の中で行っているのです!
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哺乳類の知能進化② ~性闘争は知能進化を促進した~
原始哺乳類である原モグラは触覚⇒皮膚感覚を進化させます。哺乳類は、皮膚と脳の判断=駆動物質のやり取りを強化することで、皮膚の持つこの機能を脳に転移させ、脳と皮膚を「共進化」させたのです。
そして、哺乳類の特徴であるスキンシップがその進化を促進してきのです。つまり、判断機能を持った皮膚感覚の進化とともに、知能も進化させてきたのです。
それに加えて、哺乳類のもう一つの特徴である性闘争も知能進化を促進しているのです。
今回はその性闘争がどのように知能進化に関わっているのか追求します。
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哺乳類の知能進化① ~知能進化のカギは皮膚感覚にある~
最近のブログでは「哺乳類の集団形態」を①~④のシリーズでまとめました。
今回は、哺乳類追求の新しいシリーズとして「哺乳類の知能進化」について扱っていきます。
最初に追求するのは「知能を進化させた要因」です。
哺乳類の脳は、それ以前の魚類、両生類に比べて脳(とりわけ新皮質)が著しく発達しています。その要因は何か?を追求していきます。
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哺乳類の集団構造から見える、現代の既成集団のおかしさ
哺乳類の集団構造から見ると、いかに現代人の既成集団が異常なのかが見えてきます。
■1.集団化の大前提は、全成員が外圧を察知すること
哺乳類の大半は食虫類(モグラ)、げっ歯類(ネズミ等)、コウモリ類で占められています。つまり哺乳類は基本的に弱者で、見つかったらほぼ終わりという存在です。その為、一番の課題は、「隠れる・逃げる」こと。種の絶滅に直結するのは、子供が狙われることですが、どうしても隙が出てしまうのは、餌を狙っているとき・食べているとき。
縄張り闘争に負け、隠れやすい地中から追い出されたモグラ=げっ歯類が、地上へ出ると、そこは大型爬虫類の世界。その為地上に出たら、外敵をより察知する必要が高まった。だから、敵=危機察知がどれだけ早くできるかに生き残りの全てはかかっています。集団化すれば、360度から外敵を察知することができる。
つまり、【外圧を察知するため】に集団化したということ。これはオスにもメスにも貫通されている。
★集団化するだけで何とかなるわけではなく、【全成員が外圧察知できていなければ集団化の意味がない】。
では、現代はどうか?殆どの人間が外圧を掴もうともせず、ぶら下がって、ぼさっとしているだけではありませんか?
だから、国も企業も、上にぶら下がり、上の指示に従うだけ。教えてもらったこと、言われたことだけやってれば良い。逆に言われてないことには思考が働かない。それは学校教育での勉強の強制、ペーパーテストでの成績第一→自分第一の思考の植え付けによって、「自分さえ良ければそれで良い」。その結果、追求力、活力ともにどん底に。そして家庭でも、決められたレールに乗せるため親の子供への異常な管理・監視圧力で子供の活力を衰弱させている
誰も彼もが、集団を取り巻く外圧を掴もうともせず、ぶら下がるo自分のやり方を押し付けているだけ。これでは集団は成立しません。
■2.集団を形成してきたのはメス⇒メスの親和本能がまっとうな集団を作る
哺乳類の集団を作ってきたのは実は【メス】でした。哺乳類はメスが集団の中心=母系集団が集団形態の基本です。
この圧倒的弱者という外圧状況下でメスは子孫を残し、生きていくために、性闘争本能以上に【親和本能】を強化したのです!
哺乳類のメスは、胎内保育で子どもをほぼ成体の状態まで育てていきます。 胎内の子どもを異物と認知しないために、オキシトシンという親和物質を出して、胎内保育を可能にしました。地上に出た初期哺乳類のメスは、防衛力を高めるためにこの授乳などのスキンシップで親和物質を強化して集団を形成し、生き延びてきたのです。
哺乳類の母系集団のカギは、【メスの親和本能】の強化です。
私権時代は家父長制により、男が集団のボスになっていましたが、現代の家庭では、母親が中心になっていることは、みんなも思うところ。
でも、現代の家庭では、母親(メス)の【親和本能】よりも、こどもへの【監視・支配】の方が強まっている。
「集団崩壊の危機感→母親自身の子育て不安・自己評価不安からくるこどもの支配意識」
これではまともな母系集団は形成できないし、まっとうな子も育ちません。
■3.オスは成体になると母親のもとを離れ、未知の世界に挑み続けていく。これがオスの本来の役割
それでは逆にオスはなぜ集団化しなかったのか?
オスは【変異】の存在であり、胎内保育によって淘汰圧力が弱まったので、個体間闘争を強め、オス同士が激しく戦う【性闘争本能】をより強化することになりました。
結果としてオスは、性闘争本能が強いために集団をつくることができないのです。
しかしオスには【巣立ち本能】が備わっており、ある一定の時期になると、集団から巣立っていきます。
つまり、より広い世界に出て新しい環境に挑戦し続けることこそがオスの役割であり、根源的な役割に近いものではないでしょうか。
種の変異を実現するためには、オスは成体になると母親のもと(集団)を離れ、未知への世界に挑み続けます。これこそがオスの役割であり、存在理由と言えます。
より強い種を残すための生命の原理は「安定」×「変異」。オスはその「変異」を担っている。
外圧変化したとき多様な種を生み出す「適応拡散」は、単細胞から続く、生き物としての大原理。だからクローンを作ってもダメで、多様な同類他者をつくり出すこと。
だから、戻ってくるオスなんていないし、より遠くのメス集団のところにいく。より外に出て探索し、より外圧に晒され変異の可能性を種にもたらす。
★つまり、【挑むこと】がオスの役割。挑み続けないと、オスは活力がわかない。(それが本能!)
