『P』の秘密(リンって、なに?)②
前回 の続きです。本来なら、生物系のブログとしてはATPについて言及すべきところでしょうが、ちょっと脱線してみます。
リン(P)は天然では単体の形では存在しません。リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムなどのように他の物質と化合した形で存在しています。
◆ヒト・作物・土壌の構成要素としての「リン」
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【動物】 ヒトの場合
・リンは人体中では6番目に多い元素で、体内に約1%(体重70kg の人では700~ 780g)含まれています。 そのうち約80%は骨格(*骨の40%がリン酸)を形成し、残りは筋肉などに多く含まれます。
*プランクトンから始まる食物連鎖により補給されますので、バランス良い食事をする限り不足をきたすことはないようです。最近は加工食品等の中に保存料として多用されているために、むしろ、過剰摂取には気をつける必要がある、といいます。
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【植物】 窒素 リン カリウム
・作物 3.0% 0.23% 1.4%
・土壌 0.1% 0.07% 1.4%
*土壌リンの加給度は小さく循環も殆どしないので、長期にわたってリンが補給されないと、耕地の生産力は著しく低下するようです。
リン含有の高いものとしては鳥糞や動物の骨があり、インカ族はグアノ(鳥糞石)を採掘利用していたし、日本でも江戸中期には牛馬の骨や鯨、鰹などの大型海棲動物の骨を肥料として商う組織があったそうです。
*昔見た映画の中で、大輪の植物を仕立てていく主人公が、競争相手に悟られぬように「秘策」を講ずる場面で、鰹だか鮪だかのアラを土壌に入れるシーンを見て、「そんなアホな?」と思ったのですが、きちんとした史実に則っていたのですねぇ!
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『P』の秘密(リンって、なに?)①
◆「リン」の発見
リンは、元素発見の歴史の中で、発見年代の記録のある最初の元素らしい。それは、ハンブルグのブラントという男によって1669年に発見された、という。彼は、尿を蒸発させてシロップ状にし、それを蒸留して得た赤色の液体を再蒸留したところ底に黒い沈殿物が生じたが、それを長時間焼く事で白く輝く物質(黄リン)を得たらしい。
1676年にはクンケルが、1680年にはボイルがリン元素を分離することに成功したが、製造法は公開しなかったにも関わらず元素としてのリンの存在は、徐々に一般に知られるようになった。1770年頃には、シェーレがリン灰石からリンを単離する方法とそれが骨の重要成分である事を明らかにした、という。(参考:「肥料になった鉱物の物語」高橋英一著)
膜ができるのはなんで??
こんにちわ。arincoです。前回は、の起源を探る研究について紹介しましたが、 今回は、そもそも現在の生物の膜ってどうなってるの?という所を探ってみました。
膜ってなんで膜になるんやろ?って思っていたのですが、だいぶすっきりしてきました。以外に知らない事がたくさんあって面白いですよー。ちょっと知りたいとおもってくれた方は、ぽちっとおして続きをどうぞー。
生命の起源(DNA、RNA、タンパク質ワールド説)の紹介
DNAに保存された遺伝情報が、RNAを介して、タンパク質を作る。
今では当たり前のように言われているこの一連の流れをセントラルドグマといいます。
DNA・RNA・タンパク質、それぞれ生物にとって、とても大切でなくてはならないものです。
生命の起源を考えるとき、この大切な3つの物質のどれが一番古くから存在しているのか、ということが度々議論されてきたようです。
🙄 やっぱりDNAが一番古い?
…と思いきや、酵素(タンパク質)の触媒作用がないと、DNAやRNAを長い鎖状につないでいくことができないとされています。
じゃぁ、タンパク質(酵素)が先にあったのかな?
…というと、タンパク質はRNAの鋳型をたよりに作られているので、RNAが先に登場していないとタンパク質は登場しないということになってしまいます。
うぅ~…。どうなってんの? 🙁
1950年代から、こうした議論がされてきたのですが、それらは「DNAワールド仮説」、「RNAワールド仮説」、「プロテインワールド仮説」と呼ばれています。
今日は、このへんの話を紹介します。
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短時間でプラスチックを処理するカビ発見!!
みなさん、カビってどんなイメージですか?
ジメジメ したところや、腐った食品に生えたりで、なんかイメージ悪い 😥
いやいや、カビの中にもすごいカビがいるんだよ 😀
そう思えた方は、なかなかの生物通です
今日は、そんなすごいカビちゃんをかがくナビよりご紹介します。
いつも、応援ありがとうございます
中心小体が細胞内小器官の配置を決定している
こんにちは、11月23日に開催されたなんでや劇場「生命の起源にせまる1~細胞分裂の司令塔は誰?~」に参加したドキドキが治まらないNISHIです。
なんでや劇場でも紹介されましたが、”細胞内”の様々な器官(細胞内小器官=オルガネラとも言います)の”配置”は、中心体によって決定されていることが明らかになりました。
今日はその詳細に迫ってみたいと思います。
画像は、「細胞内小器官の配置実験」に仕様されたコナミドリムシの細胞模式図
核小体は、もとはプラスミドだった?
真核生物の核小体はrRNAを作り、このrRNAを基にタンパク質の合成に重要なリボゾームが出来上がります。
原核生物も同様に細胞内に多くのリボゾームが点在しています。今回ご紹介する記事では、初期真核生物であるアメーバ鞭毛虫:Naegleria gruberiが、rRNAを核の情報ではなくプラスミドから作っているとのこと。
と言うことは 、プラスミドからrRNA→リボゾームを作っている原核生物もいるのではないか?と考えています。プラスミドとはこのブログでも何度か紹介されました(こちら)が、原核生物のDNAとは別に遺伝情報を持ち環状の形をしています。
ちょっとまだ飛躍 🙄 ですが、核小体とは、もしかしたら、もとはプラスミド?かも知れません。
では、以下紹介記事「大量の RNA は大量の設計図から」の抜粋です。
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上の写真は、「こちら」からお借りしました。アメーバー鞭毛虫:ヘテロロボサ(Naegleria gruberiではありません。)
11/23なんでや劇場レポート3
画像は「細胞周期 細胞増殖の制御メカニズム」よりお借りしました。
本日は『生命の起源にせまる~細胞分裂の司令塔は誰?~』第三弾。最終回です。
中心体の役割について迫ります。
論点は3点★研究発表されている事実を元に追求しています(仮説)
■原核細胞の中心体原基であった分子が、真核細胞では中心体に進化したのはなんで?
■指令塔である中心体の役割とは?
■指令塔が、単独のヌクレオチドやRNAではなりえなかったのはなんで?
=中心体という複合体(RNP)になったのはなんで?
応援よろしくお願いします。
11/23なんでや劇場レポート2 (補足)
生命原理の探究では、より原始生命に近い、原核の細胞分裂に踏み込む必要があります。しかし実は、分子生物学の世界でも、原核研究は真核ほど進んでいません。なんでや劇場で「仮説」とされたのは、このため。
本日は『生命の起源にせまる~細胞分裂の司令塔は誰?~』第二弾。研究発表されている事実を元に、原核と真核の各細胞分裂を比較しながら、分裂システムの原基構造に迫ります。
11/23なんでや劇場レポート1
『生命の起源にせまる1~細胞分裂の司令塔は誰?~』というテーマで11/23になんでや劇場が開催されました。そこで、今日から3回にわたってそのなんでや劇場で議論された内容を紹介したいと想います。今日はその第一弾です