2006-08-01

BBC製作エイプマン<第5回>「アフリカからの出発」(前編)


さてさて中断してましたが、今回からはひさびさにまたBBC製作のエイプマンについてまとめてみる。
今回は、「アフリカからの出発」ということで、現生人類の直系の祖先の特徴は何だったのか、どのようにして世界に広がって行ったのかを探っていく。
人類の歴史は、人類の祖先が直立歩行を始めてから数えると700万年とか600万年とかと言われているが、私たち人類に直接繋がる種が登場したのはたった20万年~15万年前だったようだ。それまでの種や亜種は全て絶滅してしまったということ。
それと、この回のポイントのもう一つは、人類の脳や人間らしい特徴発達はヨーロッパで起こった、と欧米の学者どもは考えていたのだが、それはアフリカで既に起こっていた、というところ。
欧米人の学者の一部(でも結構主流)は、勝手に我田引水の説を立てて、それに固執して事実の追及や科学の発展を遅らせることが多々ある。自分たちを含む人種がより優れているってことを証明したくて仕方がないんだよな、まったく…
この番組、他にもそういうバイアスがかってるかも…と思って読んでください。

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2006-07-27

たった2万5000年で急速に適応拡散した?霊長類の祖先

roris.jpg
初期の霊長類がどのような進化をたどったかの最新情報が、産経新聞(元ネタは東京新聞)に載っていたので、参考までに紹介。
リンク より
==========================
霊長類は5550万年前出現 温暖化で生息地急拡大
 霊長類で最古の化石が見つかっている「テイヤールディナ」属は、約5550万年前の始新世初期、地球が非常に温暖化した時期に、アジアに出現し、欧州を経て北米に急速に生息地を広げた可能性が高いことが分かった。ベルギー王立自然科学研究所や米ミシガン大などの研究チームが、米科学アカデミー紀要の電子版に発表した。
 霊長類の起源は、近年までは北米との見方が有力だったが、中国科学院が2004年、湖南省の約5500万年前の地層から霊長類(真霊長類)最古の頭骨化石を発見したと発表。この化石は、米ワイオミング州やベルギーで化石が見つかっているテイヤールディナ属の新種「アジアティカ」に分類され、アジア起源説が浮上していた。
 研究チームは、中国、ベルギー、米国の各種のテイヤールディナ属化石の出土地層について、これらの掘削調査データを使い、炭素の放射性同位元素による年代測定を厳密に行い、さらに、米国で最近新たに見つかった同属化石を含め、歯の形状を詳細に分析した。
 その結果、アジアで出現したテイヤールディナ属は、わずか2万5000年間に、連続的に進化しながら欧州、北米に生息地を急拡大したと結論付けた。
【2006/07/24 東京朝刊から】

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2006-07-16

進化における「自然圧力」と「種間圧力」と「個間圧力」との関係構造

P6250136.jpg
さて、先日の過去ログ『もっとも強い不全を抱えた生物がもっとも進化した』→リンクでこんな事を書いたが…
>「その時点で最も適応できていない、周囲に比べて著しく立ち後れた生物ほど次の次元の新機能を獲得することにより複雑化・高度化してきた」
>例えばこんなこと。その環境に適応している生物は基本的に表現型を変える必然性がないため、長期にわたってほとんど変化しない(古細菌、カブトガニ、シーラカンスなど)。次の段階へ進化する生物は、それまで適応できていた安住の地を追われて、新たな環境に挑戦しなくてはならなかった生物たちだった。

「逆境がきつければきついほど進化するんだ」というのは、厳密に考えていくと語弊がある(これは事実に反する。言い過ぎ^^;)。
つまり“最も適応できていない”んだったら生き残れないやん。死んでまうやんけ。とツッコまれると「その通りです」というしかない。
当然、死んでしまったら(絶滅してしまったら)「進化」もへったくれもない。

