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精子と変異(仮説)

Posted By marlboro On 2007年11月28日 @ 6:48 PM In ①進化・適応の原理 | 1 Comment

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http://www.gizmodo.jp/2007/03/post_1181.html [1]

前回までの記事で、精子には中心体があり、卵子には中心体がないという記事がありました
今回はさらに突っ込んで、

中心体が精子由来なのは何を意味するのか?
を考えてみましょう

その前に、いつものやつお願いします
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中心体が精子由来なのは何を意味するのかを展開する前に、改めて『中心体って何?』を詳しく見てみることにします。

●中心体って何?
・中心体の主な役割は、細胞分裂(有糸分裂)時に精密な細胞分裂と、染色体を正確に複製するための分裂装置としての機能があります。さらに、鞭毛の動きをコントロールする等、司令塔の役割を担っています。

・中心体は、RNAとタンパク質の複合体である、RNP(リボ核酸タンパク質)という物質で構成されています。

・RNPに含まれるRNAの主な特徴は以下
加水分解する=水に溶けやすい
反応を促進しやすい=酵素作用
逆転写できる=RNAからDNAに遺伝情報を転写できる(RNAワールド)
作りやすい=実験室で人工的につくれる(DNAは作れない)


RNAは、DNAが2本鎖なのに対して、ほとんどが1本鎖で存在しています。また、反応性が高いことから、鎖の切断や結合の柔軟性を持っています。

別の見方をすれば、DNAが安定性が高い構造をしているのに対して、RNAは変異性が高い構造をしており、RNAを含むRNPも同様に変異性が高い構造と言えます。

以上から、精子とは、『中心体(RNA)→変異性を組み込んだ配偶子』ということができます。逆に中心体を持たない卵子は、変異性を避けて安定性に特化した配偶子と捉えることができます。

精卵分化の本質はまさにここにあるのです
そうだとすれば、次に考えられることは、中心体を持つ精子には、通常のDNA情報以外に何らかの情報を伝達する仕組みがあるのではないか?ということです

そこで、前回の劇場では以下のような仮説が提示されました

●外圧変化⇒変異を伝達するシステム(仮説)

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哺乳類のオスの体細胞には抗原タンパク質(HY抗原)という物質があり、さらに精嚢と精巣を結ぶ輸精管の途中には、抗原物質?を精子に浴びせるシャワー機能があることがわかっています

これらから考えられることは、体細胞で外圧変化(大気etc)の異変をキャッチして、何らかのパスを経由して、精子に伝達するシステムを哺乳類のオスが持っているということ

仮説ですが、オスの体細胞でキャッチした外圧変化を精子(中心体)へと伝達し、通常のDNA情報とは異なる変異情報を継承、もしくは、変異情報を通常のDNAに転写して、遺伝的に継承していく機能が精子(中心体)にはあるのではないかと考えられるのです   
中心体が組み替わりやすいRNAで構成されていることも考慮すると、十分ありえる仮説です
(DNAは安定構造なので、シャワーを浴びても組み替わることがない。)

さらに、上記の仮説を用いれば、数々の謎の答えに迫ることができそうです :roll:
いまだダーウィン初め、誰にも答えがだせていない生物進化史上最大の謎「カンブリア大爆発 もその一つです

というのも、生物学会でも有力な説に、進化は偶然の産物(突然変異)で起こるというのがあるのですが、もしそうであるなら、生物の歴史を長いスパンでみれば、種の発生率は平均化していくはずです
しかし、事実は異なっていて、前述のカンブリア大爆発などは、たかだか800万年~1000万年の短いスパンの間に、それまで数十種だった生物の数が一気に1万種まで大量発生してます

突然変異がたまたま起こるのであるならば、カンブリア大爆発の種の大量発生は、確率的におかしく、説明がつかない・・・ :cry:

だとすれば、、変異は偶然に起こるのではなく外圧に規定されている と考える方が自然です

HY抗原は、現在のところ、哺乳類のオスにしかみられない物質ではありますが、原初動物にも哺乳類ほど高度化されていないまでも、外圧の変異情報を伝達するなんらかのシステムが備わっていると捉えることができるのではないでしょうか

実際、ネットでいろいろ検索してみたら、中心体の研究に詳しいお茶の水女子大学の根本心一氏が、ヒトデ精子中心体に核ゲノムとは異なる新規DNAの存在を発見したとの報告もありました :P

まだまだ、追求が必要な部分を残しますが、だからこそ、生物史は奥が深い と言えます

最近では、本屋さん で生物専門書を買ったり、読み漁る日々を送っているやっさんがお送りしました

次回は、オス・メス躯体分化についての記事がUPされる予定です。お楽しみに~


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