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胎内保育は免疫を抑制するレトロウイルスから生まれた

共同体社会と人類婚姻史 [1]  http://bbs.jinruisi.net/blog/2019/09/4292.html

から胎盤について引用させていただきます。

胎盤はどうやって生まれたか?

2.5億年前の史上最大の大絶滅を生き延びた哺乳類ジュラマイアの化石(1.6億年前)には、胎盤があった。
これによって、赤ちゃんは母親の子宮に密着し、栄養や酸素を母親から受け取れるようになった。哺乳類も元々は、受精卵を殻で覆い外へ産み落としていたが、受精卵の中にある赤ちゃんの尿を溜める袋が発達し母親の体の一部に密着したのです。これが胎盤となり子供は母親の胎内に留まって育つようになった。

胎盤の登場によって子供が無事に育つ確率は卵の時代に比べて飛躍的に高まった。なぜ哺乳類は突如、胎盤を手に入れることができたのか?
PEG10という遺伝子が重要な役割を果たしている。この遺伝子は1.6億年以上前に突如現れ、その後の哺乳類に受け継がれた。PEG10遺伝子は、様々な病気を引き起こすレトロウイルスとよく似ている。レトロウイルスが祖先のDNAに入り込み、胎盤を生み出すPEG10遺伝子になったと考えられる。

胎盤には、ウイルスから貰ったとも考えられる不思議な能力が備わっている。それは、母親の免疫を抑えるという能力である。
親子であっても時に血液型すら違う別人である。そんな赤ちゃんが体内にいれば、母親の免疫によって異物とみなされ攻撃される。それを胎盤が母親の免疫を抑えることで防いでいる。レトロウイルスも相手に感染するために免疫からの攻撃を抑える能力を持っている。この力がレトロウイルスをDNAに取り込んだ哺乳類にも伝わり、胎内保育を可能にした。

その後、胎盤の能力は強化され、子を身ごもる期間は長くなっていった。安全な母親の胎内でより成長してから生まれてくるように。

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