リンクこの過去ログの人類もそうだが、ギリギリのところで絶滅を免れて生き残っている、という前提でなくては話にならない。
強烈な逆境の中でもかろうじて命をつないで、その結果壁を乗り越えたら、気付いた時にはいつのまにやら「進化」していた…ということだろう。
物理的な外圧の極端な変化(極端な例だが、今すぐ平均気温が30度上がったり、酸素が大気の2%になったり、水が全部凍りになっちゃったり)があったら、ほとんどの脊椎動物は死滅してしまう。
>例えば、古生代と中生代の間の「PT大量絶滅」、中生代と新生代の「KT絶滅」などですリンク 阪本氏)
このようにして、過去にも何度かの大量絶滅が起こってきた。
※画像の出典はここから↓
リンク
強力すぎる自然外圧は、生物の種を大胆にバッサリと削っていく。そんな中では、種は多様化・適応放散するどころか、どんどん絞られていく。
1.もし、その中でかろうじて生き残ることができれば、その自然外圧に対応して適応的な生物種が優勢になり、獲得した本能でもっとも生きやすいニッチを占める。
2.そこで種が多様化してきて、新たにできた種の間での生き残り闘争が始まる。「自然外圧」には適応できてるということが前提で、もっぱら、種間の闘争に有利な機能をいかに獲得できるかという競争になる。
他の様々な生物種の関係性の中でうまいことニッチを獲得しえた生物群はそこに居座れるが、その群の生物が生きられる物理的環境を追われる生物群も出てくるだろう。
前者は、何億年何百万年と形態を変えない生物(古細菌、カブトガニ、シーラカンス、ゴキブリさんなど)で、後者は、変化し複雑化し続けてきた生物群(真核生物さらに哺乳類~サルそして人類に至る系譜)である。
3.で、種間闘争において安定したニッチを獲得できた状態では、その生物種内の個体間闘争(もっぱら性闘争)が圧力として認識されるようになる
この、外圧の“次元”“段階”というものを考えて初めて、生物の適応原理や進化が構造化できるのではないかと思うのである。

簡単に言うと…
*「自然外圧」に適応できていなければ、「種間闘争」どころではない。
*「種間闘争」において生物学的ニッチを押えていないと、「個間闘争(性闘争)」どころではない。

(よーするにメシも食えてないのに戦争どころではない^^;)
っと言ったところだろうか(これまた厳密に言うと、生物はこれら全ての外圧に同時に適応していないと生きられないので、あえて概念区分したとしたら生物にとっての優先順位は上記のように認識されるだろう…、という意味で捉えてください)。
上記を整理するうえで、非常に参考になる投稿があるので一番下に紹介しておく。ぜひ読んでみてほしい。
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『外圧適応態』(吉国幹雄氏)より
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2006-07-14

人類の祖先のほとんどは死滅していた(人類の拡散状況)

toba.jpg
※↑画像はトバ湖(インドネシア)の世界最大のカルデラ
さて、この間続けてきた人類の進化について、最近知ったサイトからの気付きを…。
ここ、ウィキペディアを見ると
リンク
ヒト亜科で6属、ヒト属だけだも9種の人類の亜種の化石が見つかっているけど、現存している人類は私たちホモ・サピエンスの一種のみ
これら人類の亜種の中には、ジャワ原人のようにアフリカを出て遠くまで広まった種もいたようだが、ホモ・サピエンス以外の亜種は一人残らず死に絶えてしまったようだ。
人類の祖先が、いかに大きな、想像を絶するような厳しい自然外圧にさらされて生きていたかが分かる。
記憶ではたしか百数十万年前にホモ・エレクトゥスの系統がアジアまで広がったけど、絶滅
そのあと50万年くらい前から、ホモ・ハイデルベルゲンシスの系統がアジアやヨーロッパに進出するも、これまた絶滅(細い糸でホモ・サピエンスに繋がってる可能性は残るけど…)。
またそのあとに、ホモ・ネアンデルターレンシスの系統がヨーロッパに進出→またしても絶滅
そして我らがご先祖様ホモ・サピエンスの系統がアフリカを出てヨーロッパやアジアを経由して全世界に広がっていくことになってたはず(←定説によるとだが)。
“Jurney of Mankind”
リンク

↑このサイトはなかなかすごい。必見!
14万年前以降の人類の拡散を時代を追ってアニメーションで見れる。
これを見ると…

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2006-07-10

BBC製作エイプマン<第4回>「狩りと分業の開始」

aborijini.jpg
さてさて、引き続きBBC製作のエイプマン<第4回>についてまとめてみる。
今回は、「狩りと分業の開始」がいつだったかを化石資料から探る
これまでは、弓矢の発明がだいたい今から1万数千年前だったことから、その1万数千年前くらいまでは、他の動物より圧倒的に弱い人類は穴倉に隠れて暮らしていたのだろうと考えていたのだが、30万年というかなり前から、結構な道具を作って野獣たちと張り合ってたのではないか?という仮説が出てきている。
そのへんに注目してみておくれ。
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2006-07-06

