2006-12-16

猿の同類闘争の激しさ

 原猿→真猿→人類と進化する中で、個体間の性闘争、集団間の同類闘争は重要なキーワードとなります。でも、なんとなく現在の猿を見ていても激しい闘争というのは思い浮かばない気がします。
 しかし、人間に最も近いチンパンジー、あるいは類人猿を除くサルのなかまで最も利口だとされるヒヒなも実は「猛獣」といえるほど凶暴だそうです。
■チャクマヒヒ(アフリカ南部に棲む大型のヒヒ。雄:体長80~100cm、体重30~50kg。)
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■チンパンジー (アフリカ中央部:タンザニアからギニアにかけてに棲む。雄:身長1.5m、体重40~55kg。動物園で90kgの記録がある。)
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【参考】「マセマティック放浪記」 想像以上の知能をもつチンパンジーだが、彼らの身体能力もまた凄い。吉原さんは、チンパンジーは猛獣だと断言する。その握力は三百キロに近く、相手が本気で力を込めたら人間の指の骨などたちまち折れてしまう。腕力もたいへんなもので、八十キロもある鉄板を空中に放り上げ、すばやくその下をくぐり抜けるという芸当など朝飯前なのだという。脚力も凄じく、足で物を押さえたり引っ張ったりする力は三百五十キロにも達し、垂直飛びにいたっては、三・五メートルから四メートルにも及ぶのだそうだ。また、成獣の場合、体重は軽く八十キロを超えるから、全力で体当たりされたり、横に力いっぱいはたかれたりしたら、並みの人間は一発で致命傷を負い、ダウンしてしまうという。よく、三輪車や自転車に乗る芸達者なチンパンジーがいるが、ふだん遊んでいるときにそれらを与えても絶対に乗ることはないらしい。彼らにとって、それは苦行にも近いことのようで、放っておくと、その馬鹿力をもって三輪車や自転車をグニャグニャ、バラバラに分解してしまうという。

 どうですか。チンパンジーの身体能力は恐ろしく高いのですね。そして、その特徴として他の霊長類には見られないような残虐性も持ち合わせているようです。同じ霊長類のオナガザル科のアカコロブスを狩りをして捕まえ食ってしまうことは既に知られていますが、とうとう次のような事件まで起こっています。

アフリカ西部シエラレオネのタクガマ動物保護区域で、数頭のチンパンジーが米国人3人を乗せたタクシーに襲い掛かったという!チンパンジーは握力は300kgもあり、人間など足元に及ばないほど怪力の持ち主だ!!そんなチンパンジーが拳でフロントガラスを叩き割りそして地元の運転手を引きずりだし、首を押さえつけて地面に叩きつけ、両手、両足の生爪を剥がしたうえ、最後は顔面全部を食べ尽くして逃走したという。あまりにも残虐非道ぶりは目に余るものがある。

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 現代の霊長類にも痕跡の残る闘争性や攻撃性を見れば,初期の真猿段階の同類闘争がいかに激しいものだったか、少しは想像できるのではないでしょうか?

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List    投稿者 center_axis | 2006-12-16 | Posted in 4)サルから人類へ…No Comments » 
2006-12-15

微笑みの起源を探ると…

 真猿は顔の表情筋が発達しており、威嚇・劣位・笑いなど、少なくとも、10種類の表情があることが分かっているそうです。(サイトによれば30種というところもあるくらい)
 ところで、私は表情の中でもやはり笑顔が一番ステキ!と思うのですが、笑顔が作れるのは、霊長類の中でもボノボなど一部のサルとヒトだけなのだとか。
 ボノボは、仲間とのコミュニケーションのため、楽しい時うれしい時に「歯を見せる」ようです。ヒトもにっこりと白い歯を見せると、笑いや友好の表情になるで、同じですね。
 普通の動物は、歯をむき出しにすると犬歯が現れてどちらかと言えば威嚇を表しますが、ボノボの犬歯は小さく、威圧感がないためにヒトと同じように友好を表すことができるようです。
 では、他の真猿に全く笑顔がないのかな?それを調べてみました。
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List    投稿者 zakky | 2006-12-15 | Posted in 4)サルから人類へ…No Comments » 
2006-12-14