本来、オスは“飛び出していく”のが、生命の大原則で、ある程度の年齢に来たら本能上「勝手に出ていく」。
でも現代では、20歳になるまで成人とは言えない制度になっているし、二十歳過ぎても親の監視・支配から脱せない、依存し続ける若者も多い。本来12~14歳になっても、外に出ていきたいとならなければ、この原理から見れば、子育て失敗ですし、出ていこうとする子供(特に雄)にしがみつく親なんて、最悪です。
「親子の仲が良い」という一見良いことのように思いますが、生命原理から考えると、このこと自体が異常だと捉え直す必要があるのではないでしょうか。
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哺乳類の集団形態④~哺乳類のオスの役割=存在理由は何か?~
前回は『哺乳類はなぜ母系集団なのか?』を扱い、
メスは性闘争本能を上回る【親和本能】を強化することで母系集団を形成したことが分かりました。
では、オスは一体どうしているのでしょうか?
そもそもオスの役割とはどのようなものなのでしょうか。
今回は、オスの役割について追求していきます。
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哺乳類の集団形態③~哺乳類はなぜ母系集団なのか?~
前回は「哺乳類はなぜ集団化したのか?」を扱いました。
・哺乳類は圧倒的な弱者であったこと。
・集団化することで、点滴からの防衛力と餌の獲得を実現したこと。
・集団化するために、メスの親和本能を強化したこと。
・集団の主は「メス(=母系集団)」であること。
以上のことが分かってきました。
ここで疑問が残ります。なぜ哺乳類の集団の主はメスなのでしょうか?
そこで今回は「哺乳類はなぜ母系集団なのか?」を扱っていきます。
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哺乳類の集団構造② ~哺乳類はなぜ集団化したのか?~
前回の投稿では「初期哺乳類のオス・メスが「単独」で行動しているのは何で?」を扱い、結論として『性闘争本能を強化したことによって普段はバラバラに行動すしている』と結論付けました。
初期哺乳類がオス・メス単独で行動していたのに対し、進化の過程で「集団化する哺乳類」が出てきます。このシリーズの大きな目的である
『人類にとっての集団の本質とは何か?それを本質から追求するには、人類社会、その前のサル社会は当然のことながら、そもそも哺乳類全般にとっての「集団とは何か?」を明らかにしていく』
から、今回は「哺乳類はなぜ集団化したのか?」を追求していきます。
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哺乳類の集団構造①~初期哺乳類のオス・メスが「単独」で行動しているのは何で?~
高度成長期以降、都市へと人が流れ込み村落共同体が崩壊。人類は核家族という社会=生産過程から切り離された、消費だけの集団を単位として生きている。核家族は現在上記のような異常な事態なども発生しており、今後どのようにして単位集団を再生していくのかを探るためにも、人類・サルを含めた哺乳類がどのように集団を形成しているのかをおさえていきます。/改めて「哺乳類」を追求する。より
上記のように、現在は既成の集団が全て崩壊過程にあり、根底からの集団の再生が求められています。人類にとっての集団の本質とは何か?それを本質から追求するには、人類社会、その前のサル社会は当然のことながら、そもそも哺乳類全般にとっての「集団とは何か?」を明らかにしていく必要があります。
そこで今回から、シリーズで「哺乳類の集団構造」を追求し、集団とは何か?を明らかにしていきたいと思います。
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皮膚は第三の脳である
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胎内保育は免疫を抑制するレトロウイルスから生まれた
共同体社会と人類婚姻史 http://bbs.jinruisi.net/blog/2019/09/4292.html
から胎盤について引用させていただきます。
胎盤はどうやって生まれたか?
2.5億年前の史上最大の大絶滅を生き延びた哺乳類ジュラマイアの化石(1.6億年前)には、胎盤があった。
これによって、赤ちゃんは母親の子宮に密着し、栄養や酸素を母親から受け取れるようになった。哺乳類も元々は、受精卵を殻で覆い外へ産み落としていたが、受精卵の中にある赤ちゃんの尿を溜める袋が発達し母親の体の一部に密着したのです。これが胎盤となり子供は母親の胎内に留まって育つようになった。
胎盤の登場によって子供が無事に育つ確率は卵の時代に比べて飛躍的に高まった。なぜ哺乳類は突如、胎盤を手に入れることができたのか?
PEG10という遺伝子が重要な役割を果たしている。この遺伝子は1.6億年以上前に突如現れ、その後の哺乳類に受け継がれた。PEG10遺伝子は、様々な病気を引き起こすレトロウイルスとよく似ている。レトロウイルスが祖先のDNAに入り込み、胎盤を生み出すPEG10遺伝子になったと考えられる。
胎盤には、ウイルスから貰ったとも考えられる不思議な能力が備わっている。それは、母親の免疫を抑えるという能力である。
親子であっても時に血液型すら違う別人である。そんな赤ちゃんが体内にいれば、母親の免疫によって異物とみなされ攻撃される。それを胎盤が母親の免疫を抑えることで防いでいる。レトロウイルスも相手に感染するために免疫からの攻撃を抑える能力を持っている。この力がレトロウイルスをDNAに取り込んだ哺乳類にも伝わり、胎内保育を可能にした。
その後、胎盤の能力は強化され、子を身ごもる期間は長くなっていった。安全な母親の胎内でより成長してから生まれてくるように。