エイプマン第三回 人類の脳の発達はかなり後

apeman.jpg
引き続き、淡々と前回の「エイプマン」の第三回のレポートをしたい。
内容はおもしろいのだけど、途中に入る大げさな音楽と想像映像はやめてほしいな…。もっと淡々と事実を繫ぐだけにして欲しい(ドラマ性アップのためかもしれないが、映像イメージで変な固定観念を増幅させようという意図が感じられてよろしくない)。
ではここから<第3回>「変わり始めた身体」
インドネシアのジャワ島はユンガワン河のほとりで、1891年、ユージン・デュボアによって人類の祖先の化石が発見された。
身体は人、頭は類人猿に近かった。彼は、「この化石こそがミッシングリンクを埋めるものだ」という仮説を発表した。
しかし当時のほとんどの科学者は彼の説を無視した。
「人類の祖先は頭が大きいはずだ」と学者たちは期待していたので、頭が小さかったその化石は人類の祖先のはずがない、と考えられたのである。
それが、150万年前に生きていた人類の祖先=原人 ピテカントロプス・エレクトゥスの化石だ。
この化石は、おそらくアフリカで暮らしていたホモ・エレクトゥスの子孫で、獲物を追ってアジアまで移動したのだろうと考えられている。つまり、アフリカを出てジャワ島まで広がっていった初めての人類の祖先ということだ。
次に、人類学者として著名なリチャード・リーキー博士が登場。
彼は、化石ハンターのK.キメウ(ルイス・リーキーの元助手)を中心として発掘チームを結成。アフリカはケニアのツルカナ湖において発掘調査が始まった。しかし、1ヶ月の調査でも何も見つからず。
トゥルカナ湖に流れ込む干上がったナリオコトメ川でやっと150万年前の人類の祖先の化石が発見される。
ホモ・エレクトゥスの若い男性のものと推測された。頭蓋骨だけでなく全身骨格が出土し、この化石は「ナリオコトメボーイ」と名づけられる。
化石の特徴:額の部分が狭くて、目の上はすぐ頭頂部に繋がっている。
        歯 12歳ほどの少年。歯から全身に菌が広がった?敗血症?
        左目のすぐ上の部分=ブローカー領(言語機能を担う領域)の頭蓋骨にくぼみ
        もしかしたら言葉を話すことができたかもしれない?
        脊柱側湾の症状。類人猿はこの病気にはかからない。
        骨が丈夫(スポーツ選手でもここまではいかない)。
        彼は死んだ時まだ成長途中で、もし成人するまで生きていたら、
        身長180センチを超えていただろう。今の人類より大きく力が強い。
リーキー博士の発掘調査隊の一員だったウォーカー博士の談話。
>脊椎骨の中心の穴が非常に細いのはなぜ?と疑問に思った。
人類の脊椎の穴は神経が多いので太い。しかし、発掘された脊椎骨の穴は極めて小さかった。
サリーローハンプトン大学アンナ・マクラーノン博士は…
>呼吸のコントロールをする神経組織が通るには脊椎骨の穴が小さく、言葉を話すために十分な神経が通っていたとは考えにくい。
>おそらく、チンパンジー程度のコミュニケーションしかできなかったのであろう。

ウォーカー博士は、当時は、ブローカー領域の発達を根拠に「言語をしゃべれたのではないか?」と考えたが、それは否定され、ツルカナボーイは言葉はおそらく話すことができなかったと推測された。
身体の大きさから考えて脳の大きさが著しく小さい(一般動物の基準値くらいしかない)。
言わば、脳容積を基準とすると「1歳の赤ん坊の脳を持った大人」という感じ。
150万年前の人類の祖先の脳は、まだそれほど発達していなかったということが推測された。
>もし仮にその生物(ツルカナボーイ)に出くわしたとしても、獣に出会ったような感覚を覚えるだろう。意思の疎通はほとんどできないと考えられる。(ウォーカー博士)
人類の祖先は、420万年前からずっと二足歩行していたのにもかかわらず、150万年前まで脳は未発達のままだった。
ダーウィンの「二足歩行によって手で道具が使えるようになったので脳が進化した」という仮説は成立しないことが分かった。
第三回のレポートは、以上。
(たぶん分かりにくいと思うので、いずれもうちょっと整理して投稿しなおそうと思います)
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List    投稿者 staff | 2006-07-06 | Posted in 4)サルから人類へ…1 Comment » 
2006-07-05