シッポ(尻尾)のないサル:ホミノイド。

> ホミノイド-耳慣れない言葉だが、ヒトとエイプ(尾のないサル=類人猿)の総称である。広義の“人類”だ。ヒトは見詰め合うことで親愛の情を伝えることができて、赤ん坊は“新生児微笑”と名付けられている微笑を行う。それはホミノイドだけに見られる共通の特徴である。
(シッポ(尻尾)の化石がなかったんだね。)

進化 – 群馬県立自然史博物館 案内」より画像リンク
■1、霊長類:ピレシアダピス・第3紀暁新世から始新世・およそ5500万年前。(霊長類の初期。樹上生活への適応。リスみたいな感じかな)
霊長類:ピレシアダピス
■2、類人猿:プロコンスル・1800万年前・第3紀中新世。(最初の真のホミノイド。あ!シッポがない!!バランス悪そ~。)
類人猿:プロコンスル
■3、原人:ホモエレクトス・170万年前・第四紀後新世(木から落ちたサル。シッポだけでなく、足で木を掴めなくも…)
原人:ホモエレクトス
■4、現代人:ホモサピエンス ・およそ10万年前・第四紀更新世後期(逆境から這い上がり、共認機能と観念機能を獲得した人類。)
現代人:ホモサピエンス
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List    投稿者 toya | 2006-12-14 | Posted in 4)サルから人類へ…No Comments » 
2006-12-13

意識は脳のなかの水から生まれる!

今日は脳科学の先端理論の紹介です。脳は神経細胞(ニューロン)とそれを覆うグリアからできているのは皆さんご存知だと思います。そしてニューロンネットワークの接合部であるシナプスにはイオンチャンネルがあって、そこで情報がやり取りされていることもよく知られています。ではグリアは一体どんな働きをしているのでしょうか?実は、グリアは精密機械にたとえることができるシナプスを保護する役割を持つとともに、水分子の調整機能があって、それによって脳の活性・非活性の左右しているのです!
「水は生命の源」とよく言われますが、「水は脳=意識の源」でもあるのだとするこの説・・極めて興味深いと思いませんか?

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List    投稿者 yama3 | 2006-12-13 | Posted in ④脳と適応2 Comments » 
2006-12-11

人類は白目をもつ唯一の霊長類

■原猿→真猿、視覚機能の進化
■視覚の進化、猿の表情が豊かなのはなんで(共認機能の進化)①②
と続いていますが、双方に関係する特徴が人類にはあります。
それは、霊長類の中で、唯一人間だけが、白目を持っているということ。
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「目は口ほどに物を言う」「流し目」「色目」「伏目」「上目」「血眼」「目勝つ」「白目をむく」「目が飛び出る」
などなど、目にまつわる人間の感情表現は、他の顔のパーツ、口・鼻・耳とは比べ物にならないほど多様です。
目とコミュニケーション機能に関して面白い研究がありました。是非読んでみてください。
コミュニケーション装置としてのヒトの目の進化:http://www.ieice.org/jpn/books/kaishikiji/199906/19990601.html#01
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上記のHPを要約すると、白目をもつことで人類はどのようなメリットデメリットを得たのか、検証しています。
白目があると何処に目があるのか直ぐ分かる。目は急所で本来隠したい部分です。他の霊長類は体毛や肌の色に近い目の色をしていて、目をカモフラージュしている。白目があると、どちらを向いているか明解なので、次の行動が敵に読まれてしまう。デメリットがまず目につきますが、人間は大型化や道具の使用によって、視線のカモフラージュの必要性が低下し、逆に集団内での共同作業の為、言語のような音声コミュニケーションだけでなく視線によるコミュニケーション能力を進化させた。白目があることで、何を見ているのか、次にどんな行動をするのかを集団内で共有できたということです。

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List    投稿者 n1ce | 2006-12-11 | Posted in 3)地上へ進出した哺乳類(原猿から真猿へ)No Comments » 
2006-12-10

免疫機能はどうやって獲得したの?