人類の黎明期(BBC製作の“ape・man adventures in human evolution”より)

chinpanzee.jpg
人類の起源や歩みについて現在有力とされている説を、様々な化石資料や研究から紹介するおもしろい番組を見たので、紹介したい。
BS朝日で放映していたBBC製作の番組、BBC地球伝説「エイプマン」“ape・man adventures in human evolution”。7月6日、7日にも20時から再放送をするみたいなので、映る方で興味ある人はぜひ見てみてください(詳細→http://www.bs-asahi.co.jp/bbc/bbc_01.html)。
私が見たのは第二回から。まずは私自身の見解は横に置いておいて、番組に紹介されていた事実や説をそのままご紹介する。
>アフリカ各地で出土した猿人の化石を様々な角度から検証し、その姿形や生態、さらに進化のメカニズムを明らかにしていく。猿人は類人猿とヒトの中間段階と言われるが、2本足で歩行していた点を除けば、その実態は類人猿に近い。体も小さく、捕食動物の脅威にさらされていた猿人が、過酷な生存競争に勝ち残り、我々の祖先となり得たのはなぜか? 類人猿からヒトへと進化の道が開かれた過程を探る。
アウストラロピテクスの発見の回想シーン。
アウストラロピテクスは、アフリカのカラハリ砂漠南部の石灰岩の採掘場(タウング)で発見された。爆薬で吹き上げられた物の中に動物の骨の化石が含まれており。当時ヨハネスブルグにいたレイモンド・ダート教授のもとに運ばれた。
教授の分析により、この骨が現存するチンパンジーとも人類とも異なるものであることが明らかになる。犬歯はチンパンジーより小さい。類人猿は背骨とは斜めに頭を支えているのだが、その化石では背骨の真上に頭蓋骨があった。これは人類の骨格の特徴。
しかし、人類と比べると脳のサイズがはるかに小さい。ダート教授は、これを猿から人類への進化段階の途中の化石と結論した。アウストラロピテクス・アフリカヌスの発見である。
レイモンド・ダート教授は、骨格や周囲にあった他の動物の化石から、「キラーエイプ説」(“殺し屋のサル”説)と呼ばれる次のような仮説を立てた。
周りにあった動物の化石は、頭蓋骨が多かった。ヒヒなどを襲って生肉を食らっていたのだろう、と彼は考え、狩り→道具の発達→脳の発達が進化の牽引力だったと結論した。獣など外敵に対応するために武器を作ったことが人類への進化の始まりという説である。
しかし、その後、その説には多くの矛盾があることがわかってくる。
南アフリカのマカバンスガットで現在は既に絶滅したハイエナやキリンの骨が大量に発見された。それらは、故意に傷つけられたり折られたりしていたと考えられる跡があった。トバイアス教授らによって、同じ場所で人類の祖先の化石も発見された(骨盤の形状が人類に近く、二本足で歩いていたと思われる化石だった)。
ダート教授は、その時代の人類が武器を作るために動物の骨を加工していたのだという仮説を立てたが、トバイアス教授は異なる見解を持っていた。
その後、エチオピアのハダール山脈で300万年以上前の完全な猿人の骨格(ルーシーと名づけられる)が発見される。 身長1メートルちょっととかなり小柄で、人類と異なり指がまがっている(日常的に何かにつかまる生活をしていたらしい)。住んでいたのは、樹や岩の上だっただろうと推測された。もうひとつの特徴として、腸の容積が非常に大きい。←植物を主食としていたため長い腸が必要だった。つまり、骨格から見ても食性から見ても、類人猿とほとんど変わらない生活をしていたと考えられた。
これらの発見から、トバイアス教授は、ダート教授の「キラーエイプ説」は誤りではないかと考えるようになる。
動物の化石には頭蓋骨ばかりが多い。肉食動物は頭蓋骨を食べ残す傾向がある。そして、マカバンスガットの同じ洞窟から発見された、化石化した豹の下あごと猿人の子供の頭蓋骨の化石にあいた穴が一致した。それが、人類の祖先が獲物を狩る側=「捕食者」ではなく、獣に襲われる側だったことの間接的な証拠となる。
この説が発表された時、多くの学者が、これほどか弱い祖先がどうやって生き残ったのかを不思議に思った。この化石は「華奢な猿人」と名づけられた。
さらに、同時代の地層から異なるタイプの猿人の化石が発見される(ロブストス猿人。参考:http://www1.ocn.ne.jp/~kawamako/mitinori.htm)。頭蓋骨のてっぺんに盛り上がりがあり、奥歯と顎が非常に発達していた。体格も頑丈な猿人。「頑丈な猿人」と名づけられる。
K.リード教授は、マカバンスガットの洞窟へ再調査にでかける。洞窟からは、300万年前に絶滅したレイヨウの折れた骨が多数発見される。現在はサバンナであるマカバンスガットは当時は森だった。300万年前に起こった急激な乾燥化で森が喪失しサバンナ化したと考えられている。
猿人に残された選択肢は二つ。
新しい環境に適応するか、それとも絶滅するか…
頑丈な猿人(ロブストス猿人)は植物の根を主食としていた。
NY州立大学では、液体ゴムで脳のレプリカをとった結果を比較することにより、現代人は、「頑丈な猿人」ではなく「華奢な猿人」を起源とするという仮説を立てた。
以後「華奢な猿人」の研究が進む。
T.ロイ博士は、石の破片をつぶさに研究。石に当時の動物の毛や肉が付着しているのを見つけ、当時の人類の祖先は石を使って動物の死体を切ったり骨を折ったりしていたと考えた。
ラトガーズ大学のロバート・ブルーマンシャイン教授によって、タンザニアのオルドバイ渓谷で大量の動物の骨が多数発見される。それらの動物たちの骨には、肉食動物の歯型もあったが、その他にも骨の表面に小さな傷跡が存在した。ブルーマンシャイン教授は、「華奢な人類」が、レイヨウなどの動物の骨を、石をハンマーのように使って砕いていたと考えた。中につまった骨髄を食べていたのであろう。彼らは、道具を使用していたのである。
「華奢な猿人」は当時から肉食を始めていた。すると、植物食の種よりも腸が短くなる。消化のエネルギー効率が良くなる。これらの変化によって、食べ物の消化に使われていたエネルギーが脳にまわり、脳が発達したのだという仮説を立てた。
樹の少ないサバンナでは、昼間に動物の死体を見つけるのは困難。肉食動物に見つかって襲われる危険性が高い。しかも、肉食動物の食べ残しを、さらにハイエナが群れでやってきて残らず食べつくしてしまう。
「華奢な人類」は、そのハイエナの食べ残し、つまり頭蓋骨に囲まれてハイエナも手がつけられない脳と、骨を割って骨髄を食べていたのではないかと推測された。
石器の発明→道具を作れる猿人だけが生き残った。さらに大脳の発達。知能が高まる。たくさんの肉が手に入る。→ますます脳が発達。というスパイラルが起こったと考えられる。
これで、人類に向けての進化の土壌が整ったのだ、と番組では結論付けていた。
以上、第二回はそんな内容だった。
※画像は海外のサイトから拾ったチンパンジーの足の裏^^;)
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2006-07-04