こんにちは~ :D
さんぽ です。
本格的な冬 到来!
風邪の季節がやっきましたが、みなさん体調はどうですか?
日ごろ、健康に過ごせるのは、免疫機能のおかげなのです
ということで、今回は免疫のお話。
bonyu_image.jpg
なんと人は、1億種以上の抗原(ウィルスや細菌)に対応できるらしいです!
これは、先祖代々体験して克服してきた抗原との戦いの成果を、母子を通じて受け継いできているからなのです。
では、その免疫はどのようにして母から継承されるのでしょうか?
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List    投稿者 miwa | 2006-12-10 | Posted in 6)“祖先の物語”番外編No Comments » 
2006-12-09

サルの表情が豊かなのはなんで?(共認機能の進化)②

さて、表情の話に戻って「顔の進化」について詳しいサイトを見つけました。
大顔展
こちらのサイトからお借りしたお猿さんのイラストをよ~く見てください。
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他の哺乳類(犬や猫など)と比べて、何が違うか解りますか?
答えが知りたい方は、 のボタンをクリックしてから続きをどうぞ。
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List    投稿者 kawait | 2006-12-09 | Posted in 3)地上へ進出した哺乳類(原猿から真猿へ)1 Comment » 
2006-12-08

サルの表情が豊かなのはなんで?(共認機能の進化)①

視覚の発達は、真猿類~類人猿~人類への進化の過程においても、とても重要な役割を果たしています。
霊長類の視覚の発達については、
霊長類の視覚進化②
原猿→真猿、視覚機能の進化
でも語られていますが、樹上適応の中で発達させた視覚は、その後仲間の表情を読み取る為の機能として更に進化して行く事になります。
それが、
本能を超えた新しい機能(共感機能)の獲得②
にて紹介されている、

依存収束⇒期待収束し、互いに相手を『注視』し続ける内に、遂に相手も同じく依存し期待している事を発見し(探り当て)、互いに相手の課題=期待を自己の課題=期待と同一視して理解し合うに至ります。

の部分。
相手注視⇒同一視⇒不安を期待へと転換させて、安心感・充足感を得る、という過程。注視・同一視、ともに視覚によってお互いの表情を読み取る、真似る事によって不全を解消できる、という能力を身に付けたんですね。
見てください、こちらのサイトからお借りしたこの写真。
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赤ちゃんにこんな表情で見つめられたら、思わず笑顔になっちゃいますね
表情の発達に隠された秘密、知りたい方は↓をクリック!
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2006-12-07

原猿→真猿、視覚機能の進化

今日は の進化のお話。舞台は5300万年前。当時、地球上では気温が10~20℃も上昇し、広葉樹林が拡大して「樹冠(=枝の重なり)」が誕生していました。これは樹上生活者である猿類にとって、実に画期的な環境の変化だったのです。
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それまで原猿は樹間移動する際、「樹冠」が無い為、地上に降りる必要がありました。地上移動は命がけ 。肉食哺乳類が狙っているからです :twisted: 。ワオキツネザル(原猿)のようなユーモラスな2足スキップ歩行 は、TV番組でもお馴染みですが、あれは、視野を高くし周囲を警戒しながら、次の樹木へと全力で地上移動する姿なのです。地上移動は危険と隣り合わせの決死行でした
それが、5300万年前「樹冠」が登場したことで、地上に降りずとも、枝から枝へと飛び移り移動することが出来るようになったのです。この新しい環境に適応しようと進化したのが目の構造でした。大きくは3点、新しい視覚機能をこの時に獲得し、原猿から真猿へと進化しています。
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2006-12-06

原猿から真猿へ:脳の進化

生物の進化は塗り重ね構造です。
その進化の特徴を最も顕著 に示しているのが、脳の進化です。
 
脳は、脳幹→小脳→大脳→大脳新皮質と塗り重なって進化してきました。
は虫類の脳と呼ばれる脳幹・小脳
ほ乳類の脳と呼ばれる大脳
霊長類の脳と呼ばれる大脳新皮質
 
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図1(http://www.brain.riken.go.jp/japanese/g_braaw/g2.html#topより)
大脳は赤、小脳は黄、間脳は緑、中脳は青、延髄は茶色、嗅脳(嗅球など)はオレンジで示した。中脳と間脳、延髄を合わせて脳幹と呼ぶ。ニホンザル、チンパンジー、ヒトでは、大きく発達した大脳が間脳と中脳を覆っている。
 
図1より、サルの段階で、ほぼ人に近い脳に進化していますね :o
 
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