もっとも強い不全を抱えた生物がもっとも進化(新しい機能を獲得)した

sakura.jpg
昨年放映されていたNHKスペシャル『地球大進化 46億年 人類への旅』http://www.nhk-book.co.jp/magazine/special/index_earth.htmlは、我々の「ご先祖様」の進化の歩みを追っていく番組。この番組を見て、強く印象に残ったことがある。
それは、この投稿の題にあるとおり「その時点で最も適応できていない、周囲に比べて著しく立ち後れた生物ほど次の次元の新機能を獲得することにより複雑化・高度化してきた」という事実だ。
例えばこんなこと。

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2006-06-19

『生命と場所』より…生命観

life%26position.jpg
知人に勧められた本=『生命と場所』(NTT出版:清水博著 1992)の序文に、とても共感したので、紹介したい。
004Pより
>新しい時代はまだ完全にその姿をあらわしていないが、地球規模の大きな変革期の今ほど、変化をリードする哲学や思想が必要とされるときはないであろう。その哲学や思想が、生命、さらにいえば「生きているシステム」の深い把握を基盤にして成立するものであることには疑問の余地がない。考えてもみよう。われわれの生命ばかりでなく、そのなかでわれわれの生命を存続させている環境の生命が、かつてこのような危機に直面したことはなかった。この危機の深刻さは、単に量的なものだけでなく、生命の多様性の消滅という不可逆な変化からきている。この危機はまちがいなく、われわれ人間の生きているシステムに関する根本的な誤解と、その上に立った欲望に発している
>近代がデカルトの「われ惟う故にわれあり」から始まったとすれば、新しい時代は、けっして閉じたものではない人間の生命を深くとらえ、己の姿を再発見することから出発するであろう。
005Pより
新しい時代の人間像は自他非分離な自己把握によるものでなければならないのだ。その意味では、われわれはまだ人間を発見していないが、同様にさまざまな組織、社会、国家、国際社会などの人間のシステムにも、自他非分離の形で生きていけるシステムに変貌させることを考えていかなければ、環境との調和はありえない。そのためにはまず生きているシステムの本質とは何かを知ることであろう。
さらに、312Pより
>精緻につくられ、理論として完結しているかのように見える近代科学の理論も、実際に適用してみようと思うとさまざまな穴があいているというのが、このごろの私の感慨である。ことに観察や問題の対象と、観察者や問題の回答者のあいだは、ほんとうは分けることができないのに、近代科学の理論では、これを分離可能なものとしてとりあつかっている。その影響を考えていくことが、近代の諸矛盾をのりこえる科学への入り口となる。
引用が長くなってしまったが、この文章を読むと、既存の思想体系としての「科学」は一つのパラダイムに過ぎず、そのパラダイムは行き詰まりを迎えているのだということにあらためて気付かされる。
既存のパラダイムにしがみつき権威を維持しようとする学者と、パラダイム転換の必要を強く感じる学者や人々の間の認識の差を埋めるのは大変だ。現在の科学にしても、旧い時代のパラダイムや現在の学界の権威に基づく認識バイアスがかかった結果存在している。旧いパラダイムから新しいパラダイムへの転換期として現在の「科学」を俯瞰する視点も重要かもしれない。
デカルト以来の“近代思想”の影響を色濃く受けた、“人間”および“観察主体”(自我)に絶対的価値を置く近代科学から、対象世界と同化した「自他非分離」の新しい世界の捉え方へと脱皮しない限り、「科学」は人類と世界を滅亡に導く道具になってしまう、ということを筆者の清水氏は危惧しているのではないだろうか。
人類も生物の一種(生命の原理は人類にも適用される)であり、しかも“近代自我”という人間が勝手に作り出した幻想が、対象世界を客観的に把握などできるはずがないということはもはや自明であり、この旧いパラダイムから抜け出した新しい対象世界把握・生命把握が必要だと思う。しかし、21世紀になって数年経つ今になっても、そういう可能性のありそうな思想や哲学や科学が一向に現れてこないのはなぜなのだろうか。
近代思想(人間第一主義や主体としての自我の肯定)という非科学的な(まるで根拠の無い)固定観念の縛りは、「科学」に思ったよりも深刻な影響を与えているのかもしれない。
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List    投稿者 staff | 2006-06-19 | Posted in 未分類 | 1 Comment » 
2006-06-07

「脳は他者の怒りや恐怖を無視できない」

douitusi.jpg
今日は、ワーヤード・ニュースから^^)
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050127303.html
>怒った声を聞くと、脳の中で音声認識に関連する部分である上側頭溝の働きが活発になることがわかった。
>被験者に対して、一方の耳から聞こえてくる怒鳴り声は無視し、もう一方から聞こえる普通の声に意識を集中するよう指示した時でさえ、fMRIの映像では上側頭溝が活発に働いていた。
>脳は重要な情報を含む可能性がある感覚信号を優先し、他のことに没頭していた心にも、その信号を伝えているということになる。

めっちゃ心当たりありますね~。
職場で誰かが怒られていたり、不機嫌な感じの人がいたりすると、思わずなんかギクっとしたりいやな空気になったりしちゃう。
後ろ向きの人が一人でもいると、周りみんなの気が重く沈んでしまう。
人間の同化能力のすごさを物語ってる現象ですね。
自分のことしか意識に無く、平気で不機嫌になったり、ヤル気なくダルそうにしている人は、それが周りの活力をいかに下げているのかを認識した方がいいですね(自戒もこめて^^;)。
自分へこだわりを捨てて、周り人の脳を元気にする人になりたいものです。
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